得意じゃないけど、家事の中では料理が好き。「家事貯金研究家」のleafです。
私は主婦歴20年ですが、残念ながらお料理の腕は劇的に上がっていないのが正直なところ。でもたったひとつ、ひんぱんに作る卵焼き(だし巻き卵)だけは、できばえにこだわっています。
卵焼きはありきたりなお料理ですが、だからこそ美しくおいしそうに作れると、印象がガラッと変わります
上手に卵焼きを焼くために試行錯誤してきた結果、ようやく自分なりに作り方を確立できました。といっても難しいことは何もなく、きっと誰でも真似できるはず。今回は、私が最高の卵焼きを作るためにこだわっている道具やレシピ、作り方をご紹介させてください。
美しくておいしい卵焼きをコンスタントに作るために、私にとって重要なのが道具です。もちろん、特別な道具がなくとも作れる人はたくさんいると思いますが、あくまで私が個人的にたどり着いたのがこちらの3つです。
愛用している“三種の神器”
工房アイザワ「銅製玉子焼器関西ミニ型 長方形」。9(幅)×15(奥行)×3.3(高さ)cm、板厚1.2mm。ガス火のみ対応(IH不可)
まず、特にこだわっているのが卵焼き器(卵焼き専用のフライパン)。いろいろと使ってきましたが、憧れだった純銅製の卵焼き器を手に入れてから、美しく作れるようになりました。銅製品は熱伝導率が高いため、焼き加減に慣れさえすれば、焼きムラのない、ふっくら&しっとりとしたおいしい卵焼きをスピーディーに作れるようになります。
私が選んだ工房アイザワの「銅製玉子焼器関西ミニ型 長方形」のいい点は、コンパクトなサイズ感で、2個という少量の卵でふっくら作れる点です。
角がカクカクしているので、お店の卵焼きのようなキレイな形に仕上がるのもポイント
私は長方形の「関西型」を選んだので2〜3回巻き込んで焼いていますが、正方形の「関東型」もあり、そちらの場合は1回返すだけで焼けます。関西型と関東型でそれぞれ複数サイズ展開があり、私が購入したのは最も小さいタイプですが、それでもお値段は6,820円(税込)。卵焼き器としては高く感じるかもしれませんが、一生もので長く使える道具なので、私は買ってよかったと思っています。道具がいいと、できばえは格段によくなりますよ。
次に、卵を溶いて焼くだけというシンプルな調理法だからこそ大切なのが、滑らかな卵液を作ることです。卵白がキレイに切れていないまま焼いて、焼き上がりにムラができてしまった経験はありませんか? 私は対策として卵溶きを使うようにしてみたら、滑らかな卵液がストレスなく作れるようになりました。
ヨシカワ EAトCO 「Toku egg beater トク/たまごとき」
これがあるのとないのとでは大違い!
箸で卵を溶くよりも圧倒的に速く溶けます。軽い力で切ることで卵白を滑らかにできるうえ、卵黄と卵白をキレイに混ぜられるのがポイントです。卵焼きだけでなく、オムレツや茶碗蒸し、そのほかいろいろな卵料理に便利に使えて、今では手放せない道具になりました。
そして3つめが、ターナー(フライ返し)です。上級者なら菜箸だけで美しく卵を巻けると思いますが、初心者はターナーを併用すると失敗なく焼けるのでおすすめの道具です。
一菱金属 「すくいやすく返しやすいターナー」
私のイチオシのターナーは一般的なものとはまったく異なり、とても薄くて平ら。それが銅製のカクカクした卵焼き器ととても相性がいいのです。卵焼きの下にさっと差し込みやすく、てきぱき卵を返せます。
卵焼き器の角にフィットさせやすく、焼きながら卵焼きの形を整えられます
私の場合、このターナーと菜箸をてきぱきと使い分けながら卵焼きを焼いています。
次に、卵液のレシピをご紹介します。卵焼き(だし巻き卵)って、だしが多いとムラなく焼くのが難しくなったり、醤油が多いと色がキレイに焼けなかったりとなかなか配合が難しく、私も試行錯誤してきました。
そして今は、シンプルなレシピに落ち着きました。卵に、自分好みの白だしと水を加えるだけです。私好みの分量は、卵2個に対し、白だし大さじ1/2、水大さじ1です。
参考までに、私が使っているのはにんべんの「白だし」です
前述の「Toku トク/たまごとき」を使って混ぜれば、あっという間にキレイな卵液が完成
少し気持ちに余裕があるときだけですが、卵液をしっかり混ぜ合わせた後に、一度ざるでこしてから焼いています。
ひと手間ですが、こうすることでよりいっそう美しく滑らかな卵焼きが焼けます
もちろん味の好みがあると思うので、うまく焼けるようになったら自分のオリジナルの分量で楽しんでください。
ではいよいよ焼き方のご紹介に入りますが、銅製の卵焼き器は、使い始めに油をなじませる必要があります。卵焼き器に油がしっかりなじむまで(目安10回以上)は、これから紹介する作り方でやってみてください。
まず、卵焼き器に油をたっぷりと(大さじ2杯程度)入れます
油を多めに入れて数分温めたら、いったん火を止めて温めた油を一度取り出し、再び火にかけます。
卵液を1/3ほど流し入れます。ジュッと音がするくらいの火加減が最適
菜箸で卵液を軽くかき混ぜつつ、焼けてきたら、卵が固まらないうちにターナーを使って素早く巻き込みます。なるべく強火を維持しつつ、焦げないうちにサッと巻くのがうまく焼けるコツです。
2回巻いて、三つ折りにするイメージです
巻き込んだら一度キッチンペーパーで卵焼き器の汚れを拭き取りつつ、側面と底にまんべんなく油を薄く引き直します。
また卵液を1/3入れ、巻いた卵の下にも卵液を滑りこませます
卵液を1/3ずつ入れて巻く作業を、計3回繰り返せばOKです。
ふっくら分厚い卵焼きが完成します
最初は油の多さに驚くかもしれませんが、くっつかずキレイに焼くために、多めの油で焼くようにしてください。何回か焼くうちに卵焼き器に油がなじんできて、少量の油でも卵液がくっつかずキレイに焼けるようになります。参考までに、私が普段卵焼きを作っているときの様子を動画でご覧ください。
私の卵焼き器はもうかなり使い込んであるので、油は少量でも大丈夫。油を入れる際は、一般的には油を入れてからキッチンペーパーで全体になじませると思いますが、私はオイルスプレー→シリコンヘラでなじませることで時短しています。
焼いた後は、キッチンペーパーを敷いたすだれで一度巻いてしっかり形を整えつつ、ある程度冷めてから均等に切っています。
焼くときに少し形が崩れても、この段階で整うので大丈夫
盛り付けて完成♪ 焼きムラのない、ふっくら&しっとりとしたおいしい卵焼きができました
盛り付ける際は、食品用の笹(通販で購入可能。ラップに包んで冷凍すれば長期保存できます)や、大葉、大根おろしなどを添えるといっそうおいしそうに見えますよ!
いかがでしたか? 特別なことは何もしていないので、「自分にも簡単にできそう」と思っていただけたのではないでしょうか。慣れないうちはうまくできないこともあるかもしれませんが、一定の方法で繰り返し作っていれば、焼き加減の見極めができるようになり、美しくておいしい卵焼きが焼けるようになるはず。
卵焼きを上手に作れるようになって、家族からの「おいしそう」という言葉が増えたように思います
ちなみに、銅製の卵焼き器で焼いた卵焼きは冷めてもおいしいのです。お弁当にも最適!
道具を使いこなせるようになると、卵焼きを焼く作業も楽しくなってきますよ。ぜひチャレンジしてみてください。