特別企画
拡張現実の世界に浸る

「AR」でスマホをもっと便利に楽しく使いこなそう

生活をより便利に、また楽しくしてくれるテクノロジーのひとつとして注目されているのが「AR」だ。そもそもARとはどのような技術なのか、そして何ができるのか。ARの基礎を踏まえつつ、おすすめのアプリを紹介する。

スマホをかざすと現実の風景の中に、3DCGや今いる場所に関連するデジタル情報などを表示する「AR」。これにより、スマートフォンの活用の幅はグッと広がる

ARとは?

「AR」は、Augmented Reality(オーグメンテッド・リアリティ)の頭文字を取ったもので、日本語では「拡張現実」または「拡張現実感」と表現する。

これは文字通り、現実の世界の中にさまざまなデジタル情報を加えることで拡張した現実を作り出すテクノロジーのことだ。

わかりやすい例で言えば、ゲームの「ポケモンGO」がある。あたかもそこにいるかのように、実際の風景の中にCGのキャラクターが出現する。

現実の風景の中にキャラクターが現れ、それを捕獲して交換、バトルなどが楽しめる「ポケモンGO」

現実の風景の中にキャラクターが現れ、それを捕獲して交換、バトルなどが楽しめる「ポケモンGO」

Pokémon GO
iOS/iPadOS:https://apps.apple.com/jp/app/pokémon-go/id1094591345
Android:https://play.google.com/store/apps/details?id=com.nianticlabs.pokemongo&hl=ja
価格:無料(アプリ内課金あり)

いっぽう、混同しやすいテクノロジーに「VR」もある。こちらはVirtual Reality(バーチャル・リアリティ)の頭文字を取ったもので、日本語では「仮想現実」と呼ぶ。

コンピューターが作り出した仮想世界の中に人が入り込むのがVRだ。たとえば、VRゴーグルを装着するだけで、自宅にいながら、まるでコンサート会場にいるかのような体験ができる。

つまり、主体が現実世界にあるのがARであり、仮想空間にあるのがVRということだ。

ARの仕組みを知る

ARについて、もう少し理解を深めておこう。

ARでデジタル情報を表示するには、何らかのきっかけが必要になる。その観点からARを大別すると、「ロケーションベースAR」と「ビジョンベースAR」の2種類に分類される。

・ロケーションベースAR

ロケーションベースARは、GPS(全地球測位システム)によって捕捉された位置情報をきっかけにデジタル情報を表示する。

ただし、位置情報だけではスマホのカメラが向いている方向に情報を表示することができない。そこで、どの方角を向いているのかにはスマホに内蔵されている電子コンパスを利用し、傾きは同じく内蔵の加速度センサーを利用する。

さらには、カメラでとらえた空間、つまりは床や壁までの距離や位置を計算し、表示場所が決まる。

これらのセンサー情報を組み合わせることで、実際の風景の中にリアルなデジタル情報を表示させることができるのだ。

ひとつ例を挙げると、天体観測アプリがこれにあたる。位置と方角と傾きから、実際に見ている星空と同じ天体をスマホの画面に表示させることができる。そのほか、道案内や観光案内など、ロケーションベースARを使ったARアプリは多い。

実際に見ているのと同じ天体のグラフィックを星空に重ねて表示することで、星や星座の名前がわかる「Star Walk 2」

Star Walk 2
iOS/iPadOS:https://apps.apple.com/jp/app/star-walk-2-スカイマップ-星座観察-3d/id892279069
Android:https://play.google.com/store/apps/details?id=com.vitotechnology.StarWalk2&hl=ja
価格:iOS/iPadOS 400円、Android 150〜400円※機能制限された無料版あり

・ビジョンベースAR

ビジョンベースARは、特定の画像、あるいは空間などを認識してデジタル情報を表示するものだ。特定の画像を認識するARを「マーカー型」と呼び、空間や現実の風景やモノを認識するものを「マーカーレス型」と呼ぶ。

マーカー型は、販促や広告・宣伝などによく利用される。お菓子のパッケージや雑誌、ポスターなどに「マーカー」と呼ぶARコンテンツを呼び出すための正方形の画像を印刷しておくと、その画像をきっかけに関連情報を表示したり、動画の再生がスタートしたりする。

マーカーレス型は、マーカーの代わりに特定の建物やモノ(製品など)を利用する。これらをきっかけにするには対象を正確に識別する必要があり、情報の処理量が大きくなることから事例はまだ少ない。

マーカー型の例。「ARで手にとるようにわかる3D宇宙大図鑑」(東京書籍)のサンプルデータで、下記のサンプルPDFを印刷して「AReader」で読み取ると、地球や土星などのCGが表示される

AReader
iOS/iPadOS:https://apps.apple.com/jp/app/areader/id515887237
Android:https://play.google.com/store/apps/details?id=com.toppan.areader.android&hl=ja
サンプルPDF:https://www.tokyo-shoseki.co.jp/books/3D-Space/sample/ar.pdf
価格:無料

最新ARの体験には対応スマホが必要

今やARアプリは多数公開されているが、それを可能にしたのが、開発者向けに提供されるフレームワーク(アプリの開発に必要な一般的な機能をあらかじめ実装したもの)の存在にある。

アップルは「ARKit」(最新は「ARKit 3.5」)、グーグルは「ARCore」というフレームワークを開発者向けに提供していて、低コストかつ比較的容易にARアプリが作成できる。

いっぽう、ARを利用するスマホも、これらに対応している必要がある。最近では多くのスマホが対応しているが、すべてではないので注意が必要だ。使用しているスマホによってはアプリをインストールできない、起動しない、といったケースもありうる。

以下のWebサイトに、「ARKit 3」と「ARCore」の対応端末情報が公開されているのでチェックしておこう。

ARKit 3対応端末
https://www.apple.com/jp/ios/augmented-reality/
ARCore対応端末
https://developers.google.com/ar/discover/supported-devices

ARアプリを使ってみよう

ARアプリは相当数公開されているが、その中からARを体験するのにおすすめのアプリをカテゴリー別にピックアップして紹介する。

IKEA Place

スウェーデン発祥の世界最大の家具メーカーであるIKEAが提供するアプリ。自宅やオフィスなどどこにでも、IKEAの家具を仮想的に配置して実際の雰囲気を確認できる。アプリを起動したら家具を選び、右下にある青色のボタンをタップ

配置したいおおよその場所を表示して白色のチェックボタンをタップすると家具が現れる。あとは、ドラッグして位置を調整する。2本指の回転で方向の調整も可能だ。配置したい場所に調整したら、2本指のタップで設置完了。タップすれば移動できるようになり、ゴミ箱をタップすれば家具が消える

iOS/iPadOS:https://apps.apple.com/jp/app/ikea-place/id1279244498
Android:https://play.google.com/store/apps/details?id=com.inter_ikea.place&hl=ja
価格:無料

IRoomCo AR

20以上の人気ブランドのインテリア商品を収録し、実際の部屋に仮想的に配置して購入前に確認できる。気になる家具が見つかったら、「部屋に配置する」をタップ

スマホを動かして空間を認識し、ドットで構成された四角形が表示されたらタップして家具を表示。ドラッグして位置を調整し、2本指の回転で方向を調整する。「…」ボタンをタップすると、ルーラーを使って2点間の距離を計測したり、画面キャプチャを保存したりできる

iOS/iPadOS:https://apps.apple.com/jp/app/roomco-ar-ルムコエーアール/id960938712
Android:https://play.google.com/store/apps/details?id=jp.co.livingstyle.roomco&hl=ja
価格:無料

計測

2点間の距離や、平面の面積の簡易計測ができるアプリ。アプリを起動したら画面の指示にしたがってiPhone/iPadを動かす。空間を認識すると「+」ボタンが表示されるので、計測したい一方の始点に「●」を移動して「+」をタップ。終点に「●」を移動して「+」をタップするとおおよその距離が表示される

平面を認識すると「長方形を追加」と表示されるので、「+」をタップ。これで大まかな面積も計測できる

平面を認識すると「長方形を追加」と表示されるので、「+」をタップ。これで大まかな面積も計測できる

iOS/iPadOS:標準インストール
価格:無料

Measure

グーグルが提供する計測アプリ。アプリを起動したら画面の指示にしたがってスマホを動かす。空間を認識したら計測したい一方の始点に「●」を移動して「+」をタップ。終点に「●」を移動して「+」をタップするとおおよその距離が表示される

Android:https://play.google.com/store/apps/details?id=com.google.tango.measure&hl=ja
価格:無料

Wanna Kicks

ARでスニーカーが試着できるアプリ。アプリを起動してカメラで足下をとらえると、スニーカーが表示される。いろいろなスニーカーに履き替えができ、3Dなので側面などの雰囲気もわかる。気に入ったスニーカーが見つかったら、そのまま購入も可能だ

iOS/iPadOS:https://apps.apple.com/jp/app/wanna-kicks/id1444049305
Android:https://play.google.com/store/apps/details?id=by.wanna.apps.wsneakers&hl=ja
価格:無料

Wanna Nails

いろいろなカラーのネイルを試せるアプリ。起動すると爪部分を認識し、選んだネイルの色が自然に表示される

いろいろなカラーのネイルを試せるアプリ。起動すると爪部分を認識し、選んだネイルの色が自然に表示される

iOS/iPadOS:https://apps.apple.com/jp/app/wanna-nails/id1334108416
Android:https://play.google.com/store/apps/details?id=by.wanna.apps.wnails&hl=ja
価格:無料

VirTry バートライ

メガネ、サングラス、ヘッドホン、イヤホンの3Dモデルを試着できるアプリ。メガネやサングラスは種類が多く、自分の顔に似合うものを探すのに苦労する。そんな時、このアプリを使えば自分に似合う形状や色を見つけることができる。横を向いても3Dモデルが追随するので、横顔の見た目も確認可能だ。気に入ったメガネは購入もできる

iOS/iPadOS:https://apps.apple.com/jp/app/virtry-バートライ-メガネ-サングラスをバーチャル試着/id1225120657
価格:無料

GlassOn - メガネバーチャル試着

メガネの試着ができるAndroid向けアプリ。選べるメガネの種類はやや少ないが、こちらも正面だけでなく、横顔の見た目も確認可能だ

Android:https://play.google.com/store/apps/details?id=skglobal.product.glasson&hl=ja
価格:無料

タカシマヤリング試着アプリ

高島屋が販売するブライダル&アニバーサリーリングの試着ができる。女性、男性ともに対応で、はじめに左手を撮影し、リングを選んで試着する。アプリから購入はできないが、写真を保存したり、メールで送信ができる

iOS/iPadOS:https://apps.apple.com/jp/app/タカシマヤリング試着アプリ/id670146979
価格:無料

Googleマップ

Googleマップの徒歩によるルート案内では、ARによる道案内(ライブビュー)を利用できる。目的地を指定してナビを開始し、画面左下に表示される「ライブビュー」ボタンをタップすると、実際の風景に重ねて曲がる方向などの情報が表示される

iOS/iPadOS:https://apps.apple.com/jp/app/google-マップ-乗換案内-グルメ/id585027354
Android:標準インストール
価格:無料

Yahoo! MAP

Yahoo! MAPにも同様の機能がある。徒歩によるルート案内を開始したら、画面右上の「ARモード」をタップ。実際の風景に重ねて経路が表示され、残りの距離などの情報も表示される

iOS/iPadOS:https://apps.apple.com/jp/app/yahoo-map-ヤフーマップ-道案内に強い地図アプリ/id289567151
Android:https://play.google.com/store/apps/details?id=jp.co.yahoo.android.apps.map&hl=ja
価格:無料

アメミル

アプリを起動して「3D」をタップすると、付近の雨雲の位置や雨の状況、風向きなどを風景に重ねて表示する

アプリを起動して「3D」をタップすると、付近の雨雲の位置や雨の状況、風向きなどを風景に重ねて表示する

iOS/iPadOS:https://apps.apple.com/jp/app/アメミル/id640441905
Android:https://play.google.com/store/apps/details?id=jp.amemil.android.amemilapp&hl=ja
価格:無料(アプリ内課金あり)

PeakFinder AR

現在地から見える山の名前がわかる山座同定アプリ。アプリを起動して画面左上のカメラアイコンをタップ。ファインダーをのぞくと山の稜線が線画で表示されるので、実際の風景に重ねると山の名前がわかる

Monster Park

恐竜を現実の世界に呼び出して眺めたり、一緒に写真撮影ができる。無料では表示できるのがティラノサウルス・レックスとプテラノドンのみだが、有料(250円)でアロサウルスやステゴサウルスなどほかの恐竜も追加できる

iOS/iPadOS:https://apps.apple.com/jp/app/monster-park-ディーノ世界-ar/id1259767702
Android:https://play.google.com/store/apps/details?id=com.vitotechnology.DinoAR&hl=ja
価格:無料(アプリ内課金あり)

カメラの「プレイグラウンド」

Pixelの「カメラ」機能として提供されるAR機能。「その他」から「プレイグラウンド」を選択。シャッターボタン左横のボタンをタップすると、ピカチュウやマーベル・スタジオの「アベンジャーズ」の登場キャラクターなどが選べる。ARだけでなく、顔認識やAIも活用するため、人の動きに反応したり、表情を変えたりもする(「Pixel 3」で確認)

Android:Pixelシリーズは標準インストール
インストールされていない機種は下記をインストール
プレイグラウンド(旧称 AR ステッカー)
https://play.google.com/store/apps/details?id=com.google.vr.apps.ornament&hl=ja

SNOW スノー

ARメイク機能が楽しめる大人気の自撮りアプリ。顔認証機能とARを使い、メイクやスタンプの挿入がとても簡単にできる。しかも、顔がかわいく“盛れる”ほか、変顔や面白画像加工、顔の交換など、遊び心も満載

iOS/iPadOS:https://apps.apple.com/jp/app/snow-スノー/id1022267439
Android:https://play.google.com/store/apps/details?id=com.campmobile.snow&hl=ja
価格:無料

Instagram

Instagramのストーリーズ機能にも、SNOWと同じような機能がある。ストーリーズ機能は、24時間限定で静止画や動画をシェアできる機能のこと。ストーリーズの撮影画面を呼び出すと、画面下部のさまざまなエフェクトが楽しめる

iOS/iPadOS:https://apps.apple.com/jp/app/instagram/id389801252
Android:https://play.google.com/store/apps/details?id=com.instagram.android&hl=ja
価格:無料

ハリー・ポッター:魔法同盟

「ポケモンGO」の開発会社によって作成された、ARを使ったリアルワールドゲーム。マップ上で探索しながら、魔法界で発生した大災厄によってマグル界に出現する魔法界の道具、魔法生物、魔法界の人々などを魔法を使って魔法界に戻す。ARモードにすると、魔法界の道具などが実際の風景の中に出現する

iOS/iPadOS:https://apps.apple.com/jp/app/ハリー-ポッター-魔法同盟/id1452352832
Android:https://play.google.com/store/apps/details?id=com.nianticlabs.hpwu.prod&hl=ja
価格:無料(アプリ内課金あり)

Angry Birds AR: Isle of Pigs

大人気のスマホゲーム「Angry Birds」のAR版。部屋の中に3Dの障害物を表示し、お気に入りのバードを当てて破壊しながらパーティーシティーに向かう。3Dなので、ぐるぐる動き回って障害物を全方向から狙えるのが楽しい

iOS/iPadOS:https://apps.apple.com/jp/app/angry-birds-ar-isle-of-pigs/id1456120259
Android:https://play.google.com/store/apps/details?id=com.rovio.abar&hl=ja
価格:無料(アプリ内課金あり)

不思議の国のアリス. 拡張現実(AR). アドベンチャー

自宅の部屋に、ワンダーランドへの入り口が出現。白いウサギについていってそこから不思議の国へ入り、さまざまなイベントを楽しむ。無料だと導入部のチャプター1のみ体験でき、チャプターを購入(370円〜)するとフルゲームが楽しめる

iOS/iPadOS:https://apps.apple.com/jp/app/不思議の国のアリス-拡張現実-ar-アドベンチャー/id1279423433
価格:無料(アプリ内課金あり)

まとめ

ARというテクノロジー自体は、さほど目新しくはない。しかし、アップルとグーグルがプラットフォームを提供するなど、その裾野は確実に拡がっている。

スマホ向けということもあり、現在はエンターテインメントやゲームなどが先行している感が強いものの、プラットフォーム自体が進化しており、より生活に根ざしたアプリなども拡充されることが予想される。

今後はさらに、スマホ以外の機器でも利用の幅が広がることだろう。教育や医療、観光、広告、建設などの分野でも活躍が期待されているので、ARの進化に注目しておきたい。

小野均

小野均

パソコンからモバイルまで、ハード&ソフトのわかりやすい操作解説を心がける。趣味は山登りにクルマという、アウトドア志向のIT系フリーライター。

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