レビュー
抽出パーツから設定まで、すべてに注ぎ込まれたメリタの抽出理論

メリタ初の全自動コーヒーメーカー「アロマフレッシュサーモ」の実力をチェック

すり鉢状のドリッパーに、ろ紙とコーヒー粉をセットしてお湯を注ぐ――。今や世界中の“スタンダード”となったペーパードリップだが、この方式を考案したのは、コーヒー党なら知らない人はいないドイツのコーヒー機器メーカー、「メリタ」である。そんなメリタ初の全自動コーヒーメーカーが発売されたというから、これはチェックしないわけにはいかないだろう。

独自の抽出理論「メリタ ゴールデンカップ スタンダード」を凝縮した1台

コーヒー抽出の世界基準とされる「ゴールデンカップ スタンダード」。日本ではまだ耳慣れない言葉だが、ゴールデンカップ、すなわち「多くの人がおいしいと認識するコーヒー」の基準として、欧米では広く定着しているという。

この「ゴールデンカップ スタンダード」を基に、メリタが「おいしいコーヒー」を長年にわたり研究し、そして完成させた独自のコーヒー抽出理論。それが「メリタ ゴールデンカップ スタンダード」であり、メリタ初のミル付き全自動コーヒーメーカー「アロマフレッシュサーモ AFT1021-1B」(以下、アロマフレッシュサーモ)には、そのノウハウが投入されている。

ちなみに、「アロマフレッシュサーモ」の価格は41,062円(税込。2020年6月15日時点の価格.com最安価格)。ハイエンドモデルなだけあってそれなりの価格だが、この価格が「妥当」だと納得させてくれるのか? さっそくチェックしていこう。

本体サイズは約263(幅)×237(奥行)×441(高さ)mm、重量は約4.7kg。ミル付きの全自動コーヒーメーカーとしは一般的なサイズ感で、ヘアライン仕上げのシルバーパーツが高級感を醸し出している。圧迫感を感じさせない、ミニマルかつスタイリッシュなデザインだ

ドリップのスピードが一定になる「1つ穴」でおなじみのメリタのドリッパーだが、こだわりは穴の数だけではない。リブと呼ばれるドリッパー側面の溝、傾斜角度、そこにセットするペーパーフィルターの「アロマホール」(コーヒー成分を抽出するための超微細な穴)、さらには湯温や湯量、抽出スピード。メリタの抽出理論は細部にまで及んでおり、「アロマフレッシュサーモ」で抽出した挽きたて、淹れたてのコーヒーには、そうしたメリタの哲学が凝縮されているのだ。

メリタのドリッパーは台形型で、4つの側面にそれぞれ下部へ向かう縦線のリブが走っているのが特徴。もちろん、「アロマフレッシュサーモ」のドリッパーも同様である。底に設けられた穴はひとつ。抽出速度をもっともコントロールしやすい理想的な穴の数を探求し、メリタがたどり着いた答えが「1つ穴」だったのだ

「アロマフレッシュサーモ」に搭載されるミルは、円錐状の刃で豆を粉砕するコニカル式。プロペラ式よりも均一に、臼式よりも発熱を抑えて豆を挽ける方式と言われており、粒度が均一なので雑味が少なく、また発熱が少ないため香りが逃げにくい

実際に粒度の均一性を確かめてみたが、結果は想像以上だった。左から細挽き、中挽き、粗挽きとなるが、挽きムラが極めて少ないことは一目瞭然だろう

メリタクオリティのコーヒーを、ボタン操作ひとつで

抽出方法はごく一般的で、ペーパーフィルターや水、ポット(サーバー)をセットして、ホッパーに豆を入れたらスタートボタンを押すだけ。いたずらに多機能を追求するのではなく、ミル付き全自動メーカーに求められる「手軽さ」をしっかりと心得た設計だ。1度に2〜10杯分のコーヒーが淹れられる、2人暮らしやファミリー世帯、小規模オフィスなどにぴったりな大容量モデルとなっている。

では、実際にコーヒーを淹れてみよう。ペーパーフィルターをドリッパーに装着し、バスケットにセット。スイング式のバスケットはアクセスしやすく、手際よく進められる

使用するフィルターは、「メリタ ペーパーフィルター 1×4」(4〜8杯用)。余分な雑味を通さないきめ細かなメッシュから成り、ペーパー全体に超微細な香りの穴、「アロマホール」が開けられている。この穴から豆のフレッシュなおいしさと香りが引き出される仕組みだ

続いて水タンクをセット。淹れる杯数に合わせて、目盛りを見ながら水を給水するスタイルで、水タンクは本体から取り外せるのでお手入れもしやすい。なお、水タンクの最大容量は1.25L

続いて、本体下部にステンレスポットをセット。真空二重構造で保温性が高いため、ガラス製のサーバーとは異なり加熱せずにおいしさをキープできる。とはいえ、挽きたて、淹れたてならではの芳醇なアロマを余さず楽しむためにも、抽出後はできるだけ早く飲みきりたい

本体天面のホッパーのフタを開け、コーヒー豆を入れる。自動計量機能を備えているので、抽出のたびにグラムスケールで計量する必要はない。最大容量は180g

豆の粒度は細挽き、中挽き、粗挽きの3段階でダイヤル調節できる。コーヒー粉から抽出することもできるので、よりシビアに粒度を調節したければ、別途ミルを使って豆を挽くといいだろう

本体前面のボタンで粉/豆モード、3段階の濃度調節、杯数を設定したら準備完了。スタートボタンを押すと抽出が始まる。なお、濃度は真ん中のミディアムに設定した

豆の個性が余さず引き出された、誰もが認めるおいしさ

4杯分を抽出するのにかかった時間は7分55秒。テイスティングでは、豊かなアロマと深いコクが特に印象的だった。深めにローストされた豆ながらも、苦みの中にしっかりとうま味があり、ビターチョコレートのような甘ささえ感じられる。それでいて後味は爽やかで、鼻を抜けるアロマも心地よい。掛け値なしに「おいしい」と感じる、非の打ちどころのない仕上がりと言えそうだ。

深煎りの豆は、ともすれば個性に乏しい「苦いだけ」のコーヒーになりがちだが、「アロマフレッシュサーモ」で抽出したコーヒーは味に奥深さがあり、豆の個性が損なわれていない。もちろん、雑味やエグみといったノイズはほぼゼロである

タイマー機能が搭載されているのも見逃せないポイント。コーヒーの香りで目覚め、起き抜けに至福の1杯が楽しめる

バスケット、ステンレスポット、水タンクは水洗いでき、ホッパーやミルは付属のブラシで簡単に汚れを落とせる

メリタの歴史、哲学、おいしさ。そこに価値がある

サイズやデザインに違いはあれど、「ボタン操作ひとつで挽きたてのコーヒーを抽出できる」点はいずれのミル付き全自動コーヒーメーカーも大差はない。では、各メーカーの個性や製品の特徴はどこに現れるのか? もっとも顕著なのは抽出メカニズム、つまりは「味」である。「アロマフレッシュサーモ」はここに独自の抽出理論「メリタ ゴールデンカップ スタンダード」を採用することで、万人が納得できる「おいしさ」を担保したのだ。

ミル、ドリッパー、ペーパーフィルター、蒸らし時間、湯温、湯量、抽出スピード、インターバル……。それらすべてにメリタの哲学が注ぎ込まれているのだから、注ぎ出されるコーヒーが、アロマ香るメリタクオリティの仕上がりになるのは当然と言えば当然だろう。

ハイエンドモデルだけあって、「アロマフレッシュサーモ」にはそれなりの価格設定がなされている。しかし、もしもミル付き全自動コーヒーメーカー選びで「味」を重視するならば、「アロマフレッシュサーモ」は選んで間違いのない、後悔しない1台と言えるだろう。

毛利真大

毛利真大

編プロでの広告制作、雑誌編集を経てフリーライター/エディターに。家電をはじめ、自動車、ファッション、ビジネス関連など幅広い分野で活動。86年、秋田県出身。「大曲の花火」とグミをこよなく愛する。

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