「ビューカード」は、JR東日本ユーザーであればぜひ保有を検討したいクレジットカードです。基本のポイント還元率は0.5%と標準的ですが、
●「Suica」へのオートチャージで1.5%還元
●「えきねっと」でのきっぷの購入で3%還元
●「モバイルSuica」での定期券やグリーン券の購入で3%還元
など、JR東日本の鉄道やサービスでおトクになる仕組みが多く、「通勤や通学、出張や旅行などで普通に『ビューカード』を使っていると、いつの間にか結構な数のポイントが貯まっている」ということも珍しくありません。
※上記のポイント還元率はいずれも「ビューカード」の一般カードのもの。ゴールドカードだとさらにおトクになる場合もあります(後述)
本記事では、複数ある「ビューカード」の違いや「ビューカード」を持つメリット、効率よくポイントを貯める方法について解説します。
ビューカード主要6券種の比較表。※1 定期券機能は、ビューカードのリアルカードにSuica定期券を搭載できる機能のことを指します
1. ビューカード スタンダード……もっともベーシックな「ビューカード」
2. ビューカード ゴールド……利用方法によってかなりの高還元
3. JRE CARD……駅構内の商業施設や駅ビルでの利用がおトク
4. JALカードSuica……マイルも貯まり、ビューカードの特典も受けられる
5. ビックカメラSuicaカード……ビックカメラユーザーならおトク
6. ルミネカード……「ルミネ」「NEWoMan」「アイルミネ」などでおトク
「ビューカード」は、JR東日本グループが発行するクレジットカードの総称です。前出のとおり基本のポイント還元率は0.5%で、利用額に応じて「JRE POINT」が貯まります。「JRE POINT」は、「JR東日本グループの共通ポイント」です。貯まったポイントは1P=1円でSuicaにチャージできるほか、Suicaグリーン券や特典チケットへの交換、新幹線eチケットの座席のアップグレードなどに使えます。
「JRE POINT」は、「ビューカード」の利用以外にも、Suicaを鉄道で利用したり(乗車ポイントなど)、駅ナカの商業施設においてSuicaで買い物する際などにも貯まります。また、複数ある「ビューカード」の中に付帯しているものもある「JRE POINTカード」を、「JRE POINT」加盟店で提示することでも貯まります。
JRE POINTのロゴマーク(画像はJR東日本公式サイトより)
「ビューカード」の0.5%というポイント還元率は標準的な水準ですが、「ビューカード」はJR東日本のサービスで使うと、おトク度が上がります。
冒頭で触れたとおり、Suicaへのチャージや「えきねっと」などで使うとポイント還元率が大きく上がるほか(これについては次章以降の《JRE POINTポイ活術1・2》で解説しています)、JR東日本の“鉄道外”のサービスでも、「ビューカード」を持っていると有利になる場合があります。
JR関連サービスとして注目を集めているのが、2024年5月にサービスが始まったネットバンキングサービス「JRE BANK」です。
「JRE BANK」には、目玉特典として「JRE BANK優待割引券(4割引)」が用意されています。これは、JR東日本が営業する路線の片道運賃および片道料金が4割引になるという、なかなか魅力的なクーポンです。この特典を受け取るためには、まず「JRE BANK」の資産残高が50万円以上あることが条件。これに加えて、
●年2回の判定タイミングで「『JRE BANK』で給与などを受け取っている」と2枚(資産残高300万円以上だと3枚)
●「『JRE BANK』の口座から『ビューカード』の利用代金を引き落とす」と1枚(資産残高300万円以上だと2枚)
が受け取れます。つまり、「ビューカード」があると、より多くクーポンが受け取れる仕組みになっています。
また、2023年に始まった「JRE POINTステージ」でも「ビューカード」が重要です。「JRE POINTステージ」は、6か月間の判定期間における、「JRE POINT」の獲得数や利用数などによって分けられる4つのステージに応じた特典がもらえるサービスです。
特典は、駅ナカ商業施設で使えるクーポンなどが中心ですが、上位ステージになると、
●JR・新幹線+宿泊プランの割引クーポン(ステージ3)
●通常、「JRE POINT」6,000ポイントで、JR東日本側がすすめる「4つの駅」の「どこか」に新幹線で往復できる「どこかにビューーン!」を4,000ポイントで利用できる権利(プレミアム)
など、JR東日本ならではの特典が増えてきます。
「ステージ3」や「プレミアム」などの上位ステージには、Suicaと「ビューカード」の「JRE POINT WEBサイト」への登録が必須です。また、「JRE POINTステージ」は獲得ポイント数でもステージが決まる仕組みのため、「JRE POINT」の獲得数を増やす意味でも「ビューカード」の存在が重要です。
ここからは、「ビューカード」の主要6券種を紹介していきます。
まず紹介するのがビューカード スタンダードです。このカードはもっともベーシックな「ビューカード」です。2024年11月に名称、券面デザインなどがリニューアルされ、片面ナンバーレスのスタイリッシュな仕様に変更されました。また、申込時には、Suica機能付きカード以外に、最近普及が進んでいるタッチ決済機能付きのカードを選ぶこともできます。
ビューカード スタンダードには、ほかの「ビューカード」にあるような、「特定の店舗でポイント還元率が上がる」といった特典はありませんが、家族カードが発行できる点がメリットです。通勤者である親が本会員となり、学生である子どもに定期券兼クレジットカードとして持たせる、といった使い方ができます。
ただし、初年度から年会費が524円かかり、家族会員も同様の費用がかかるので、その点はご注意ください。
●基本スペック
年会費:524円
国際ブランド:Visa、Mastercard、JCB
発行元:ビューカード
貯まるポイント:JRE POINT
基本ポイント還元率:0.5%(1,000円で5P)
ビューカード ゴールドは、ビューカード スタンダードの上位カードです。こちらも、2024年11月に名称や券面デザインがリニューアルされました。それまで、国際ブランドはJCBのみでしたが、リニューアル後にはVisaも選べるようになっています。
ビューカード ゴールドには、空港ラウンジや、空港への手荷物配送サービスなど、ゴールドカードならではのサービスが付帯しています。また、ユニークな特典として、本カードホルダーで新幹線や特急のグリーン席を利用する人やその同伴者だけが使える、東京駅の「ビューゴールドラウンジ」を利用できます(グランクラス利用者はカードなしでも利用可)。
ビューカード ゴールドの年会費は11,000円と決して安くはありませんが、JR東日本エリアの新幹線のきっぷ(eチケット)の購入で最大10%還元、「えきねっと」できっぷを予約・購入した際や、「モバイルSuica」からグリーン券を購入した場合は8%還元、「モバイルSuica」で定期券を購入した場合は4%還元など、かなり高いポイント還元を受けられます。
このほか、年間100万円以上利用すると5,000ポイントが付与される「ご利用特典」というサービスや、これに上乗せされてポイントが付与される「ビューゴールドボーナス」もあります(「年間150万円利用で3,000ポイント」など、利用額に応じて獲得ポイントが増える仕組み)。
●基本スペック
年会費:11,000円
国際ブランド:Visa、JCB
発行元:ビューカード
貯まるポイント:JRE POINT
基本ポイント還元率:0.5%(1,000円で5P)
JRE CARDは通常時は0.5%還元ですが、JRE CARDの優待店や、ショッピングサイトの「JRE MALL」で利用すると3.5%と高い還元率となります。主な優待店は下記のとおりです。
主なJRE CARD優待店
東京駅:エキュート東京、グランスタ各店
品川駅:アトレ品川、エキュート品川
上野駅:アトレ上野、エキュート上野
大宮駅:エキュート大宮、エキュート大宮ノース、信濃の風、ルミネ大宮
新宿駅:ルミネ新宿、ルミネエスト新宿、ニュウマン新宿
有楽町駅:エキュートエディション有楽町、ルミネ有楽町
立川駅:エキュート立川、グランデュオ立川、ルミネ立川
横浜駅:エキュートエディション横浜、シァル横浜、ルミネ横浜、ニュウマン横浜
秋葉原駅:アトレ秋葉原
など
※対象店舗において、一部対象外のショップあり
これらの優待店では、食料品や日用品など、生活に直結した商品が揃っていますので、うまく買い物を集約できれば、JRE CARDで支払うメリットが大きくなります。また、アトレやアトレヴィでは、年間5万円以上利用すると、ボーナスポイントとして「JRE POINT」が500ポイント(期間限定ポイント)付与される特典もあります。
いっぽうで、優待店などが近くになく、利用機会が少ない人の場合、「年間524円の手数料」がネックになります。年会費は初年度無料なので、JRE CARD優待店をどれほど利用するか、まず1年間お試しで使ってみるのはアリでしょう
●基本スペック
年会費:524円(初年度無料)
国際ブランド:Visa、Mastercard、JCB
※Suica定期券付の場合はVisaのみ
発行元:ビューカード
貯まるポイント:JRE POINT
基本ポイント還元率:0.5%(1,000円で5P)
JALカードSuicaをJALグループ航空会社およびJMB提携航空会社便のフライトやショッピングで使うと、通常のJALカードと同じくJALのマイルが貯まります。貯まったマイルは特典航空券に交換したり、Suicaにチャージすることが可能です。
また、JR東日本のサービスで利用する場合には「JRE POINT」が貯まります。貯めた「JRE POINT」を「1,500ポイント=1,000マイル」(年会費4,950円のショッピングマイル・プレミアムに別途加入時、未加入時は「1,500ポイント=500マイル」)で交換することも可能です。
このように、JALカードSuicaはJALとJR東日本の両サービスを利用する機会が多い人にとってはメリットのある1枚と言えます。本カードの年会費は2,200円と一般カードとしてはやや高めですが、使い方次第で年会費以上の価値を感じられる人も多いでしょう。
なお、JALカードSuicaにはSuica機能が付帯しているものの、Suica定期券機能は付帯していませんのでご注意ください(カード自体を定期として使うことはできません)。
●基本スペック
年会費:2,200円(初年度無料)
国際ブランド:JCB
発行元:JALカード
貯まるポイント:JALマイル、JRE POINT
基本ポイント還元率:200円で1JALマイル付与、還元率はマイルの使い方で変動。JRE POINTは利用するサービスによって還元率が変動
ビックカメラSuicaカードのメリットは、ビックカメラでの利用で、圧倒的なポイント還元率となる点にあります。
通常、ビックカメラでのクレジットカード払いでのポイント付与率は「8%」です(貯まるのは「ビックポイント」。別途ポイントカードやアプリが必要)。しかし、ビックカメラSuicaカードならクレジットカード払いであっても「11%」の「ビックポイント」が付与されます。
また、Suica残高での支払いに対応しているビックカメラの店舗にて、カード内のSuicaにチャージしたうえで、その残高で支払った際には、「Suicaへのチャージ分として、『JRE POINT』1.5%還元」と、「ビックカメラでの現金支払い分として、『ビックポイント』10%還元」で、実質的に「11.5%」還元になります。貯まるポイントが2種類に分かれてしまうのはややネックですが、かなり魅力的な水準であることは間違いないでしょう。
ビックカメラSuicaカードは初年度年会費が無料ですが、次年度以降より524円の年会費がかかります。しかし年に1回でもカードを利用すれば、この年会費は無料に。つまり普通に買い物などで使えば、実質的に年会費無料で利用可能です。
ただし、JALカードSuicaと同じく、ビックカメラSuicaカードにも、カードをSuica定期券として使う機能は付帯していませんのでご注意ください。
●基本スペック
年会費:524円(初年度無料・年1回以上の利用で翌年度無料)
国際ブランド:VISA、JCB
発行元:ビューカード
貯まるポイント:ビックポイント、JRE POINT
基本ポイント還元率:実質1%(1,000円でJRE POINT5P、ビックポイント5P)
ルミネカードの最大の特徴は、対象店舗で利用すると、カード料金引き落とし時に利用額が常時「5%OFF」となり、さらに年4回程度開催されるセール期間中は「10%OFF」になる特典です。
対象店舗はJR東日本系列の「ルミネ」「NEWoMan(ニュウマン)」、ネットショップ「アイルミネ」など。いずれもファッション系の店舗が中心となる商業施設やネットショップですが、それ以外の家具店、雑貨店、飲食店、書店なども割引の対象となるので、買い物好きの人なら持っていても損のない1枚と言えます(一部割引対象外の商品、サービスがあります)。
年会費は、初年度は無料ですが、次年度より1,048円かかります。クレジットカードの年会費としてはやや高めなので、対象の商業施設の利用頻度をふまえて、本カードの保有を検討するとよいでしょう。
●基本スペック
年会費:1,048円(初年度無料)
国際ブランド:Visa、Mastercard、JCB
発行元:ビューカード
貯まるポイント:JRE POINT
基本ポイント還元率:0.5%
前出のとおり、「ビューカード」にはいくつかの種類があり、カードによって強みが異なります。以下、自分に合った「ビューカード」を選ぶ3つのコツをご紹介します。
「ビューカード」に共通する特典として「VIEWプラス」があります。これは、「ビューカード」をJR東日本の対象のサービスで使うと、ポイント還元率が通常よりも上がる特典です。たとえば、SuicaやモバイルSuicaに「ビューカード」を紐づけ、オートチャージに対応すると(モバイルSuicaは手動チャージも対象)、ポイント還元率はチャージ額の1.5%と、「ビューカード」の基本のポイント還元率の3倍に上がります。
「VIEWプラス」は「ビューカード」共通の特典ですが、一般カードとゴールドカードでは適用されるポイント還元率に差があります。たとえば、「えきねっと」を使ってJRの切符を予約し、その決済に「ビューカード」を使う場合、一般カードでは3%還元となりますが、ゴールドカードの場合は8%還元となります。このように、ゴールドカードが一般カードよりも有利になる特典が「VIEWプラス」にはいくつか存在します。
したがって、まず考えたいのが、一般カードにするかゴールドカードにするか、という点になります。「VIEWプラス」の特典内容については、次章、《JRE POINTポイ活術1》で詳しく解説していますので、そちらも参考にしていただければと思います。
※提携他社の発行する「ビューカード」では、貯まるポイントが異なっていたり、VIEWプラス対象外のものがあります。
続いて、一般カードを比較するコツです。まず注目したいのは年会費です。「ビューカード」の一般カードには、原則、年会費無料で使えるものはありません。そのため、年会費分のメリットを受けられるかどうかを最初に考えておく必要があります。また、なかには、「初年度無料」や「年に1回でも利用すると翌年は無料」といったルールのカードもあるので、こうした点も考慮して選びましょう。
「ビューカード」各カードで異なる特徴も重要な要素です。たとえば、ビューカードの中には特定の商業施設での利用でおトクになる特徴を持つものがあります。また、その特典内容も「ポイントが多く貯まる」や「買い物が割引になる」などさまざまです。自分が使う商業施設が特典対象となっているカードで、かつ、特典の内容が自分にとってトクになるものを選びましょう。
あなたにあった「ビューカード」を選ぼう!(記事冒頭の図を再掲)
この章では、「ビューカード」やそのほかのサービスを使って、「JRE POINT」を効率よく貯めるためのコツを紹介します。
まずは、「ビューカード」をJR東日本の鉄道で使う場合での、ポイントアップの仕組みから。「JRE POINT」は鉄道利用外でも貯められますが、ポイント還元率の面やポイント獲得機会の多さで考えると、必然的に鉄道での利用がポイント獲得の核となってきます。
「ビューカード」とひも付けた「モバイルSuica」でグリーン券を買うと通常よりも多く「JRE POINT」が貯まるなど、「ビューカード」には鉄道での利用でおトクになるケースが複数用意されています
すでに触れているとおおり、「ビューカード」には、JR東日本の鉄道で利用すると、「JRE POINT」が通常より多く貯まる、「VIEWプラス」というポイントアップシステムがあります。
「VIEWプラス」は、かつて、対象の商品やサービスで「ビューカード」を使うと「一律1.5%還元」されるという画一的な仕組みでした。しかし、2021年以降内容が変更され、現在では、下記のとおり使い方によって還元率が変動する仕組みになっています。
2024年8月時点の「VIEWプラス」のルール。上記のゴールドカードとは、「ビューカード ゴールド」「JALカードSuica CLUB-Aゴールドカード」を指します
この中で目を引くのが、JR東日本のネットサービスである「えきねっと」からきっぷを予約・決済する場合や、「モバイルSuica」からのグリーン券購入です。これらに「ビューカード」を使った場合、一般カードなら3%、ゴールドカードなら8%と、かなりの高還元率になります。
次いでポイント還元率が高いのが、「モバイルSuica定期券」の購入に「ビューカード」を使った場合。一般カードなら3%、ゴールドカードなら4%と、こちらもなかなかおトクです。たとえば、6か月の定期券代が10万円の人が、一般カードの「ビューカード」を使って「モバイルSuica定期券」を購入すると、1回で3,000ポイントの「JRE POINT」が受け取れることになります(利用額1,000円ごとにポイント付与。この場合は1,000円ごとに30ポイント)(※)。
※別途、「VIEWプラス」とは別の仕組みで、「モバイルSuica定期券の購入」分として2%分(2,000ポイント)の「JRE POINT」が付与され、ポイント2重取りとなります(次章、《JRE POINTポイ活術2》で解説)。
「モバイルSuica」に「ビューカード」からチャージする際に付くポイントも見逃せません(オートチャージおよび手動チャージ)。こちらは1.5%のポイント還元率で、1,000円のチャージごとに「JRE POINT」が15ポイント貯まります。
チャージ後は、「1P=1円」として、鉄道利用はもちろん、交通系ICカードでの支払いに対応している全国の店舗でのショッピングに利用できます。つまり、「ビューカード」でチャージした「モバイルSuica」を支払いに使うことで、実質的に「1.5%」還元で買い物ができていることになり、ポイントの”出口”として考えてみてもなかなか優秀です。
ちなみに、Suicaには、「モバイルSuica」のほかにカードタイプのSuicaもあります。ビューカードからカードタイプのSuicaにチャージする場合、オートチャージであれば1.5%還元になりますが、駅のATMや多機能券売機からの「手動チャージ」の場合は、通常の還元率である0.5%が適用されます。
Suicaのオートチャージは、駅の改札を通貨する際、残高が一定額を下回っていると自動的にチャージされる便利な機能
「VIEWプラス」でのポイントアップ対象である「えきねっと」やSuicaには、「ビューカード」と関係なく、利用することで「JRE POINT」が貯まる仕組みもあります。つまり、「VIEWプラス」分とは別に「JRE POINT」が付与され、ポイントの「2重取り」ができるわけです。ぜひ、「VIEWプラス」とセットで仕組みを頭に入れておくといいいでしょう。
「えきねっと」では、あらかじめ「JRE POINT会員番号」をサイト上で連携させておくことで、「えきねっと」でのJRのきっぷ購入時に、利用額に応じて「JRE POINT」が貯まります。利用内容別のポイント還元率は下記のとおりですが、全体的に「紙のきっぷ」よりも、「チケットレス」が優遇される仕組みとなっています。
2024年8月時点の「えきねっと」でのポイント付与ルール。画像は「えきねっと」公式サイトより
たとえば、「えきねっと」で指定席特急券を購入し、紙の指定席購入券を受け取ることなく、「モバイルSuica」などを使ってそのまま在来線特急列車に乗車できる「在来線チケットレス特急券サービス」を利用すれば、5%の「JRE POINT」が付与されます。「えきねっと」で購入後に紙のきっぷを券売機などで受け取る場合は0.5%還元なのでかなりの差です。
そして、ここには、前出の「VIEWプラス」分のポイントも加算されるので、もし「在来線チケットレス特急券サービス」を「ビューカード」で決済した場合は、
・「VIEWプラス」分3%
・「えきねっと」分5%
の、合計8%還元になります。たとえば、東京から松本まで特急「あずさ」で往復する場合、特急料金を含めて13,240円かかりますが、この条件で利用すると1,040ポイントが還元される計算になります(1,000円ごとに80ポイント)。
Suicaも、「JRE POINT」のサイトに登録すると、鉄道の利用で「JRE POINT」が貯まるようになります。
ポイント獲得の機会は幅広く、在来線に乗ると貯まる「在来線乗車ポイント」や(「モバイルSuica」は2%還元、「カードタイプSuica」は0.5%還元)、同一運賃(区間は違っていてもOK)で複数回乗車することで貯まる「リピートポイントサービス」(同一月内に10回乗車で運賃1回分のポイント還元、11回以上乗車で運賃10%相当をポイント還元)などがあります。
Suicaで「JRE POINT」を貯める方法一覧。画像はJR東日本公式サイトより
このうち、「VIEWプラス」との2重取りができるケースとしては、「グリーン券の購入」と「定期券の購入」があります。
グリーン券の購入では、「モバイルSuica」で購入の場合、購入額50円ごとに1ポイントが付与されます(カードタイプのSuicaでは0.5%還元)。たとえば、1,000円のグリーン券を「ビューカード」にひも付いた「モバイルSuica」で購入した場合だと、
・「VIEWプラス分」として3%
・「モバイルSuica」購入分として2%
で、合計50ポイントが付与されます。
定期券の購入は「モバイルSuica」のみがポイント付与の対象です。こちらも購入額50円ごとに1ポイントが付与されます。仮に、5万円の定期券を「ビューカード」にひも付いた「モバイルSuica」で購入した場合、
・「VIEWプラス」分として3%
・「モバイルSuica」購入分として2%
で、合計2,500ポイントが還元されます。
ここまで見てきた、「VIEWプラス」「えきねっと」「Suica」のポイント付与のルールからは
「『ビューカード』を使ってもらいたい」
「カードタイプのSuicaではなく、「モバイルSuica」を使ってもらいたい」
「乗車券などは、できるだけ『えきねっと』で買って(決済して)もらいたい」
というJR東日本側の意向が読み取れます。これらを意識してきっぷの買い方や電車の乗り方などを変えると、「JRE POINT」を効率よく貯めることができるでしょう。
たとえば、グリーン券の購入機会が多い人、あるいは定期券を買う人は、「ビューカード」や「モバイルSucia」の導入を検討してみてもいいかもしれません。あるいは、これまでJR東日本のみどりの窓口や券売機にて、現金や他社のクレジットカードで乗車券や特急券を買うことが多かった人は、「えきねっと」で「ビューカード」を使って購入することを検討してみてもいいのではないでしょうか。
記事で触れたとおり、「ビューカード」は、「えきねっと」や「モバイルSuica」での利用で多くポイントが貯まるクレジットカードです。また、「JRE BANK」や「JRE POINTステージ」などのJR東日本の関連サービスにおいても、「ビューカード」の保有状況によっておトク度に差がつく状況となっています。
これらをふまえると、JR東日本の鉄道やサービスを日常的に使う人であれば、持っていて損のないクレジットカードと言っていいでしょう。記事を参考に、ライフスタイルに合ったベストな1枚を選んでもらえればと思います。