2017年に大ヒットしたアイリスオーヤマ「ヨーグルトメーカープレミアム IYM-012」(以下、IYM-012)をご存知でしょうか? 牛乳パックのまま調理ができる手軽さと、1℃刻みの温度調整や1時間ごとのタイマー設定ができるため、甘酒や塩麹なども作れる汎用性の高さが人気のヨーグルトメーカーです。このたび、そんな「IYM-012」がパワーアップ! 「飲むヨーグルト」も作れる新モデル「KYM-013」が登場しました。
今回のレビューでは、飲むヨーグルトばかり作っています。プレーンヨーグルトや甘酒の出来映えが気になる方は、こちら↓の記事を参考にしてください。
R-1ヨーグルトも作れる? アイリスオーヤマ「ヨーグルトメーカープレミアム」のお得感がハンパない
健康のためにヨーグルトを毎日食べるといいのはわかっているけれど、忙しい朝などは、器に移してスプーンでゆっくり食べる時間はありません。そんな時でも手軽に飲めるのが、飲むヨーグルト。市販の飲むヨーグルトには砂糖がたっぷり含まれたものが多いので、習慣的に飲むにはカロリーや糖質が気になりますが、「KYM-013」で手作りすれば、好みに合わせて甘さを調整できるので安心です。
また、「KYM-013」の進化点は、飲むヨーグルトを作れるようになったことだけではありません。「プレーン」「カスピ海」「甘酒」「塩麹」「飲むヨーグルト(500ml)」「飲むヨーグルト(1,000ml)」という6つの自動メニューが搭載され、それぞれスイッチひとつで切り替えて作れるようになりました。もちろん、温度は25〜65℃を1℃刻みで、発酵時間は1〜48時間までを1時間刻みで設定することができる「お好みモード」での調理も可能です。
本体サイズは156(幅)×274(高さ)×156(奥行)mm、重量は630g。電源コードの長さは2mで、消費電力は40Wです
調理容器(容量900ml)、スプーン、混ぜ棒、牛乳パック用クリップ、水切りカップが付属します
保温時間と温度を設定する「+/−」ボタンの下に、6つの自動メニューを搭載
さっそく、飲むヨーグルトを作ってみましょう! 手順は、プレーンヨーグルトを作る際と同様で、牛乳に種菌となる飲むヨーグルト(必ずドリンクタイプ)を牛乳9:ヨーグルト1の割合で入れて混ぜ、保温するだけ。違うのは、プレーンヨーグルトは材料を常温に戻してから調理することが推奨されているのに対し、飲むヨーグルトは材料が冷えた状態で使用すること。また、飲むヨーグルトの調理には必ず牛乳パックを使用します。
最初、飲み口がキャップタイプの牛乳パックで作ってみました。キャップタイプならスターターを入れた後にふたを閉めて振ればしっかり混ざるから、混ぜ棒要らず! と思ったのですが……
8時間後、できあがったのはゆるめのプレーンヨーグルト。なぜ?
再びチャレンジしても同様の結果だったのですが、レシピを見ても取扱説明書を見ても、理由がわからない。理由を探して製品の入っていたダンボールを見直してみると、ぱらりと出てきたのがこの紙↓
「飲み口がキャップタイプの牛乳パックでは、飲むヨーグルトは調理できないのでご注意ください」
レシピにでかでかと書いておいてくれ……と涙目になりましたが、最初にちゃんと確認しない筆者が悪いですね。理由がわかってひと安心です。メーカーに理由を聞いてみたところ、「飲むヨーグルト」モードは厳密な温度管理が必要なため、通常の牛乳パックとは大きさと容量が微妙に違うキャップ付きの牛乳は使用できないのだそう。ちなみに、冷えた材料を使用することも、保温スタート時の温度をある程度一定にすることで、失敗のリスクを減らすという目的があるそうです。
改めて、飲むヨーグルトを作りましょう。
飲み口がキャップタイプでないパックの牛乳と、スターターとなるドリンクタイプのヨーグルト。甘さ控えめで作りたいので、グラニュー糖は15gだけ加えます
パックから牛乳を100mlだけ除いておきます
スターターと砂糖を入れて、よくかき混ぜたら準備OKです
「飲むヨーグルト1,000ml」を選択して、「スタート/切」ボタンを押すだけ。自動メニューのおかげで、温度や時間の設定は不要。ちなみに、「飲むヨーグルト1,000ml」は30℃で8時間発酵させるモードです
8時間後、しっかり混ぜてから冷蔵庫でよく冷やしたらできあがりです
飲んでみると、市販の飲むヨーグルトよりかなり「牛乳感」が強い気がします。とろみやのどごしはよく知っている「飲むヨーグルト」そのものなのですが、ヨーグルト特有の酸味は弱いような。砂糖や香料で調味されている市販の飲むヨーグルトに慣れているせいかもしれません。とてもまろやかで、ヨーグルトが苦手な人でもゴクゴクいけそうなやさしい味です。メーカーによると、たしかに「KYM-013」で作る飲むヨーグルトは酸味が少し弱く、牛乳感が強めになる傾向が強いそう。「牧場などで販売されているまろやかでとろみの強いヨーグルトを目指しています」とのこと。なお、スターターとして使用するヨーグルトの種類によって、仕上がりは多少変わるそうです。
1LにR1のドリンクタイプ(加糖)、グラニュー糖15gでほんのり甘いくらいです。このくらいの甘みであれば、そのまま飲んでもいいし、味に変化をつけたい場合はジャムやフツーツビネガー(とろみが増します)を加えても甘くなりすぎないのでおすすめ
ちなみに、フルーツビネガーは「KYM-013」のおまかせモードで作ったもの。好みのフルーツ(今回はパイナップルとりんご)、酢、砂糖を混ぜて、40℃で6〜7時間保温してできあがりです
豆乳でも、飲むヨーグルトはできるのでしょうか? 「飲むヨーグルトモード」は厳密な温度管理が必要ということなので、成功率は低い予感はしますが、やってみました。
飲み口がキャップタイプでないパックに入った豆乳が見つからなかったので、空の牛乳パック(500ml)に豆乳を入れ替えて作ります
プレーンの飲むヨーグルトと同じ要領で材料を混ぜ、「飲むヨーグルト500ml」で8時間保温。ちなみに、「飲むヨーグルト500ml」と「飲むヨーグルト1,000ml」はどちらも30℃で8時間保温するモードですが、容量によって加熱温度を微調整しているそうです
8時間後、完成したのは、やはりゆるい豆乳ヨーグルト。これはこれでおいしいんだけれども
「どうせ、ゆるいヨーグルトができるんだろうな」と思いつつ、やらずにはいられなかったのが、ほかのヨーグルトメーカーで飲むヨーグルトは作れないのか? という検証。「飲むヨーグルト」モードは30℃で8時間保温する設定なので、「飲むヨーグルト」モードを搭載しない別のヨーグルトメーカーを使い、同様の設定にして調理してみました。
「飲むヨーグルト」モードと同じように、30℃で8時間保温
案の定、ゆるーいプレーンヨーグルトが完成。容量によって加熱温度を微調整する必要があるくらいですから、失敗して当然です。「飲むヨーグルト」調理の温度管理の難しさを実感しつつ、これはこれでおいしくいただきました
これまで、飲むヨーグルトを自宅で作る方法は、「プレーンヨーグルトに水と砂糖を加えてミキサーなどでかくはんする」というのが一般的でしたが、「KYM-013」はスイッチひとつ、しかも牛乳パックのまま作れるので、より手軽に自宅で手作りの飲むヨーグルトを楽しめるようになります。「健康のためにヨーグルトメーカーを買っても、結局あんまり食べなくなりそう」という方でも、手軽に摂れる飲むヨーグルトなら、3日坊主にならずに「ヨーグルト健康法」を続けられるのではないでしょうか。
「飲むヨーグルト」モードについては、本当に温度管理が重要、かつ難しいようです。そのため、使用できるパックの形状が限られていたり(といっても、ごく一般的なものを使えばいいだけなのですが)、豆乳での調理はできなかったりと、まだアレンジを楽しむというところまではきていませんが、今後、とろみや酸味の調整などのアレンジができるようになればうれしいなと思います。
その他の機能面では、自動メニューが搭載されたことで、格段に使い勝手が向上しました。最近は多機能なヨーグルトメーカーが続々と発売され人気を博していますが、作れるメニューの幅が広がった分、調理のたびにレシピを開いて温度と時間を確認したり、設定ボタンを何度も押すのは少々手間。自動メニューの搭載によってその手間が軽減されるのは、ヨーグルトメーカーを頻繁に使用する人ほどうれしいと思います。もともと、「IYM-012」の大ヒットによってヨーグルトメーカー市場で強い存在感をしめしていたアイリスオーヤマですが、「KYM-013」の発売によって、ヨーグルトメーカー市場において他メーカーを1歩リードする存在になったのではないでしょうか。
美容・健康家電を中心に新製品レポートやレビュー記事を担当。時には体を張って製品の実力をチェックします。