ゲーミングPCパワーアップ大作戦
目の前すべてが画面になる!

FPS用ゲーミング液晶の選び方を解説。圧倒的な没入感なら「湾曲パネル」がいい!

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Steamのコアゲーマーこと“すちーむ☆まにあ”辻村美奈が、PCゲームを快適に楽しむための周辺機器を基礎から解説する本連載。今回は、「FPS」(First Person Shooter:1人称視点のシューティングゲーム)をPCでプレイするのに欠かせない、ゲーミング液晶ディスプレイを紹介する。

“すちーむ☆まにあ”が今回紹介するのは、湾曲パネルを採用した、35型ゲーミング液晶ディスプレイ「Z35bmiphz」(Acer)

ゲーミング液晶ディスプレイの選び方を解説!

PCでFPSをプレイする際、“ディスプレイの映像”がそのまま“プレイヤーの視界”になっているということを、心得ておきたい。

映像の中には、重要なアイテムや敵プレイヤーの位置はもちろん、ターゲットの血の跡や罠など、数多くの情報が表示されている。そのため、戦闘を有利に進めるためには、“映像から読み取れる情報量をいかに増やしていくか”という点が重要になる。

筆者が普段プレイしているサバイバルホラーゲーム「Dead by Daylight」(Behaviour Digital)の画面例。プレイヤーのステータス(番号1および2)や仲間のステータス(番号3)、さらによく見ると、中央に殺人鬼(番号4)の姿もある。このように、FPSの画面には、多くの情報が表示されている

では、ゲーム映像のクオリティを向上させるには、どのような点に気をつけて、工夫すればよいのだろうか?

PCの場合、まず思いつくのがグラフィックボードだ。旧型のPCでも、グラフィックボードを次世代モデルに挿し替えるだけで、フレームレート(1秒間に描画される枚数)が向上し、おどろくほど処理スピードが速くなる。パラパラ漫画にたとえると、枚数が増えるほど、“カクカク”から“ぬるぬる”へと、なめらかに見えてくるようなものだ。

話をPCゲームに戻すと、フレームレートの標準値である「60fps(frames per second=フレーム毎秒)」よりも低い場合、1秒間に表示される枚数が少なくなってしまい、敵を発見すると同時に、すぐに殺されてしまう可能性が高い。

そうならないためにも、グラフィックボードはしっかりと選んでおきたい。PCでFPSをバリバリ楽しみたいのであれば、GeForceシリーズの「GeForce GTX 1060 6GB以上」やRadeonシリーズの「Radeon RX 580 4GB以上」を選択しておけば、まず間違いないだろう。

こちらは、筆者の使っているグラフィックボード「GeForce GTX 1080 Ti 11GB」

こちらは、筆者の使っているグラフィックボード「GeForce GTX 1080 Ti 11GB」

そのPC、もしかしてオーバースペック?

グラフィックボードに加えて、忘れてはいけないポイントがもうひとつある。それは、ディスプレイのリフレッシュレートだ。

PCで処理した画像がディスプレイに描画される際、1秒間に描画内容を書き換える回数をリフレッシュレートと呼ぶ。単位はHz(ヘルツ)。たとえば、1秒間に60回、画面が書き換わった場合、60Hzと表記する。フレームレートと同様に、1秒間で処理される回数によって、性能の善し悪しをはかるものだ。

たとえば、ウン十万円の高性能なグラフィックボードで、秒間100枚以上の枚数を処理したとしても、ディスプレイがそれにこたえられる性能を備えていない場合、リフレッシュレートの標準値である60Hz(書き換え回数)前後しか書き換えられない。つまり、そのウン十万円のグラフィックボードは、ただのオーバースペックになってしまうのだ。

ティアリング防止の新技術「G-SYNC」への対応もポイント

以上のことから、ゲーミング液晶ディスプレイを選ぶ前には必ず、スペック表に記載されたリフレッシュレートを確認しておきたい。書き換え回数、つまりHzの数字が高いほど高性能だが、基本的には、グラフィックボードのフレームレートに合わせるといいだろう。

さらに最近では、ティアリング(チラつきやカクつき)防止の新技術「G-SYNC」に対応したディスプレイも登場している。これは、グラフィックボードのフレームレートに合わせてリフレッシュレートを出すというもの。70fps(描画枚数)なら70Hz(書き換え回数)へといった具合に、送出フレームレートとディスプレイの書き換え周期を常に同期させる。そのため、ティアリングを最小限に抑え、常に“ぬるぬる”とした動きでゲームをプレイできるのだ。

G-SYNCの有無によるティアリングを比較したイメージ画像(左がG-SYNC非対応、右がG-SYNC対応)。両者を比較すると、その差は一目瞭然だ

実はこのG-SYNC、ゲーム内でキャラクターが動く際、キーを押してからキャラクターが動くまでの入力遅延を最小限に抑えるという、すごいワザを備えている。FPSでは、この入力遅延が、かなりの命取り。G-SYNC対応のディスプレイを使うことで、ブレが少なくなり、より正確なタイミングで、敵よりも早く銃口を合わせられるようになる。

視界すべてがディスプレイ! 35型湾曲パネルの没入感がスゴい!

以上のポイントをふまえて今回は、高リフレッシュレートかつG-SYNC対応によって、FPSを強力にサポートする、35型湾曲ゲーミング液晶ディスプレイ「Z35bmiphz」(Acer)を紹介していく。

まず注目してもらいたいのが、この大きさだ。Z35bmiphzの本体は844.4(幅)×554.5〜684.5(高さ)×299.9(奥行)mm(スタンドなし)という特大サイズ。液晶パネルは35型で、映画館のスクリーンに近いアスペクト比21:9のシネマスコープサイズを採用している。解像度は2560×1080ドット。画面の前に座ってみると、“視界すべてがディスプレイ”という印象だ。

35型の巨大スクリーン! 本体重量は、なんと12.65kg。設置するだけで翌日、筋肉痛になってしまった

35型の巨大スクリーン! 本体重量は、なんと12.65kg。設置するだけで翌日、筋肉痛になってしまった

このディスプレイの最大の特徴は、湾曲パネルを採用し、没入感を高めていること。特に、レーシングゲームやフライトシミュレーターなど、自動車や飛行機を運転するゲームとの相性は、かなりよさそうだ。

ちなみに、筆者は当初、「湾曲パネルのカーブによって、映像にズレが生じるのでは?」と心配していた。しかし、実物を見てみると、パネルの横幅が長く、ゆるやかなカーブになっていて違和感がない。実際にFPSをプレイしてみても、AIM(スコープをのぞいて狙いを定めること)に影響しなかったほどだ。

また、音質面では、背面の上部に9W+9Wのスピーカーを備えている。ディスプレイ内蔵のスピーカーというと、“シャカシャカ”した音の印象が強いが、こちらはサラウンド対応で、臨場感のあるクリアなサウンドを体感できる。よほどのこだわりがない限り、外部スピーカーを増設する必要はなさそうだ。

横から見ると、液晶パネルがゆるやかなカーブを描いているのがわかる。これによって、ゲームプレイ時に、圧倒的な没入感を得られるのだ

ディスプレイの高さは、柔軟に調整できる。目線の高さにピッタリ合わせることで、余分な力が入らず、肩がこりにくい。角度だけでなく高さも調節できるのは、とてもありがたい!

背面の上部には、9W+9Wのスピーカーを装備。クリアで立体的な音響を実現する技術「DTS Sound」に対応し、外部スピーカーいらずで、臨場感のあるサウンドを楽しめる

背面には、USB 3.0ポート(Type-A)×4、USB 3.0ポート(Type-B)×1を装備。左端のUSBポートひとつは、電源オフ時でも、スマートフォンやタブレットへの給電が可能だ

映像がぬるぬる! G-SYNC対応でブレもなし!

外観のデザインに続いて、仕様面をチェックしていこう。

Z35bmiphzのリフレッシュレートは、通常時で最大144Hz(DisplayPort接続時)。オーバークロック機能を使えば、なんと最大200Hzまで高められる。

さらに、G-SYNCにも対応している。たとえば、初心者や息抜きに軽く遊びたいユーザーに向けたカジュアルなFPSの「Counter-Strike: Global Offensive」(Valve)では、ゲームスタイルがシンプルな分、より素早い判断がプレイヤーに求められる。そのため、G-SYNCに対応していれば、精確な描画によって、敵より優位に立ち回れるだろう。

ディスプレイの設定は、下部にあるメニューボタンから行える。初心者であれば、プリセットされた「Game View」モードの設定から始めてみるのがおすすめだ。レースゲームなど動きの速い映像に適した「RCGモード」、暗い映像を鮮明に表示する「RTSモード」、美しい映像でシミュレーションゲームなどを楽しめる「SLGモード」に対応しており、ボタンを押すだけで、簡単に切り替えられる。

さらに、プレイヤーの好みにあわせて、より細かくカスタマイズできる。なかでも、ガンマ値や色温度の設定、暗いシーンを見やすくするための「ダーク・ブースト」、明暗の強弱を調節して見やすくする「アダプティブ・コントラスト」などは、Z35bmiphzならではの便利な機能と言えるだろう。

ディスプレイの下部。インターフェイスとして、DisplayPort 1.2×1、HDMI 1.4ポート×1も備えている

ディスプレイの下部。インターフェイスとして、DisplayPort 1.2×1、HDMI 1.4ポート×1も備えている

設定は、メニューボタンを使って操作する。画像は、Game Viewモードを表示させたところ。左から、「G」はGame ViewモードのON/OFF、「1」はRCGモード、「2」はRTSモード、「3」はSLGモードを意味している

このほか、ディスプレイ側から照準を表示できる「照準表示機能」も搭載している。デザインは3種類用意されており、好きなものを選べる。個人的には、この機能がとてもうれしく、「チート並み!」と思わず声をあげてしまった。

FPSゲーマーとして、この照準表示機能を搭載しているのは、かなりの好印象!

FPSゲーマーとして、この照準表示機能を搭載しているのは、かなりの好印象!

照準表示機能のイメージ画像。照準のデザインは3つあり、好みのデザインを選べる

照準表示機能のイメージ画像。照準のデザインは3つあり、好みのデザインを選べる

“高級モデル”だが“最強”のディスプレイ

Z35bmiphzが梱包された箱を開けた瞬間、正直、その大きさにかなり驚いた。さらに、重さも約12.65kg(スタンドあり)と相当なもの。デスク上への設置作業は、もはや肉体労働。女性の筆者だけでは力が足りず、ほかのスタッフにも手伝ってもらって、ようやく設置できたほどだ。

しかし、PCと接続して起動すると、その苦労が一気に吹き飛ぶほどの感動が待っていた。35型湾曲パネルの没入感は圧巻だった。実際に、椅子に座ってディスプレイを見た途端、「うわー!」と声を出してしまったほどだ。

Z35bmiphzの価格.com最安価格は98,800円(2018年6月27日時点)と、ほかのゲーミング液晶ディスプレイと比べて、決して安い部類ではない。むしろ、“高級モデル”と位置づけられる。

そんなZ35bmiphzだが、映像のクオリティはズバぬけていい。G-SYNC対応の実力はさすがで、チラつきやカクつきが生じず、期待していた通り“ぬるぬる”と動く。一度、このディスプレイでFPSをプレイしてしまうと、ほかのモデルでは物足りなく感じてしまうかも。もし、本物志向のゲーミング液晶ディスプレイを探しているのであれば、無理をしてでも、買う価値があると断言したい。

ライター:辻村美奈(オフィスマイカ)

オフィスマイカ

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編集プロダクション。「美味しいもの」と「小さいもの」が大好物。 好奇心の赴くまま、良いモノを求めてどこまでも!(ただし、国内限定)

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