スマートフォンの疑問・トラブル110番

スマホが見つからない!……紛失前にやっておくべき設定と紛失時にやるべきことは?

スマートフォン(以下スマホ)の中には、連絡先情報のほか、やり取りしたメールやメッセージ、撮影した写真・動画など、個人情報がたくさん入っている。また、銀行のアプリや、電子マネーを使っている人もいるだろう。そんなスマホを紛失したり、盗難されたりすれば大変だ。個人情報を盗まれてしまうかもしれないし、金銭的被害を受けることにもなりかねない。そこで今回は、スマホの紛失に備えてあらかじめやっておくべきことと、万が一紛失したときの対処法を紹介する。

紛失・盗難時の対策には、大きく3つある。まず、契約しているキャリア(通信会社)に連絡を入れてスマホを使えなくする方法が1つ。もう1つは、警察に相談することだ。主に盗難の場合、個人で取り戻そうとすると危険な目にあうことも考えられるため、この方法が一番。そして最後が、今回紹介するスマホの機能を使って遠隔操作する方法だ。

iPhoneには「iPhoneを探す」、Androidスマホには「Android デバイスマネージャー」という機能があり、いずれも無料で利用できる。紛失したスマホとは別のスマホ、タブレット端末、パソコンから、紛失したスマホを探す、音を鳴らす、端末をロックしてメッセージを表示する、全データを消去する、といったことができる。

「iPhoneを探す」の使い方

「iPhoneを探す」は、アップルが提供するクラウドサービス「iCloud」の機能の1つ。「iOS 9」には「iPhoneを探す」アプリが標準でインストールされているのでこれを利用する。「iOS 8」以前の場合は、「App Store」からダウンロードしておこう。なお、今回は「iOS 9.2」のiPhoneを使って解説する。また「iPad」も同様に操作ができる。

最初にやっておくべき設定

まず重要なことは、指紋認証機能「Touch ID」やパスコード(暗証番号)を設定し、容易にロック解除できないようにしておくことだ。「設定」の「Touch IDとパスコード」から設定できる。詳しくは後述するが、「iPhoneを探す」でもパスコードの設定が行える。しかし、紛失後にパスコードを設定するまで、iPhoneの中を見られてしまうことになるので、事前に設定しておくことをおすすめする。

「Touch IDとパスコード」で指紋認証と暗証番号を設定する

「Touch IDとパスコード」で指紋認証と暗証番号を設定する

次に、「iPhoneを探す」機能を有効にしておく必要がある。「設定」の「iCloud」を開き、「iPhoneを探す」の項目を確認。「オフ」になっていたらタップし、開く画面で「iPhoneを探す」を有効にする。また、「最後の位置情報を送信」を有効にしておくと、バッテリーが切れる前に、現在地情報をiCloudが保存してくれる。これで、やるべき設定は完了だ。

「設定」の「iCloud」で「iPhoneを探す」機能を有効にする

「設定」の「iCloud」で「iPhoneを探す」機能を有効にする

紛失時には「iPhoneを探す」から遠隔操作

万が一、iPhoneを紛失した場合は、「iPhoneを探す」アプリから遠隔操作を行う。もちろん、自分のiPhoneは手元にないのだから、家族や友人のiPhoneかiPadを借りる必要がある。また、パソコンのブラウザーから遠隔操作する方法も紹介しよう。

なくしたiPhoneと同じ「Apple ID」でサインインする

なくしたiPhoneと同じ「Apple ID」でサインインする

iPhoneまたはiPadからの操作には、「iPhoneを探す」アプリを使用する。アプリを起動し、すでにサインイン済みの場合は画面右上の「サインアウト」をタップしてサインアウト。サインイン画面が表示されるので、なくしたiPhoneで使っているApple IDとパスワードを入力してサインインする。

なくしたiPhoneに電源が入っていてインターネットに接続されており、なおかつGPS(全地球測位システム)で位置が捕捉できた場合、地図上になくしたiPhoneの現在地が表示される。また、iPhoneの名前が一覧表示されるのでタップ。下の画面になったら「アクション」をタップすると、画面下部に操作ボタンが表示される。

iPhoneが見つかったら地図で現在地が確認できるので「アクション」をタップする

iPhoneが見つかったら地図で現在地が確認できるので「アクション」をタップする

なお、iPhoneやiPadの現在地は、GPSのほか、携帯通信(3G/LTE回線)の基地局からの距離や、Wi-Fi機能を有効にしている場合はWi-Fi通信の基地局からの距離も加味して特定される。そのため、GPS機能を搭載しないiPadのWi-FiモデルでもWi-Fi機能が有効なら、精度は落ちるがある程度の位置を知ることができる。

iPhoneの場所がわかり、すぐに向かえる場所なら取りに行こう。このとき、「アクション」画面の右下にある車のアイコンボタンをタップすると、ルート案内画面になる。移動手段を「車」「徒歩」「交通機関」から選べば、ルート案内を利用することが可能だ。

車のアイコンボタンをクリックすると、iPhoneの現在地までのルート案内機能を使える

車のアイコンボタンをクリックすると、iPhoneの現在地までのルート案内機能を使える

音を鳴らしてiPhoneを探す

宅内や、飲食店の店内などでiPhoneが見あたらなくなっただけなら、音を鳴らすのが効果的だ。「アクション」画面で「サウンドを再生」をタップするとバイブレーション機能でiPhoneが振動し、最大音量で2分間、警告音が鳴り続ける。電源ボタンを押すと警告音は止まる。

バイブとともに最大音量で2分間警告音が鳴る

バイブとともに最大音量で2分間警告音が鳴る

紛失モード

紛失モードは、なくしたiPhoneのロック画面に連絡先の電話番号やメッセージを表示させることができる。また、電車の中に忘れた場合や、誰かが持って移動している場合は追跡モードになり、地図上で移動経路を確認することも可能だ。盗難されたときは、警察への情報提供としても使える。

操作は、「アクション」画面で「紛失モード」をタップし、「紛失モードをオンにする」をタップ。連絡先電話番号を入力し(未入力でも可)、メッセージを入力したら「完了」をタップする。

「紛失モードをオンにする」をタップする

「紛失モードをオンにする」をタップする

連絡先情報やメッセージを表示できる

連絡先情報やメッセージを表示できる

なお、iPhoneにパスコードを設定していなかった場合、はじめにパスコードの設定画面が表示され、遠隔操作で設定することができる。また、iPhoneの位置を特定する「位置情報」機能(「設定」→「プライバシー」→「位置情報サービス」で設定)を無効にしていた場合、紛失モードによって自動で「位置情報」機能は有効になる。

紛失モードの設定が完了すると、なくしたiPhoneのロック画面に入力した情報が表示される。親切な人が気づいてくれたら、連絡をもらえる可能性がある。

なくしたiPhoneにはこのように表示される

なくしたiPhoneにはこのように表示される

iPhoneのデータを消去

最後の手段になるが、iPhoneの場所がわからない、戻ってきそうにないと判断した場合は、iPhone内の全データを消去することができる。「アクション」画面で「iPhoneを消去」をタップし、開く画面で再度「iPhoneを消去」をタップする。

最後の手段は、iPhoneの中味をすべて消去すること

最後の手段は、iPhoneの中味をすべて消去すること

iPhoneの電源が入っていない、インターネットにつながっていない、位置情報を取得できない、といった場合は、「オフライン」と表示される。「検出時に通知」をタップして機能を有効にすると、所在がわかったときにApple IDのメールアドレス宛に通知が届く。また、「アクション」の各操作を実行すると保留中になり、次回iPhoneがインターネットに接続されたときに自動で実行される。

iPhoneの電源が入っていない場合は、次回起動時に操作が実行される

iPhoneの電源が入っていない場合は、次回起動時に操作が実行される

ブラウザーで操作

iPhoneやiPadが借りられない場合、パソコンのブラウザーを利用する方法もある。「https://www.icloud.com/」を開き、なくしたiPhoneと同じApple IDでサインインしよう。サインインできたら、メニュー画面で「iPhoneを探す」をクリックする。画面上部中央の「すべてのデバイス」をクリックし、開くメニューからなくしたiPhoneを選択。これで、「iPhoneを探す」アプリと同じ操作ができる。

ブラウザーからも同様の遠隔操作ができる

ブラウザーからも同様の遠隔操作ができる

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