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何が便利? どうオトク?「SIMフリー」ってどういうこと?

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スマホやタブレット関連のニュースで最近よく目にするのが「SIMフリースマホ」や「SIMフリータブレット」といったワード。「どうやら海外でも使えるようになるらしい」「どのキャリアでも使えるらしい」など、何となく予想はつくものの、実はよくわかっていないという方もいるもでは? そこでここではその「SIMフリー」について解説すると共に、SIMフリー時代に“お得”な使い方例も紹介する。

そもそもSIMとは?

SIMとはSubscriber Identification Moduleの略で、ユーザーが手にする「SIMカード」は、電話番号や契約者情報などが記録されたICカードのこと。第二世代(2G)時代のGSM方式で導入された概念で、所有するSIMカードを挿入すれば、どの端末も自分の携帯電話として利用できる利便性を目的としていた。つまり、携帯電話機本体の乗り換えが容易で、携帯電話が故障したときに交換で対応できたり、買い替えの敷居も低い。ほかにも、通信方式などの制約は受けるものの、訪問した外国で、自身が携行した端末に現地のプリペイドSIMを挿入すれば、現地の携帯電話網に即時かつ安価に接続できるなどのメリットが得られる。

そう、SIMは本来、自由(フリー)が、あるべき姿と言えるのだ。

SIMカード。「標準SIM」「マイクロSIM」「ナノSIM」の3種類のサイズがあるが、よく使われているのが写真のマイクロSIM(左)とナノSIM(右)だ

ちなみに現在最新の第4世代(4G)携帯電話システムで用いられているのはUIMカード(User Identity Module Card)で、SIMカードをベースとしていることから、USIMカード(Universal SIM)とも呼ばれている(この記事では、以降、SIMと記す)。

「SIMロック」って?

そもそもフリーであるべきSIMの自由を奪った状態が「SIMロック」。各携帯電話事業者(キャリア)は、販売する端末にSIMロックを行うことで、指定外の事業者のSIMカードが使えなくなる。例えばドコモで購入した端末にソフトバンクで契約したSIMカードが利用できない。つまり端末と回線利用のセット販売と言え、事業者が利用者を囲い込むのが主な目的だ。ほか、SIMロックされた端末は海外で現地のSIMカードが利用できないのも不便だった。

「SIMフリー」の機種は限られている

そして、SIMロックの無い状態が「SIMフリー」だ。総務省が主導し、2015年からSIMロックの解除が義務化された。利用者が携帯事業者をより自由に選択できる状況を作り出すことで活発な自由競争を促し、利用料金の低下を狙ってのことだ。なお、SIMロックが解除できる機種は限られていて、各携帯事業社が発表している。

・ドコモ SIMロック解除対応機種(外部サイト)
・au SIMロック解除が可能なau携帯電話などの実装周波数帯一覧(外部サイト)
・ソフトバンク SIMロック解除機能を搭載した製品(外部サイト/016年5月時点

ちなみに人気のiPhoneの場合、iPhone6s/SEはSIMロック解除が可能。2015年5月以降に発売された端末も販売時点ではSIMロックされていて、契約から6ヶ月程度の期間が経過すると、手続きによりSIMロック解除ができる。

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SIMフリーでお得な使い方あれこれ

SIMフリーになることで、実際に利用者はどのようなメリットが得られるのか。最後に、具体的なケースを上げて解説しておこう。

格安SIMへMNP移転

ドコモ、au、ソフトバンクで購入したスマホも、SIMフリーなら、MVNO(Mobile Virtual Network Operator/仮想移動体通信事業者)が提供する「格安SIM」を自由に利用することができる(移転前キャリアの回線を利用しているMVNOに移転する場合、SIMロック状態の端末もそのまま利用できるケースが多い。但し機能制限がある場合もあり注意が必要)。
MVNOは、携帯電話網を所有するドコモ、au、ソフトバンクの回線借り受けて、独自のプランや料金体系を打ち出している。事業者数は増加傾向にあり、料金プランは実に様々で、特に通信速度やデータ量など、ユーザーの利用実態にピッタリ合う最低限のプランを選択すれば、通信料を大幅に削減できる可能性がある。

MNNOへの移転も、ナンバーポータビリティー(MNP/Mobile Number Portability)が可能で、利用してきた携帯電話番号を引き継ぐことができる。但し、格安SIMを利用するに際しては、端末の通信規格による制約、解約金、料金体系や利用条件など注意が必要だ。

海外旅行で現地のプリペイドSIMを利用

海外旅行先で同行した仲間と連絡を取りたい時も多いはず。そんな時にコスト面でメリットがあるのが、現地プリペイドSIMの利用。日本の端末が使えない国や地域もあるなど注意が必要だが、日本のSIMカードで国際ローミングするのではなく、現地の料金体系に沿って利用できるので、低料金で済むケースが多い。現地のプリペイドSIMカードを利用している期間は、日本で使っていた電話番号での着信ができないなど不便もあるが、検討に値する使い方だ。

さいごに

SIMは本来、ユーザーの利便性を向上する目的で考案されたシステムであり、今後もSIMフリーの流れが止まることはないだろう。また今後、さらなる利便性の向上とIoT時代への対応を視野に「eSIM」(Evolution of the SIM)も普及しそうだ。「eSIM」はソフトウェアで、書き換えが可能なシステム。従来のSIMカードのように差し替えを必要とせず、ユーザーは端末上の操作で利用するキャリアを選択できるようになる。次期iPhone(iPhone6の次世代)などで採用されるとの情報もある。「eSIM」時代になれば、利用場所、状況、アプリに応じて柔軟に複数回線の使い分けができるようになり、さらに便利で費用を抑えられるなど、ユーザーメリットは増しそうだ。

鴻池賢三

鴻池賢三

オーディオ・ビジュアル評論家として活躍する傍ら、スマート家電グランプリ(KGP)審査員、家電製品総合アドバイザーの肩書きを持ち、家電の賢い選び方&使いこなし術を発信中。

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2018.1.15 更新
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