レビュー
機能がシンプルだからこそ使いやすい

アイリスオーヤマ「IAC-A600」を使って実感! 全自動コーヒーメーカーの入門機はこうあるべき!

生活家電にしても日用品にしても、アイリスオーヤマが作る製品にはとにかくムダがない。機能はいたってシンプルだが、それゆえに使いやすく、しかも価格はリーズナブル。実際に使うと「そうそう、これで十分なんだよ」と妙に納得させられてしまう、モノ作りにおける取捨選択が実にうまいメーカーなのだ。今回取り上げるのは、そんなアイリスオーヤマ初となる、全自動コーヒーメーカー「IAC-A600」。さてさて、その実力やいかに?

使いやすくて、スタイリッシュで、価格もリーズナブル

豆の産地に始まり、焙煎度合い、粒度、湯温、湯量、抽出時間などさまざまな要素でコーヒーの味わいは変化するが、「おいしいコーヒー」の大原則はやはり挽きたてであること。あとは自分好みの粒度で淹れさえすれば、特別な知識や技術がなくても、カフェのような至福の1杯が楽しめる。

そんなおいしさの“ツボ”をしっかり押さえているのが、「IAC-A600」である。豆挽きから抽出までをボタンひとつで行えて、選択する必要があるのは、豆の粒度を粗挽きにするか、中挽きにするかだけ。アイリスオーヤマらしく、機能をできる限りシンプルにすることで、挽きたてのおいしさとともに抜群の手軽さも実現しているわけだ。

価格は7,039円(2017年6月21日時点の価格.com最安価格)と手ごろ。本体サイズは177(幅)×286(奥行)×292(高さ)mm、重さは2.3kgで、ミル付きの全自動モデルとしてはコンパクトな部類に入る。豆からもコーヒー粉からもドリップでき、1回の抽出杯数はコーヒーカップ4杯まで。ミル刃には一般的なプロペラ式を、フィルターには豆の油脂分まで抽出できるメッシュフィルターを採用している。

差し色に赤を使ったモダンなデザインに仕上げられている。サイズもコンパクトで、高さは2リットルのペットボトルよりも低い。これならカウンターキッチンなどにもスッキリと置けそうだ

ミル刃にはプロペラ式を採用しており、中挽き/粗挽きの選択ができる。コーヒーの味を左右する要素はさまざまだが、その中でも豆の粒度は特に味への影響が大きい部分。それだけに、この価格帯の製品で2種類の挽き分けができるのは非常にポイントが高い

コーヒーオイルまで抽出でき、豆本来のうま味をダイレクトに味わえるのがメッシュフィルターの魅力。ペーパーフィルターと違い何度でも洗って使えるので、エコ&経済的なのもうれしい。惜しむらくは、ペーパーフィルターも使える仕様であればなおよかった。こだわりが強くなってくると、メッシュとペーパーで味の違いを楽しみたくなるものだからだ

コーヒーカップ4杯まで一度にドリップ可能。サーバーはガラス製で、でき上がりの量をひと目で確認することができる

アイリスオーヤマらしい「気配り」で使い勝手がグンとアップ

実際に使ってみて、「なるほど!」と感心したのが水の入れやすさだ。水タンクの目盛りはタンク側面に線で記されているのが一般的だが、これだと水を注ぎ入れながらグッとかがんで横からのぞきこまなければならず、場合によっては水をこぼしてしまうこともあった。

これに対して「IAC-A600」の水タンクは、内部に目盛りの付いた階段状の凹凸があるため、タンクの“上から”水量を確認することができる。「なんだそんなこと?」と思うかもしれないが、あなどるなかれ、これが実に使いやすいのだ。

実際にコーヒーを淹れてみよう。まずは本体上部のカバーを開け、付属の計量スプーンで豆もしくはコーヒー粉をメッシュフィルターの内側に投入する

計量スプーンはすりきり1杯で約4g。ここでは説明書に書かれた目安に従い、コーヒーカップ2杯分となる18gを入れてみた

水タンク内の右側に見えているのが階段状の目盛りで、ドリップ杯数を示す「1」「2」「3」「4 MAX」という目盛りが記されているのがわかるはず。地味ながら、水の入れやすさを向上させる目からウロコのアイデアだ

豆を入れ、水もセットしたら本体正面のダイヤルでモード(粒度)を選択。粗挽きの場合は「豆1」、中挽きの場合は「豆2」、コーヒー粉からドリップするときは「粉」を選ぶ。これで準備は完了。スタートボタンを押せば運転が開始される

実は「IAC-A600」は、ドリップが終わってもブザー音などは鳴らない。ポタッ、ポタッとフィルターから落ちるコーヒー液の量やサーバー内の溜まり具合を見て、「そろそろかな?」というところでサーバーを引き出すことになる。これは、ドリップ完了のタイミングがわからないという点ではマイナス要素になりかねないが、筆者にはむしろ利点に感じた。

理由はほかでもなく、コーヒーの味である。コーヒーの味を損ねる渋み・えぐみ成分はドリップの後半に出てきやすいため、たとえば最後の1滴まで抽出してしまうと、挽きたてならではの香り、味わいを十分に楽しめなくなってしまう。その点、自分が「今!」と思うタイミングでドリップを終えられる「IAC-A600」ならそうした心配はないし、いつものタイミングより少し遅くサーバーを引き出して苦みを強くしたり、逆に少し早めにサーバーを引き出して苦みを抑えたりすることもできる。

なお、フィルター直下には「しずくもれ防止弁」が付いているため、少し早めのタイミングでサーバーを引き出しても、抽出部からコーヒー液がこぼれ落ちてくる心配はない。

豆挽きの音はそれなりに大きく、テレビの音がやや聞きづらくなるくらい。コーヒー2杯分、18gの豆を中挽きで淹れてみたが、豆挽きにかかった時間は30秒、でき上がり時間はおよそ8分だった。なお、ドリップが終わると自動で40分間保温される

挽きたてのおいしさに納得!好きな「苦さ」を楽しめるのも◎

いざ、テイスティングといこう。今回使用した豆は、コーヒー通なら知らない人はいないであろう、猿田彦珈琲 恵比寿本店の「猿田彦マイルド」(中煎り)。味に透明感があり、フルーティーな風味とキャラメルのような後味も楽しめるバランスのよい豆だ。

まずは中挽きで淹れたコーヒーをひと口。やはり挽きたての香りは格別で、口に淹れた瞬間、オレンジピールのような甘酸っぱいアロマが爽やかに鼻を抜けていく。ほどよい苦みとコク、そして、しっかりとしたボディ感をダイレクトに味わえるのはメッシュフィルターならでは、挽きムラが少ないためか、気になる雑味やえぐみもまったく感じられない。

続いて粗挽きを試したが、中挽きに比べて苦みが少なく、その代わりに酸味が前に出てくる印象。コーヒー初心者はシンプルに、しっかり苦みを楽しみたい時は「中挽き」、少し苦みを抑えたい時は「粗挽き」といった淹れ分けで十二分に楽しめるのではないだろうか。

濃密なコクとボディ感が口いっぱいに広がる味わいは、まるでフレンチプレスでじっくりと淹れたかのよう。インスタントコーヒーとは明らかに違う、挽きたてならではの風味を存分に楽しむことができた

お手入れのしやすさも「IAC-A600」のいいところ。細かいパーツまで取り外して洗えるのはもちろんのこと、内部構造がシンプルで死角が少ないため、清潔さを保てているのがしっかり「見える」のも気分がよい

気の利いた作り込みは掃除用のブラシにも。計量スプーンの柄の先端に掃除用ブラシが付いているので、「どこにしまったっけ?」とあちこち探し回らずにすむのだ

まとめ

アイリスオーヤマ製品を使用した時の「そうそう、これで十分なんだよ」という感覚は、「IAC-A600」でもしっかりと感じられた。ボタンひとつで挽きたての味わいが楽しめて、豆の挽き分けもでき、おまけにデザインがよくて価格もリーズナブル。全自動コーヒーメーカーの入門機としてこれのどこにケチがつけられるだろう? 自宅で手軽に挽きたてのコーヒーを楽しみたいという人は、ぜひとも本機を手に取ってみてほしい。きっと期待以上の満足感が得られるはずだ。

【関連リンク】
《2018年》全自動もミル付きも!タイプ別のおすすめコーヒーメーカー12選

毛利真大

毛利真大

編プロでの広告制作、雑誌編集を経てフリーライター/エディターに。家電をはじめ、自動車、ファッション、ビジネス関連など幅広い分野で活動。86年、秋田県出身。「大曲の花火」とグミをこよなく愛する。

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