レビュー
5G対応で帯域制限なしの使い放題キャンペーン中。在宅勤務の強い味方

現時点で最強の5G対応モバイルWi-Fiルーター「Wi-Fi STATION SH-52A」を使った

在宅勤務などのテレワークが広まったことで注目を集めているモバイルWi-Fiルーター。そんな状況の中、2020年6月1日に登場したNTTドコモのモバイルWi-Fiルーター「Wi-Fi STATION SH-52A」(シャープ製)は、5G対応のうえに、現在データ通信が使い放題(2020年6月10日時点)の高性能モデルだ。本機の魅力に、通信性能と料金プランの両面から迫った。

※本記事中の価格は税込で統一している。

現状、国内唯一の5GモバイルWi-Fiルーター

今年3月末より国内でも一斉に始まった5Gサービスだが、意外なことに、現時点において5G対応のモバイルWi-Fiルーターは、今回取り上げるNTTドコモの「Wi-Fi STATION SH-52A」のみしか存在しない。

本機のサイズは、約157(幅)×84(高さ)×16(厚さ)mm、重量約268gと、やや大きめ。前モデル「SH-05L」の重量約150gと比べると100g以上も重く、ポケットに入れて持ち運ぶような製品ではない。この大柄なボディには、5Gモバイル通信機能のほか、Wi-Fi 6対応のWi-Fi機能、有線接続インターフェイスとしてUSB Type-C(充電兼USBテザリング用)と2.5GBASE-T対応の有線LANポート、4,000mAhの大容量バッテリー、約2.4インチのタッチパネル液晶ディスプレイが搭載されている。なお、5Gについては、現時点で利用できるSub-6に加えて、後日のアップデートでミリ波にも対応する予定だ。連続待受時間(LTE)は約200時間、連続通信時間は約290分(5G)/約280分(PREMIUM 4G、キャリアアグリゲーション利用時)/約400分(4G)となっている。

手のひらからはみ出そうな大柄なボディ。携帯性はさほどいいとは言えない

手のひらからはみ出そうな大柄なボディ。携帯性はさほどいいとは言えない

ボディ右側面に、SIMカードスロット、2.5GBASE-T対応の有線LANポート、充電とUSBテザリングに利用するUSB 3.0対応のUSB Type-Cポートを配置

左側面には排気口と、リセットスイッチ、電源ボタンが配置される

左側面には排気口と、リセットスイッチ、電源ボタンが配置される

底面は何もない。据え置きに便利な滑り止めなども用意されていない

底面は何もない。据え置きに便利な滑り止めなども用意されていない

まずは、本機の5G通信機能について詳しく見てみよう。Sub-6圏内では下り最大3.4Gbps/上り最大182Mbpsの通信が可能。ミリ波の圏内なら下り最大4.1Gbps/上り最大480Mbpsのデータ通信が可能となる予定だ。4G通信では、下り最大1.7Gbps/上り最大131.3Mbpsのデータ通信が行える。なお、5Gサービスに関してだが、エリア展開が広がるのはまだしばらく先だ。ただし、エリア内であれば実効速度1Gbpsを越えることも珍しくない。いっぽうの4Gだが、通信速度1Gbps以上の通信エリアは、以前は都市部のターミナル駅や繁華街などに限られていたが、近ごろは地方都市レベルでもエリア展開は進んでいる。自宅が1Gbps以上の通信エリア内という人も徐々に増えてきていることだろう(速度別通信エリアは以下のページを参照)。

Wi-Fiに関しては、IEEE802.11a/b/g/n/ac/ax(2.4GHz帯/5GHz帯)に対応しており、新規格であるWi-Fi 6(IEEE802.11ax)では、最大1,201Mbpsのデータ通信が可能だ。光回線などのブロードバンド回線の代わりとして使うならピークスピードだけではなく、同時に接続できる台数も重要だが、本機は、同時に16台のデバイスが接続可能、さらに有線LAN接続とUSBテザリングでそれぞれ1台ずつ、合計18台のデバイスと同時に接続できる。一般的な家庭であれば、パソコンをはじめ、家族分のスマホ、タブレット、ゲーム機や家電製品数台を接続しても十分まかなえそうだ。仮に、接続台数が足らなくなっても、有線LANポートに無線LANルーターをブリッジモードにして接続する手段も残されている。

Wi-FiはIEEE802.11a/b/g/n/ac/axに対応している。最新のWi-Fi 6(802.11ax)に対応しているのも本機の魅力だ

2.4GHz帯と5GHz帯の両方にもちろん対応。屋外での使用を想定しているためか初期設定は2.4GHz帯になっていた。もっぱら屋内で使用するなら、より高速な5GHz帯に切り替えるとよいだろう

使い勝手はほとんど固定回線と同じ。モバイル利用ではバッテリー消費に注意

今回は、地方都市の住宅で1週間ほど光回線の代わりに本機を使ってみた。Wi-Fi接続したのは、2台のPC、1台のタブレット、6台のスマートフォン、3台のゲーム機、1台のテレビの計13台のデバイスだ。

セットアップは簡単だ。ドコモショップで設定をしてもらえば電源を入れるだけですぐ使い始めることができ、設置場所も4Gエリア内ならあまり神経質になる必要はない。いっぽう、ACアダプターが同梱されていないので、固定回線の代わりとして使う場合はUSB Type-C接続のACアダプターが別途必要になる。Wi-Fi設定は、手動接続、WPS接続、QRコード接続の3種類から選ぶことができる。近ごろ増えているQRコード接続にも対応しているのは便利だ。

初期設定では2.4GHz帯に設定されているが、屋内で使用するため、5GHz帯に変更した(5GHz帯の一部の電波は屋外で使うことが禁じられている)。なお、本機はSSIDが2つ併用されるが、それぞれに2.4GHz帯と5GHz帯を割り当てて併用はできない。5GHz帯の到達力だが、筆者が普段使っている中価格帯のWi-Fiルーターと比べて電波が特に弱いとは感じられなかった。

手動接続、WPS接続に加えて、QRコードを使った接続設定が可能

手動接続、WPS接続に加えて、QRコードを使った接続設定が可能

実際の通信速度だが、一般のMVNO回線のように、昼休みや夕方に遅くなるといったことはなく、とても安定していた。本機に接続したスマートフォンで計測した実効速度は下り157.4Mbps、上り7.81Mbps(1Gbps以下のPREMIUM 4 Gエリア)が最高で、遅くても100Mbps程度の速度は維持できていた。筆者がふだん利用している光回線「フレッツ光NEXT」の実効速度は、下りが200Mbps程度、上りは80Mbps程度なので、下りについてはほぼ同レベル、上りについては光回線のほうが速く、この点では差を感じるが、これだけの速度が安定して維持されていれば、在宅勤務やSOHO用途なら十分だろう。なお、5Gエリアでのデータ通信も試したが、下りではさほどの速度差は感じないものの、上りの通信速度が速くなるため、光回線の使い勝手により近づいた印象だ。

まだ利用エリアは限られるが、Sub-6を使った5Gモバイル通信に対応している。今後のアップデートでミリ波にも対応する予定だ

5Gエリア(Sub-6)における通信速度を計測した。下りの速度は106.3Mbpsとさほど伸びなかったが、上りの速度が55.1Mbpsと顕著に向上しており、光回線の速度により近づいた

なお、外出時にモバイル用途でも利用したが、PREMIUM 4Gエリアでは平均して1時間あたり6%程度のペースでバッテリーが減った。4,000mAhのバッテリーを積んでいるものの、通信速度は速いが電力消費も大きいPREMIUM 4Gを利用するため、バッテリー消費はかなり速い。5G環境ではさらにバッテリーを消費するだろう。持ち歩いて使う場合、モバイルバッテリーがあったほうがベターだ。

「5Gギガホ」で使える、帯域制限なし通信容量無制限のキャンペーンを実施中

本機の魅力はハイスペックなハードウェア面だけではない。5G対応端末である本機はNTTドコモの「5Gギガホ」または「5Gギガライト」の契約が基本となるが、そのうち前者の「5Gギガホ」では現在、手続き不要・オプション料金なしの「データ量無制限キャンペーン」を実施している。このキャンペーン期間中なら、月額7,650円の利用料金のままで、通常は月間100GBのデータ通信容量が使い放題になる。しかも、5Gエリア・4Gエリアを問わず、一時的な帯域制限がかからない。格安のモバイルWi-Fiルーターはもちろんだが、au、ソフトバンク、UQ WiMAXといった大手キャリアが提供するルーターでも、データ通信容量に関しては何らかの帯域制限が設けられているのが現状だ。しかし、NTTドコモの「5Gギガホ」なら、現状そうした制約はない。(キャンペーン期間外でも一時的な帯域制限は存在しない)

なお、すでに「5Gギガホ」を契約している場合、月額1,000円の「5Gデータプラス」でデータ通信容量を共有できる。この際の通信容量の共有も「データ量無制限キャンペーン」期間中であれば容量制限がかからない(通常は通信容量月間30GBまで、超過後は通信速度3Mbpsまでという制限が課せられる)。

5Gギガホの通信容量が無制限になる「データ容量無制限キャンペーン」を実施中。終了時期は明記されていないが、当面の間は実施が継続されるものと見られる

光回線に限りなく近い通信環境を手軽に実現。ただし、キャンペーンの動向に注意

本機は、本体価格が68,904円で、12回払いなら月額5,742円、24回払いなら2,871円、36回払いなら月額1,914円。さらに上記の「5Gギガホ」または「5Gギガライト」の月額料金がかかる。率直に言って安いとは言えないが、5G通信のSub-6とミリ波に両対応するうえに、4Gエリアでも最高で1.7Gbpsのデータ通信が可能。現状では帯域制限もないので、同種のモバイルWi-Fiルーターと比べても頭ひとつ抜け出た存在だ。また、今回の検証は郊外の住宅地の4Gエリアを中心で行ったが、キャリアアグリゲーション対応の「PREMIUM 4G」のエリアは想像以上に広がっており、5Gエリア外でも通信速度はかなり速い。将来性も含めて価格に見合った価値はあると言えよう。

懸念としては、現在行われている「データ量無制限キャンペーン」の期限がいつまでなのかわからない点だろう。もともと5Gサービス普及のための特別キャンペーンという意味合いが強いが、5G回線の利用が予想よりも早めに増加した場合、キャンペーンが早期に打ち切られることも想定される。

もっとも、同キャンペーンが終了しても、「5Gギガホ」の場合、月間100GBの通信容量があるので、1日平均3GB以上の通信容量が使える計算だ。5Gサービスをフルに活用するような状態になれば、不足も出てくるかもしれないが、現状の4G中心の利用では、容量不足に陥ることはあまり考えられず、キャンペーンが終了しても現状困ることはまずないだろう。

田中 巧(編集部)

田中 巧(編集部)

FBの友人は4人のヒキコモリ系デジモノライター。バーチャルの特技は誤変換を多用したクソレス、リアルの特技は終電の乗り遅れでタイミングと頻度の両面で達人級。

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