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富士通のSIMフリースマホ「arrows M02」が、価格.comの人気ランキングでトップになった理由とは?

富士通「arrows M02」

富士通「arrows M02」

現在、スマートフォン市場では、SIMフリー化が急激に進んでいる。価格.comの「スマートフォン」カテゴリーの人気ランキングを見ても、ベスト10製品の約半数がSIMフリー端末で占められる状態が続いているが、ついにランキングトップの座をSIMフリー端末が奪った。しかも、台湾や中国といった海外メーカー製の端末ではなく、首位に立ったのは、さほど知名度はないと思われる富士通のSIMフリースマホ「arrows M02」であったのがさらに驚きだ。

富士通「arrows M02」とはどんな製品?

まずは、富士通「arrows M02」とはどんなスマートフォンなのかをざっくり説明しよう。画面には、約5.0インチの有機ELディスプレイ(720×1280)を採用。CPUは「MSM8916 1.2GHz Quad Core」、メモリーはROM 16GBのRAM 2GBというスペックだ。約810万画素の外部カメラと、約240万画素のインカメラを装備。バッテリー容量は2330mAhで、3日間の駆動か可能とうたわれている。OSはAndroid 5.1となる。特筆すべきような機能やスペックはなく、ごく普通のAndroidスマートフォンといった印象だ。なお、本モデルは、ここで取り上げるSIMフリーモデルのほか、楽天モバイル(型番は「RM02」)やイオンなどのMVNO各社、BIGLOBE、mineo、J:COMなどのプロバイダー各社など、格安スマホ取り扱いの会社からも販売されている。

図1:「スマートフォン」カテゴリーにおける人気5製品のアクセス推移(過去3か月)

図1:「スマートフォン」カテゴリーにおける人気5製品のアクセス推移(過去3か月)

図2:「スマートフォン」カテゴリーにおける人気5製品の注目ランキング推移(過去3か月)

図2:「スマートフォン」カテゴリーにおける人気5製品の注目ランキング推移(過去3か月)

図1・図2は、「価格.comトレンドサーチ」で見た、「スマートフォン」カテゴリーの人気5製品のアクセス推移および注目ランキング推移であるが、本製品は、発売された2015年10月28日以降、急激にアクセスを伸ばしており、12月に入るとソニーの人気モデル「Xperia Z5 SO-01H」(ドコモ)のアクセスを抜きランキングでも2位に浮上。さらに年末くらいから、それまでランキング首位を走ってきた「Xperia Z5 Premium SO-03H」(ドコモ)とアクセス数でほぼ並ぶようになり、ついに1月末には、これを抜いて首位の座を奪っている。

この冬のスマートフォン市場では、唯一無二の強さを誇ってきた、ソニーの「Xperia Z5」シリーズを差し置いて、SIMフリー端末である本機がこれだけの人気を勝ち得た理由はどこにあるのだろうか。なお、同じ富士通製スマートフォンでも、通信キャリアから発売されているハイスペック機「arrows NX F-02H」(ドコモ)は、2016年2月3日現在、注目ランキングの14位と、さほどふるわない順位となっており、本機だけが突出した人気となっている状況だ。

図3:富士通「arrows M02」の製品詳細ページ

図3:富士通「arrows M02」の製品詳細ページ

図3は、富士通「arrows M02」の製品詳細ページだが、2016年2月3日現在、31,038円という最安価格を付けている。スマートフォンとしては安い部類だが、SIMフリー端末で見ると、人気のASUS「ZenFone 2 Laser」は25,550円、HUAWEI「P8lite」は27,949円(いずれも2016年2月3日現在の最安価格)と、本機の価格が特別安いというわけではない。ユーザー評価でも、本機は4.12と、他のSIMフリースマホとほぼ同等の評価となっている。言ってみれば、価格的にも、製品の評価的にも、スペック的にも、さほど特徴のない製品でありながらも、人気・注目度は非常に高いという結果になっているのだ。

目立った特徴もないが、国産SIMフリー端末として「大きな欠点がない」のがいいところ

図4:富士通「arrows M02」のユーザー評価(2016年2月3日時点)

図4:富士通「arrows M02」のユーザー評価(2016年2月3日時点)

まず高く評価されているポイントだが、ユーザーレビューの内容をつぶさに見ていくと、「バッテリー」の評価がかなり高い。カタログでも「余裕の3日持ち」をうたっているが、ユーザー評価でも「これは良いです。1日外出していてもちゃんと持ちます。20時に帰宅して50%以上残っています」「3日持つ!は大げさだとは思うが、丸一日ゲームやラインを使っていても1日終わって30%は残っているのは優秀に感じる」など、使用用途などにもよるが、フル活用でも1日、普通に使っても2日は持つといった部分が高く評価されている。

バッテリーのほかでは、ボディが「防水仕様」であること、「おさいふケータイ(Felica)」が使えることなどを基準に本機を選んだという人も多く、このあたりが、海外メーカー製のSIMフリー機との最大の差別化点になっているようだ。また、「文字変換」では、「Super ATOK ULTIAS」の搭載がプラス評価につながっている。「通話音質」も概して評価が高い。

逆に、評価が低い点としては、やはり「レスポンス」の部分が指摘されている。ただ、これも肯定的な意見と否定的な意見が割れており、「基本的にレスポンスは速いのだが、ゲームアプリによっては動きがカクカクすることがある」「ストレスを感じるほどではありませんが、ハイエンド機や他社の同性能機に比べるとやや画面の切り替えにもたつく時があります」「ガッツリ使っても、発熱も殆どないし、1.2GHzで燃費も良い」など、使用用途によって、その感じ方は異なっているようだ。また、ROMが16GBというのが、やや少ないという声も散見された。

このほかでは、「カメラ機能」が弱いという声が多かった。メインカメラは800万画素と必要十分レベルのスペックではあるのだが、「暗く写りやすいのとピントが合いにくい感じがあり、F-01Fは旅先や出張先でも使用していましたがこちらはデジカメ代用は難しいかと」「暗いレンズを採用していて室内での明るさを出すためにシャッタースピードが遅いため、屋内ではブレがひどい」など、本製品の最大のウィークポイントとなっている感が強い。

図5:富士通「arrows M02」のクチコミ頻出ワード(2016年2月3日時点)

図5:富士通「arrows M02」のクチコミ頻出ワード(2016年2月3日時点)

また、やや気になるのが、液晶割れが起こりやすいのでは?と指摘されている点だ。図5は、「価格.comトレンドサーチ」で、富士通「arrows M02」のクチコミ頻出ワードを示したものだが、この中でも「割れ」というワードが頻出している。実際に、ポケットに入れておいただけなのに液晶画面が割れてしまったというユーザーもいるなど、高耐久性を示す「MIL規格14項目準拠」という売り文句に対して、疑問を抱くユーザーの声も多くあがっていた。個別の初期不良なのかもしれないが、この点は、早めに保護カバーを使うなど、若干注意が必要と感じる部分だ。

このように、富士通「arrows M02」のユーザー評価を見てみると、液晶割れのリスクや、カメラ性能の低さといった問題はあるものの、それ以外には、これといった致命的な欠点がなく、富士通という歴史ある国内メーカー製ということもあって、安定感、安心感といった面から本機を選んでいる人が多いことがわかる。3万円台前半という本体価格の安さもあって、スマートフォンをさほどヘビーに使うわけではないという人にとっては、むしろハイスペック機よりも使いやすいという意見も多く、「気になるところはメモリーの容量だけであとは気に入ったので二台購入してしまいました」という人もいる。

全体的には、ユーザーの声にもあるように、「よくも悪くも中庸にまとめた器用貧乏な製品」「大きな欠点がないことが最大の売りだと思います」といったところが、本機の人気の実際のところだろう。多少難はありながらも、本機がこれだけの人気を集めたことからは、安心して使える国内メーカー製のSIMフリースマホを求めるユーザーのニーズが、想像以上に高まってきていることが感じられる。

鎌田 剛(編集部)

鎌田 剛(編集部)

価格.comの編集統括を務める総編集長。パソコン、家電、業界動向など、全般に詳しい。人呼んで「価格.comのご意見番」。自称「イタリア人」。

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