レビュー

仕事がはかどる2画面スマホ「Surface Duo 2」レビュー、魅力的だけどお値段が……

マイクロソフトの2画面スマートフォン「Surface Duo」が、第2世代目でいよいよ日本に上陸した。「Surface Duo」シリーズは、「Surface」シリーズながら、OSにWindowsではなくGoogleのAndroidを採用するスマートフォン。初代モデルは日本で正式に発売されなかったが、第2世代モデルの「Surface Duo 2」が満を持して日本でも発売されることとなった。実機を使いながら、その実力をチェックしていきたい。

5.8インチの有機ELディスプレイを2つ搭載する2画面スマホのSurface Duo 2。5Gに対応するほか、別売の「Surface スリムペン2」を使っての手書き入力も可能だ

5.8インチの有機ELディスプレイを2つ搭載する2画面スマホのSurface Duo 2。5Gに対応するほか、別売の「Surface スリムペン2」を使っての手書き入力も可能だ

「Microsoft 365」ユーザーのための「Surface Duo」

2画面スマホはサムスンなどから発売されているが、まだまだニッチな存在だ。価格も高めで、ガジェット好きのスマホという立ち位置にある。そんな2画面スマホをなぜマイクロソフトが手がけるのだろうか?

Surface製品の開発責任者である米マイクロソフトのマット・バーロゥ(Matt Barlow)氏は、Surface Duoシリーズのコンセプトを「Microsoft 365を使いこなす、Microsoft 365が大好きなユーザー向けに開発されたデバイス」と説明(2022年1月27日にオンラインで開催された記者説明会のコメント)。日本マイクロソフトの石田圭志氏は、「日本特有の電車通勤などでも高い生産性を維持したい人に使ってもらいたい。見開きで漫画を読むのにも向いている」(同)と話した。

米マイクロソフトのマット・バーロゥ氏

米マイクロソフトのマット・バーロゥ氏

Microsoft 365を利用するシーンと言えば、ビジネスの現場であり、生産性が求められるシーンだ。1画面では難しいマルチタスクがしやすく、生産性を高めてくれるデバイスということだろう。ちなみに、バーロゥ氏は2画面で「Teams」と「Outlook」を使うのがお気に入りという。ビデオ会議をしながら、メールをチェックする。忙しいビジネスパーソンなら、よくあるシチュエーションだと思うが、スマホではいちいちアプリを切り替えたり、小さなウィンドウで2つのアプリを表示したりしなくてはならない。その点、2画面のSurface Duo 2なら、どちらも視認性の高い5.8インチの画面で見られるというわけだ。

バーロゥ氏がお気に入りのTeamsとOutlookを表示してみた。どちらも表示スペースが広く、十分実用的だ

バーロゥ氏がお気に入りのTeamsとOutlookを表示してみた。どちらも表示スペースが広く、十分実用的だ

2画面の「Surface Duo 2」は“ながら”作業がはかどる

続いて、「Surface Duo 2」の実機をチェックしていこう。まずは肝心のディスプレイからだ。

本体は2つの筐体をヒンジでつないだ形状。ひとつのディスプレイはアスペクト比が13:9の5.8インチ有機ELで、解像度は1344×1892。画面が縦長のスマホに比べると、横幅がある。表示するコンテンツにもよるが、視認性が高く、文字が見やすいと感じた。「Excel」などもセルが小さすぎずに見やすい。

2つのディスプレイを合わせると、8.3インチとなり、解像度は2688×1892にまで広がる。ただし、2枚のディスプレイを合わせているので、中央に線は入ってしまう。2画面を1画面にして動画を見るのには向かないが、Webページの閲覧や前述のExcelなどは、真ん中の線はそれほど気にならなかった。

2画面が一番便利なのが、2つのアプリを同時に表示して使う時だ。前述のバーロゥ氏の言うとおりだが、ひとつの画面でTeamsを開いてビデオ会議をしながら、左の画面で資料を確認したり、メモをとったりするのが非常にやりやすい。マルチウィンドウのWindowsを手がけるマイクロソフトらしく、2つの作業を同時にこなす、“ながら作業”に便利なのだ。Windowsのように何画面もとはいかないが、2画面でもかなり生産性は上がりそうだ。

ひとつのディスプレイは5.8インチ。縦長のスマホに比べると、横幅があり、アプリによっては左右の余白が目立ったり、縦方向が短かったりする

ひとつのディスプレイは5.8インチ。縦長のスマホに比べると、横幅があり、アプリによっては左右の余白が目立ったり、縦方向が短かったりする

2つのディスプレイを合わせる8.3インチの大きな画面として利用できる。小型のタブレットのようなサイズ感だ

2つのディスプレイを合わせる8.3インチの大きな画面として利用できる。小型のタブレットのようなサイズ感だ

ひつの画面を2画面で大きく表示する方法。アプリの下のバーを中央に移動して、指を話すと多く表示される

ひつの画面を2画面で大きく表示する方法。アプリの下のバーを中央に移動して、指を話すと多く表示される

2画面の使い方の例(マイクロソフトの資料より)。見開きで製作された漫画を表示するのには向いている。自立するので動画も見やすい

2画面の使い方の例(マイクロソフトの資料より)。見開きで製作された漫画を表示するのには向いている。自立するので動画も見やすい

超薄型で見た目もスマートで高級感あり

本体は開いた状態で厚さが5.5mmと非常にスリムだ。重量は245g。アップルの「iPhone 13 Pro Max」が238g、サムスンの「Galaxy S21 Ultra 5G」が約228g、「Galaxy Z Fold3 5G」が約271gで、他社のハイエンド端末と比べて、本モデルは2画面だからといって大幅に重いわけではない。スリムで持ちやすく、片手でも楽に持てる。自立もするので、机の上に置いて使うことも可能だ。

ディスプレイにはコーニング社の「ゴリラガラス ビクタス」、外装は同じくコーニング社の「ゴリラガラス」が使われている。ツヤツヤしたボディで高級感はあるが、指紋が目立ちやすい。ヒンジ部分はシルバーで、全体的に高級感のある仕上がりだ。

ゴリラガラスで覆われたツヤツヤのボディ(※左下は管理番号が記されているシール。本来は貼られていない)

ゴリラガラスで覆われたツヤツヤのボディ(※左下は管理番号が記されているシール。本来は貼られていない)

閉じた時の本体サイズは145.2 (縦)×92.1(横)×11.0(厚さ)mm(カメラの突起を除く)。文庫本より少しだけ大きいが、シャツの胸ポケットや、ジャケットの内ポケットに収まるサイズ感だ

閉じた時の本体サイズは145.2 (縦)×92.1(横)×11.0(厚さ)mm(カメラの突起を除く)。文庫本より少しだけ大きいが、シャツの胸ポケットや、ジャケットの内ポケットに収まるサイズ感だ

開くと単純に2倍の大きさになる。開いた時の本体サイズは145.2(縦)×184.5(横)×5.50(厚さ)mm

開くと単純に2倍の大きさになる。開いた時の本体サイズは145.2(縦)×184.5(横)×5.50(厚さ)mm

上から見ると、その薄さがよくわかる

上から見ると、その薄さがよくわかる

精巧に作られている金属ヒンジ

精巧に作られている金属ヒンジ

生体認証は側面に指紋センサーを備える。薄型ボディなので、カメラ部分の出っ張りが目立つ

生体認証は側面に指紋センサーを備える。薄型ボディなので、カメラ部分の出っ張りが目立つ

「Snapdragon 888」搭載、スペックはAndroidスマホのトップクラス

スペックはクアルコムの「Snapdragon 888」を採用するなど、Androidスマホとしてはハイスペックな部類に入る。メモリーは8GB、ストレージは128GB、256GB、512GBの3つから選べる。

定番ベンチマークプログラム「Geekbench 5」のスコアはシングルコアが1102、マルチコアが3471。飛び抜けて高いわけではないが、ハイスペックスマホと言っても問題ないスコアだ。実際の動作も2画面だからといって遅さは感じなかった。

「Geekbench 5」の結果。ちなみに、スクリーンショットを撮ると2画面がひとつの画面として撮影できる

「Geekbench 5」の結果。ちなみに、スクリーンショットを撮ると2画面がひとつの画面として撮影できる

カメラはメインカメラが超広角、広角、望遠のトリプルカメラ。超広角カメラは35mm判換算13mm(110°対角視野)で、絞りがF2.2。ゆがみ補正も備えており、ゆがみは気にならない。画素数は1600万画素で、ほかのカメラよりも高めだ。広角カメラは35mm判換算27mm、絞りがF1.7、1.4μmとセンサーが大きめで、光学式手ブレ補正も備える。画素数は1200万画素でiPhoneと同じだ。望遠カメラは35mm判換算51mm、絞りは少しだけ暗いF2.4、光学式手ブレ補正も備える。動画は60fpsの4Kでの撮影に加え、120fps/240fpsでのスローモーションも撮影できる。

超広角、広角、望遠のトリプルカメラ

超広角、広角、望遠のトリプルカメラ

カメラ機能をウリにするスマホは多いが、Surface Duo 2はそれほどウリにはしていない印象だ。ノイズHDRやナイトモード、ポートレートモード、パノラマ、4Kやスローモーションなど、ライバルスマホにあるものは網羅しており、スペックは充実している。写真のクオリティはずば抜けていいわけではないが、不満なく使えるレベルだ。

「Surface スリムペン2」があれば、「Surface Duo 2」が手帳に

Surface Duo 2と相性がいいと思ったのが別売の「Surfaceスリムペン2」(Microsoftストアでの価格は税込で15,950円)。大工道具からヒントを得たというスリムな形状のペンだ。握りやすく、細かい文字もしっかりと書ける。傾きや「Surface Pro 8」などで使える触覚モーターによるフィードバックには非対応だが、手元で細かく振動はする。Surface Duo 2自体がが手帳に近いサイズなので、Surface スリムペン2があると、より手帳ライクに使えるだろう。

充電はカメラのない左側の背面に取り付けて行う。強力なマグネットで固定はされているが、紛失には気をつけたい。

Surface スリムペン2。Surface Pro 8や「Surface Laptop Studio」で使える触覚モーターと傾き検知はサポートしていないが、4097段階の筆圧感知に対応

Surface スリムペン2。Surface Pro 8や「Surface Laptop Studio」で使える触覚モーターと傾き検知はサポートしていないが、4096段階の筆圧感知に対応

書き味抜群のSurface スリムペン2。細い楕円の形状は意外と持ちやすく書きやすかった。Webページを見ながらのメモとりがはかどる

書き味抜群のSurface スリムペン2。細い楕円の形状は意外と持ちやすく書きやすかった。Webページを見ながらのメモとりがはかどる

純正のアクセサリーの「Surface Duo 2 ペンカバー」。Microsoftストアでの価格は7,920円(税込)

純正のアクセサリーの「Surface Duo 2 ペンカバー」。Microsoftストアでの価格は7,920円(税込)

Surface スリムペン2をそのままマグネットで固定できるSurface Duo 2ペンカバー。カメラを搭載しない側のボディを保護できる

Surface スリムペン2をそのままマグネットで固定できるSurface Duo 2ペンカバー。カメラを搭載しない側のボディを保護できる

「Surface Duo 2 バンパー」。Microsoftストアでの価格は4,840円(税込)。文字通りボディの周囲に取り付けて、ボディを保護できるバンパー。ガラス面は保護できないので注意

「Surface Duo 2 バンパー」。Microsoftストアでの価格は4,840円(税込)。文字通りボディの周囲に取り付けて、ボディを保護できるバンパー。ガラス面は保護できないので注意

バンパーは分割されており、両面テープで固定する

バンパーは分割されており、両面テープで固定する

まとめ

Surface Duo 2はマルチタスクがはかどる2画面スマホだ。ただ、2画面を1画面にする操作など、慣れが必要なところはある。また、マイクロソフトやGoogleのアプリは2画面でも使いやすいが、サードパーティのアプリは2画面を想定して開発されていないので、とまどう時もあった。それでも、パソコンのように2つのアプリを同時に使えるのは、やはり便利だ。動作も軽快でサクサクと操作できる。

魅力的なSurface Duo 2だが、ネックになるのは価格面。価格.com最安価格は128GBモデルが169,800円から、256GBモデルが196,680円から。Surface Duo 2はキャリアから発売されないので、キャリアの端末購入サポート(端末を返却することで、安く端末を使える仕組み)は使えない。日本マイクロソフトによると、キャリアでの販売は今のところ予定はないという。

価格は高いが、外出先でもビデオ会議や資料の確認などを快適に行いたいという人は、Surface Duo 2をぜひチェックしてみてもらいたい。

三浦善弘(編集部)

三浦善弘(編集部)

パソコン関連を担当する双子の兄。守備範囲の広さ(浅いけど)が長所。最近、鉄道の魅力にハマりつつあります。

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