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パームレストに手を置いてもOK! 指を置いても問題なし!

「YOGA BOOK」の「Haloキーボード」はただのスクリーンキーボードじゃない! 将来性にも期待

レノボ・ジャパンの「YOGA BOOK」は、昨年2016年10月発売後、品薄状態で2度も販売が中止になった人気の2in1タブレットだ。価格.comの「ノートパソコン」カテゴリーの売れ筋ランキングでは12位(2017年4月5日時点)に入っており、いまだにその人気は続いている。今回はYOGA BOOKの一番の特徴である「Haloキーボード」について、開発者から詳しい話を聞けたのでレポートしたい。

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物理キーボードを備えない2in1タブレットのYOGA BOOK。未来的なスタイルと5万円台の安さが魅力。価格.comでも人気のモデルだ

「Haloキーボード」や「REAL PEN」などのユニークな機能を搭載

まずはYOGA BOOKがどんなモデルかを簡単におさらいしておきたい。YOGA BOOKは厚さ9.6mm、重量約690gという超薄型・軽量ボディの2in1タブレットだ。基本ソフト(OS)に「Windows 10 Home 64ビット」を搭載したWindows版と、「Android 6.0」を搭載したAndroid版をラインアップする。この2モデルの違いは搭載するOSだけで、CPUやメモリー、ストレージ容量は共通だ。

YOGA BOOKの大きな特徴は、前述したHaloキーボードと、紙に書いたものを簡単にデジタル化できる「REAL PEN」の2つ。Haloキーボードは後述するが、REAL PENも非常に面白い機能だ。付属のスタイラスペンは、磁界の変化で位置を読み取る仕組みで電池レスかつ高精度・高速検知を実現している。ペン先をインク替芯に変えることで、紙に書くのと同時にスキャンして、デジタル化できる。ワコムのドライバーを利用しており、筆圧レベルは2048段階に対応。100度の角度からの入力感知ができるので、ペンを寝かせても書き込める。スタイラスペン以外でも直接ディスプレイに文字や絵を書ける「AnyPen」もサポートしている。

REAL PENは、Haloキーボード面に置いた紙のノートに書いたものをすぐにデジタル化できる機能だ

REAL PENは、Haloキーボード面に置いた紙のノートに書いたものをすぐにデジタル化できる機能だ

スクリーンキーボードながら、パームレストに手を置いてもOK!

YOGA BOOKの開発には約3年かかったという。通常、パソコンは年に1回か2回というサイクルで開発・発売されるので、開発に3年もかけるのは異例だ。それだけHaloキーボードの完成度を高めるのに時間がかかったという。

Haloキーボードの研究および開発を担当したのは、「ThinkPad」の3年〜6年先の未来の姿を考えるのが仕事のResearch&Technology Japanのメンバー。ThinkPadではおなじみの「ふくろうファン」(ふくろうの羽からヒントを得て開発したパソコン用の冷却ファン)などを生みだした部隊だ。

Haloキーボードは、物理キーのないスクリーンキーボード。スマートフォンやタブレットで使われているもので、長い文章の入力にはあまり使われていない。Haloキーボードは、ハードウェアとしてはスクリーンキーボードとほぼ同じだが、ソフトウェアによって物理キーボードとの差を縮めるアプローチをとっている。キーボードのレイアウトは、「ThinkPad 10」と同じキー数である80だが、データ解析に基づいてキーピッチをわずかに狭くしているという。実際のピッチは18.1×17.4mm。これは平面上でのタイピングだと、物理キーボードでタイピングする場合よりも指がさぼる(動きが小さくなる)ためだという。スクリーンキーボードでは、残念ながら誤入力が多く、Backspaceキーが頻繁に使われる。そのためBackspaceキーのサイズを大きくして、タイピングしやすい右上の角に配置している。

Research&Technology Japanのメンバーが一から開発したHaloキーボード。キーの枠を示す部分を明るくするのにも苦労したという

スクリーンキーボードを使う場合、手のひらを付けずに、人差し指一本で慎重に……というイメージを持っている人が多いはずだ。Haloキーボードは、手のひらを置くパームレスト部分を、ファームウェアレベルで不感帯に設定しているので、ノートパソコンのように手のひらを置いたまま入力できる。また、物理キーボードのように、キーの上に指を置いておくことも可能。ほかのスクリーンキーボードは指を引き上げたときに文字が入力されるのに対して、Haloキーボードはタッチした瞬間に文字が入力されるので、物理キーボードのようなスピードで文字を入力できる。いずれも言われないと気付かないような工夫だが、細かな工夫によってスクリーンキーボードの問題をクリアしているのだ。

ユーザーのタイピングの癖を学習して、誤入力を防止する「エルゴノミック・ヴァーチャル・レイアウト」という機能も盛り込まれている。これは、ユーザーの癖に合わせて、キーの位置と大きさを素早く変更するというもの。詳しくは企業秘密ということだが、見えているキーとヴァーチャル・レイアウトの間で矛盾を生じさせないのがポイントだという。なお、タイピング履歴は記録しない仕組みで、キーロガー的な問題は発生しないという。

エルゴノミック・ヴァーチャル・レイアウトの概念図。人によるタイピングのズレを学習し、調整してくれる

エルゴノミック・ヴァーチャル・レイアウトの概念図。人によるタイピングのズレを学習し、調整してくれる

YOGA BOOKの内部。Haloキーボードは1枚の板で、本体の薄型化に大きく貢献している

YOGA BOOKの内部。Haloキーボードは1枚の板で、本体の薄型化に大きく貢献している

Research&Technology Japanのリーダーである河野誠一氏

Research&Technology Japanのリーダーである河野誠一氏

まとめ

YOGA BOOKは、超薄型ボディに先進的なHaloキーボードを備えた、未来を感じる2in1タブレットだ。一番の特徴である、Haloキーボードは、スクリーンキーボードならではの可能性を秘めている。たとえば、キーボード面を液晶にすれば、自在にキーをカスタマイズできるし、2面液晶で雑誌のような使い方もできるかもしれない。アイデア次第でいろいろなことができそうだ。

Research&Technology Japanのメンバーは、Haloキーボードを物理キーボードを超える存在にすべく、いまも開発を続けているという。YOGA BOOKで世に出たHaloキーボードが今後どのように進化していくのか注目だ。

三浦善弘(編集部)

三浦善弘(編集部)

パソコン関連を担当する双子の兄。守備範囲の広さ(浅いけど)が長所。最近、鉄道の魅力にハマりつつあります。

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