レビュー
本家「かまどさん」と食べ比べ

ご飯好きオヤジが本音レビュー! 話題の電気炊飯土鍋「かまどさん電気」の実力

突然ですが、「かまどさん」ってご存知ですか? 三重県伊賀市の伊賀焼窯元である長谷園(ながたにえん)が開発した炊飯土鍋です。おいしい土鍋ご飯が簡単に炊けることで評判になり、一時は入荷半年待ちになるほどの人気ぶりでした。

そんな「かまどさんの味」をもっと気軽に楽しめるよう、家電メーカーのシロカが長谷園と共同開発したのが、全自動電気炊飯土鍋「かまどさん電気」。はたして、その実力はいかほどのものか? 今回は“ご飯大好きオヤジ”を自称する筆者が、本家「かまどさん」と「かまどさん電気」の両方を試し、炊きあがるご飯のクオリティを本音でレポートします!

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シロカと長谷園が共同開発。“本物の”土鍋電気炊飯器「かまどさん電気」誕生

右が本家「かまどさん」、左がシロカの「かまどさん電気」

左がシロカのかまどさん電気、右が本家かまどさん

はじめに。永谷園のヒット土鍋・本家かまどさんの魅力

まずは、ベースとなる本家かまどさんの魅力をざっとご紹介しましょう。品薄になるほど人気になった理由のひとつは、土鍋なのに炊飯時の火加減の調整が必要ないこと。一般的に土鍋でご飯を炊く場合、中強火で炊き、沸騰したら弱火にしますが、かまどさんは火加減が一定でよいのです。

そのおかげで、炊飯手順もシンプルです。炊く前に20分ほどお米を浸水したあと、中強火で加熱して10〜12分ほど炊けば、フタの穴から勢いよく蒸気が噴き出すので、そのまま1〜2分待って火を止めればOK。あとは20分ほど蒸らせばできあがりです。

また、土鍋炊飯は吹きこぼれが起きてガスレンジがべたべたになりますが、かまどさんは上ブタの中にもうひとつ中ブタがあり、この二重のフタが圧力釜の機能を果たすため、吹きこぼれがありません。

かまどさんはガス専用です。わが家のキッチンは半年前にIHクッキングヒーターに変えたため、今回はキャンプで使っている2バーナーで炊いてみました。カセットガスの火力ではちょっと不安でしたが、中強火の火力で、12〜13分ほどで炊きあがりました

こうした簡単さが人気の秘密ですが、もちろん味も一級品です。筆者宅でかまどさんを使ってご飯を炊いてみたところ、炊きあがってフタを開けた瞬間、ご飯の甘い香りがリビング中に充満!そこにいた家族全員が、一斉にかまどさんを振り返って「おーっ!!」と歓声を上げるほどでした。単に甘いだけでなく、香ばしくもさわやかな一種独特な香りで、唾液腺を刺激しまくりです。

炊きあがったご飯は粒立ちがよく、食感は少し硬め。でも噛んでみるとこの硬さがちょうどよいことがすぐに理解できます。噛めば噛むほど甘さが口の中にあふれるので、もっと長く噛んでいたくなる。もう、おかずは必要ありません! ご飯だけで何杯もいけます。まさに、ご飯のための土鍋です。

かまどさんで炊いた真っ白なご飯! フタを開けた瞬間、ご飯の甘さをまとったさわやかな香りがリビングに充満し、唾液があふれるのを抑えきれませんでした

噛むたびに甘さがにじみ出てきて、「ああ、ご飯ってこんなにおいしいんだ。日本人に生まれてよかった」としみじみ感じます

とはいえ、土鍋はこびりつきがすごい。10分ほど水に浸しておかないと取れません。おいしいけれど、お手入れがちょっと面倒なのは土鍋の宿命

そして電気炊飯器へ……「かまどさん電気」誕生

さて、そんなすばらしい「かまどさんの味」をもっと気軽に味わいたい! わが家のようにIHに変えてしまった家庭でも使ってみたい! という要望に応えるべく、シロカと永谷園で共同開発したのが、電気炊飯土鍋「かまどさん電気」なのです。かまどさんが電気炊飯器になりました。

かまどさん、電源が付いた電気炊飯器として進化

かまどさん、電源が付いた電気炊飯器として進化

かまどさん電気の高級感のある外箱を開けると、大きなつづらと小さなつづらが登場

さっそくパッケージを開封! かまどさん電気の高級感のある外箱を開けると、大きなつづらと小さなつづらが登場します

大きなつづらにはかまどさん電気本体、小さなつづらにはゴム製鍋敷き、梨園染の手ぬぐい、しゃもじ、しゃもじ立て、米カップ、水カップ、ブランドブック「かまどさん電気のはなし」、ご飯を楽しむための料理レシピ集「三十日の献立集」、取扱説明書、挨拶状が入っています

ブランドブックには長谷園7代目当主による熱い想い、シロカと共同開発に至る経緯などが掲載され、読み応え十分

献立集には、ご飯を主食に主菜と副菜を組み合わせたおいしそうなレシピが30通りも掲載されています

献立集には、ご飯を主食に主菜と副菜を組み合わせたおいしそうなレシピが30通りも掲載されています

かまどさん電気の土鍋は、本家かまどさんとほぼ同じ。異なるのは、電気炊飯器とつなぐための温度センサーが鍋底に埋め込まれていることです(そのほか、製品の仕様詳細は、こちらの関連記事をチェック!)。

なお、伊賀焼の本格的な土鍋を使用しているので、かまどさん電気を使い始めるときは、本家かまどさんと同じく「目止め」と呼ばれる作業が必要です。土鍋に開いた細かい気孔を埋めて水漏れを防ぐためのもので、かまどさん電気に茶わん1杯程度のご飯を入れ、おかゆを炊けばOK。なお、目止めで作ったおかゆはそのまま食べられます。

かまどさん電気の土鍋の底には本体とつなぐセンサーが埋め込まれています

かまどさん電気の土鍋の底には本体とつなぐセンサーが埋め込まれています

使い始めは、お米からではなく、すでに炊いてあるご飯からおかゆを作ることで土鍋の目止めを行います

使い始めは、お米からではなく、すでに炊いてあるご飯からおかゆを作ることで土鍋の目止めを行います

目止めで作ったおかゆは、コンソメで味付けしチーズを入れてリゾットにしました。これはこれでおいしかった!

いよいよ、ご飯好きオヤジが「かまどさん電気」に挑む!

ではさっそく、ご飯を炊いてみたいと思います。なお、かまどさん電気の土鍋には、一般的な炊飯器の内ガマにあるような水位線がありません。水の量を正確に計るため、研いだお米は1度ザルにあげる必要があります。水切りしたお米を土鍋に入れたら、あとは付属の計量カップで既定の水量を投入し、炊飯メニューを選んで炊飯ボタンを押せば、60分前後でご飯が炊けます。

本家かまどさんのように、お米の浸水時間と炊きあがり後の蒸らし時間は必要ありません。お米をセットすればすぐに炊け、炊きあがったらすぐに食べられます。

メニューは、「白米/玄米/雑穀米」のお米3種、「炊飯/おこげ/おかゆ」のコース3種、「0.5合/1合/2合/3合」のお米の量4種の組み合わせ。仕上がりに関してはコースによって選べるモードが変わり、炊飯コースは「やわらか/ふつう/かため」、おこげコースは「うすめ/ふつう/こいめ」、おかゆコースは「やわらか/ふつう」となります。

好みにあわせて、メニューやコースを組み合わせて炊飯できます

好みにあわせて、メニューやコースを組み合わせて炊飯できます

▼まずは普通に白米を炊飯! 本家かまどさんとの違いは?

まずは、「白米」を「ふつう」で炊飯してみました。炊きあがったときの香りは「かまどさん」に比べるとやや薄い感じがします。しかしご飯は粒立ちがよく、「ふつう」の仕上がりでも若干硬めに炊きあがっていて、噛みしめるたびにお米の甘さがじんわりにじみ出てきます。ただ、本家かまどさんよりはさっぱりした印象。本家かまどさんは濃厚な甘みが特徴ですが、かまどさん電気のご飯はさわやかな甘さで喉越しがスルッとしています。

炊くときは、中ブタの2つの穴と、上ブタのひとつの穴が直角になるようにセットすることで圧力がかかります

炊くときは、中ブタの2つの穴と、上ブタのひとつの穴が直角になるようにセットすることで圧力がかかります

「白米/炊飯/2合/ふつう」モードに設定して、炊飯時間は58分

「白米/炊飯/2合/ふつう」モードに設定して、炊飯時間は58分

炊きあがったご飯は、1粒ひと粒がしっかり立っており、噛みごたえがあります。本家かまどさんに比べるとさっぱりしており、香りも控えめ

次に、「かため」と「やわらかめ」でも炊いてみました。「かため」は若干水分が飛び、香ばしさが少し増します。味はあっさり度が増す感じ。

いっぽうの「やわらかめ」は、本家かまどさんに近いさわやかな香りに炊きあがります。粒立ちがよく、口に入れたあとはキレイにほぐれて、口いっぱいにご飯の香りが広がります。食感はふわっふわで軽いものの、噛みしめるごとにほんのり、じんわりと甘さがにじみ出てきます。食感は「やわらかめ」ですが、味はこのモードが本家かまどさんに1番近いように感じました。

「やわらかめ」で炊くと、本家かまどさんにより近い香りと甘みが出ます。食感がふわふわでやわらかく、軽い力で咀嚼できますが、噛みしめるごとにじんわりと甘みがにじみ出てきます。ふわっふわなので、喉越しもよく、スルッと飲み込めます

「かため」は逆にあっさり感が増し、香ばしさも増します

「かため」は逆にあっさり感が増し、香ばしさも増します

▼「おこげ」を試してみる

「おこげコース」も試してみましょう。仕上がりは「ふつう」に設定しました。「ふつう」モードでもしっかりおこげができて、香ばしい匂いが鼻孔をくすぐります。おこげ自体はそれほど硬くなく、おこげらしい食感と香りを楽しみながら食べることができます。白米の部分は標準コースと変わりなく、味はややあっさり、ちょい硬めの食感でもっちもち。

「おこげ」コースも「標準」と変わらず58分で炊きあがります

「おこげ」コースも「標準」と変わらず58分で炊きあがります

なのに、しっかりとおこげができ、香ばしい香りと味が楽しめます!

なのに、しっかりとおこげができ、香ばしい香りと味が楽しめます!

▼「玄米」を試してみる

最後に「玄米」を炊いてみました。玄米100%で2合を炊飯。炊きあがりは、鼻を近づけると玄米独特の香りはしますが、食べるときには気になる臭みは全くありません。食感はやわらかめで、みずみずしくさっぱり。毎日玄米を食べたくなるおいしさです。これも土鍋パワーなのでしょうか。

「玄米」コースにすると、炊飯時間は88分に延びます

「玄米」コースにすると、炊飯時間は88分に延びます

玄米の炊きあがりはこちら。キレイなカニ穴ができました!

玄米の炊きあがりはこちら。キレイなカニ穴ができました!

やわらかめですがベチャッとはしておらず、芯も残らず、臭みもなくて食べやすい!

やわらかめですがベチャッとはしておらず、芯も残らず、臭みもなくて食べやすい!

お手入れにはちょっと注意が必要

ちなみに、炊飯後のお手入れについてですが、電気炊飯器に慣れている人は若干の注意が必要です。ほかの電気炊飯器のように内ガマがフッ素加工されていないので、ご飯粒とご飯糊のこびりつきが多少あります。乾いてしまうと台所洗剤でも取れないので、利用後は水につけておく必要があります。

その後、スポンジで洗えばキレイに落ちるのですが、あまり長時間水に漬け置きしておくと土鍋が目詰まりし、ご飯の変色や匂いの原因になるとのこと。10分ほど水に浸したら手早く洗い、底面を上にして風通しのよいところでしっかり乾かすことが、おいしいご飯を食べるために重要なのです。

本家かまどさんほどではありませんが、米粒とご飯糊のこびりつきはあります。水で10分ほど水に漬け置きすれば、食器用スポンジで簡単に取れます

なお、土鍋である本家かまどさんのほうは、炊飯以外にも煮込み料理や鍋料理に利用できますが、このかまどさん電気は炊飯専用でほかの調理はできません。また、かまどさん電気の土鍋を直接火にかけることもできませんので、ご注意を。

まとめ:流行の味に寄せながら、本家かまどさんゆずりの魅力も

かまどさん電気の味の傾向は、本家かまどさんのそれとはやや異なります。かまどさんが濃厚な甘みを醸し出すのに対して、かまどさん電気はさっぱり系に甘みがプラスされた味と言えるでしょう。これは、火力の違いによるものと思われます。とはいえ、電気炊飯器として見ると、かまどさん電気の味は上位にランクされると思います。

近年の炊飯器市場は、一緒に食べるおかずとの相性を重視して、ご飯の炊きあがりをさっぱり・あっさり系にチューニングする傾向にあり、食感もやわらかめが主流になっています。東北地方で育った筆者としては少々物足りなさを感じますが、平成生まれの筆者の娘たちにとっては濃厚なご飯は逆に重く感じ、それだけでお腹いっぱいになってしまうため、さっぱり・あっさり系を好んで食べています。

かまどさん電気は、こうした最近の流行の味に寄せながらも、そこに本家かまどさんゆずりの甘みと香ばしさ、食感をオンした独特の風味を再現しています。

かまどさん電気は、予約炊飯ができることと、火加減の調整を自動化しているのでスイッチを入れたらほったらかしでよいのが利点です。本家かまどさんの場合、蒸気の吹き出すタイミングを見逃してしまうとあっという間に焦げ付いてしまうため、基本的にはガスレンジの前に張り付いてないといけません。

本家かまどさんとかまどさん電気の個性的な2つの味の違いを楽しむのもさることながら、かまどさん電気は日常使いに、本家かまどさんは週末やイベント用にと使い分けるのもよさそうです。

近藤克己(カデンプラス)

近藤克己(カデンプラス)

1966年生まれ、福島県出身。大学では考古学を専攻。家電製品のフリーペーパーを発行しつつ、ライターとしても活動中。得意分野は家電流通、生活家電。趣味は、ゴルフ、ギター、山登り、アニメ、漫画。

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