スマートフォンの疑問・トラブル110番

容量不足でアプリのダウンロードやデータの保存ができない……どうすればいいの?

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スマートフォン(以下スマホ)の記憶領域(内蔵メモリー)の容量は機種によってさまざまだが、いずれにしてもパソコンほど大容量ではない。そのため、アプリをたくさんダウンロードしたり、撮影した写真や動画、購入した音楽データなどが増えたりすると容量不足になりがちだ。そこで今回は、使わないアプリを削除したり、外部メモリーにデータを移動したりして容量不足を解消するテクニックを紹介する。スマホも、年末の大掃除をしておこう。

容量が不足するとこんなメッセージが出て、次の作業ができなくなってしまうことに

容量が不足するとこんなメッセージが出て、次の作業ができなくなってしまうことに

以下では、「iOS 9.2」搭載の「iPhone 6s」と、「Android 5.1」搭載の「FLEAZ POP」(covia製)を例に解説する。OSのバージョンやスマホの種類によって、設定項目名などが異なる場合がある。

記憶領域の使用状況を確認する

はじめに、スマホの記憶領域の使用状況を正しく把握しておこう。

iPhoneの使用状況を確認

iPhoneは、ホーム画面の「設定」アプリを開き、「一般」→「ストレージとiCloudの使用状況」とタップ。開く画面の「ストレージ」が内蔵メモリーのことで、「使用済み」と「使用可能」それぞれの容量を確認できる。使用可能な容量が少なくなってきたら要注意。なお「ICLOUD」は、アップルが提供するインターネット上の保存領域のことだ。

iPhoneの場合「設定」→「一般」→「ストレージとiCloudの使用状況」から確認する

「設定」→「一般」→「ストレージとiCloudの使用状況」から確認する

Androidの使用状況を確認

Androidは、「設定」画面を開き、「ストレージ」をタップ。開く画面の「内部ストレージ」で内蔵メモリーの「合計容量」と「空き容量」がわかり、データの種類別の使用量も確認できる。また、後述するmicroSDカードを使っている場合は画面を下方にスクロールすると、microSDカードの使用状況もわかる。「空き容量」が少なくなったら要注意だ。

「設定」→「ストレージ」から確認する

「設定」→「ストレージ」から確認する

使わないアプリを削除(アンインストール)する

スマホは、アプリを使ってさまざまな機能を追加できるのが大きな魅力のひとつだ。そのため、次々とアプリをインストールすることになる。しかし、なかには、使わなくなったアプリもきっとあるはず。そこで、使わなくなったアプリを削除して空き容量を確保しよう。なお、有料・無料に関わらず、削除したアプリはいつでも再インストールできる。その方法も覚えておきたい。

iPhoneアプリの削除方法

ホーム画面に並ぶアプリのアイコンを長押しし、アイコンの左上に現れる「×」をタップするのが一般的だ。しかし、この方法ではアプリが使っている容量がわからない。そこで今回は、「設定」アプリから削除する方法を紹介する。

「設定」→「一般」→「ストレージとiCloudの使用状況」とタップし、「ストレージを管理」をタップ。開く画面にインストールしているアプリが一覧表示される。このとき、データサイズの大きなものが順に上から並んでいる。データサイズが大きなものを削除すれば、空き領域をより多く確保できることになる。

一覧から、使わないアプリをタップ。「情報」画面が開くので、「Appを削除」をタップし、確認の画面で再度「Appを削除」をタップすると削除できる。

アプリのデータサイズを確認しながら削除できる

アプリのデータサイズを確認しながら削除できる

有料・無料に関わらず、「App Store」からインストールするアプリは、Apple IDと関連づけて管理される。そのため、App Storeからなくなってしまわない限り、一度インストールしたアプリは、削除後も再インストールが可能だ。

再インストールするには、App Storeアプリを開き、「アップデート」画面を開いて「購入済み」をタップ。開く画面で「このiPhone上にない」をタップすると、削除したアプリが一覧表示される。右端の雲形のアイコンをタップすると、インストールできる。

削除したアプリは再インストールできる

削除したアプリは再インストールできる

Androidアプリの削除方法

ホーム画面のアプリアイコンを長押しし、「アンインストール」(ゴミ箱のアイコン)にドラッグすれば削除できる。しかし、こちらもアプリの容量がわからないので、「設定」から削除する方法を紹介する。

「設定」画面を開き、「アプリ」をタップ。開く画面にインストール済みのアプリが一覧表示され、データサイズも確認できる。ここから使わないアプリを探してタップし、「アプリ情報」画面で「アンインストール」→「OK」とタップすると、削除できる。

アプリのデータサイズを確認しながら削除できる

アプリのデータサイズを確認しながら削除できる

「Google Play」からインストールしたアプリは、Googleアカウントで管理される。そのため、有料アプリも含め、削除したアプリの再インストールが可能だ。

再インストールは、「Play ストア」アプリを開いて検索ボックス左端にある横三本線ボタンをタップ。メニューが開くので、「アプリとゲーム」にある「マイアプリ&ゲーム」をタップする。開く画面の「すべて」をタップすると、これまでにインストールしたアプリの一覧が表示されるので、必要なアプリをタップすれば再インストールできる。

削除したアプリは再インストールできる

削除したアプリは再インストールできる

アプリをmicroSDカードに移動する(Androidのみ)

Androidの場合は内蔵メモリーとは別に、microSDカードを記憶領域として使える機種が多い。その場合は、アプリを削除することなく、内蔵メモリーからmicroSDカードに移動することで内蔵メモリーの空き容量を確保できる。

microSDカードを使えるスマホなら、microSDカードをぜひとも活用したい。持っていない場合は別途購入することになるが、価格は32GBで1,000円程度、64GBで2,000円程度なので、より大容量の64GBをお勧めしたい。なお、購入時には、自分のスマホに対応している製品かしっかり確認しよう。

microSDカードの装着は簡単。大抵のスマホは、背面カバーを開けて装着する。いったんスマホの電源を切り、microSDカードを装着したら電源を入れる。これで準備は完了だ。

背面のカバーを開け、バッテリーを取り外してmicroSDカードを装着する

背面のカバーを開け、バッテリーを取り外してmicroSDカードを装着する

アプリを移動するには、「設定」画面の「アプリ」をタップ。アプリの一覧から移動したいアプリを選び、開いた「アプリ情報」画面で「SDカードに移動」をタップすればいい。ただし、スマホ購入時にはじめから入っていたアプリや、Google Playからインストールする一部のアプリの中には、移動できないものがある。その場合は「SDカードに移動」ボタンが押せないか、表示されない。

移動したアプリは、「アプリ情報」画面で「SDカード上」を開くと表示される。このとき、アプリを選んで「携帯端末に移動」をタップすると内蔵メモリーに戻すことができる。

アプリを内蔵メモリーからmicroSDカードへ移動する

アプリを内蔵メモリーからmicroSDカードへ移動する

写真や動画、音楽などを外部メモリーに移動する

スマホを使い続けている間に内蔵メモリーの容量を消費するものには、撮影した写真や動画、あるいは音楽データなどもある。撮影に失敗した写真など、不要なものは削除して整理し、そのうえで外部メモリーに移動すれば内蔵メモリーの空き容量を確保できる。

まずは、撮影した写真や動画を整理しておこう。手軽に撮影ができるため、同じようなカットを何枚も撮影していることはないだろうか。また、撮影に失敗したものがそのままになっているかもしれない。確認して不要なものがあれば、削除してしまおう。

iPhoneの写真や動画を「Clip bag(U3-IPシリーズ)」にバックアップ

microSDに対応していないiPhoneの写真や動画を外部メモリーにバックアップ

microSDに対応していないiPhoneの写真や動画を外部メモリーにバックアップ

今回は、アイ・オー・データ機器のiPhone・iPad用USBメモリー「Clip bag(U3-IPシリーズ)」を使ってみた。これは、iPhoneのLightning端子に接続し、アドレスデータのバックアップ/復元、写真や動画などの各種データを保存(バックアップ)するための機器だ。また、USB端子も装備するので、WindowsやMacに接続して利用することもできる。容量別に、16GB(7,500円前後)、32GB(10,000円前後)、64GB(14,000円前後)の3モデルがある。

「Clip bag」アプリを開いて「+」→「ライブラリ」とタップ

「Clip bag」アプリを開いて「+」→「ライブラリ」とタップ

ここでは、写真や動画をClip bagにコピーする方法を紹介する。利用には、はじめにApp Storeから専用アプリ「Clip bag」(無料)をインストールしておく。インストールしたらアプリを起動してClip bagを接続し、メニューの「Clip bag」をタップ。画面が開いたら、右下の「+」→「ライブラリ」とタップする。このとき、「フォルダ新規作成」をタップしてフォルダーを作成し、分類・管理することも可能だ。

フォトアルバムの一覧が表示されたら「カメラロール」を選び、バックアップする写真をタップして選択する。「全選択」をタップすれば、すべての写真と動画をまとめて選択できる。最後に「完了」をタップすると、コピーが始まる。コピーが終わったら、念のために保存された写真と動画を確認しよう。なおファイル名は、撮影日時と容量で自動作成される。問題がなければiPhone上の写真と動画を削除して、内蔵メモリーの容量を確保する。

今回は写真と動画をバックアップしたが、音楽データや文書ファイルなどをiPhone上でコピーしておき、「貼り付け」機能でClip bagに保存する方法もある。

バックアップしたい写真と動画を選んでコピーする

バックアップしたい写真と動画を選んでコピーする

AndroidのデータをmicroSDカードに移動する

microSDカードが使えるAndroidの場合は、microSDカードにデータを移動することで内蔵メモリーの空き容量を確保する。グーグルの「Nexus」シリーズのようにmicroSDカードが使えない場合は、iPhoneと同様に外付けのメモリーを利用しよう。

データを移動するには、ファイル管理アプリを利用する。Google Playにていくつか公開されているが、今回は操作性にすぐれるヤフーの「Yahoo!ファイルマネージャー」を使った。インストールしたら起動し、画面の指示に従ってYahoo! Japan IDでログイン(持っていない場合はその場で取得できる)。また、画面の指示に従って「SD書き込み権限」を有効にしておく。これは、アプリの「設定」画面からもオン/オフが可能だ。

「Yahoo!ファイルマネージャー」で「SD書き込み権限」を有効に設定する

「Yahoo!ファイルマネージャー」で「SD書き込み権限」を有効に設定する

起動画面(「かんたんホーム」画面)には、「画像」「動画」「音楽」などのボタンがあり、タップすれば該当のデータを閲覧できる。内蔵メモリーのデータをmicroSDカードへ移動するには、「本体」ボタンをタップ。内蔵メモリーの中味が表示されるので、移動したいデータの入ったフォルダー(ここでは「Pictures」)をタップして開く。

写真が一覧表示されたら次に、移動先となるmicroSDカードを画面に表示する。画面下部の「2画面」ボタンをタップすると、画面が上下に2分割される。この状態ではどちらの画面も「本体」を表示しているので、下側の「本体」の左隣にあるスマホのアイコンをタップし、開くメニューの「SDカード」をタップ。これで、上側に「本体」、下側に「SDカード」が表示される。

画面を上下に2分割し、上に「本体」、下に「SDカード」を表示する

画面を上下に2分割し、上に「本体」、下に「SDカード」を表示する

続けて、microSDカード上にフォルダーを作成しておこう。「SDカード」が選択状態(オレンジ色で表示)であることを確認し、画面下部左端の「新規」をタップ。「フォルダー作成」画面が表示されるので、フォルダー名(ここでは「写真」)を入力して「作成」をタップ。これで、microSDカード上に「写真」フォルダーが作成されるのでタップして開く。

microSDカード上に、データを分類するためのフォルダーを新規作成する

microSDカード上に、データを分類するためのフォルダーを新規作成する

準備ができたら、写真を移動しよう。上側の「本体」をタップして選択し、画面右上の「複数選択」をタップ。移動したい写真をタップすれば選択できる。また「すべて選択」をタップすれば、全写真をまとめて選択することも可能だ。

選択したら、移動したい写真を下側の「写真」フォルダーへドラッグ&ドロップ。操作のコツは、選択した写真に指を置き、少し左右いずれかの方向へ指を動かしたあとに下方へドラッグすることだ。「コピー・移動」画面が表示されるので、「移動」をタップすれば移動が始まる。

なお「コピー」は本体に写真が残り、「移動」は本体から写真が削除される。操作に不安があるときは「コピー」を使い、microSDカード上にデータが保存されたことを確認したあとに、本体上からデータを削除するようにしてもいいだろう。

ここでは写真を使ったが、同様の操作で各種データをmicroSDカードにコピー・移動できる。

移動したい写真を選択し、ドラッグ&ドロップで移動する

移動したい写真を選択し、ドラッグ&ドロップで移動する

まとめ 外部メモリーを上手に使って快適な環境へ

今回は、データの移動先としてスマホに装着するmicroSDカードや、直接接続する外部メモリーを利用したが、iPhoneなら「iCloud」、Andoridなら「Googleドライブ」のように、インターネット上にデータを保存(同期)するクラウドサービスを利用する方法もある。クラウドの活用に関しては、また別の機会に紹介したいと思っている。

今回は、アプリの削除や、写真や動画などを外部メモリーに移動することで内部メモリーの容量を確保する方法を紹介した。スマホの容量不足で困っている方はぜひ、アプリやデータを整理して快適な環境にしていただきたい。

小野均
Writer
小野均
パソコンからモバイルまで、ハード&ソフトのわかりやすい操作解説を心がける。趣味は山登りにクルマという、アウトドア志向のIT系フリーライター。
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山野 徹(編集部)
Editor
山野 徹(編集部)
新しいもの好きで、アップルやソニーと聞くだけでワクワク・ドキドキ。デジタル好きだが、最近はアナログにも興味が出てきたアラフォー編集者。
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