すぐれたペン入力機能を持った、大画面・高性能スマホの最新版

3年ぶりに登場した「Galaxy Note8」は買いか?

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サムスンの大型高性能スマートフォン「Galaxy Note8」が、NTTドコモからは「SC-01K」として、auからは「SCV37」として、2017年10月26日に発売された。昨年発覚した、「Galaxy Note 7」のバッテリー発火問題の影響もあり、国内市場では実に3年ぶりの新モデルとなる本製品の進化点をチェックしてみた。

シリーズとしては国内市場で3年ぶりに登場となる「Galaxy Note8」の人気が高い。6.3インチの大画面と、高性能のペン入力機能が特徴の大型スマートフォンだ

国内では3年ぶりの登場となった「Galaxy Note8」

サムスンの「Galaxy Note」は、「Galaxy S」と並ぶ高性能スマートフォンのシリーズで、大画面が特徴の大型スマートフォンだ。世界的に人気の高いシリーズだが、昨年発売された「Galaxy Note 7」は、バッテリー周辺の設計不良による発火が発覚し、海外で回収および発売中止に追い込まれたことは記憶に新しい。国内では発売されずに終わったこともあり、「Galaxy Note8」は、正規販売される新製品としては2014年秋に登場した「Galaxy Note Edge」以来、3年ぶりの新モデルとなった。

Galaxy Noteシリーズのハードウェア上の特徴は、初代から一貫している。ひとつ目は、独自のペン入力デバイスである「Sペン」を装備していること。2つ目は大画面の有機ELディスプレイを備えること。そして3つ目の特徴が処理性能の高さだ。最新モデルの「Galaxy Note8」も、これらの特徴は継承されている。

だが、本機を取り巻く国内のスマートフォン事情を見ると、この3年の間に大画面を備えた製品がはるかに厚くなっており、本シリーズの大きな特徴であった、5インチ台後半の大画面は、かつてほどのセールスポイントではなくなっている。

「Galaxy S8+」とさほど変わらないボディと画面サイズ

「Galaxy Note8」は、1440×2960表示に対応する約6.3インチの有機ELディスプレイを備えている。このディスプレイは、今夏に登場した「Galaxy S8/8+」シリーズと同じく、縦横比が9:18.5という縦長で、左右の長辺が曲面になっているもの。これにより、大画面の割には横幅を抑えられており、片手でも持ちやすい。

ボディサイズは、約75(幅)×163(高さ)×8.6(厚さ)mm、重量は約190gだが、これは、すでに発売されている「Galaxy S8+」と比較して、横幅でプラス2mm、高さがプラス3mm、厚さで0.5mm、重量で約17gの違いしかない。つまり、外観や画面サイズについては、「Galaxy S8+」とほとんど変わらない。この点で、従来ほどの差別化はできなくなっている。

このほかにも、サムスン独自のAI技術「Bixby」を起動するボタンが装備されていたり、物理式のホームボタンがないボディは「Galaxy S8+」にとてもよく似ている。なお、国内に投入されるGalaxy Noteシリーズとしては初めて、IPX5/8等級の防水仕様と、IP6Xの防塵仕様をクリアしている。これは既存のGalaxy Noteシリーズのユーザーには朗報だろう。

サムスン自慢の、サイド方向に緩やかにラウンドしていく「エッジディスプレイ」。約6.3インチという大画面でありながらボディの大型化を抑えるのにひと役買っている

SIMカードとmicroSDメモリーカードを装着した状態で重量は約190gと、重量級のスマートフォンだ

SIMカードとmicroSDメモリーカードを装着した状態で重量は約190gと、重量級のスマートフォンだ

ディスプレイは、「Galaxy S8+」よりも0.1インチ大きいが、画面解像度は共通。画面解像度を720×1480、1080×2220、1440×2960の3段階に調節する機能が備わっており、初期状態では1080×2220表示になっている。有機ELディスプレイらしく、高いコントラスト比による濃厚な発色は健在で、ややネックだった輝度も最新の液晶パネルと比較してもそん色ないレベルだ。また、輝度によって色かぶりが目立つのも、有機ELディスプレイの欠点だったが、本機は輝度を低下させても白がきちんと白く見えていた。総じて、ディスプレイに対する満足度は高いレベルに仕上がっている。

有機ELパネルで目に付きやすい色のかぶりはほとんどない。解像度も高いので、細かい文字を表示させてもにじみは目立たなかった

接続インターフェイスでは、FeliCa、NFC、Bluetooth 5.0、USB3.1 Gen1対応のUSB Type-Cの各ポートを搭載するほか、生体認証機能として、指紋認証、虹彩認証、顔認証に対応している。また、フルセグ/ワンセグチューナーも搭載されている。なお、「Galaxy S8/8+」では非対応のUSB PDに対応しており、大電力での充電が可能になった。本機のハードウェアは細部にいたるまで文句のないハイスペックと言えるだろう。

シリーズの特徴である「Sペン」は、さらに便利に楽しくなった

Galaxy Noteシリーズがほかのスマートフォンと決定的に違うのは、ペン入力デバイス「Sペン」を搭載していることだ。Sペンは4096段階で筆圧を感知できるため、液晶ペンタブレットに近いアナログ的な書き味を実現している。絵心のある人なら繊細なタッチを生かしたイラストを描くことも可能だろう。

本機のペン入力という機能については、従来から大きな変更はない。スマート選択、キャプチャ手書き、翻訳、小窓表示、ルーペといった機能を搭載しており、Galaxy Noteシリーズを愛用しているユーザーならすぐに使い始められる。

そんな「Sペン」に加わった新機能だが、描いた軌跡をGIFアニメーションとして保存する「ライブメッセージ」や、動画の一部をトリミングしてGIFアニメーションにする機能などとともに、ペンを本体から取り出すだけでスリープ状態から復帰して、すぐに画面にメモを書いて保存できる「画面オフメモ」機能が追加された。この「画面オフメモ機能」は、メモを取りたいときにさっと取り出して書き込めるので、紙のメモ帳にさらに近い使い勝手を実現しており、「Sペン」の使い勝手を大幅に高めている。

Sペンは本体底面に収納されている

Sペンは本体底面に収納されている

「Sペン」も本体と同様のIPX6/8等級の防水仕様とIP6Xの防塵仕様をクリアしているので、うっかり水没ししまっても安心だ

ペンを本体から取り出すだけでスリープ状態から復帰して、すぐに画面にメモを書いて保存できる「画面オフメモ」機能は、手書きのメモ帳のような操作性をもたらしてくれる注目の新機能だ

スクリーンショットを撮って、そこに手書きのメモを加えるといった操作はお手のもの

スクリーンショットを撮って、そこに手書きのメモを加えるといった操作はお手のもの

新機能「ライブメッセージ」。筆跡にエフェクトが付き、GIFアニメーションとして保存される

新機能「ライブメッセージ」。筆跡にエフェクトが付き、GIFアニメーションとして保存される

ペンで触れた単語の訳語がすぐに表示できる機能も便利だ

ペンで触れた単語の訳語がすぐに表示できる機能も便利だ

広角と標準のデュアルカメラ構成になったメインカメラ

「Sペン」とともに本機がGalaxy S8/8+と大きく異なるのはメインカメラ。従来のシングルカメラから、近ごろ流行のデュアルカメラ仕様に強化されているのだ。この2つのカメラは、レンズの画角が異なり、片方はスマートフォンで一般的な広角レンズが、もう片方には望遠レンズが搭載されている。そして、両カメラを切り替えることで光学2倍のズーム撮影が行えるというのがポイントになっている。

なお、いずれのカメラも画素数は約1200万画素で共通だが、イメージセンサーの面積は広角側が1/2.55インチで、望遠側が1/3.6インチとなっており広角側のほうが広い。また、高速なオートフォーカスを実現する「デュアルピクセル」や、F1.7の大口径レンズ(望遠側はF2.4)をはじめ、プロモード、パノラマ撮影、スローモーション、RAWデータでの保存といった機能を備えているのは広角側のみになっている。

メインカメラは、広角と望遠のデュアルカメラ構成になった

メインカメラは、広角と望遠のデュアルカメラ構成になった

広角カメラはアクロバット飛行の飛行機雲のような空一面に広がる被写体の撮影に向いている

広角カメラはアクロバット飛行の飛行機雲のような空一面に広がる被写体の撮影に向いている

こちらも広角カメラでの撮影。群集を撮りたいのか飛行機を撮りたいのかわからない構図になった

こちらも広角カメラでの撮影。群集を撮りたいのか飛行機を撮りたいのかわからない構図になった

同じ構図で望遠カメラに切り替えると、何を撮りたかったのかがよりわかりやすくなる

同じ構図で望遠カメラに切り替えると、何を撮りたかったのかがよりわかりやすくなる

明暗差のある構図で夜景を広角カメラで撮影。光学手ブレ補正が効いているためか、手持ちだが手ブレも見られずノイズも目立たない。暗い場所でも手軽にキレイな撮影ができる

同じ構図でこちらは望遠側を使ったもの。こちらも光学手ブレ補正が効いており、ノイズや手ブレは目立たなかった

6GBの大容量RAMは魅力。画面スクロールは明らかに速くなった

続いて本機の処理性能を見てみよう。まずは基本スペックだが、搭載されるCPUはオクタコアの「Snapdragon 835 MSM8998(2.35GHz×4+1.9GHz×4)」で、RAMは6GB、ストレージは64GBという構成で、OSはAndroid 7.1。Android 8.0へのバージョンアップも予定されている。microSDメモリーカードスロットは256GBまで対応する。

本機に採用されている「Snapdragon 835」は、Galaxy S8/8+のほか、ソニー「Xperia XZ Premium」、HTC「U11」、シャープ「AQUOS R」など、各メーカーのハイエンドモデルに広く採用されている。高性能かつ、発熱やバッテリーの消費もおだやかという特徴があり、評価の高いCPUだ。本機でも発熱はおだやかだし、動作もスムーズだ。

定番のベンチマークアプリ「Antutuベンチマーク」を使用し、実際の処理速度を計測してみた。総合スコアは175,992(3D:73,412、UX:54,372、CPU:37,592、RAM:10,616。1440×2960表示時)で、価格.comマガジンで以前計測した「Xperia XZ Premium」の総合スコア166,307(3D:69,005、UX:53,388、CPU:34,281、RAM:9,633)や、「Galaxy S8+」のスコア164,803(3D:67,203、UX:50,243、CPU:37,173、RAM:10,179)と比較して、2万点ほど良好なスコアだった。他製品のRAMがすべて4GBであることを考えると、やはりプラス2GBという大容量RAMが効いているのだろう。
アプリの起動や画面のスクロールのスムーズさといった体感速度を、本機と同じCPUを備え、4GBのRAMを搭載する「Xperia XZ Premium」と比較したところ、画面スクロールのなめらかさでは明確な差が感じられた。本機の画面スクロールのなめらかさは、倍速駆動のIGZO液晶ディスプレイを備えた「AQUOS R」に近いレベルと言っていい。

「Antutuベンチマーク」のスコア。左が「Galaxy Note8」のもの、右が「Galaxy S8+」のものだ。いずれも画面解像度は1440×2960で統一している。メモリーやCPUの仕様が共通なのでCPUおよびRAMのスコアはほとんど共通。いっぽう描画に関わる3DやUXのスコアが伸びている

最後に、バッテリーの持ちをチェックしよう。バッテリーの容量は3300mAh。実は、「Galaxy S8+」の3500mAhよりも200mAhほど容量が少ない。この影響もあり、NTTドコモ版の「SC-01K」では、実使用時間(ユーザーの利用条件を平均化した条件で計測した、バッテリー持続の実践的な指標)は、約115時間となっており、「Galaxy S8+(SC-03J)」の約135時間よりも20時間ほど短くなっている。au版の「SCV37」についても、電池持ち時間は約110時間で、Galaxy S8+(SCV35)の115時間とくらべて5時間ほど短い。今回の検証は5日間行ったが、その間にバッテリーの充電は2回行った。筆者の利用ペースではフル充電で2日程度は持続したことになり、ハイエンド機としては優秀とはいえるものの、以前検証した「Galaxy S8+」と比較すると、ややバッテリーの持ちは短いという印象だ。

検証した5日間のバッテリー消費の推移グラフ。特筆するべきバッテリー持続性を誇る「Galaxy S8+」ほどではないが、実質2日間は充電の必要がなく、高性能機としては電池の持ちはかなりよい

旧モデルの愛用者なら、本機は間違いなく「買い」

スマートフォン全体が大型化した今となっては、Galaxy Noteシリーズの特徴だった大画面は本機を選ぶ理由にはなりにくい。この「Galaxy Note8」を選ぶ最大の理由はすぐれたペン入力機能だろう。本機に備わる「Sペン」は、筆やペンのような繊細なタッチを再現でき、しかも、「ライブメッセージ」などの新機能も搭載されているので、満足度はさらに高まった感がある。

「孤高の高性能スマホ」といった風情の本機に直接のライバルはいないが、サイズや性能などで共通点の多い「Galaxy S8+」は購入の比較対象となりうる。両機の価格差は、条件にもよるが2〜4万円程度と無視できない額で、「Sペン」が必要ならば本機を、逆に「Sペン」にさほどこだわりがないのであれば、「Galaxy S8+」でもいいだろう。なお、NTTドコモで、MNPを使ってGalaxy Note8を購入した場合、本体価格の126,360円に対し、月々サポートの適用額が総額最大99,792円となり、実質負担金が26,568円で購入できる点には注目だ。

グローバルモデルは毎年登場しているものの、国内における過去のGalaxy Noteシリーズの取り扱いを見ると、次のモデルが来年も登場するかはわからない。シリーズとして3年ぶりに登場した本機は、Galaxy Noteシリーズの愛用者なら、その進化を実感できる製品に仕上がっており、購入後の満足度も高いはずだ。

田中 巧(編集部)

田中 巧(編集部)

FBの友人は4人のヒキコモリ系デジモノライター。バーチャルの特技は誤変換を多用したクソレス、リアルの特技は終電の乗り遅れでタイミングと頻度の両面で達人級。

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2017.11.17 更新
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