イベントレポート
ハンドドリップ、浸漬法、コールドドリップ3通りの方法で抽出できる

「淹れること」を楽しめるIoTコーヒーメーカー「GINA」を体験してきた!

日本では何度もコーヒーブームが起こっていますが、この数年は「ハンドドリップ」でていねいに淹れたコーヒーが人気。なかでも「スペシャリティーコーヒー」と呼ばれる高い品質にこだわったコーヒーが注目され、最近はネットや専門店などで高級な豆や稀少な豆が手に入りやすくなりました。とはいえ、よい豆が手に入っても抽出方法が間違っていればおいしいコーヒーにはなりません。粉の量、水の量、蒸らし時間、さらにはその淹れ方が豆に合っているのかなど、素人には判断が付きにくいものです。

そんな問題を解決してくれるかもしれないのが、ウェルリッチのスマートコーヒーメーカー「GINA(ジーナ)」です。去る2018年10月8日、このGINAを使ったイベントが東京・二子玉川の蔦屋家電にて開催されました。コーヒーのプロの意見も聞けるということで、筆者もイベントに参加してきました。

イベントには、カフェCraftsman Coffee Roastersの焙煎士であり、バリスタでもある高城翔伍氏が講師として参加

そもそも自分に最適なコーヒーとは何なのか?

まず行われたのが、高城氏によるコーヒーのカウンセリング。「自分の好きなコーヒーの味」や「いつも使っているコーヒーカップのサイズ」などを質問されます。ほかの参加者から「酸味が少ないもの」「パンチがあるコーヒーが好き」などの意見があがるなか、筆者の好きなコーヒーは、「ミルクと合うもの」。コーヒー好きとしては邪道かもしれませんが、胃が弱い筆者にはミルクが必須なのです。

「ミルクと合うもの」として高城氏が出した結論は、コーヒー豆は標高の高い1,400〜2,000m付近、特にエチオピアやコスタリカ、ケニアなどで産出された豆が筆者の好みに合っている可能性が高いそう。また、湯温は95℃と高め、粉と湯の量は1:15の比率、蒸らし時間は30秒ほどで抽出すると、ミルクに合うコーヒーになるそうです。

参加者それぞれに合った豆をカウンセリングする高城氏

参加者それぞれに合った豆をカウンセリングする高城氏

筆者が作ってもらったコーヒーカルテ。この通りにコーヒーをドリップすれば、筆者好みの味になるそう

筆者が作ってもらったコーヒーカルテ。この通りにコーヒーをドリップすれば、筆者好みの味になるそう

とはいえ、誰でもコーヒーのプロからカウンセリングを受けられるわけではありませんし、「今日の気分」に合わせたコーヒーを提案してもらえるわけではありません。そこで、GINAの出番というわけです。

GINAで世界中のコーヒーのレシピを手に入れる

ところで、今回試すGINAは「コーヒーメーカー」というジャンルではあるものの、一般的な「タンクに水を入れれば自動的にコーヒーが抽出される」という自動ドリップ製品ではありません。正確に言えばGINAは、「スマートフォンと接続できる、計量器を搭載したドリッパー」です。このため、コーヒーを淹れる際は自分の手でお湯を注いでドリップする必要があります。

セラミック製のドリッパーと、ドリッパー用のフタにドリッパーをセットできるBluetoothスケーラー機能を搭載したスタンド(写真奥左)。強化耐熱性ガラスピッチャー(写真右)と、コールドドリップ用のグラス(写真手前)がGINAの基本セットとなります

GINAを使ってコーヒーを抽出しているところ。一般的なドリッパーのように紙フィルターとコーヒー粉をセットしてお湯を注ぎます。本体サイズは165(幅)×140(奥行き)×345(高さ)mm

ドリッパーの形は円錐形なので、フィルターもコーン型の紙フィルターを使用します

ドリッパーの形は円錐形なので、フィルターもコーン型の紙フィルターを使用します

それでは、GINAのどこが「スマート」なコーヒーメーカーなのかというと、ひとつは前述したように台座部分に計量器が搭載されており、Bluetoothでスマートフォンと接続できること。専用アプリを使うことで、ドリッパーに入れた粉の量やお湯の量などを正確に計測することができます。

もうひとつのメリットが、水と粉の比率や蒸らし時間、抽出時間といった記録をアプリに保存できること。自分が感じた味(苦み・甘み・ボディ・後味・酸味)の感想も保存できるため、「今日はあの時の味を再現したい」など、その日の気分に合わせたコーヒーが簡単に再現できます。また、自分のレシピを公開できるほか、世界中のGINAユーザー同士が公開しているレシピも再現することが可能です。

計量器にもなっている台座部分。USBのmicro-B形状のインターフェイスを搭載しており、充電することで最大20時間稼働できます

GINAの専用アプリ。今回筆者はエチオピアの豆をおすすめされたため、高城氏の過去のレシピからエチオピアの豆を使ったものを選びました

エチオピア(非水洗式)の豆を使ったレシピはこの通り。コーヒー豆を15g、水は225gで、最初に30秒蒸らしたのち、3分ほどかけて抽出するのがよいことがわかります

そもそも、どんな豆が自分に合っているのがわからない場合は、レシピの最後にチェックできる世界中のGINAユーザーの感想をもとに豆を選ぶといった使い方もできます。苦み・甘み・ボディ・後味・酸味を基準にしたグラフもチェックできます

これは便利! 実際にGINAでコーヒーを淹れてみた

イベントでは、GINAを使って好みのコーヒーを淹れてもらうことができました。筆者はおすすめされたエチオピアの豆を使用。また、普段使用しているマグカップが500mlサイズの超巨大なものなので、約500ml分のコーヒーを落としてもらうことにしてみました。

使い方は簡単で、今回は高城氏の「エチオピア(非水洗式)の豆を使ったレシピ」を選択。もともとのレシピは200mlくらいのコーヒーを抽出するものだったので、「コーヒーの粉を15g入れて、225gを抽出します」とアプリには出ました。しかし、今回は500ml分のコーヒーを淹れたいので33gほど豆を入れます。ドリッパーに豆を入れると、リアルタイムでスマートフォンのアプリに豆の重量が反映されるほか、レシピ通りに「豆1に対しての水の量は15(豆1:水15)」になるように、豆の重さの横に湯量が表示されます。500mlのコーヒーを淹れたい場合は、この湯量が500 mlに近づくように豆の量を調整。ちなみに、コーヒー豆や紙フィルターがお湯を吸収するので、きっちり500ml落としたい場合は多めの湯量になるように調整する必要があります。

ドリッパーに豆を入れると、リアルタイムに必要な湯量が計算されて表示されます。「1:15」とある下のスライドバーを移動させることで豆と湯量の比率を変更することも可能。また「T」のアイコンは紙フィルターなどの重さを除外するための風袋引き機能です

紙フィルターをセットしたら、「T」アイコンを押してフィルターの重さを除外し、アプリでチェックしながら豆を入れたところ。今回は豆を33g(湯量目標495g)使用することになりました

この機能、単純なように見えますがじつはかなり便利。一般的な家では「お客様用のコーヒーカップは華奢で小さめの150ml」「普段飲むコーヒーはごくごく飲める350mlサイズのマグカップ」など、用途によってカップのサイズがまちまちなことがほとんど。このため、豆を入れるだけで抽出量がイメージできるのはかなり便利です。また、豆が中途半端に残った場合も「23g残っているから、この場合の湯量は1:15なら345g」などといちいち計算する必要がありません。

紙フィルターと豆をドリッパーに淹れ、湯量が決まったらいよいよハンドドリップの開始です。GINAはハンドドリップ時にリアルタイムで湯の重さを表示して「あとどれくらい湯を注げばいいか」を示してくれるほか、お湯を注ぐタイミングも指示してくれます。一般的にハンドドリップは最初に豆を全体的に湿らせて粉をふくらませる「蒸らし」と、お湯を注ぐ抽出の2段階が必要です。この蒸らし時間と抽出時間によってコーヒーの味が変わりますが、素人の場合これらの時間を均一に保つのはなかなか難しいもの。そこでGINAはこの「蒸らし」時間と抽出時間を視覚化することで、誰でもドリップのタイミングを取りやすくしています。つまり、コーヒーの抽出に慣れていなくても、クオリティの高い抽出ができるのです。

GINAアプリの抽出時画面。画面上部の赤い「1g」とある部分が今淹れているお湯の重量。その横の「495g」が目標とする湯量。下の円グラフはお湯を注ぐタイミングで「0.30」とあるグレーの部分が蒸らし時間。蒸らし時間を入れて、全体で3分ほどで、495gのお湯を注げばよいことがわかります

実際にコーヒーを抽出してみると、アプリ画面の湯の重量がどんどん増えて目標重量に近づいているのがわかります。ちなみに、蒸し時間が終わったり、抽出終了間近になると「チン」と軽快な音でお知らせする機能も

抽出終了後は、試飲してアプリに感想を入力。全体的にフルーティーで軽く、香りのよいコーヒーでした。これが家で飲めるなら非常にうれしいですね

抽出種類がなんと3種類! コールドドリップができるのはスゴイ!

GINAのすごいところはIoT対応であるだけではありません。個人的に素晴らしいと感じたのは、ドリッパーの根元に「調整バルブ」があること。つまり、ドリッパー内の水分を落とさずドリッパー内に留めたり、バルブを「少しだけ開く」ことで落ちる水分の量を調整することができるのです。このため、GINAは一般的な「プアオーバー」と呼ばれるハンドドリップのほかに「イマージョン」「コールドドリップ」ができるのも特徴です。

ちなみに、イマージョンとは浸漬法とも言われる淹れ方で、紅茶のように一定時間粉をお湯に浸したあとにフィルターで粉を除去する淹れ方です。GINAではドリッパーのバルブを閉めてお湯と粉をドリッパー内に数分溜め、最後にバルブを開けて粉をフィルターでこすことで、イマージョン式のコーヒーを抽出します。同じ方法でGINAで紅茶を淹れることも可能です。また、GINAにはドリッパーと同じ素材のフタも付いているので、蒸らし時にフタをすればホコリの混入防止やドリッパー内の温度を下げにくくすることもできます。

GINAで選べる抽出方法3種類。一般的なプアオーバー(中央)のほか、イマージョン(左)やコールドドリップ(右)も選べます

ドリッパー根元のバルブを開け閉めすることで、落ちる湯量を制御することができます。ドリップ後にお湯がポタポタ垂れないようにもできて便利な機能です

そして、何といっても特徴的なのが、「コールドドリップ」ができること。これはその名の通り冷たい水でコーヒーを抽出する方法です。一般的にコールドドリップは専用の器具が必要ですが、GINAは「1滴1滴、水をゆっくりと落とす」ことでドリッパーによるコールドドリップが可能になっています。おもしろいのが、GINAでのコールドドリップの制御方法で、調整バルブで水が「ポツン、ポツン」と落ちるように調整したあと、この水が落ちるタイミングをGINAアプリでタップすることで記憶させます。これで、何時間後にコールドドリップが終わるかがわかるようになっているのです。

コールドドリップには付属する「コールドドリップグラス」を使います。コールドドリップグラスにコーヒー粉を入れて専用フィルターを乗せたら、グラスをプアオーバーにも使用したサーバーにセットします

あとは水が少しずつ垂れるようにバルブを調整。水が落ちるタイミングをGINAに覚えさせるため、水が落ちるタイミングでGINAに表示される山羊のマークをタップします

コールドドリップ中のGINA。280mlほどの水を約1時間かけてドリップします

コールドドリップ中のGINA。280mlほどの水を約1時間かけてドリップします

コールドドリップされたコーヒー。豆は最初に試飲したエチオピアと同じものですが、透明度が格段に高いのがわかります。また、色もコーヒーの色としては赤味を帯びているのが特徴的。味はコーヒーの苦みが少なく、限りなく「旨み」を強調したイメージでした

コーヒーを「淹れること」を楽しめる器具

ハンドドリップのコーヒーは、いくらおいしい豆を使用しても、適当にドリッパーに粉を入れてお湯を注いだだけでは豆のポテンシャルを発揮できません。

一般的には「500円玉サイズで『の』の字を描くように湯をできるだけ細く注ぐ」「蒸らす時は粉がハンバーグ状にふくらむように」などと、さまざまなな「淹れ方」が世の中にあふれています。ところが今回イベントで講師をした高城氏によると「コーヒーをおいしく淹れる最大のポイントはコーヒー粉と湯量、湯温、タイミングをきっちりと計測すること」だそう。これらの計測がきちんとされていれば、お湯の注ぎ方などはそこまで気にしなくてもよいそうです。GINAを使えば簡単にこれらの「基本」を守ることができます。実際にイベントでコーヒーを試飲させてもらいましたが、GINAの指示通りに豆と湯の量を設定し、お湯を注ぐだけでかなりおいしいコーヒーになりました。GINAを使えば、ユーザーが気にするべきは豆の鮮度と豆の挽きの粗さ、そして湯温くらいでしょう。

また、ひとつのコーヒー器具で一般的なプアオーバーからコールドドリップまで楽しめるのも、かなり魅力的。筆者は個人的にはプアオーバーが好きですが、暑い時期は月に1〜2度コールドドリップが飲みたくなる時があります。そんな場合に専用器具が必要ないのは大きなメリットです。また、GINAならイマージョン方式で紅茶も楽しめるので「飲みたいもの」に合わせて、わざわざポットやストレーナーなどを出してくる必要がないのも便利に感じました。ただし、唯一デメリットに感じたのは、ドリッパーにバルブを付けることで構造が複雑化し、少々洗うのが面倒そうなこと。

ドリッパー部分は簡単に台座から取り外すことが可能。また、バルブ部分も分解して洗うことができます。一般的なドリッパーよりパーツが多いのが少々面倒かも?

とはいえ、何よりGINAはデザインが秀逸。キッチンに置いているだけでもオシャレですし、コーヒーを抽出するのも楽しくなります。コーヒーは飲む時間だけではなく、抽出する時の「香り」も楽しめるもの。GINAはそういった「コーヒーを淹れる」という行為も楽しめるコーヒーメーカーだと感じました。

倉本 春

倉本 春

パソコン雑誌編集者からドッグカフェオーナーという、異色の経歴を経た家電ライター。家電を活用することで、いかに家事の手を抜くかに日々頭を悩ませている。

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