気温が高くなると悩まされる害虫。特に家庭菜園やガーデニングをしていると、植物と一緒に持ち込まれた害虫の卵が孵って、屋内なのに思わぬ害虫発生に悩まされてしまうこともしばしば。筆者宅では今年、野菜の苗木に寄生していたコバエが室内を舞うようになり、駆除の方法に苦慮していました。
害虫駆除のための薬剤は市販でいろいろとありますが、発生源が食用の植物であったり、食べ物を扱うキッチンであったりした場合には、体に有害な成分を含んだ殺虫剤の使用は、躊躇してしまいます。とはいえ、即効性があり、ひと噴きで撃退できる手っ取り早いものであるほうがやはりありがたい。そこで試してみたのが、こちらの商品です。
スプレー式の殺虫剤のような使い勝手ながら、殺虫成分は使用しておらず、噴射されるのはなんとマイナス85度の冷気。害虫に冷気を噴霧することで、一瞬で凍らせて虫の動きを止めて駆除するという方法です。スプレー噴射なので、飛んでいる虫にも使用できます。
製品のラベルを確認すると、適用害虫は、ムカデ、カメムシ、クモ、ヤスデ、ゲジ、ダンゴムシ、アリ、ガ、ケムシとのこと。有効成分は、HFO-1234ze、DME(冷却成分)と書かれています。調べてみると、HFO-1234zeは環境負荷が低く、燃焼性、毒性が低い噴射剤の一種、DMEは冷媒としても用いられる液化ガスの一種のようです。
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中に入っているのは、殺虫成分でなく、冷媒としても用いられている液化ガスの一種のよう |
今回、筆者宅では対象はコバエ。家庭菜園の鉢の周りをうっとおしく飛び回るのをなんとかしたいけれど、殺虫成分のあるものを使いたくないというのが悩みどころでした。
そこで狙いを定めてシュッとひと噴き。その結果、殺虫剤のように殺虫効果はないので、距離が離れている場合や、気温が高い夏場はマイナス85度という冷気の効果が下がるため、できるだけ近くから噴射するのがポイントとわかりました。また、本製品は虫を凍らせてあくまで動きを封じ込めるといった体なので、仮死状態から復活することもあるため、最終的にトドメを刺す必要があると感じました。大きな害虫の場合は、動きが止まった時に袋に閉じ込めるなどしてさっさと処分してしまうといった使用法がベターです。
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その効果を実際の虫でお見せするのははばかられるため、瞬間冷却の様子をミニトマトで実験観察 |
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噴射した瞬間に小さな結晶や霜が付き、白くなります。噴霧時にガスの臭いはしますが、噴射された周辺は無臭。時間が経つと蒸発し、薬剤のようにベタつくということもありません |
ガスを使用しているので、火気厳禁ではありますが、臭いや使用後に薬剤でべたつくといったこともないため、キッチンはもちろん、小さな子供やペットを飼っているお宅でも安心して使えるのが助かります。害虫を見掛けた時に、周りを気にせず瞬時にサッと射止めることができるというのは頼もしい存在で、1本常備しておくと安心なアイテムです。