自宅では、冷蔵庫やテレビ、洗濯機など電源プラグをコンセントに差したままで使い続けている電化製品がたくさんあります。しかし、長期間その状態を放置すると、コンセントと電源プラグの間にだんだんとホコリが溜まっていきます。実はこのホコリが湿気を吸うことで、両極のプラグの間で火花放電が繰り返されることがあります(トラッキング現象)。その結果、両極間の絶縁状態が悪くなり発熱、さらには発火に至り火事の原因ともなるのです(トラッキング火災)。今回は、そんなトラッキング火災を未然に防ぐグッズをご紹介しましょう。
今回ご紹介するのは、プラグをコンセントに差し込む時に使うカバーで、「トラッキング防止カバー」、「プラグ安全カバー」、「安全防止カバー」などの商品名で販売されているもの。いずれの商品も、ホコリや湿気の侵入を防止してトラッキングによる発火を防ぐ工夫がされています。
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プラグとコンセントの隙間にホコリが溜まることでトラッキング現象を引き起こします。筆者宅は引っ越してまだ半年ほどですが、プラグにはすでにホコリが溜まっております |
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使うのはこちら。火災防止グッズといっても大げさなものではありません |
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使う時は、切り欠き部分を下にしてプラグを差し込みます |
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後はコンセントに差し込むだけ。とても簡単なことですが、効果は抜群です |
ちなみに、東京消防庁の発表によると、電気や電化製品に関わる火災は都内で毎年1000件程度発生、そのうちトラッキング現象による火災は80件だそうです(平成23年)。最近は耐トラッキング性能にすぐれた樹脂を採用したプラグやトラッキング現象を検知すると自動的に電気を遮断するコンセントも販売されているようですが、完全普及まではまだ時間がかかります。
今回ご紹介したグッズを使ったり(ただしトラッキングによる火災を長期間100%防ぐことを保証するものではありません)、定期的に点検・清掃したりしていれば火災の可能性はぐんと減少します。みなさんも、トラッキング火災のことに気を配ってみてください。