「Xperia Z5 Premium SO-03H」
スマートフォンの冬モデルが続々と発売されているが、その中でも圧倒的な人気を誇っているのが、ソニーモバイルコミュニケーションズ製の「Xperia Z5」である。Android系スマートフォンでは以前から根強い人気を誇っている「Xperia」シリーズの最新モデルだが、この冬は、これまで以上の強烈な人気を集めているようにも見える。
図1:「スマートフォン」カテゴリーの人気ランキング(2015年11月25日時点)
図1は、価格.comの「スマートフォン」カテゴリーの2015年11月25日現在の人気ランキング・上位5位を表示したものである。これを見るとわかるように、ベスト5中、4製品が何と「Xperia Z5」で占められており、しかもベスト3はすべてドコモの「Xperia Z5」シリーズとなっている。この冬のスマートフォンでは、圧倒的な人気となっていることがおわかりいただけるだろう。
図2:「スマートフォン」カテゴリーにおける人気5メーカーのアクセス推移(過去6か月)
図3:「スマートフォン」カテゴリーにおける人気5メーカーの閲覧者シェア推移(過去3か月)
「価格.comトレンドサーチ」で見ると、この状況をより鮮明に理解できる。図2は、「スマートフォン」カテゴリーにおける人気5メーカーのアクセス推移を示したものだが、「Xperia」シリーズを擁するソニーモバイルコミュニケーションズの人気が他を圧倒しているのがわかるだろう。「iPhone」シリーズを擁するアップルですら、最新モデル「iPhone 6s」が発売になった9月に一度だけ、わずかに上回っただけで、それ以外では大きく水を開けられていることがわかる。図3の閲覧者シェアで見ると、ソニーモバイルコミュニケーションズの割合は、11月24日時点で36.92%にまで達しており、2位のシャープの14.36%をほぼダブルスコアで上回っている。
図4:「スマートフォン」カテゴリーにおける人気製品ごとのアクセス推移(過去3か月)
図4は、NTTドコモが販売する人気モデル別のアクセス推移を示したものだが、こちらを見ても、「Xperia Z5 SO-01H」および「Xperia Z5 Premium SO-03H」の人気が突出しており、アップルの「iPhone 6s 128GB」や、シャープの「AQUOS ZETA SH-01H」、富士通の「arrows NX F-02H」といったライバル製品の人気をはるかにしのいでいる(なお、「arrows NX F-02H」だけは、現時点でまだ発売されていない)。
図5:「スマートフォン」カテゴリーにおける人気5製品のアクセス推移(過去3か月)
このように、大人気の「Xperia Z5」シリーズであるが、この冬はNTTドコモだけで3モデルをラインアップするなど、旺盛なモデル展開を行っている。図5は、「スマートフォン」カテゴリーにおける人気5製品のアクセス推移を示したものだが、これを見ると、シリーズの中ではもっとも早く10月29日に発売されたスタンダードモデル「Xperia Z5 SO-01H」がもっとも高い人気を誇ってきたものの、つい先週の11月20日に発売された上位モデル「Xperia Z5 Premium SO-03H」が、直近ではもっとも人気となっている。その下にコンパクトモデルの「Xperia Z5 Compact SO-02H」が続くという展開だ。なお、au版の「Xperia Z5 SOV32」も、ランキング5位に食い込んでおり、au勢の中ではもっとも人気となっている。
図6:「Xperia Z5 SO-01H」のユーザー評価
図7:「Xperia Z5 Premium SO-03H」のユーザー評価
「Xperia Z5」シリーズのユーザー評価(2015年11月25日現在)を見ると、スタンダードモデル「Xperia Z5 SO-01H」が4.49(54人)、上位モデル「Xperia Z5 Premium SO-03H」が4.49(27人)、コンパクトモデル「Xperia Z5 Compact SO-02H」が4.05(15人)、au版の「Xperia Z5 SOV32」が4.29(51人)となっており(図1参照)、全体的な評価も高めだ。特に、NTTドコモのスタンダードモデル「Xperia Z5 SO-01H」と、上位モデル「Xperia Z5 Premium SO-03H」が両方とも4.49という高い評価を得ており、満足度も高いようだ。
ユーザーレビューを見てみると、いずれのモデルも、デザイン、画面表示、通話音質、呼出音・音楽といった項目で評価が高く、「Xperia Z5 SO-01H」ではレスポンスの評価も高い。もともと「Xperia」シリーズは、画面の美しさでは定評があり、本機もその傾向は変わっていないようだが、特に上位モデルの「Xperia Z5 Premium SO-03H」では、世界初の4K表示対応ディスプレイということもあって、こちらの評価は高く出ている。「4Kディスプレイが本当に綺麗で、まるで目の前で生の風景を見ている錯覚に陥るかのよう」、「X-Reality mobileで画面の輪郭のキレの良さや黒の引き締まりも良くビデオや写真を見るのには良いと思います」(いずれも「Xperia Z5 Premium SO-03H」)など、ユーザーからの評判もいいようだ。
逆に、どちらのモデルでも評価が低かったのはバッテリーだ。もともと、本モデルはいずれもオクタコアプロセッサーを搭載するということから、バッテリーの消耗や、発熱問題などが危惧されていたが、特にスタンダードモデルの「Xperia Z5 SO-01H」で3.47と低めの評価になっている。ユーザーのコメントでは、「これが欠点。前機種のZ2よりも明らかに悪い」、「ゲームをやると結構な速さでバッテリーが消費されてしまいます」、「あまり持たないですね。Z3のAndroid4.4Verがかなり良かったのに対し、電池持ちは割合で言うと8割くらいですかね」(いずれも「Xperia Z5 SO-01H」)といったコメントが見られる。ただし、人によってはそれほどでもないという意見もあり、発熱もさほどではないという意見もあるなど、感じ方はまちまちのようだ。
今年の冬のスマートフォン商戦は、本格的なSIMフリー時代が訪れたということで、SIMフリー端末の人気が上がってきている半面、従来のハイエンドスマホにとってはやや厳しい状況ともなっている。しかしながら、ハイエンドスマホの領域で見れば、現状、ソニーモバイルコミュニケーションズの「Xperia Z5」シリーズの一人勝ちと言っていい状態だ。昨年くらいまでは、シャープ「AQUOS」シリーズ、富士通「ARROWS」シリーズを交えた3強時代といった状況だったが、今年の冬商戦を見る限り、もはやソニー「Xperia」シリーズの1強時代に突入したと言っても過言ではない状況となっている。