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ファーウェイ、新型スマホ「Mate 9」と新型タブレット「MediaPad M3」のいずれもが好発進! 「ファーウェイ旋風」の1年を締めくくる

今年2016年は、スマートフォンとタブレットの国内市場にて「ファーウェイ旋風」が吹き荒れた1年だったように思う。昨年2015年くらいから国内市場でも徐々にその存在感を増していたファーウェイ(Huawei)だが、SIMフリースマートフォンの分野では、年明けにミドルクラスの「HUAWEI GR5」が一躍人気になり(「価格.comプロダクトアワード2016」でもプロダクト大賞を受賞)、さらに6月には、ライカ監修のデュアルレンズを備えたカメラを持った高級機「HUAWEI P9」および普及価格帯の「HUAWEI P9 Lite」が話題と人気をさらった。年末にかけては、やはりミドルクラスの「honor 8」を投入し、一定の人気を確保したのもつかの間、年の瀬も押し迫った12月になってハイエンド機の「HUAWEI Mate 9」を発売し、こちらも順調に人気を獲得している。

いっぽう、タブレット市場でも、LTEに対応した7型Androidタブレット「MediaPad T2 7.0」が7月に発売されるやいなや人気となり、いまでもその人気は高いままであるが、年末にかけて、8型Androidタブレットの「MediaPad T2 8 Pro」および「MediaPad M3」を相次いで発売し、好調な滑り出しを見せている。これまで、台湾ASUSが先行していた国内のSIMフリー端末市場において、ASUSの牙城を崩すような成長を見せているファーウェイだが、この年末に発売された製品を例に、その人気の秘密を探ってみよう。

満を持して登場した、デュアルカメラ搭載のハイエンドスマホ「HUAWEI Mate 9」

ファーウェイ「HUAWEI Mate 9」

ファーウェイ「HUAWEI Mate 9」

今年2016年のスマホ市場、特にSIMフリースマホの市場で大きな存在感を放ったファーウェイだが、年末商戦向けに9月に発売していたミドルクラスモデル「honor 8」に続いて、年の瀬も押し迫った12月16日に、同社のハイエンドシリーズとなる「Mate」シリーズの最新モデル「HUAWEI Mate 9」を急遽発売した。

「HUAWEI Mate 9」は、ハイエンドモデルだけあってとにかく高性能。約5.9型のフルHD液晶を搭載し、バッテリーは大容量の4000mAh。標準的な利用で2日以上の連続使用が可能となっている。CPUは、同社製のオクタコア「Kirin 960」を採用。メモリーは4GB 、内蔵ストレージは64GB。OSは最新のAndroid 7.0。ファーウェイではおなじみの指紋認証機能や、2枚のSIMカードを同時に使える「デュアルSIMデュアルスタンバイ(DSDS)」にも対応する。

また、本機はカメラ機能が大きな特徴となっている。すでに今年6月に発売された「HUAWEI P9」にて採用されているライカ監修のダブルレンズカメラをこちらも採用。片方のカメラはRGBのカラーセンサー、もう片方のカメラはモノクロセンサー専用。色情報と濃度情報を別のセンサーで感知し、これらの情報を掛け合わせることで、深い陰影を備えた、印象深い写真撮影が可能となる。市場想定価格は60,800円(税別)だ。

図1:「スマートフォン」カテゴリー人気5製品の人気ランキング推移(過去3か月)

図1:「スマートフォン」カテゴリー人気5製品の人気ランキング推移(過去3か月)

図1は、「価格.comトレンドサーチ」で「スマートフォン」カテゴリー人気5製品の人気ランキング(注目ランキング)推移を示したもの。これを見ると、この3か月間、めまぐるしく上位の順位が新モデルの投入によって変化していることがわかる。現在ベスト5に入っている製品で、唯一それ以前から発売されていたモデルは、現状3位のファーウェイ「HUAWEI P9 lite」のみ。10月以降は、まずASUSの「ZenFone 3」が発売されて一気に任意委を集め、その後、10月後半に、この中では唯一の通信キャリア版モデルである、ソニー「Xperia XZ SO-01J」が発売されて首位に躍り出た。しかし、11月後半に、ASUS「ZenFone 3」の廉価モデルとなる「ZenFone 3 Laser」が発売されると、今度はこちらが首位となり、以降1位の座をキープ中。そんなめまぐるしく上位が入れ替わる激戦の中で、突如発売され、一気にベスト5入りしてきたのが、今回紹介しているファーウェイ「HUAWEI Mate 9」となる。製品発表からまだ1週間も経っていないが、2016年12月21日時点の人気ランキングでは、すでに3位になっているほど、注目されている製品だ。

図2:「スマートフォン」カテゴリー人気5製品のアクセス数推移(過去3か月)

図2:「スマートフォン」カテゴリー人気5製品のアクセス数推移(過去3か月)

図2は、上記の5製品のアクセス数の推移を示したもの。アクセスのピークで見ると、やはり11月2日に発売されたソニー「Xperia XZ SO-01J」がダントツで、この秋以降に発売されたSIMフリーモデルの中では、ASUS「ZenFone 3」がトップだ。「HUAWEI Mate 9」はまだ発表から日が浅いので未知数な部分はあるが、現状1位の「ZenFone 3 Laser」と、2位の「Xperia XZ SO-01J」のアクセスが相対的に落ちてきていることもあり、近いうちに首位に立つことはまず間違いなさそうだ。

図3:「HUAWEI Mate 9」のユーザー評価(2016年12月21日時点)

図3:「HUAWEI Mate 9」のユーザー評価(2016年12月21日時点)

すでに購入したというユーザーによるユーザーレビューも書き込まれている。2016年12月21日時点のユーザー満足度は、7人がレビューして4.73と比較的高い。細かい評価項目では、「デザイン」(4.73)、「レスポンス」(4.73)、「画面表示」(4.86)といった点が特に評価が高く、ネガティブは「携帯性」(3.46)、「文字変換」(3.00)くらい。携帯性に関しては、約5.9型という大型液晶搭載のため、致し方ないと考えると、かなり高めの評価と言ってよさそうだ。

ユーザー評価で共通して見られる意見は、「レスポンスの速さ」「画面のきれいさ」と「カメラ機能のよさ」そして「コストパフォーマンスの高さ」だ。「大画面液晶故にゲームの没入感も高く。操作も快適。電子書籍も明らかに見やすくなり、それでいてポケットに入るサイズ」「画面のサイズとうまくやっていけるならば最高の選択ではないでしょうか。今のところ非の打ち所がありません。(防水じゃない以外)」「しかし恐ろしいメーカーですね、競合メーカーの良い点取りでかなり完成度高い名機になると思う。ライカのカメラはすざましく綺麗に撮れる」「今現在発売中では、最高のスマホではないでしょうか?」など、トータルバランスですぐれており、しかも、ほぼ6万円という、ハイエンド機としてはお値打ち感のある価格の安さが好感を呼んでいるようだ。

冒頭でも述べたように、今年2016年は、年明けの「HUAWEI GR5」にはじまり、1年を通じて、ファーウェイ製のスマートフォンが日本市場で大いに存在感を示した1年となったわけだが、この1年で、同社製スマホの完成度の高さや先進性は、日本市場でも大いに知られるところとなった。その集大成ともいえるこの「HUAWEI Mate 9」は、今後しばらく日本市場を席巻するかもしれない。

インチタブレット市場で人気のASUS「ZenPad 3 8.0」を超えるか? 「MediaPad M3」

ファーウェイ「MediaPad M3」

ファーウェイ「MediaPad M3」

上記「HUAWEI Mate 9」の発売と同時に、発売されたタブレット製品が「MediaPad M3」だ。2560×1600ドットという高解像の8.4型液晶を搭載するのが最大の特徴。このクラスでは、先行するASUSの「ZenPad 3 8.0」が人気を誇っているが、こちらは2048×1536ドットの7.9型液晶なので、画面サイズ、解像度とも本機のほうがやや上回る。また、サウンドにもこだわっており、米国ハーマン社のオーディオブランド「harman/kardon」による音響チューニングに加え、ファーウェイ独自のサラウンド技術「SWS 3.0」、1W×2chの高出力デュアルスピーカー、パワフルで深みのある音を再現するパワーアンプ「SMART PA」などを搭載し、高品質なサウンドを実現している。

その他の主要スペックは「HUAWEI Mate 9」とほぼ同じで、CPUは同社製のオクタコア「Kirin 960」を採用。メモリーは4GBとなる。内蔵ストレージはスタンダードモデル(LTEモデル/Wi-Fiモデル)で32GB、プレミアムモデル(LTEモデル)は64GB。バッテリー容量は大容量の5100mAh。OSはAndroid 6.0。LTEモデルでは、各社の格安SIMカードなどを使って、どこでもインターネットが利用できる。ファーウェイではおなじみの指紋認証機能も備える。

このように、あらゆる点で、ASUS「ZenPad 3 8.0」に近いスペックを持った製品がこの「MediaPad M3」である。ちょうど、スマートフォンで、ASUSの「ZenFone 3」へのライバルとして「honor 8」が登場したのと似ているが、こちらのほうがむしろインパクトは強いかもしれない。

図4:「タブレットPC」カテゴリー人気5製品の売れ筋ランキング推移(過去3か月)

図4:「タブレットPC」カテゴリー人気5製品の売れ筋ランキング推移(過去3か月)

図4は、「タブレットPC」カテゴリー人気5製品の売れ筋ランキング推移を示したもの。これを見ると、これまでずっと高い人気を誇ってきたのが、ASUSの「ZenPad 3 8.0」であることは一目瞭然だ(「価格.comプロダクトアワード2016」でもプロダクト大賞を受賞)。この3か月間で人気が復活してきたアップル「iPad Air 2」に関しては、後継モデルが出ないことで、「iPad Pro」ほどの機能・性能は必要ないと感じた人が、一時的に流れてきているものと思われるが、残る3モデルは、実はすべてこの1か月中に発売されたファーウェイの8インチタブレット製品で占められている。現在の「タブレットPC」カテゴリーは、さながら「ファーウェイ祭」の様相を呈していると言っても過言ではない。

その3モデル中、まず人気になったのは、12月9日に発売された低価格モデルの「MediaPad T2 8 Pro」。さらに先週12月16日より発売された「MediaPad M3 LTE プレミアムモデル」と「MediaPad M3 Wi-Fi スタンダードモデル」の、2種類の「MediaPad M3」が人気となり、2016年12月21日時点では2製品ともが、ベスト5にランクインをはたしている。ちなみにもう1製品の「MediaPad M3 LTE スタンダードモデル」も8位にランクイン中だ。

ファーウェイ「MediaPad T2 8 Pro」

ファーウェイ「MediaPad T2 8 Pro」

図5:「タブレットPC」カテゴリー人気5製品のアクセス数推移(過去3か月)

図5:「タブレットPC」カテゴリー人気5製品のアクセス数推移(過去3か月)

図5は、上記5製品のアクセス数推移を示したもの。やはり、首位を独走するASUS「ZenPad 3 8.0」の人気はまだまだ衰えることを知らないが、ここへ来て、ファーウェイの「MediaPad M3」勢がグンと伸びてきており、特に最上位モデルの「MediaPad M3 LTE プレミアムモデル」は、もう少しで「ZenPad 3 8.0」の人気に追いつきそうな勢いだ。

図6:「タブレットPC」カテゴリー人気5製品の最安価格推移(過去3か月)

図6:「タブレットPC」カテゴリー人気5製品の最安価格推移(過去3か月)

上記5製品の最安価格推移を示した図6を見ると、2016年12月20日時点では、「ZenPad 3 8.0」が35,138円なのに対し、「MediaPad M3 LTE プレミアムモデル」は41,590円とやや高めとなっている。ただ、「MediaPad M3 LTE プレミアムモデル」のほうが画面サイズや解像度の点でスペックはやや上ということを考えると、両者の間にさほどの価格差はないと言える。なお、下位モデルの「MediaPad M3 Wi-Fi スタンダードモデル」は、31.678円と、「ZenPad 3 8.0」よりは安い。また、「MediaPad T2 8 Pro」については17.299円と、2万円を切る低価格が大きな特徴となっている。

図7:「MediaPad M3 LTE プレミアムモデル」のユーザー評価(2016年12月21日時点)

図7:「MediaPad M3 LTE プレミアムモデル」のユーザー評価(2016年12月21日時点)

まだ発売直後ということもあり、「MediaPad M3 LTE プレミアムモデル」のユーザー評価はまだそれほど入っていないが、2016年12月21日時点で3件のレビューがあり、満足度は4.38。現状の評価としては、それほど高いというわけではない。評価項目ごとに見ると、「処理速度」と「液晶」は満点の5点。「デザイン」(4.69)、「入力機能」(4.50)、「携帯性」(4.69)といったところは軒並み高評価だ。ネガティブな要素としては、「バッテリ」(3.50)、「付属ソフト」(3.50)がある。

ユーザー評価では、3名のレビュワーが、「残念な点は少々あるが、8インチクラスのSIMフリータブレットでは現時点ではベストな逸品だと思う」など、それぞれ総合では満足という評価をくだしているが、細部の作りなどで若干使いづらい面もあるという。ひとつは、SIMカードスロットとmicroSDメモリースロットが共有であるという点。本機の大きな特徴は、LTEに対応し、どこでもインターネットが使えるということにあるが、容量拡大やデータのバックアップ用にmicroSDメモリーカードを挿そうとすると、これを入れ替えなくてはいけない。「しかも抜き出しのピンが必要。SIMカードのPINコードを設定しているが、microSD入れ替え時にPINコードまで必要」といった具合に、ここでの作業が行いづらい点がマイナス評価となっている。

もうひとつは、独特なブラウザー表示の問題だ。「Chromeが入っているが初めてのサイトは「スマホ表示モード」となり文字はかなり大きめ。当然「PC表示モード」に切り替えるが、縦持ちでは文字はかなり小さくなるのでピンチアウトで少し拡大する必要がある」といったように、ややソフト面でも使いづらい部分があるようだ。また、バッテリーの持ちは「必ずしも良くないと思う。厳密には比較できないが、ブラウザ中心で二日ぐらいか。iPad mini4で三日は保った気がする」と、こちらも若干低めの評価となっている。

しかしながら、「現時点で8インチ & 指紋認証 & 64GB & SIMフリーは本機種しかない。待ちに待った機種である」「内蔵メモリ64GB、指紋認証付の8.4インチタブレットが発売となり、発売当日12/16に衝動買い!」といった書き込みからもあるように、現状必要と思われるようなスペックを実現した唯一の製品としての期待値、満足度は総じて高めと言える。最大のライバルは、依然として人気の首位を走り続けるASUS「ZenPad 3 8.0」であるが、この人気モデルにどこまで肉薄できるか、今後の状況に注目したい。

鎌田 剛(編集部)

鎌田 剛(編集部)

価格.comの編集統括を務める総編集長。パソコン、家電、業界動向など、全般に詳しい。人呼んで「価格.comのご意見番」。自称「イタリア人」。

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