シリーズ10周年を記念して、漢たちが暴れまくり!!

リメイクとあなどるなかれ! 「龍が如く 極」はファンもハマる“極”クオリティー

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むせかえる漢(おとこ)くささ、殺伐とした世界観、笑いも涙もすべて飲みこむ器のデカいゲーム性。そんな「龍が如く」にすっかりヤラれた筆者が、シリーズ10周年記念作「龍が如く 極」をプレイしてみた。第1作をフルリメイクした作品なのでストーリーもシステムも熟知しているが、“極クオリティー”に圧倒されまくり。40時間プレイしてもまだまだ遊び足りない「龍が如く 極」の魅力をお届けする。

そもそも「龍が如く」とは? 伝説の極道・桐生一馬、原点の物語

「龍が如く」は極道たちが織りなす人間ドラマ、血と汗がほとばしる死闘、神室町に散りばめられた遊びの数々で人気を博した大ヒットシリーズ。しかし、シリーズが10年も続くと「今さら『1』から追いかけるなんて大変……」と尻込みしてしまう人も多いのではないだろうか。確かに、「龍が如く」シリーズは途中からプレイしても問題なく楽しめる。でも、できることなら「1」から遊んでほしい! なにしろ「1」こそ、すべての原点。ストーリー的には過去を描いた「龍が如く0 誓いの場所」のほうが先だが、主人公・桐生一馬の生き様、完全再現された歓楽街、そこにぎっしり詰まった遊び要素など、シリーズのエッセンスがギュッと凝縮されているのはやっぱり「1」だろう。

「龍が如く」と言えば、この人! “伝説の極道”とうたわれる桐生一馬の男気が炸裂する!!

「龍が如く」と言えば、この人! “伝説の極道”とうたわれる桐生一馬の男気が炸裂する!!

「1」で描かれるのは、1995年の組長殺しに端を発する物語だ。当時の桐生一馬は、東城会堂島組舎弟頭補佐として将来を嘱望される存在。同じ養護施設で育った錦山彰も堂島組に属し、同じく施設育ちの澤村由美と共に若き日を謳歌していた。しかし、堂島組長が由美をさらったことから彼らの運命は急変する。息せき切って堂島組事務所に駆けつけた桐生が見たのは、拳銃を構えて放心する錦山、脅える由美、そして息絶えた堂島組長。次の瞬間、桐生はある決断を下す。それは病気の妹を持つ錦山に代わり、自らが組長を殺したことにする……つまり“親殺し”の罪を被ること。そして10年後、服役を終えて神室町に戻った桐生は、東城会から消えた100億をめぐる抗争へと巻き込まれていく……。

同じ施設で育った桐生と錦山は、親友同士。このまま2人で堂島組を背負っていくものと思われたが……?

同じ施設で育った桐生と錦山は、親友同士。このまま2人で堂島組を背負っていくものと思われたが……?

錦山彰、やっちまいました! 現場に駆け付けた桐生は、錦山をかばって“親殺し”の罪を背負う

錦山彰、やっちまいました! 現場に駆け付けた桐生は、錦山をかばって“親殺し”の罪を背負う

組からの“絶縁”も覚悟していたが、組織から渡されたのは復帰の可能性が残された“破門状”。“親殺し”という許されざる罪を負ったのに、なぜ……?

この冒頭部分だけでも、ヤクザ映画好き、Vシネ好き、サスペンスドラマ好きなら痺れまくるはず。親友のために10年も牢獄に入り、ようやく出所したかと思えば東城会は血なまぐさい内紛でドロドロ。かつての親友も別人のように変貌し、組を揺るがす策謀をめぐらせている。事件の鍵を握る幼い少女、謎の情報屋、元捜査一課の刑事、怪しい中国人など、登場人物もコッテコテに濃いキャラばかりで物語にグイグイ引き込まれていく。でも、どんどん先に進めるには、後述する“寄り道”要素が魅力的過ぎる。「早く先を知りたい、でももっと神室町で遊びたい!」と相反する気持ちが湧き上がり、自然とプレイ時間も長くなっていく……というのが、「龍が如く」のにくいところだ。

すべてが“極”クオリティー! 錦山の10年を描いたストーリーも追加

リメイク作となる「龍が如く 極」では、桐生が投獄されていた10年の間に錦山に何があったのかが語られる新エピソードが追加されている。各章のアタマにムービーが追加されるのだが、まあ錦山の不憫なこと……。ネタバレになるので詳細は避けるが、難病の妹を救うために奔走する兄妹愛、桐生への屈折した嫉妬心、捨てきれないプライドなど、人間くさい錦山の魅力がていねいに描かれていく。ボリュームはそれほど多くないが、「錦山はどうしてあんなことになってしまったのか」の理由はグイグイ伝わってくるはず。個人的には、髪をセンターで分けていた錦山がオールバックにするシーンでテンションぶち上がり!

「こりゃ屈折するわな……」と納得してしまう錦山の過去が明らかに。こ、これが不憫萌えか

「こりゃ屈折するわな……」と納得してしまう錦山の過去が明らかに。こ、これが不憫萌えか

しかも、すべてのグラフィックが美しくなり、感情移入度がさらに深まっているのも「極」の特徴。実は2014年に発売されたPS3版のHDコレクションをプレイしていたので、正直最初は「PS4とはいえ、そこまで変わらないでしょ?」と思っていた。でも、ゲームを起動して数秒後、B’zの稲葉浩志の歌と共に流れるオープニングムービーを見た瞬間に、「ごめんなさい」してしまったほど。当然、グラフィックの精細感は上がっているし、雨の神室町を歩く時には濡れたアスファルトに匂いまで感じられそうなリアリティ。各シーンは旧作と「極」で同じカット割りなので、見比べつつプレイするのも楽しいかもしれない。

建物や風景はもちろん、人の肌の質感もリアル過ぎる仕上がり。錦との対決など、数々の名場面が美しく蘇る!

建物や風景はもちろん、人の肌の質感もリアル過ぎる仕上がり。錦山との対決など、数々の名場面が美しく蘇る!

上から下から背後から! 狂犬・真島が襲いかかる!!

「龍が如く」シリーズではストーリーに絡んだバトルが勃発するほか、街を歩いているだけでチンピラやヤクザに絡まれることがある。シリーズを重ねるごとに攻撃がえげつなくなっていき、あまりに容赦ないボコりっぷりに笑いがこみ上げてくるほど。「極」では、そんなバトルシステムをさらに進化させ、4つのスタイルを自在に切り替えて戦えるようになっている。それが、オーソドックスな「チンピラ」、スピード重視の「ラッシュ」、パワータイプの「壊し屋」、究極スタイル「堂島の龍」だ。戦うほどに経験値が貯まっていき、各スタイルで使える技を増やしたり、最大HPを増やしたりとRPGのような育成要素も楽しめる。

獲得した経験値を費やすことで、各スタイルの能力を強化できる。どれから鍛えるかは、プレイヤー次第

獲得した経験値を費やすことで、各スタイルの能力を強化できる。どれから鍛えるかは、プレイヤー次第

路上にある看板、バイクなどを使って戦うことも可能(ただし「ラッシュ」では扱えない)。「壊し屋」スタイルなら、自動的に近くのものをつかんでブンブン振り回してくれる!

敵にダメージを与えたりアイテムを使ったりしてヒートゲージを溜めると、強烈な攻撃「ヒートアクション」を繰り出すこともできる。見ているだけで痛い!

ただし、「堂島の龍」だけはちょっと特別。経験値を割り振るのではなく、ある人物たちと戦うことで使える技が増えていく。なかでも大きな鍵を握るのが、真島吾朗だ。

真島の兄さんと言えば、シリーズNo.1の人気を誇る狂犬極道! とにかく血の気が多いのだが、その反面、シリーズを重ねるごとにお茶目というか妙に可愛くなっているあたりが憎めない。「極」では、そんな真島がどこからともなく現われて桐生に戦いを挑む「どこでも真島」システムを搭載。街中でバッタリ遭遇するだけでなく、巨大パイロンや車の中に隠れていたり、マンホールからヒョイッと顔を出したり、コンビニで立読みをすればガラス窓に張り付いていたり、ポールダンサーやキャバ嬢に扮して誘惑してきたり、もうやりたい放題。「どんだけ桐生ちゃんが好きなんだよ」と思うかたわら、「兄さん、寂しいの?」と心配になってしまうほどだ。ストーカーばりのしつこさに最初はイラつくが、真島とのバトルを繰り返さねば「堂島の龍」スタイルを極めることができない。いつのまにか「兄さん、どこ……?」と狂犬の影を探している自分に気付くはずだ。

マンホールから真島の兄さんが、こんにちは。それにしても兄さん、ノリノリである

マンホールから真島の兄さんが、こんにちは。それにしても兄さん、ノリノリである

最初は弱くてモタモタしがちな「堂島の龍」。条件を満たせば真島のアクションも習得できる

最初は弱くてモタモタしがちな「堂島の龍」。条件を満たせば真島のアクションも習得できる

遊びも食事も立ち読みもできる! 歓楽街・神室町を探索

「龍が如く」シリーズの大きな魅力となっているのが、ていねいに作り込まれた神室町。どこかで見たような街が再現され、土地勘がある人なら街をぶらつくのがさらに楽しくなるはず。しかも、ビリヤードやダーツ、ボウリング、ゲーセン、碁会所などのプレイスポットでは、実際にミニゲームも遊べてしまう。キャバクラやセクシーすぎるカードゲーム「昆虫女王メスキング」など、CERO D(17才以上対象)らしいアダルティな遊びも用意されている。そのうえ「養老の滝」や「PRONTO」など実在のお店で食事できたり、コンビニでは「ファミ通」「漫画ゴラク」などを立ち読みできたり、あちこち寄り道したくなる要素が満載! メインストーリーほったらかしで、あちこち駆けずりまわってしまうはずだ。

このゲートを見るだけで、テンション上がりまくり。今夜もネオンが、桐生ちゃんを呼んでいる

このゲートを見るだけで、テンション上がりまくり。今夜もネオンが、桐生ちゃんを呼んでいる

セクシーな昆虫の妖精たちを戦わせる「昆虫女王メスキング」。カードを集めてデッキを組み、ライバルを倒せ! というか、こんなゲームが子どもたちの間で流行っているなんて世も末としか言いようがない……

「龍が如く」と言えばキャバクラ! お気に入りのキャバ嬢を指名し、会話やプレゼントで仲良くなれば熱い一夜を過ごせるかも? 事件をほったらかしにして、キャバ嬢のもとに通う背徳感も楽しい

また、街を歩いているとさまざまなサブストーリーも発生する。メインストーリーを補足するようなものも一部あるが、大半は本筋から離れたエピソードばかり。桐生がマッチ売りの少女(?)になったり、桐生と刑事と情報屋のおっさん3人の中で誰がいちばんちょいワルおやじかを競ったり、シリアスな本編とはかけ離れた脱力系サブストーリーも多く、これがいい箸休めになっている。

遥と一緒に歩いていると、死にたがる男に遭遇。当然見過ごすわけにいかない!

遥と一緒に歩いていると、死にたがる男に遭遇。当然見過ごすわけにいかない!

個人的に好きなのは、「極」で追加された柔道家・篠原信一のサブストーリー。あの顔面、あの体格を完全再現しているうえ、演じるのも篠原本人。しかも激しく棒読みで、最初はそのやばすぎる演技力に震え上がったが、なぜか徐々にクセになり、最終的には「変な小芝居してない分、いっそ清々しいよ! 昼ドラに出た時の魔裟斗もそうだったし!」と思うようになってしまった。牛2頭を食べ尽くすなど豪快というか頭のおかしいエピソードが楽しめるうえ、地下闘技場で戦うこともできるので、ぜひ体験してほしい。

柔道家の篠原信一が神室町に降臨! サブストーリーをクリアすれば、地下闘技場で戦うこともできる

柔道家の篠原信一が神室町に降臨! サブストーリーをクリアすれば、地下闘技場で戦うこともできる

まとめ

以前読んだ昔の小説に、「大東京のホルモンを皆よせあつめてきたかのような精力的な新開地、わが新宿街」という一節があり、その熱気ほとばしる描写に大いに痺れたことがある。筆者にとって「龍が如く」も、この一節のようなもの。神室町のエネルギーがビンビン伝わってくるし、この過剰な感じがたまらないし、町を走り回っているだけでテンションが上がってしまう。ギラつくネオン、欲望にまみれた歓楽街、漢たちの死闘、極道の矜持……みたいな世界観が好きな人なら、絶対ハマるシリーズだ。

しかも「極」ならグラフィックもストーリーもシステムも進化しており、これまでシリーズをプレイしたことのない人も抵抗なく楽しめるだろう。また、シリーズファンも、「龍が如く0 誓いの場所」の後に改めて「極」をプレイすることで、桐生と錦山の関係性にグッと来るものがあるはず。さらに、今秋発売予定の最新作「龍が如く6」先行体験版つきとなれば、プレイしないわけにはいかない。というわけで、筆者はもうちょい神室町をぶらついてこよーっと!

(C)SEGA

野本由起

野本由起

酒とゲームを愛する“へべれけ”ライター。好きなゲームのジャンルはパズル、アドベンチャー、RPG。主要都市の歓楽街マップは「龍が如く」で覚えました。

製品 価格.com最安価格 備考
龍が如く極 [PS4] 5,230 アクションアドベンチャー
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2017.3.23 更新
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