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シロカと長谷園が共同開発。“本物の”土鍋電気炊飯器「かまどさん電気」誕生

製品名やキャッチコピーに「土鍋」「かまど」「羽釜」などを用いた、土鍋炊き、かまど炊きっぽい炊飯器は数あれど、本物の土鍋炊きがスイッチひとつでできる電気炊飯器はこれまでなかった。そんな“本物の”土鍋電気炊飯器を作ったのが、シンプルで機能的ながら、お手ごろ価格の家電で人気上昇中のメーカー、シロカだ。2017年12月8日、創業185年の伊賀焼の老舗窯元・長谷園との共同開発による「長谷園×siroca かまどさん電気 SR-E111」(以下、かまどさん電気)を発表した。開発期間は4年。熱源にIHではなくシーズヒーターを採用することで、土鍋を直火にかけた時の熱量を再現できたという。2018年3月8日発売予定(一部先行発売)で、価格は79,800円(税別)となる。


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現在でも入荷半年待ち! 人気炊飯土鍋「かまどさん」をそのまま炊飯器にした「かまどさん電気」

「かまどさん電気」は、2000年に発売され、「奇跡の炊飯土鍋」とも呼ばれている長谷園の炊飯土鍋「かまどさん」をそのまま電気炊飯器にした「土鍋電気炊飯器」。土鍋の特製を生かした炊飯プログラムを導入し、スイッチひとつで土鍋炊きが可能。吹きこぼれの心配もない。また、土鍋は洗ったあと、ひび割れ防止のために十分に乾燥させる必要があるなど手入れがめんどうなイメージがあるが、「かまどさん電気」には、土鍋をセットしてスイッチを押すだけで乾燥ができる「乾燥モード」を備えており、手入れも簡単だ。

炊飯メニューは、「白米」「玄米」「雑穀米」の3つ。浸水、蒸らし時間を含む炊飯時間は白米(3合)で60分、玄米(3合)で90分となる。仕上がりは、「かため」「ふつう」「やわらか」、おこげは「こいめ」「ふつう」「うすめ」、おかゆは「ふつう」「やわらか」の選択が可能だ。なお、土鍋は蓄熱性が高いため、保温機能は備えていない。

サイズは約300(幅)×300(奥行)×261(高さ)mm、重量は約7.6kg。最大炊飯容量は3合で、炊飯時の消費電力は1,300Wとなる

「かまどさん電気」の元となった長谷園の炊飯土鍋「かまどさん」。累計販売台数は80万個で、現在でも半年待ちの状態が続く人気製品だという

土鍋部分は、最適な配合の土、最適な厚みと形状で作られ、遠赤外線効果の高い釉薬(うわぐすり)を使用。万が一、土鍋部分を割ってしまった場合を想定し、土鍋パーツのみの販売も予定しているという。なお、土鍋単独での直火での使用は不可

土鍋部分はフタを二重にすることで吹きこぼれを防止。これは本家「かまどさん」と同じ仕様

操作部はタッチパネル式

操作部はタッチパネル式

熱源にシーズヒーターを採用し、土の“呼吸”を止めないからおいしく炊ける

開発4年、試作500台、使った米は3t。伝統の手工芸品とデジタルの融合はひと筋縄ではいかなかったようだ。直火で使用する「かまどさん」の特性を、電気で炊く炊飯器でいかに再現するかは特に難題だったという。

というのも、「かまどさん」や「かまどさん電気」の土鍋部分に使われている伊賀の土は、“呼吸する土”と呼ばれる土。耐火度や蓄熱性が非常に高く、ごはんをふっくらムラなく炊き上げるだけでなく、焼くことで生まれる無数の気孔が、炊飯時も炊飯後もごはんの水分をコントロール(“呼吸”)するという特性を持っている。金属板を土鍋の全体に埋め込まなければならないIHヒーターを採用すると、この“呼吸”ができなくなり、「かまどさん」の炊き上がりは再現できない。試行錯誤の結果、熱源にはIHではなく、シーズヒーターを採用。熱源を感知するセンサーを鍋底に小さく埋め込むことで安定した熱供給に成功し、土鍋を直火にかけたときの熱の伝わり方を再現。「かまどさん」の構造、機能をそのまま電気化することができたという。

長谷園7代目当主 会長・長谷優磁氏。電気対応の「かまどさん」を作ってくれないかという意見は非常に多かったという。「大手家電メーカーからいくつも誘いはあったが、IHを使用したいというメーカーとは話が折り合わず、これまで実現できなかった。IHを使用しないという方向性を受け入れてくれたシロカと、やっと開発がスタートできた」と語った

400万年前は琵琶湖の底にあったという伊賀で採れる土には、当時の琵琶湖に生息していた微生物や植物の化石が含まれている。土は焼くことで有機物のみが燃え尽き、その部分が気孔になる

シーズヒーター。土鍋は必要な熱量を与えれば、消火したあとも自身の蓄熱で炊飯が続けられるため、省エネにもなるという

鍋底には、熱源を感知するセンサーが埋め込まれている

鍋底には、熱源を感知するセンサーが埋め込まれている

安定的な熱量を保ちながら、炊飯に適した温度を保つ独自の循環機能を開発

安定的な熱量を保ちながら、炊飯に適した温度を保つ独自の循環機能を開発

発表会場では、「かまどさん電気」で炊いたごはんを試食することができた。試食したのは、長野県産のコシヒカリ。ごはんのおともとしてふるまわれた料理は、製品に同梱される献立集に掲載されているもの。献立集には78メニューが掲載されるという

「かまどさん電気」で炊いたごはんは、粒感をしっかり感じられるごはんで、粒ごとに弾力がある印象。もちもち、しゃっきり寄りのごはんが好きな人に特によろこばれそうだ

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大泉瑠梨(編集部)

大泉瑠梨(編集部)

美容・健康家電を中心に新製品レポートやレビュー記事を担当。時には体を張って製品の実力をチェックします。

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