本連載は、文房具ライターのきだてたくが、「価格.comマガジン」の編集担当・マキノに、便利な文房具をリモートで必死にプレゼンする様子を実況。もし紹介された製品の中で「欲しい」と思うものがあったら、それをマキノは実際に購入!……という自腹買い企画です。
第7回は、「Web会議を快適にするツール」をテーマに、3製品をプレゼン!
「価格.comマガジン」の編集担当・マキノ(左)に対し、文房具ライターのきだてたく(右)が、プレゼン!
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きだて 今回は、Web会議を便利にするツールを紹介しようかなと。これ、今まさに気になっている人が多いジャンルだと思うんですけども。
マキノ そんな気はしますね。
きだて 何だかんだで、最初の緊急事態宣言からもう1年半以上経って、皆さん、Web会議もある程度の数をこなしてきたでしょ。そろそろ「ここを改善したいな」という要望も溜まっているはずなんですよ。
マキノ なるほど。タイミング的にも、Web会議快適化ツールが求められている頃合いなんじゃないか?と。
きだて あと、コロナ禍が落ち着いたとしても、Web会議システムは継続して使われる気もしていて。やっぱり、移動せずに対面で話せるのはラクだし。
マキノ あー、それはありそう。
きだて マキノさんは、Web会議システムを使う頻度ってどれぐらい? 今、仕事はほぼフルリモートって言っていましたよね。
マキノ 編集部員間でのWeb会議は、毎週行っています。顔を映さず、音声のみですけど。メーカーさんの新製品発表会とかは、Web経由のものが増えましたね。あとは、クライアントとの打ち合わせの時などは、さすがに顔を映して行っています。
きだて そっかー。俺のようなライターは、Web会議システムをめちゃくちゃ使うんですよ。今までの対面打ち合わせはほぼこれに置き換わったし、インタビュー取材も同様で。
マキノ 高頻度で使っているわけですか。
きだて そうそう。で、結果として、いろいろと「ここを改善したい」も溜まるわけで、それを解決できそうなツールは逐一試しています。
マキノ それは、紹介してもらいたいですね。気になります。
きだて 実際、本連載も今は、オンラインミーティングアプリ「Zoom」を使って行っているじゃないですか。で、ごめんね……。初回からずーっと気になっているのが、マキノさんの顔色の悪さでさ(笑)(トップの写真を参照)。
マキノ (爆笑)。そんなこと、思ってたんすか! いやこれ、しょうがないんですよ。部屋の照明がムダにオシャレであまり明るくないタイプだから、どうしても顔が暗く映っちゃって……。
きだて 天井に付いている照明だけだと、そういうこともあるんですよね。だけど、Web会議って、そういうのも気になる部分ではあるんだ。
マキノ 確かに、映り具合は重要かもしれないですね。そうか、顔色悪いですか……。
Web会議の顔の映りをグッと向上させる「Web会議用スクエアライト」(キングジム)
きだて まぁまぁ(笑)。そこで、まず紹介したかったのが、キングジムの「Web会議用スクエアライト」。今、俺が実際に使っているんですけども。
マキノ そう! 今日のきだてさん、すげーキレイに映っているんですよ!
きだて 使うと効果はてきめんに出ますね。ちなみに、オフにするとこんな感じ。
マキノ おー、まったく違う! スゴい効いている!
ノートPC上部にクリップオン。ライトの角度は調整可能です
きだて このライトは、土台がクリップになっていまして、モニター上部とか、ノートPCの上端に挟んで、固定できるようになっています。
マキノ PCのカメラも大体その辺りに配置されているから、つまりカメラ正面からライトも当たる感じですね。
きだて ただ、このライト、ハチャメチャに明るくて。今、俺がライトから大体50cm離れているんですけど、ちょっと目が疲れるぐらいに明るい。
マキノ えー、そんなに明るいんだ。
ライトを使うことで、画面が明るくなる+黒目にハイライトが入る効果も。表情も明るく見えます
きだて でも、それぐらい光量が多いほうがいいんですよ。Webカメラによっては、ちゃんと明るさの調整もしてくれますけど、暗い状態を無理に補正すると、画質がガクッと落ちる。やっぱり明るいほうが圧倒的に映りはよくなります。
マキノ それって逆に言えば、性能のよくないPCのカメラでも、光さえあればちゃんと映るってことですか?
きだて そういうことです。あと、ライト本体の電源ボタンを押すと、光の色も変更できます。押すたびに「白色」→「昼光色」→「電球色」と切り替わるんですが、これは部屋の照明に合わせて設定してあげると、より映りがよくなります。
据え置きも可能なので、Web会議用だけではなく、スマホで写真を撮る時の補助ライトとしても使えます
マキノ ん? どういうことですか?
きだて え〜とね、簡単に言うと、色がかけ離れた光が混じっちゃうと、カメラが混乱して変な発色になるんですよ。顔色が紫色になったりとか。たとえば、白色の蛍光灯を使っている部屋なら、「スクエアライト」も白色に設定したほうがいいよ、ということ。
マキノ なるほどー。その辺りも気をつかってあげると、映りがよくなるんですね。実は、今一緒に住んでいる彼女が転職活動しているんですけど、今は面接も1次と2次まではWeb面接の企業が多いんですよ。
きだて おお、そりゃ絶対にライトあったほうがいいよ。やっぱり見た目の印象も、だいぶ違ってくると思うし。
きだて ホントごめんね。実はもうひとつ、マキノさんの映り具合で気になっているとこがあってさー(笑)。
マキノ えー、何なんすか! 何で今回は、俺のライフばかり削ってくるんですか!
きだて 今、「Zoom」での会議に使っているのって、ノートPCでしょ?
マキノ そうですけど……。え? 何ですか?
きだて ノートPCを机に置いた状態だと、カメラ位置が低いんですよ。常に下からのあおり画像になっているから、画面に顔が近いと、鼻の穴が常にバーン!と……。
マキノ そういうことか! (ノートPCを持ち上げて)これぐらいの高さならいいんですよね。
きだて そうそう、それぐらい。とは言っても、ずっと手で持ち上げているわけにはいかないでしょ。なので、Web会議にはPCスタンドがあるといいんだ。そのおすすめが、コクヨの「スライドボード付きノートPCスタンド <BIZRACK>」です。
ノートPCでの作業時にあると助かる「スライドボード付きノートPCスタンド <BIZRACK>」(コクヨ)
マキノ その「スライドボード付き」っていう部分が気になりますね。何なんだろう。
きだて その辺りは、あとで説明しますね。まずは、このPCスタンドですが、普段はこういう薄い板なんですけど、真ん中辺りからこう折り返して変形させると、ノートPCを載せて角度が付けられるようになります。
マキノ おー。ちゃんとPCスタンドの形になりましたね。
ほどよい角度で、ノートPCをリフトアップ(写真は15°)
きだて 折り方を変えてやると、15°か25°の2段階で角度調整も可能です。で、こうやって角度の付いたPCスタンドで作業をすると、まず首や肩のコリがラクになることがあります。長時間作業していても、疲れ具合が変わってくるんですよ。
マキノ へぇー! それはいいなぁ。
きだて 視線が上がるから首が疲れないし、腕から肩にかけて縮こまる感じが解消できるのも大きい。
マキノ そう聞くと、かなり気になります。
きだて もちろんカメラ位置も上がるから、顔の映りも下からではなくて正面に近くなる。だいぶ印象変わると思いますよ。
マキノ もう鼻の穴がバーン!にならない……。
きだて ……と、ここまでは普通のPCスタンドでもできることでして。この製品のキモは、やはりさっきも言っていた「スライドボード付き」の部分なワケです。
マキノ そこを聞きたかったので、お願いします。
きだて いざWeb会議しますよ、という時に、机の上がもうノートPCだけでいっぱい、ってこともあるじゃないですか。会議しながら手書きでノートとかメモを取りたいんだけど、そういうのを書くスペースがない。
マキノ うーん、場所によっては、そういうのありそうですね。やっぱり、ササッとメモを取りたいことは多いですし。
きだて そういう時は、スタンド下部のタブを引くと、硬めのボードがススッと出てきて、それを折り返してキーボードの上に載せると……。
引き出したボードを、キーボードに被せるようにパタンと折り返します
キーボードが、簡易的な机に早変わり! 筆記時にも十分な安定感があります
マキノ おー! そこが机になるんだ!
きだて そう。このボードの上でメモを取ることができるんですよ。ボードがしっかりしているので、上で書いていても不安は感じないですし、下にあるPCのキーが勝手に押されることもありません。Web会議で話している時は、キーボード使う機会も少ないから、これで問題なし。
マキノ これはよいアイデアですね。すげぇ便利。メーカーの新製品Web発表会の取材時にも使えそう!
きだて 最後はグッとシンプルになるんですけど、こちらいきましょうか。
マキノ ん? 何ですか? ノート? あっ、ホワイトボードだ。
きだて そう、ノート型のコンパクトなホワイトボードってやつ。学研ステイフルの「Write White」というシリーズの中で、いちばん小さいB6サイズです。
3枚(6ページ)のボードをリングノート状に綴じた「Write White B6」(学研ステイフル)
大き過ぎず、ササッとメモを取るのにもちょうどいいサイズ感
マキノ あえてのB6サイズなんですね?
きだて ノート型ホワイトボードっていろんなメーカーから発売されているんですが、基本的にはA4やB5サイズがほとんどなんですよ。
マキノ ノート型ホワイトボードが出始めのころは、オンラインじゃなくてリアルの会議で使う想定でしたもんね。
きだて そうなんですよ。ただ、Web会議でカメラ越しにボードを映して見せようとすると、それでは大き過ぎで。いろいろ試した結果、B6サイズがベストじゃないかな、と。これだと、自分の映像フレーム内にボードと自分の顔が一緒に映れるぐらいのサイズ感になるんだ。
数人が映ることで狭くなった画面でも、文字が十分に視認できて、かつ顔も映し込めるのが、B6サイズのホワイトボード
マキノ おー、そういう理由ですか。
きだて オンラインミーティングアプリの「Zoom」や「Teams」にも、ホワイトボード機能は付いているんですけど、あれ、めちゃくちゃ使いにくいでしょ。テキストはともかく、矢印とか線はマウスで書かなきゃいけなくて、やりにくい。
マキノ わかります。誰でもペンタブ持っていると思うなよ、的なやつですよね(笑)。
きだて とはいえ、ミーティングの進行を把握するのにホワイトボードは欲しい。だったら、進行役の人がノート型ホワイトボードに手書きして、ことあるごとにカメラに映す、というほうが手軽なんですよ。
マキノ 言われてみればそうかもです。
きだて もうひとつ、「Write White」には面白い使い方があって。表紙のフチに黒い半円が付いているの、見えます?
マキノ うん、何か付いていますよ。これ、何ですか?
きだて 表紙と裏表紙にそれぞれ付いているんですが、これ、滑り止めなんですよ。表紙を折り返した状態で机の上に置くと、ほら。
自立させれば、在宅ワーク中のToDo管理にも便利なひとり用ボードに!
マキノ あ、ボードが自立するんだ。
きだて たとえば、ひとりで作業する時に、今日のToDoとかをボードに書いて立てておくと、いつでも目に入るという。
マキノ 会議用だけじゃなくて、ひとりで使うのにも便利なんだ。その使い方もいいなぁ。
きだて あと、個人的にはこれがいちばん大きいポイントなんだけど……、側面にペンホルダーが付いていて、そこに付属のボードマーカーが入っています。
マキノ ありますね。キャップにイレイザーが付いている、割と普通のマーカーに見えますけども。
きだて このマーカーは某社のOEMなんですけども、ペン先だけ「Write White」のオリジナル仕様になっているんですよ。
マキノ 何が元のマーカーと違うんですか?
きだて 線が細いの。一般的なホワイトボードマーカーは線がそこそこ太いんですが、「Write White」の付属マーカーは大体0.8mm径のボールペンくらいの線が書けます。ボードサイズがB6と小さいので、これぐらい線が細いほうが書きやすい。
専用マーカーは、線幅がかなり細くて書きやすい特別仕様のペン先を採用
マキノ へぇー、そこまで考えてあるんですね。
きだて 実は、今、市販されているボードマーカーの中でも、トップクラスに細い線が書けるんですよ。これだけ単品でも売ってほしいなと思っているぐらい、優秀なやつです。
マキノ うわー、今回は特によかったですね。3製品とも、スゴい刺さりましたよ。
きだて おっ、やったね!
マキノ 正直言うと、ホワイトボードは俺の仕事のやり方ではあまり使わないんですけど……。それでも「スクエアライト」と「PCスタンド」は用意しとくべきかな、という気になっています。
きだて まぁほら、カメラ映りの問題があるからね(笑)。
マキノ もう2度と、あんな暴言は吐かせませんよ(笑)。
きだて よしよし、ついに連載初のダブル購入あるか!?
マキノ うーん、前向きに検討します。
「キングジムの『Web会議用スクエアライト』と、コクヨの『スライドボード付きノートPCスタンド <BIZRACK>』をダブル自腹買い! 下の写真の上が『Web会議用スクエアライト』オフで、下がオンにした時。オフ時は、悪魔に取り憑かれてんのかよ!とツッコミたくなるくらい顔色が悪かったですが、オンで劇的に健康になりました! Web会議用のライトを持っていない人には、超おすすめです。購入時に気を付けたいのは、本製品を挟む場所。ディスプレイの背面は真っすぐなもので、厚みは約18mmまでの対応なのでご注意を。『スライドボード付きノートPCスタンド <BIZRACK>』は、手書きメモをよく取るんだけど、デスクの上にそのスペースがもはやない人は購入を検討すべき。その際も、ノートPCのサイズは要チェックです」(マキノ)
最新機能系から雑貨系おもちゃ文具まで、何でも使い倒してレビューする文房具ライター。現在は大手文房具店の企画広報として企業ノベルティの提案なども行っており、筆箱の中は試作用のカッターやはさみ、テープのりなどでギチギチ。