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玄米と白米の混合でも上手に炊ける! 粘りと弾力、甘みのバランスがバツグンな東芝の炊飯器「RC-10ZWL」

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真空と圧力を組み合わせた炊飯方法が特徴の東芝ホームテクノの炊飯器「本羽釜シリーズ」。2017年9月中旬に発売される最上位モデル「RC-10ZWL」は食感の炊き分けの幅が広くなったほか、甘みを優先するコースや玄米を食べやすくするコースが追加されました。文章だけではそれほど他メーカーと違いがないように思われるかもしれませんが、今回、メディア向けのセミナーで試食し、その有用性を実感。筆者が「アリ」だと感じたRC-10ZWLの魅力をお伝えします。

「RC-10ZWL」はグランホワイトとブランブラックの2色がラインアップ。炊飯容量は5.5合です

圧力と真空で炊く「合わせ炊き」とは?

新機能に触れる前に、RC-10ZWLの炊飯方法を確認しておきましょう。米を炊くには、最初に浸水させなければなりません。白米の場合、2時間ほど浸しておかなければならないと言われており、浸水を手動で行っていた昔の炊飯器はごはんを炊くのに非常に長い時間がかかりました。しかし、今のIH炊飯器は炊飯プログラムに浸水も含まれているので、研いだ米と水をセットしてすぐに炊飯可能。標準的な炊飯コースは浸水時間を含め、1時間前後で炊き上がります。このように時間を短縮できた秘密は、浸水時の水の温度。浸水工程にも加熱することで早く吸水できるようにしているのですが、食感がやわらかくなりすぎることがありました。そんな事態を回避するのが、RC-10ZWLに採用されている「真空αテクノロジー」。真空αテクノロジーとは浸水時に内釜内を真空にすることで米の中の空気を取り除き、米に水が浸透しやすくするというもので、米の芯まで水が含まれるため、熱も芯まで伝わります。しっかり芯まで吸水できていないと米の表面だけしかα化(米のでんぷん質が水と熱の力でやわかく粘りのある状態に変化すること)しませんが、真空αテクノロジーで浸せば、芯までふっくらと粘りのあるごはんが炊き上がります。

炊飯工程の最初に行う浸し時に、内釜内の空気をポンプで真空にして米の中から空気を抜きます。米は多孔質なため、すべての穴に水を吸水させるには自然吸水では2時間必要。浸水時の水の温度をあまり上げず、自然吸水に近い温度帯のまま素早く完了できるようにしたのが真空αテクノロジーです

真空αテクノロジーの有無で、どれほど吸水が変わるのかを実験してみました。真空αテクノロジー非搭載モデル(左)と真空αテクノロジーを備えたRC-10ZWLの内釜に赤く着色した水を入れ、ダイコンを投入して色の染み込み具合を比較します

浸し工程を15分行った結果です。真空αテクノロジー非搭載モデルで浸水した大根は、表面しか赤くなっていません。いっぽう、真空αテクノロジーで浸水させた大根は中心部まで色が入りこんでいます

このようにしっかり吸水させた米を、圧力をかけて炊飯します。内釜内の気圧を高めれば水の沸点は100℃を超えるため、高温で炊くことが可能に。羽釜の背が高いので、連続加熱・連続沸騰しても吹きこぼれの心配はありません。さらに内釜の底部に60°の丸みを持たせることで、激しい熱対流を起こし、炊きムラを低減。この圧力、真空、丸底60°の内釜による「合わせ炊き」で、かまどで炊いたようなおいしさを実現しました。

60°という丸みは羽釜にならったものなのだそう。同様に羽釜のような高さ、厚み(7mm釜底)を備えた内釜は、1つひとつを削り出して製法しています

かまど(内釜が収まる部分)に内釜を入れると、羽より上部が大きくはみ出た状態となります。このように高さを設けることで、吹きこぼれを抑制

RC-10ZWLの炊飯方法である「合わせ炊き」で、米は一粒一粒大きくふくらみ、甘みと粘りのあるおいしいごはんが炊き上がります

多様な食感、甘みで炊き分けできるように進化!

続いて、進化点をチェック! まずは、9通りから11通りに数が増えた食感の炊き分けから見ていきましょう。高級ゾーンのIH炊飯器であれば、人の好みにあわせていろいろな食感に炊き分けできることはめずらしくありませんが、RC-10ZWLは「しゃっきり」から「もちもち」までの幅が広いのがポイントです。他メーカーの中にはそれほど大きく食感を変えることができない狭い幅内で細分化し、たくさんの食感が選べるようにしているものもあるのだそう(下の写真参照)。

浸水や炊飯の時間や温度を調整することで、食感を変えます。この表を見ると、RC-10ZWの炊き分けの幅は他メーカー製品の倍以上あるようですね

RC-10ZWLにおける白米の標準的な炊飯コースである「かまど名人」で、食感を炊き分けできます

RC-10ZWLにおける白米の標準的な炊飯コースである「かまど名人」で、食感を炊き分けできます

異なる食感で炊いたごはんで作ったおむすびを試食してみました。手で持った瞬間に、粘りが「もちもち」になるほうが多いことがわかります。一般的に「もちもち」=甘みはあるけれど、やわらかいという印象を持っていたのですが、RC-10ZWの「もちもち」は弾力がすごい! また、「しゃっきり」も口解けがよく粒感が際立っているものの、適度な粘りが健在です

実は、この炊き分けの幅を広げた要因が本体構造の改良にもあります。これまで底に配置されていた吸気口を、新モデルでは側面に変更。炊飯器は加熱すると内釜だけでなく、本体も熱を持ちます。本体が熱くなり過ぎるとさまざまな機器のエラーにつながる可能性があるため、吸気して冷却しなければなりません。今回、底面吸気から側面吸気に変えたことで吸気効率が高まり、冷却性能がアップ。より冷却できるようになったので、炊飯時の火力も高めることができるようになったのだそう。さらに、水分を素早く飛ばして粒感や弾力を出す「しゃっきり」食感の幅を広げることができるようになりました。なお、吸気口を側面に配置しているIH炊飯器はほとんどないということです。

青く囲まれた部分が吸気口。底面に吸気口があるモデルでは、本体の下に布巾を敷いてしまうとうまく吸気ができず、炊き上がりに影響が出ます。「今日は上手にごはんが炊けなかった」と、日により炊き上がりにムラがあると感じてる方、吸気口を塞いでいないかチェックしてみてください

吸気の様子を可視化し、吸気口の位置でどのように変わるのかを比較したもの。側面に吸気口があるほうがスムーズに勢いよく吸い込まれていることがわかります

側面に吸気口が配置されると、壁に近づけて設定できないのでは? と心配された方、安心してください。向かって左側に吸気口があるのですが、写真のように近づけて置いてもOKです

11通りになった食感の炊き分けに加え、白米ではもうひとつユニークなコースが追加されました。甘みを優先した「甘み炊きコース」です。「甘み炊きコース」は、米に水が十分に吸水されてからゆっくり加熱することで甘みをより強く引き出すことができるのだそう。「かまど名人 おすすめ」に比べ、「甘み炊き おすすめ」で炊いたほうが約12%も甘みの高いごはんが炊き上がります。

「甘み炊き」でも3つの食感を選択できます

「甘み炊き もちもち」で炊いたごはんを試食してみると、たしかに甘みが強め! もちもち感もありますが、「かまど名人 もちもち」よりも粘りは控えめです

正直、説明を受けた段階では「甘み炊きコース」は必要なのか? と疑問でした。一般的に「もちもち=甘さアップ」というのが、これまでいくつかの炊飯器で炊いたごはんを食べてきた印象だったので、「かまど名人 もちもち」よりも粘りを抑えながらも甘みを濃くした「甘み炊き もちもち」に驚きました。炊飯器の中には「もちもち」にすると「やわらか過ぎる」ものもあったため、筆者は「もちもち」が苦手だったのですが、RC-10ZWの「もちもち」は米粒に弾力があるので「アリ」です。硬めのごはんが好きな筆者的には「甘み炊き もちもち」は、かなり理想的な焼き上がりでした。

玄米を食べたいけれど苦手なら「玄米+白米」で炊いちゃえ!

最後に、新たに追加された「白米混合コース」を紹介しておきましょう。近年は健康意識の高まりから、玄米を食す人が増えているものの、玄米独特の食感や舌触りが苦手な人は多いといいます。東芝の調査によると、玄米を食べている人の半数近くが白米に玄米を混ぜて炊いているのだそう。しかし、白米と玄米は浸水にかかる時間が違います。白米は前述のとおり、約2時間。いっぽう、玄米は約8時間水に浸すのが理想です。このように浸水時間が異なる白米と玄米を同じ炊飯コースで炊いても、おいしくなるわけがありません。そんな吸水時間の違いも問題とせず、同時にセットしておいしく炊き上げてしまうのが「白米混合コース」です。真空αテクノロジーが玄米の吸水を促進させつつ、白米は糊化しない浸水を実現。玄米と白米の食感差を少なく炊き上げることに成功しました。

「白米混合コース」は白米2に対し、玄米1の割合が推奨されています

「白米混合コース」は白米2に対し、玄米1の割合が推奨されています

「白米混合コース」非搭載モデルで炊いた「白米+玄米」(左)は、硬いままの玄米が残っていました。いっぽう、「白米混合コース」で炊いたほうは、玄米もやわらかでもちもち! 白米がべちゃっともなっておらず、どちらもベストな食感です

小さくなった本体と内釜がうれしい!

「白米混合コース」の紹介が最後と書いておきながら、どうしても伝えたいことがあるので追記させてください! 炊飯容量は5.5合で同じなのですが、本体や内釜のサイズが前モデルよりも小さくなりました。本体の大きさは約26%小型化され、内釜は小さくなっただけでなく、400gも軽量化。米を研いで、水を入れて運ぶ際の負担もかなり軽減されるはずです。

吸気口の位置や部分配置を見直すことで、本体サイズが約26%小さくなりました(左側が新モデルです)

あわせて内釜も小型・軽量化され、持ち運びの負担を軽減

あわせて内釜も小型・軽量化され、持ち運びの負担を軽減

中村真由美(編集部)
Writer / Editor
中村真由美(編集部)
モノ雑誌のシロモノ家電の編集者として6年間従事した後、価格.comマガジンで同ジャンルを主に担当。気づけば15年以上、生活家電の情報を追い、さまざまな製品に触れています。
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