新製品レポート
左右で異なる温度を同時に吹き分ける気流はより快適に進化

無線LANも内蔵! “可動式フィルター”で強力集じんするパナソニックのエアコン「エオリア」

2018年3月に創業100年を迎えるパナソニックから、エアコン、ドラム式洗濯機ロボット掃除機の新モデルが発表されました。いずれも基本性能を高めただけでなく、スマートフォンとの連携機能が格段に意義あるものになった印象。発表会の前に開催されたセミナーで見てきた、各製品の特徴を紹介します。まずは、キレイで快適を追及したエアコン「Eolia(エオリア)」から見ていきましょう。

「WXシリーズ」は14〜29畳用の6機種(市場想定価格は32〜43万円)、「Xシリーズ」は6〜29畳用の11機種(市場想定価格は26〜41万円)がラインアップされています。2017年10月下旬より順次発売予定

待ってました! 無線LAN内蔵で手間なく遠隔操作

現状の生活家電とスマートフォンとの連携機能にはあまり有用性を感じられていない筆者ですが、エアコンを外出先から操作できる機能だけはとても便利だと思っています。しかし、これまではエアコン本体とは別に無線LANユニットを購入せねばならず、取付工事も必要なものが多いため、遠隔操作対応のエアコンを購入していてもスマートフォンとの連携機能を利用していない人も多かったはず。そんな中、アイリスオーヤマが無線LAN機能を内蔵したエアコンを2017年4月に発売。エアコンを購入するだけでスマートフォンから遠隔操作できるのが大きなウリでした。これは、消費者にとっては非常に魅力的なこと。他メーカーも追随してほしいと思っていたら、パナソニックがやってくれました! 今回発表された2018年度モデルの上位シリーズ「WXシリーズ」と「Xシリーズ」には無線LAN機能が内蔵されており、別途費用や取付けの手間ゼロでスマートフォンによる操作が行えるのです。

これまでは無線アダプターと無線ゲートウェイを購入(約16,000円)して取り付る必要がありましたが、2018年度モデルは本体だけでスマートフォン操作に対応!

運転をオン/オフするのはもちろん、運転モードの切り替え、温度設定の変更など、さまざまなことがスマートフォンで行えます

空気清浄機レベルのキレイを快適な“冷暖”とともに実現

無線LAN機能を内蔵したことだけがエオリアの魅力ではありません。省エネで快適にできることはエアコンを選ぶうえでもっとも重視されることですが、パナソニックの調査によると、近年、「清潔性」への関心が高まっているといいます。部屋の空気を取り込み、適切な温度にして放出するエアコンは大風量で部屋の空気を循環させているのだから、キレイな空気を吸いたいと思うのは当然。では、エアコンでできる空気清浄とはどのようなことなのでしょうか。その方法として、「空気と一緒に吸い込まれる汚れを集じんする」「エアコン内部を清潔に保つ」「部屋にキレイな空気を出す」の3つがあげられます。パナソニックはこれまでも、空気清浄機にも採用されている除菌技術「ナノイーX」でカビの繁殖を抑制したり、Ag+(銀イオン)をフィルターにコーティングすることで除菌するといったさまざまな対策を施していますが、2018年度モデルではより清潔性能をパワーアップさせました。

なかでも最大の進化ポイントは、部屋の空気を吸い込む際に集じんする「フィルター」。従来のエアコンに搭載されていたフィルターの67倍も表面積が大きい「アクティブクリーンフィルター」を採用しました。ただ、これほど大きなフィルターを吸込口に装備すると送風量に影響が出るのも事実。そこで、フィルターを可動式にしたのです。設定温度と室温の差が大きく、冷暖房を優先すべき時にはアクティブクリーンフィルターを内部に収納し、室温が設定温度に近づき、冷暖房の運転が落ち着いてきたらアクティブクリーンフィルターが吸込口のほうに出てくる仕組み。これにより、冷暖房の送風性能を落とさず、適用床面積20畳相当の集じん性能を実現しました。

アクティブクリーンフィルターが収納されている状態
※アクティブクリーンフィルターが見やすいようにパネルを開けています

冷暖房運転が落ち着くと、アクティブクリーンフィルターが吸込口のほうに移動。エアフィルターを覆うように配置されたアクティブクリーンフィルターが、より強力に集じんします

アクティブクリーンフィルターがあることで、どれほど集じん性能が高くなったのかをスモークを充満させた部屋で実験してみました。

比較するのは、2018年度モデル(左)と2017年度モデル(右)の「Xシリーズ」です

比較するのは、2018年度モデル(左)と2017年度モデル(右)の「Xシリーズ」です

上の動画でわかるように、運転を開始して1分ほどするとスモークの量に明確な差が出てきました。左側にある2018年度モデルの天面(吸込口)には移動してきたアクティブクリーンフィルターが見えます。アクティブクリーンフィルターがあるほうが、清浄性能が高いのは間違いなさそう(パナソニックによると、従来の15倍の早さでキレイにできるとのこと)。なお、今回の実験は狭い空間で行っていますが、パナソニックがタバコの煙を充満させた6畳空間で検証したところ、30分間で99%除去できたといいます。

天面から出ているのがアクティブクリーンフィルター。PM2.5、浮遊ウイルス・カビ菌、花粉、ホコリ・細菌をしっかり集じんします。なお、アクティブクリーンフィルターは冷暖房の状況にあわせて可動するだけでなく、空気の汚れによっても作動。ホコリセンサーで検知し、空気がキレイな場合には収納、汚れていると判断した時には可動というように切り替わります

キレイな空気への追求は、フィルターだけに留まりません。空気の汚れは基本的にはフィルターでキャッチされますが、どうしても取りきれない細かいホコリや油分はフィルターを通過し、熱交換器に付着。熱交換器にホコリが付着すると、熱交換や冷却の効率が落ち、省エネ性も低下してしまいます。そんな悪循環を防ぐために、エオリアは熱交換器に水にはなじみ、油ははじく「親水撥油コート剤」と、ホコリが引っかかりづらいツルツルのコーティングを塗布。切断面にもコーティングすることで、熱交換器が汚れるのを徹底的に防ぎます。

親水撥油コート剤の塗布や凹凸をなくした熱交換器の表面構造などの対策は「ホコリレスコーティング」と称されています。このホコリレスコーティングの有無によって、写真のように熱交換器の汚れは変わってくるそう

ホコリレスコーティングがあることで、どれほどホコリが取れやすいのかを実演。油と擬似ホコリを付け、水の中に入れるとホコリレスコーティングされた左側のホコリが浮いてきました

油分とホコリが混じると付着して取れにくくなりますが、ホコリレスコーティングは親水撥油の特性があるので、水があると汚れの下に入り込み、ホコリを剥がします(実際は結露水を利用し、ホコリや油を洗い流します)。空気中にあるホコリは料理油や皮脂など、油分が30%ほどあるそうなので、ホコリレスコーティングされていないとホコリがどんどん溜まっていきそうですね

このほか、従来モデル同様に「ナノイーX」を放出したり、汚れやカビの付着を抑制するコーティングなどエアコン内部をクリーンに保つ「オートクリーンシステム」も搭載されています。

オートクリーンシステム搭載機(左)と非搭載(右)のエアコンにカビを噴霧し、高温多湿の実験室に14日間放置すると、たった2週間で大きな差が! オートクリーンシステムのないエアコン内部はカビだらけです。こんなエアコンから出てきた空気は吸いたくない!

2つの温度で吹き分ける気流が“自然な風”に進化

最後に、エオリアの冷暖房運転の快適さも紹介させてください。エオリアのすごさは、左右で異なる温度の吹き分けができること。熱交換器の冷媒の圧力をコントロールすることにより、1つの熱交換器で2つの温度を作りだすという世界初の「ダブル温度気流」が2017度モデルに搭載されました。左右で異なる位置や風量を放出できるモデルは他メーカーにもありますが、2つの温度の気流を同時に吹き分けできるのはパナソニックだけ。熱交換器の温度差は最大で約7℃にもなるそうで、2017年モデルで暖房運転を体験した時には左右で温風が10℃近く違いました。2018年度モデル「WXシリーズ」「Xシリーズ」にも、このダブル温度気流が装備されています。

温冷感センサーが「寒い、暑い」と感じているのかを検知し、それぞれに適した気流を届けてくれます。2016年9月に開催されたセミナーで暖房運転時の吹き分けを体験しましたが、異なる温度の温風が同時に出てきたのは衝撃でした

<関連記事>「ダブル温度気流」のくわしい解説は2017年度モデルでチェック!

そんな気流を“より快適な風”として提供できるように届け方を改善。パナソニックの扇風機にも搭載されている「1/f ゆらぎ気流」をエアコンでも放出できるようにしました。1/f ゆらぎ気流とは信州・蓼科高原に吹くような風を再現したもので、エオリアはルーバーとフラップで不規則な風を作り出します(下の動画参照)。

中村 真由美(編集部)

中村 真由美(編集部)

モノ雑誌のシロモノ家電の編集者として6年間従事した後、価格.comマガジンで同ジャンルを主に担当。アウトドアからオタク系まで意外と幅広くイケちゃいマス。

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