世界最大級のIT展示会「COMPUTEX TAIPEI 2017」が、台湾・台北で2017年5月30日から6月3日まで開催されています。ASUSやデル、MSIといった主要PCメーカーのほか、インテルやAMDなどのチップメーカーも集結し、新製品を大量に発表。本記事では、6月1日までに発表された主要な新製品をブランド別にまとめてみました。
「COMPUTEX TAIPEI 2017」で発表された新製品
ASUSは、世界最薄の2in1パソコン「ZenBook Flip S」、NVIDIA「GeForce GTX 1050」搭載の低価格ゲーミングノートPC「Vivobook Pro 15」と下位モデル「VivoBook S15」、世界最薄の14インチノートPC「ZenBook 3 Deluxe」、4KノートPC「ZenBook Pro」、「GeForce GTX 1080」搭載ながらも17.9mmの薄さを実現したゲーミングノートPC「ROG Zephyrus」、AMDの最新CPU「Ryzen 7 1700」搭載のゲーミングノートPC「ROG Strix GL702ZC」などを発表。ほかにもIntel X299搭載のマザーボードやディスプレイ、Wi-Fiルーターなども登場しました。
2016年の「COMPUTEX TAIPEI」ではスマートフォン「ZenFone 3」シリーズやロボット「Zenbo」などを発表したASUSでしたが、2017年はノートPCの発表がメインとなっています。
「ZenBook Flip S」は、ディスプレイ部分が360°回転する13.3型の2in1パソコン。厚さは10.9mmで重量は1.1kg。2in1パソコンとしては世界最薄をうたっています。主なスペックは、CPUが「Core i7-7500」、メモリーが最大16GB、ストレージがSSDで最大1TB。Windows Hello対応の指紋認証センサーを搭載し、スタイラスペン「ASUS Pen」にも対応。価格は1,099USドルからとなっています
「Vivobook Pro 15」は、15.6型の4K液晶搭載のゲーミングノートPC。主要スペックは、CPUが「Core i7-7700HQ」、メモリーが最大16GB、グラフィックは「GeForce GTX 1050」、ストレージはHDDが最大2TB/SSDが最大512GB(ハイブリッド)。デュアルファンの冷却システムを搭載しています。価格は799USドルから
世界最薄の14型ノートPC「ZenBook 3 Deluxe」。筐体にアルミニウム素材を採用し、厚さは12.9mmで重量は1.1kgです。主なスペックは、CPUが「Core i7 7500U」、メモリーが最大16GB、ストレージがSSDで最大1TB。Windows Hello対応の指紋認証センサーを搭載しています。価格は1,199USドルから
「ZenBook Pro」は厚さ18.9mm、重量1.8kgとシリーズ史上最薄&最軽量を実現した4K液晶のノートPC。主なスペックは、CPUが「Core i7 7700HQ」、メモリーが16GB、グラフィックが「GeForce GTX1050 Ti」、ストレージがSSDの1TBとなっています。バッテリー駆動時間は最大14時間で、Harman Kardonと共同開発されたスピーカーを4基搭載。価格は1,299USドルから
「ROG Zephyrus」は、NVIDIAが「COMPUTEX TAIPEI 2017」で発表したゲーミングノートPCのリファレンスデザイン「MAX Q」を採用した薄型ゲーミングノートPCです。「GeForce GTX 1080」を搭載しながらも厚さ最大17.9mmを実現しています。主なスペックは、CPUが「Core i7-7700HQ」、メモリーが最大24GB、ストレージがSSDで最大1TB。価格は現時点で未定です
ダイソンの羽根のない扇風機を想起させるWi-Fiルーター「Blue Cave」。本体内部に4本のアンテナを内蔵し、IEEE 802.11a/b/g/n/acに対応。ホームネットワーク向けのセキュリティシステム「ASUS AiProtection」を搭載し、ネットワーク内のPCやスマートフォンのほか、IoT機器も保護します。また、ほかのサービスと連携するIFTTTもサポートしているとのことです
インテルは「COMPUTEX TAIPEI 2017」初日に基調講演を行い、コンシューマー向けハイエンドCPUの最新モデル「Core X」シリーズを発表。「Core i」ブランド初となる「Core i9」を冠した製品が登場しました。その中でも最上位モデルとなる「Core i9 7980X Extreme Edition」は、18コア36スレッドを実現。「Core i9」シリーズの参考価格は、1000個ロット時で242〜1,999USドルとなっています。
「Core X」シリーズの詳細については、以下の記事にまとめられています。
Core i9もラインアップ!インテルが最大18コア36スレッドのCPU「Core X」シリーズを発表
AMDは5月16日に開催した投資家向けイベントで、ハイエンドデスクトップPC向けのCPUモデル「Ryzen Threadripper」を発表。「COMPUTEX TAIPEI 2017」ではCPUパッケージを明らかにしました。「Ryzen Threadripper」は、同社の「Zen」アーキテクチャを採用し、最大16コア32スレッドに対応。「Ryzen Threadripper」対応のマザーボードはASUS、ASRock、GIGABYTE、MSIから登場するとのこと。出荷時期は2017年夏を予定しています。
ハイエンドデスクトップPC向けのCPUモデル「Ryzen Threadripper」は、PCI Expressを64レーンもサポートするという(画像はAMD公式Twitterより)
デルは、「Inspiron」シリーズの新しいラインアップとなる「New Inspiron 27 7000 オールインワン」と「New Inspiron 24 5000 オールインワン」、「New Inspiron ゲーミングデスクトップ」を発表しました。液晶一体型デスクトップPC 2製品のうち、「New Inspiron 27 7000 オールインワン」はVR向け製品としてゼロから設計され、27型の狭額縁ディスプレイを採用。「Inspiron」シリーズ初のゲーミングデスクトップPCとなる「New Inspiron ゲーミングデスクトップ」は、CPUにAMDの「Ryzen」シリーズを採用しVRに対応したグラフィックボードを搭載しています。
「New Inspiron 27 7000 オールインワン」は、同社の「インフィニティエッジ」技術を採用した狭額縁ディスプレイを搭載するデスクトップPC。最新のAMD製CPU「Ryzen」シリーズとグラフィックボード「Radeon RX500」シリーズを搭載し、VRコンテンツに対応。スペックの詳細については明かされておらず、価格は999.99USドルからとなっています。近日中に全世界で発売開始予定とのこと
デルは、ゲーミングPCブランド「Alienware」を展開していますが、「Inspiron」シリーズにも「New Inspiron ゲーミングデスクトップ」を追加しました。基本スペックは、CPUが「Ryzen」シリーズ、VR対応グラフィックボード(詳細不明)、メモリーが最大32GB。ユーザーによるパーツの交換や増設を前提に設計されており、最大850Wの電源オプションや冷却システムオプション、最大5個の拡張ベイなどが用意されています。価格は599.99USドルからで、近日中に全世界で販売開始予定(画像はデル公式Twitterより)
MSIは、ゲーミングノートPC新モデルの「GT75VR Titan」「GE63VR Raider」「GE73VR Raider」「GS63VR Stealth Pro」「GS73VR Stealth Pro」の合計5製品を発表しました。どれも高いスペックが特徴で、特に「GS63VR Stealth Pro」「GS73VR Stealth Pro」は、ASUSの「ROG Zephyrus」と同様に、リファレンスデザイン「MAX Q」を採用した薄型ゲーミングノートPCになっています。
「GT75VR Titan」は、パームレストとキーボードに新デザインを採用した17型液晶搭載のゲーミングノートPC。基本スペックは、CPUが「Core i7 7820HK」、グラフィックボードは「GeForce GTX1080/GTX1070 SLI/GTX1070」から選択可能です。液晶はリフレッシュレートが120Hzの倍速仕様で、冷却システムには同社の「Cooler Boost Titan」を採用しています
「GE」シリーズには、15.6型の「GE63VR Raider」と17.3型の「GE73VR Raider」が新しくラインアップされました。両モデルともグラフィックボードに「GeForce GTX1070」を選択可能。キーボードはキー1個単位で光り方をカスタマイズできます。大きな特徴は、同クラスのノートPCよりも5倍ほども直径が大きいスピーカー「Giant Speakers」を搭載していること。音質が従来モデルよりも50%向上し、同クラスのノートPCよりも2倍から3倍のボリュームでサウンドを再生可能です
リファレンスデザイン「MAX Q」採用のゲーミングノートPCでは、15.6型の「GS63VR Stealth Pro」と17.3型の「GS73VR Stealth Pro」が新登場。「GeForce GTX1070」を搭載しながらも、最厚部で17.7mmという驚異的な薄さを誇っているのが大きな特徴です。詳細スペックや価格は明らかになっていませんが、ハイエンドゲーミングノートPCとなるのは間違いなさそう
サムスンはタッチ操作が可能で360°回転式の液晶を搭載した「Notebook 9 Pro」を発表。本体に収納できる同社製のスタイラスペン「S Pen」が付属します。液晶はフルHD(1920×1080ピクセル)で、13.3型と15型の2モデルが登場。基本スペックは、CPUが「Core i7 7500U」、グラフィックは「Intel HD Graphics 620(13.3型)」「Radeon 540(15型)」、メモリーが8GB(13.3型)/16GB(15型)、ストレージがSSD 256GB。発売時期と価格については未定となっています。
「Notebook 9 Pro」