28GB分のデータを1分半以内で転送完了。ビデオ/フォトグラファーに注目のポータブルSSD

コンパクトでも速い、サムスンの新型ポータブルSSD「T5」の実力をチェック!

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日本サムスンからポータブルSSDの最新モデル「Samsung Portable SSD T5」(以下、T5)が登場した。新たに10GbpsのUSB 3.1 Gen2インターフェイスを採用し、データ転送速度が高速化したのが特徴。ここでは、従来モデルなどと比べながら、「T5」の実力を検証する。

サムスンのポータブルSSDの最新モデル「T5」

サムスンのポータブルSSDの最新モデル「T5」

ユーザーの声を反映してより速くなった「T5」

同社のポータブルSSDの3代目となる「T5」は、名刺サイズ大の製品で、ポジション的には従来モデル「Samsung Portable SSD T3」(以下、T3)の後継品にあたる。最大の特徴は、新たにUSB 3.1 Gen2(10Gbps)インターフェイスを採用し、最大540MB/秒というSATA接続の2.5インチSSDに迫る転送速度を実現したことだ。

これまで、同社のポータブルSSDシリーズは、初代の「Samsung Portable SSD T1」から従来モデルの「T3」まで、最大転送速度はいずれも450MB/秒止まりと、SATA接続の2.5インチSSDより遅かった。そのため、高速なSATA接続のSSDをUSB 3.1 Gen2対応外付けケースと組み合わせたほうが高速と指摘されることもあったが、今回のモデルではその弱点がしっかり克服されている。カタログスペック上の転送速度は、読み出し540MB/秒で、書き込み515MB/秒。従来モデルに比べて、速度は20%向上した。

そのため、ライバルとなるポータブルSSDは引き続き「SanDisk Extreme 500」シリーズ(最大転送速度は440MB/秒)と言えそうだ。

名刺サイズ大のコンパクトボディが特徴

名刺サイズ大のコンパクトボディが特徴

本体サイズは57.3×10.5×74(幅×高さ×奥行)mmで重量は51g。従来モデルとほぼ同じ大きさだが、外観デザインはよりシンプルなものに変更されている。ちなみに、ボディは高さ2mから落としても耐える耐衝撃性能を備えた金属製筺体だ

接続ポートは従来通りUSB Type-C。リバーシブル仕様なのでコネクターの上下の向きを気にせず挿しこめる

接続ポートは従来通りUSB Type-C。リバーシブル仕様なのでコネクターの上下の向きを気にせず挿しこめる

「T5」は、搭載されているメモリーチップに、サムスン製3次元NANDフラッシュ「V-NAND」を採用。従来モデルより新しい第4世代64層TLC V-NANDが使われている。

このほか従来同様、Windows 8以降でサポートしているUSBの高速転送モード「USAP」に対応。AES 256bitのハードウェア暗号化もサポートしているのに加えて、専用アプリ「Samsung Portable SSD Software」を使ったパスワード保護もサポートしている。アプリの対応OSはWindows 7以降、Mac OS X 10.9以降、Android 4.4以降。

容量ラインアップは従来モデルと共通の、2TB、1TB、500GB、250GBと4モデル。「T3」では全モデル共通のブラック筺体だったが、「T5」では、2TBモデルと1TBモデルがディープブラック、500GBモデルと250GBモデルがブルーとなる。想定売価は、2TBモデルが12万円前後、1TBモデルが6万円前後、500GBモデルが3万円前後、250GBモデルが2万円前後。「T3」とほぼ同じくらいの価格となる。

容量によって異なる本体カラー。2TBモデルと1TBモデルがディープブラック、500GBモデルと250GBモデルがブルーとなる

付属品は、これまでUSB Type-C to Type-Aケーブルだったが、新たにUSB Type-Cケーブルも付いた

付属品は、これまでUSB Type-C to Type-Aケーブルだったが、新たにUSB Type-Cケーブルも付いた

ベンチマークテストで「T5」の転送速度を検証

それでは、各種ベンチマークソフトを使って、「T5」の性能を検証していこう。利用したドライブは「T5」の500GBモデル。比較対象として用意したのは、従来モデル「T3」の500GBモデルのほか、J5 createのポータブルケース「JEE253 USB TYPE-C 3.1 to SATA III 2.5」(以下、JEE253)を使いサムスンの2.5インチSATA SSD「750 EVO」を外付け化したものとなる。

今回使用したSSD。手前左がサムスンの「T5」で、手前右が従来モデルの「T3」、奥がサムスンの2.5インチSSD「750 EVO」を搭載したJ5 createのポータブルケース「JEE253」。ボディサイズは圧倒的に「T5」「T3」が小さい

使用PCの検証環境は以下の通りとなる。

CPU:インテル「Core i7-7700K」
マザーボード:ASRock「Fatal1ty H270 Performance」
メモリー:SanMax「SMD4-U16G48M-24R-D」(DDR4-2144 8GB×2枚)
システムドライブ:サムスン「950 PRO」(250GBモデル)
電源ユニット:Seasonic「Xseries XP2 SS-660XP2」
OS:マイクロソフト「Windows 10 Pro 64bit」

なお、今回使用したPCのマザーボードには、USB 3.1 Gen2ポートがなかったため、ラトックシステムのUSB増設ボード「REX-PEU31-AC」を使用し接続している。そのため、若干のロスが考えられるので、その点はご了承いただきたい。

ちなみに、今回使用した「T5」の500GBモデルに搭載されていたファームウェアは「MVT41P1Q」で、これは製品版とは異なるファームウェアとのこと。製品版とは結果異なる可能性もあることは、ご了承いただきたい。そのほか、「CrystalDisk Info」で確認したドライブ情報は以下の通り。

CrysltaDisk Infoで確認した「T5」の500GBモデルのドライブ情報

CrysltaDisk Infoで確認した「T5」の500GBモデルのドライブ情報

ファイルコピー速度

まずはファイルコピー速度をチェック。このテストでは、計2121個のファイル(主にJPEGとRAWファイルなど容量計27.5GB)を使い、Windows 10上でコピーを行った。

上図のグラフを見ての通り、コピーに要した時間は、PCから「T5」で79秒、「T5」からPCが69秒となった。どちらも1分半以内で約28GB分のデータコピーを完了しているので、かなり速い。これに対し、従来モデルでは、PCから「T3」が88秒で、「T3」からPCが79秒と、10秒ほど長くかかっている。

平均転送速度を見てみよう。PCから「T5」が356MB/秒で、「T5」からPCが408MB/秒出ていた。これは公称値より低めだが、それでも速度自体は従来モデルと比べても10%〜14%ほど向上している。

また、J5 createのポータブルケース「JEE253」とサムスンの2.5インチSATA SSD「750 EVO」組み合わせたドライブと比較しても、読み出し速度では「T5」がわずかに負けているものの、書き込み速度では10%近く差をつけており、2.5インチSATA SSDと肩を並べる性能を叩き出している。

PCから「T5」への書き込み速度。360MB/秒前後の速度がでており、始めから終りまで安定したスピードを維持した

「T5」からPCへの読み出し速度。こちらも400MB/秒台の安定的な速度がでている

「T5」からPCへの読み出し速度。こちらも400MB/秒台の安定的な速度がでている

「CrystalDiskMark 5.2.2 x64」によるベンチマークテスト

次にストレージの読み書きの速度を測れる定番アプリ「Crystal DiskMark v5.2.2 x64」の結果を見てみよう。

このテストでは、J5 create「JEE253」+サムスン「750 EVO」の組み合わせが最も高いパフォーマンスとなったが、「T5」との差はわずかで、転送速度はほぼ同じといって問題ないレベルだ。「T5」の結果を見ていくと、シーケンシャル(Q32T1)時の読み出しと書き込みともに公称値を上回った。「T3」と比較してみると、どちらも20%以上速くなっている。そのほかの項目については、4Kのランダムライトのみ変化はないものの、それ以外では軒並み引き上げられており、進化を実感できる結果となっていた。

「ATTO Disk Benchmark V3.0.5」によるベンチマークテスト

続いて「ATTO Disk Benchmark」を用いて、転送サイズ別のシーケンシャル転送速度を調べてみた。以下のグラフは、縦軸が転送サイズ、横軸が転送速度で、2色の横棒は、緑がリード速度、赤がライト速度を表している。

このテストでは「T5」が勝った。特にピーク性能は「T5」が読み出し563MB/秒で書き込み535MB/秒に到達していたのに対し、J5 create「JEE253」+サムスン「750 EVO」では、読み出し556MB/秒、書き込み529MB/秒と、わずかだが「T5」が上回った。また、「T3」に比べて「T5」では小さな転送サイズでの転送速度も向上しており、全体的に速度が伸びていることがわかる。

「Blackmagic Disk Speed Test」によるベンチマークテスト

最後に、「MacBook Pro」(13インチ、2016)を使って動画の読み書き性能を測れる「Blackmagic Disk Speed Test」でもチェックしてみた。

「T5」の結果。転送速度は、読み出し506.0MB/秒、書き込み466.2MB/秒。高画質ビデオRAW規格「Cinema DNG RAW」の2160p/50のReadにも耐えうる実力を備えている

「T3」の結果。転送速度は、読み出し420.2MB/秒、書き込み388.3MB/秒。全体的に速度が遅く、かつ「Cinema DNG RAW」の2160p/50のReadのチェックマークが外れている

J5 create「JEE253」+サムスン「750 EVO」の結果。「T5」とほぼ同様の結果となっている

J5 create「JEE253」+サムスン「750 EVO」の結果。「T5」とほぼ同様の結果となっている

「T5」の転送速度は「T3」比で読み書き20%向上しているうえ、高画質ビデオRAW規格「Cinema DNG RAW」の2160p/50のReadにも耐えうる性能となっている。なお、「T5」では読み出し速度は速いが、書き込み速度はJ5 create「JEE253」+サムスン「750 EVO」が勝っており、まさに実力伯仲といった感じだ。

まとめ)価格はそのままながらコンパクトで高速なポータブルSSD

「T5」の大きな進化点は、インターフェイスにUSB 3.1 Gen2を採用したことにより、データ転送速度が向上したことだ。使い方によって速度に差はあるものの、速さは「T3」比で10%から20%ほど伸びており、この伸び幅は公称値と同程度だ。「T5」では、従来モデルで指摘されていた速度の遅さという不満が、しっかりと払拭されていると言えるだろう。

転送速度自体は、SATA接続の2.5インチSSDを外付け化したものとさほど変わらないが、「T5」ではその速度を名刺より小さいコンパクトボディで実現していることに大きなアドバンテージがある。特に、高精細な写真や動画を頻繁に撮影する方は、カバンに入れてもかさばらないうえ衝撃にも強く、出先でのバックアップ用途としてもピッタリだろう。また、編集や現像もこの転送速度ならストレスなく行えると思う。防水・防塵仕様ではないのがやや残念だが、「T5」は、「T3」とほぼ同じくらいの価格でありながら、より高速でコンパクトボディをそのまま踏襲した、セカンドストレージに最適なポータブルSSDとなっている。

銭袋秀明(編集部)

銭袋秀明(編集部)

編集部の平均体重を底上げしている下っ端部員。アキバをフィールドワークにする30代。2015年4月、某編集部から異動して価格.comマガジン編集部へ。今年こそ、結果にコミット!

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2017.9.22 更新
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