日本マイクロソフトは2016年11月10日、「Windows Innovation Day」と題したイベントを都内で開催し、年末商戦に向けて、パソコンメーカー各社と協力していくことを改めて示した。年末商戦期には、327機種ものWindows 10搭載パソコンが店頭やオンラインショップで販売されるという。また、海外ではすでに発売済みの家庭用ゲーム機「Xbox One S 1TB(Halo Collection 同梱版)」を11月24日に国内で発売することも発表した。年末商戦に照準を合わせて、日本マイクロソフトの動きが活発になってきた。
今年の年末商戦期には327機種ものWindows 10搭載パソコンが販売されるという
法人市場を中心に、引き合いが増えているというWindows 10 Mobile搭載のスマートフォン
イベントの冒頭で同社の平野拓也社長が先月米国・ニューヨークで開催された「Windows 10 Event」に触れ、同イベントで発表された新型デスクトップパソコン「Surface Studio」について、「国内で販売する予定はあるが、詳細は決まり次第発表したい。期待して待っていてほしい」と述べた。Surface Studioは、4Kを越える4500×3000の超高精細な28型液晶ディスプレイを搭載したクリエイター向けの液晶一体型デスクトップパソコン。「ゼログラビティヒンジ」と呼ばれる機構により、ディスプレイを簡単に倒して手書き入力ができる。来年にはクリエイター向けの機能を強化したWindows 10の大型アップデート「クリエイターズアップデート」を実施する予定で、クリエイターをターゲットとした新製品の投入と機能強化が続くことになる。
平野社長は、年末商戦で注力するポイントして、(1)楽しめるデバイスとしてのPCを訴求、(2)店頭での体験をさらに向上、(3)パートナーエコシステムの拡大&連携強化の3つをあげた。特に(2)に関して平野社長は、「直接触れる店舗での体験を強化する重要性を感じている。スペックを説明しながら販売する“モノ売り”ではなく、このパソコンならあんなことができる、こんなことができるという“コト売り”を提案していきたい」と述べた。“コト売り”を提案するために、家電量販店を中心に導入が進んでいる体験・イベント型売り場「Windowsエリア」に常駐する専門スタッフを3倍に増員し、顧客との接点を増やす計画だ。
イベントには、国内でパソコンを販売しているメーカーが一堂に会し、年末商戦向けのイチオシモデルをアピール。今年国内のパソコン市場に参入したファーウェイなど13社が集結した。東芝は未発表のモバイルノートを披露。360度回転するヒンジを備えた2in1パソコンで、ペン入力もサポートする。搭載するCPUなど細かい仕様は明らかにしなかったが、近日発表する予定だという。
国内でパソコンを販売しているメーカーが一堂に会し、年末商戦のイチオシモデルをアピール。中央は日本マイクロソフトの平野社長
各社のイチオシモデルは発表・発売済みのモデルだったが、東芝は未発表モデルを披露。「2in1コンバーチブルdynabook」という薄型のモデルだ。年内発売を予定している
パソコンではないが、海外で発売済みのXbox One Sを11月24日に発売することも発表された。従来の「Xbox One」では外部にあったACアダプターを本体に内蔵しつつ、体積を約40%小型化したモデル。「Halo:The Master Chief Collection」(ダウンロード版)と「Halo 5」(ディスク版)を同梱する。Ultra HD Blu-rayドライブを内蔵し、プレーヤーとして利用できるほか、HDR(High Dynamic Range)をサポートしており、対応のゲームとテレビがあれば、薄暗い部分から明るい部分まで、より自然な表現が可能だという。参考価格は34,980円(税別)。
イベントでは、スクウェア・エニックス・ホールディングスの執行役員で、11月29日に発売する「ファイナルファンタジー XV」(FF XV)のプロデューサーである橋本真司氏がデモを披露。「HDRに対応したことで、太陽の光をリアルに表現できている」と説明した。日本マイクロソフトの高橋美波常務によると、Ultra HD Blu-rayのタイトルは年末に向けて60タイトルに増える見込みで、プレーヤーとしても人気が出そうだ。
Xbox Oneの小型モデルを11月24日に発売。Xbox One Sでプレイしていたゲームの続きをWindows 10搭載パソコンで遊ぶなど、クロスプラットフォームでゲームを楽しめる
今月末にいよいよ発売されるFF XVのデモを披露したスクウェア・エニックス・ホールディングスの橋本氏(右)