作り置きしたおかずを保存するのに便利なタッパー。最近ではタッパーに食材を入れてそのままレンジでチンすればできるレシピも多く登場しています。
しかし、地味にストレスなのがタッパーには匂いが付きやすいこと、油ものはなかなか落ちにくいこと……。でも仕方ないよな、プラスチックだしな……そう思っていたら今年、ステンレス製の保存容器「Cuitisan Signature」(クイッティサン・シグネチャー:以下、cuitisan)が注目されていることを知りました。でもステンレスだと、電子レンジで使えないため不便なのでは……?
Cuitisanはステンレス製の保存容器。一般的にはステンレスといえば、電子レンジでの使用はNG。アルミホイルなんかも電子レンジにかけると火花が散って危険だと言われていますよね。
ステンレス製の容器は通常電子レンジ不可なのですが……
しかしCuitisanには特殊ステンレスが使用されており、ドイツの認証機関からも「電子レンジで問題なく使用できる」と認証されているのだそう。ヨーロッパ各国で2019年から販売開始され、2021年、ついに日本でも販売開始されたというわけです。
耐熱温度は−40℃から400℃! 電子レンジ・オーブン・冷蔵庫などでの使用が可能です。(直火・IH電磁調理器は使用不可)
素材は本体がステンレス製で、フタはポリプロピレン・パッキン部分にはシリコーンゴムが使用されています。そのため、電子レンジやオーブン使用時にはフタは外して使う必要があります。
フタは1辺ずつパチン、と閉じるタイプなので、容器を傾けずに開閉できるのが地味によい!
私は普段プラスチック製のタッパーをよく使用しますが、電子レンジで加熱しすぎると若干変形してしまったり、カレーを入れた後には洗っても洗っても匂いが落ちなかったりといったことがありました。まぁ、そういうものだよね……と思っていたのですが、Cuitisanは、
・傷が付きにくい
・汚れが落ちやすく色や匂い移りがしにくい
・抗菌仕様
・冷蔵・冷凍保存が可能
ということで、保存や調理にまで幅広く使えて便利そう!
ステンレス製は汚れや匂いが付きにくいのがいいですね
今回私が購入したのは1,400ml(15.7p×22p×高さ6.5p/重さ361g)のタイプ。ほかにも350 ml /530 ml/680 ml/1,010 ml/1400ml/2100ml/2300mlと、全8種類のサイズがありました。用途に合わせてそろえられるのも魅力ですね。
ただし価格.comでの最安価格は1,400mlで6,350円……保存容器としては少し高額な印象です。果たしてこの値段に見合った働きをしてくれるのでしょうか?
まずは「ステンレス製で、本当に電子レンジにかけて大丈夫なのか?」。
もちろん大丈夫だと聞いているから購入しているわけですが、もしかすると手違い(?)で火花散るんじゃないかと若干ビビッていました。
そこで、作ったパスタをいったんCuitisanに保存し、電子レンジで加熱してみました。
本当に大丈夫なのか……。
お昼に食べ切れなかったパスタを電子レンジで加熱!
恐る恐る電子レンジに入れていつも通りの加熱をしてみましたが、まったく問題なく温めることができました。そのままお皿に移し替える必要もなく食べることができたので、とても便利です。
続いてはオーブン。ステンレス容器とはいえ、特殊素材ということで、どのようになるのかが気になります。たとえば、変色するとか変形するとか、ないのでしょうか。
今回はラザニアを作ってみることに。作り始めて気づいたのですが、四角い形状ゆえラザニアの大きいサイズを切らずに入れることができるのがとても便利! いつも使用しているオーバル型のグラタン皿は、このラザニアを切っていれなければならないひと手間がありました。こんなメリットもあるのですね。
崩れ防止で一方に寄せています
180℃のオーブンに入れてしまいました……!
180℃のオーブンで20分間加熱してみましたが、Cuitisanは全く問題なし。使用後、洗って焦げ付きや変色などがないか確認しましたが、まったくありませんでした。さらに、チーズやソースなどのこびりつきもなく、付いたとしても、スッと洗い落としやすいのも、ノンストレスで大変いい!
いい感じにラザニアが完成です。このままフタをして保存→冷めたらレンジでチンできるのも便利ですね
さらに、冷やす場合にもメリットがありました。ステンレス製なので、より食材が冷えやすいんです。たとえばお菓子作りにおいて、「冷蔵庫で冷やす」といった工程がある場合にも、冷えやすい性質を利用して早く固めることができます。
溶かしたチョコレートを、ラップを敷いたCuitisanに流し入れると……
約1時間で固まりました!
手間のかかるお菓子作りが時短で済みます◎
今回は生チョコづくりがしたいな、とチョコレートと生クリームを湯煎で混ぜたものを冷やしてみたのですが、Cuitisanを利用して簡単に作ることができました。耐熱温度がー40℃までと、加熱系への耐性だけでなく冷やす系への耐性もあるので、使用できる料理の幅が広いんですね。
さらに気になっていたのが「匂い移りがしにくい」というもの。特に、作りすぎたカレーを保存する際、プラスチック製のタッパーに入れると確実にそのタッパーはカレーの匂いが取れなくなってしまい、「カレー専用タッパー」と化していました。なぜか何度洗ってもカレーの匂いって取れないんですよね……。
そこで今回もいつものようにスパイスカレーを作り、Cuitisanで一晩保存。翌朝洗って「匂い移り度合い」を確認してみました。
カレーを保存したタッパーは、普通確実にカレー専用になりますが……
匂いだけでなくスパイスの色みもこびりつきそう……
匂いに加え、色が残りやすいのもカレーの悩ましいポイントです。この色もきちんと落ちるのでしょうか……?
洗ってみるとさすがステンレス! 1回だけでもかなりすっきりと落ちました。念のため2回洗うと、色味は全く残りません。匂いは……「ほんのりと残り香がない気もしないでもない」という感じ。
おおお、1回洗っただけでかなりすっきり!
さすがに無臭というわけにはいかないようですが、普段のタッパーの匂い残りが「10」だとしたらCuitisanは「0.5」くらい! もう1回洗ったら匂いは完全に気にならなくなりました。やはりステンレスってすごいんですね〜。
今回Cuitisanを使用してみて、ノンストレスでさまざまな調理や保管に使用できること、そして、汚れや匂いも付きづらく、常に清潔感のある状態で使用できることに驚きました。
これだけ使いこなせるのであれば6,350円というお値段は決して高くはないかもしれません。ステンレスであることのメリットは生かしつつ、プラスチック製タッパーのデメリットである「レンチンできない」という弱点を克服したCuitisanは、最強の調理器具兼保存容器です。
恋愛・就職・食レポ記事を数多く執筆し、社長インタビューから芸能取材までジャンル問わず興味の赴くままに執筆するフリーランスライター。Twitter:@KA_HO_MA