本連載は、文房具ライターのきだてたくが、「価格.comマガジン」の編集担当・マキノに、便利な文房具をリモートで必死にプレゼンする様子を実況。もし紹介された製品の中で「欲しい」と思うものがあったら、それをマキノは実際に購入!……という自腹買い企画です。
第12回は、「家庭で使いたいホワイトボード」をテーマに、3製品をプレゼン!
「価格.comマガジン」の編集担当・マキノ(左)に対し、文房具ライターのきだてたく(右)が、プレゼン!
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きだて 今回は、ビジネスユースじゃなくて、家庭用にホワイトボードどうですか、という話をしようと思うんですよ。
マキノ 仕事用に使うんじゃなくて、って話ですか。
きだて うん、以前にWeb会議用のツールを紹介した時は、ノート型のホワイトボードがあると便利ですよ、って話もしましたよね。でも、今回はホームユースで。
マキノ なんか微妙に「今さら自宅でホワイトボードですか?」って感じがしなくもないんですけど……。
きだて それが実は、「今だからこそ」って話なんですよ。たとえば、共働きの家庭の場合、家族間の連絡って大体SMSやLINEを使ってましたよね。ところが、全員が在宅ワークや自宅学習になると、ずっと顔を合わせてるのに、わざわざLINEするのもなー、って感じで。
マキノ はいはい、その感じはあるかも。
きだて ただ、「牛乳とパンが切れているから買っといて」みたいな連絡って、文字化しとかないとマズい。うっかり忘れると、言った言わないでケンカになっちゃうし。
マキノ なるほど、それを家族の目に触れる場所に書いておくのが必要、ってことですか。
きだて 実際にそうなってる、というデータがあるわけではないんですけどね。ただ、在宅ワークが増えてから、ホワイトボードの新製品があれこれ出ているんですよね。なので、需要が増えているのは間違いなさそうで。
マキノ へー! それはちょっと興味ありますね。
きだて まずひとつめは、TANOSEEの「壁掛け用ホーローホワイトボード」です。これは、サイズが450(横)×300(縦)mmだったかな。
マキノ おお、割と本格的なホワイトボードですね。結構デカいな。
A3サイズより少し大きいぐらいの「壁掛け用ホーローホワイトボード」(TANOSEE)
きだて うん、実は家庭用としてはちょっと大きい感じもするんですが……。今回のこだわりポイントは、ホーロー製って部分なんですよ。
マキノ ホーローって、鍋とかで使われているあのホーロー?
きだて そうそう。スチールやアルミの表面に、ガラス質を焼き付けたものですね。ホワイトボードって、金属板に塗装を施した「スチールタイプ」と、ガラスコーティングの「ホーロータイプ」に分けられます。
TANOSEEは、オフィス通販「たのめーる」のオリジナルブランド。安定したコスパのよさに定評があります
マキノ ホワイトボードのタイプって、考えたこともなかったな。
きだて で、スチールタイプのホワイトボードは、安くて軽いのがポイントなんですが、その代わりに耐久性が弱い。何度も書いたり消したりしていると、だんだん消えにくくなっちゃうんですよ。安いスチールのボードなんか、モノによっては1週間でダメになったり。
マキノ 消えなくなったホワイトボード、ありますね。黒い汚れが付いて取れなくなったヤツ。
きだて それがスチールタイプですよ。塗装面のコーティングが落ちると、そうなっちゃう。対してホーロータイプは、表面がガラスなので、表面の耐久力がめちゃ強い。なので、繰り返し書き消ししても平気なんです。
マキノ じゃあ、ホーロー製のほうがよいヤツなんですか?
スチールとホーローともに、3か月ほど使った状態での比較。ボードの状態は、圧倒的にホーローが優秀です
きだて ざっくり言うと、スゴくよいヤツです。ただ、どうしても価格は高くなるし、ビジネスユース側なので、サイズも大きいのばかりになっちゃう。この「壁掛け用ホーローホワイトボード」は、ホーローホワイトボードの中では、最小に近いんですよ。
マキノ そういうことかー。
きだて 自宅で使うホワイトボードって、割と毎日、何らか情報を更新するので、意外と書き消しの頻度は高い。なので、すぐにダメになる安物のボードよりは、最初に高めのホーロータイプを買っておいたほうがトータルでは使いやすい、ということにもなるかも。
マキノ となると、気になるのはお値段かな。
きだて これは、2,000円ちょっとだから、ホーローとしてはかなり安いほうかな。コスパはそんなに悪くないと思いますよ。
マキノ そうなると、使用頻度との兼ね合いですかねー。
フレーム裏にマグネットテープを貼って、冷蔵庫にくっつけているシーン
きだて あと、この製品はフレームに壁かけ用のリングが付いているんですが、家庭で使う場合はやっぱり冷蔵庫や玄関ドアに磁石で貼りたいんですよね。
マキノ あ、これは裏面に磁石が付いてないんですか? それは、付いていたほうがありがたいんですけど。
きだて なので、100円均一ショップで、テープ状のマグネットを買ってフレームに貼り付けておくと便利ですよ。我が家では、そうやって運用中です。
マキノ とはいえ、自宅で使うとなると、ホーローのホワイトボードはちょっと野暮ったいというか、ビジネス色が強いと感じる人もいると思うんですよね……。
きだて うーん、それは確かにあるかな。じゃあ、逆方向に振り切った感じで、こういうのとかどうですかね。
木目がくっきりしていてウッディな雰囲気のミドリ「木のホワイトボード(Mサイズ)」
マキノ あら、かわいい!
きだて こちらは、ミドリから発売されている「木のホワイトボード」というヤツです。
マキノ え、木って言いました? 確かに見た目は木に見えますけど、本当に木なの?
きだて 本当に木で作られたホワイトボードなんですよ。木材の表面に特殊な加工を施しているので、ちゃんと書き消しができます。
マキノ マジっすか!? 何か書いた跡がめっちゃ残りそうな雰囲気ですけど。木だし。
見た目は普通の木板ですが、ボードマーカーの筆跡をイレーザーでこすると、このとおり!
きだて ほら(スー)。
マキノ おおー、消えましたね。これは面白いな。ちなみに、書くのは普通のホワイトボード用マーカーで大丈夫ですか?
きだて うん、いつものホワイトボードと同じマーカーで書いて、同じように消せます。何も特殊な感じはなくて、完全に従来どおり。
マキノ 木製なのに、不思議〜。
きだて 木材に書き消しできるという驚きもそうなんだけど、形状が四角くないというのも面白いポイント。ビジネスっぽさがないでしょ。これは、Mサイズの「家柄」ってヤツですけど、ほかに猫とかマグカップとかフキダシとか。
マキノ かわいい形のヤツがいろいろ揃っていますね。
きだて あとね、実際に使ってみると、このサイズ感もなかなかいいんですよ。
マキノ これ、ホワイトボードとしては、かなり小さいですよね。
きだて このサイズだと、本体を手に取りやすいんですよ。ホワイトボードって、大体壁面にかかっている状態で書くでしょ。垂直面に文字を書くのって、実はかなり書きにくい姿勢なんだ。
マキノ 言われてみればそうかも。
きだて 「木のホワイトボード」は、裏面にマグネットが付いているので、普段は冷蔵庫とかに貼っておけるんですが、書く時はパコッと取り外して、机に置くなり、手に持つなりして書いて、また戻せばよい。
普段は、家族の目に付くよう、冷蔵庫に貼っておいて運用します
書く時だけ机に平置きすれば、とても書きやすい。このサイズ感は取り回しがラク!
マキノ なるほど! これは今までになかった運用方法かも。ホワイトボードの取り回しって、考えたことなかったし。
きだて その代わり、書くことができる面積も、当然ながら小さいんですけどね。このサイズで書く量が足りるのであれば、使いやすいと思うんだ。
マキノ 見た目もウッディでかわいいですしね。子供のいる家庭とかだと、ウケそうな気はしますよ。
きだて ラストは、ホワイトボードではないんですけども、キングジムの「ブギーボード」シリーズを紹介。
マキノ うん、「ブギーボード」は来るかな?と思っていましたよ。予想どおりですよ。
スタイリッシュなデザインが特徴の、キングジム「ブギーボード BB-15」
きだて 今回紹介するのは、シリーズ最新版の「BB-15」です。実は、「ブギーボード」シリーズの中で、ホワイトボードとして使えるサイズって、これがシリーズ初だったりするんですけどね。
マキノ えー、そうなんですか。ちょっと意外かも。
きだて そもそも筆談ボードやハンドメモとして使うのが前提の手持ちツールなんで、壁かけタイプがなかったんです。なので、メーカーとしても「シリーズ初のインテリアモデル」なんて言い方をしています。
マキノ これは割と大きめの正方形で、確かに手に持って使う雰囲気はないですね。
裏面には、フックかけとマグネットが備わっており、壁にかけての運用が基本
きだて ブギーボードの機能を改めて説明しておくと、黒い液晶ボードにスタイラスペンで圧をかけると、筆跡が蛍光グリーンに残って、文字や絵を書くことができます。で、消去ボタンを押すと、画面が一瞬でリセットされます。
マキノ へー、この黒いのって液晶だったんですね。
きだて 液晶なんですが、蛍光グリーンの筆跡を表示するのには電力を一切使用しないんですよ。本体にボタン電池は内蔵していますが、これは液晶に電気を通して画面をリセットする用なので、電池が切れても画面はずっと残ります。
筆圧によって、線の強弱もつけられます
マキノ あれ、そういえばこの「ブギーボード」、消去ボタンはどこに付いているんですか? 今までの「ブギーボード」って、画面の下にボタン付いてましたよね。昔の「iPhone」のホームボタンみたいなヤツ。
きだて 実は「BB-15」は、物理ボタンがないんですよ。画面右下隅に、「erase」って書いてありますよね。ここにスタイラスペンのお尻を近付けると……。
マキノ おっ、消えた! どういう仕組みですか、これ!?
きだて スタイラスペンの後端にはマグネットが入ってまして、これを「erase」ポイントに近付けると、画面がリセットされます。
マキノ うわー、消し方がなんかオシャレー! これはカッコいいですね。
「erase」ポイントにスタイラス後端を近付けるだけで、瞬時に画面が一括消去
きだて 物理ボタンがなくなったおかげで、ベゼル(枠)がめっちゃ薄くなってるのがいいですよね。スゴくスタイリッシュ。
マキノ 確かに。ベゼルが薄いと、より最新のスマホっぽいですもんね。
きだて あとは、筆跡が黒地に蛍光で残るので、遠くからでも「何か書いてあるな」ってわかりやすいのは、「ブギーボード」をホワイトボード代わりに使うメリットですね。実際に使ってみても、伝言が見逃されないように感じましたね。
マキノ うん、それは重要ですよ。
きだて 逆に、この文字だけ書き直したい、みたいな部分消しができないのはデメリット。画面の一括リセットしかできないので、そこは覚えておいたほうがよいかな。
マキノ いきなりなんですけど、ブギーボードの「BB-15」を買います。
きだて えっ、「考えます」とかじゃなくて、この時点で買うの確定? 連載始まって以来、初じゃない?
マキノ 実は、一緒に住んでる彼女との連絡用に、こういうのが欲しいなと思っていたタイミングなんですよ。基本的には、LINEでやりとりしてるんですけど、既読メッセージの内容をうっかり忘れることがあって……。
きだて あるある。既読つけてバッジが消えると、もうメッセージが入っていたことすら忘れたりね。
マキノ なので、在宅中にずっと目に付くような場所に連絡事項を残しておきたかったんですよ。
きだて なるほど、それはまさにホワイトボードの出番じゃないですか。
マキノ ただ、我が家の冷蔵庫の色が、黒に近い濃いブラウンなんです。だから、白いボードだと目立ち過ぎるというか、違和感スゴいでしょ。せっかく、カッコいい冷蔵庫買ったのに。
きだて そうか、それならもう「BB-15」だな〜。……いや、冷蔵庫がブラウンなら、「木のホワイトボード」もアリじゃない? 割とマッチするかもだよ。
マキノ あー、言われてみればそうかも。……じゃあ、彼女にジャッジしてもらって決めるか。
結局、キングジム「ブギーボード BB-15」を購入して、さっそく運用開始! 盲点だったのが、自宅の冷蔵庫がガラスドアだったこと……。磁石がくっつかない!(泣)。「BB-15」購入の際はご注意を(ちなみに、パナソニックの「NR-C371GN-T」です)。磁石フックを使って冷蔵庫にかける案もあるんですが、まずは泣く泣く玄関のドアの内側に設置しました。書き心地も見やすさも抜群と機能性はバッチリ! これで、日用雑貨などの補充品を買い忘れることがなくなりました。“共通の掲示板”があることで、家族との日常生活にメリハリが出ますよ!
最新機能系から雑貨系おもちゃ文具まで、何でも使い倒してレビューする文房具ライター。現在は大手文房具店の企画広報として企業ノベルティの提案なども行っており、筆箱の中は試作用のカッターやはさみ、テープのりなどでギチギチ。