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熱伝導速度約100倍を実現した新発想の内釜を採用

本物のかまど炊きと同じ“米をおどらせない”アイリスオーヤマの「瞬熱真空釜炊飯器」登場

高火力で炊くIH炊飯器は、内釜内に対流を起こし、米をかくはんしながら炊くのが一般的。この炊飯中の米の状態を“おどる”と表現しますが、米を激しくおどらせることで米の1粒ひと粒にムラなく熱が届き、ハリのあるふっくらとしたごはんが炊き上がるというのがIH炊飯器の常識でした。しかし、その常識を根底からくつがえす“おどらせない”ことで、ふっくらとした粒立ちのいいごはんを炊き上げる「瞬熱真空釜 RC-IF50-B」(以下、RC-IF50-B)をアイリスオーヤマが発表。従来の説とは真逆とも言える新しい炊飯方法を採用したIH炊飯器を見てきました!

ヒートパイプ技術を応用した「瞬熱真空釜」を開発

メーカーごとに炊飯方法に違いはあれど、炊飯器は「本物のかまどで炊いたごはん」に近づけることを目標に開発されています。アイリスオーヤマも、かまど炊きごはんを提供する専門店を巡り歩いたり、自社工場に実際にかまどを作るなど、炊飯方法に関して長年研究しており、その結果、本物のかまどは釜全体が炎で包まれて一気に加熱されることで、釜自体に加熱ムラが少ないことがわかったのだそう。ただ、炊飯器の従来の加熱方法では、釜自体が発熱するIH炊飯器であっても熱源のある部分から徐々に熱が広がり、釜全体が均一な温度になるのには時間がかかります。そこで、アイリスオーヤマが着目したのが、熱伝導技術のひとつである「ヒートパイプ」。ヒートパイプは電気機器の冷却や熱交換などに使われている技術で、超高速で均一に加熱できるのが特徴。パイプの中が真空になっており、そこに注入した作動液(熱を伝える媒体)を加熱し、蒸気にすることで瞬時に熱が全体に伝わるという仕組みとなっています。

パイプ内は真空なので、100℃より低い温度で作動液が沸騰。作動液が素早く沸騰し、蒸気となってパイプ内を一気に加熱します。気体となった作動液は、上部の温度の低い部分(凝縮部)で冷やされて液体に戻るので、パイプ内の作動液がなくなることはありません。この循環を繰り返しながら加熱するのが「ヒートパイプ」です

パイプ内は真空なので、100℃より低い温度で作動液が沸騰。作動液が素早く沸騰し、蒸気となってパイプ内を一気に加熱します。気体となった作動液は、上部の温度の低い部分(凝縮部)で冷やされて液体に戻るので、パイプ内の作動液がなくなることはありません。この循環を繰り返しながら加熱するのが「ヒートパイプ」です

今回発表されたRC-IF50-Bは、この熱伝導技術「ヒートパイプ」を内釜に応用。内釜を二層構造とし、釜の外側と内側に真空空間を設けて作動液を封入したのです。ヒーターで加熱された作動液が瞬時に内釜全体に広がることで、熱ムラのない加熱を実現。その熱伝導速度は、従来モデルの内釜の約100倍という速さだといいます。

ヒートパイプ技術を応用した内釜「瞬熱真空釜」。二層構造になっているため、内釜の重さは2kg弱と少々重め。実際に使用する際には水と米を入れ、さらに重量が増すことから持ち運びしやすいように取っ手が装備されています

ヒートパイプ技術を応用した内釜「瞬熱真空釜」。二層構造になっているため、内釜の重さは2kg弱と少々重め。実際に使用する際には水と米を入れ、さらに重量が増すことから持ち運びしやすいように取っ手が装備されています

内釜のカットモデル。外側と内側の間に4mmの空間が真空になっています

内釜のカットモデル。外側と内側の間に4mmの空間が真空になっています

真空空間に封入された作動液が加熱されて蒸気となり、内釜上部まで一気に移動し、釜全体を加熱します

真空空間に封入された作動液が加熱されて蒸気となり、内釜上部まで一気に移動し、釜全体を加熱します

下の動画は、従来モデルの内釜とヒートパイプを応用した「瞬熱真空釜」の熱伝導の様子をサーモグラフィーカメラで撮影したもの。どちらも底面からヒーターで加熱していますが、従来の内釜は底から徐々に加熱されていくのに対し、「瞬熱真空釜」は内釜全体が同一温度で上昇していきます。

このように内釜が均一に加熱される「瞬熱真空釜」の温度分布の状態は、本物のかまどと同じなのだそう。

「瞬熱真空釜」で炊いたごはんは粒が立つ

そして、内釜の温度が均一に上昇すると水の温度差で生じる対流が起こりにくくなり、同時に、米もかくはんされにくくなります(下の動画参照)。

つまり、これまでの炊飯器の常識とは真逆の“米をおどらせない”新しい炊飯方法の誕生……ではあるのですが、実は、本物のかまども炊飯時に米はかくはんされていないのだそう。アイリスオーヤマが、3色に染色した米を3層にしてかまどの釜に入れて炊飯したところ、その層はそのままの状態で炊き上がったというのです。つまり、かまどと同じように短時間で内釜を均一に加熱できる方法を実現した結果、かまどと同じ炊飯を再現。炊飯中に米がおどらないことで米同士がぶつかって傷つくことも少なくなり、粒立ちのいいハリのあるごはんが炊き上がります。

かまどに3色の米を入れて炊いてみたところ、入れた状態のきれいな3層に分かれたまま炊き上がったのだそう。つまり、本物のかまどでは、米はおどっていなかったと言います

かまどに3色の米を入れて炊いてみたところ、入れた状態のきれいな3層に分かれたまま炊き上がったのだそう。つまり、本物のかまどでは、米はおどっていなかったと言います

「瞬熱真空釜」を採用したRC-IF50-Bと他メーカーの大火力炊飯器で炊いたごはんを比較したもの。炊飯中に米がかくはんされないRC-IF50-Bのほうが、米の形状が崩れておらず、ふっくらとしています

「瞬熱真空釜」を採用したRC-IF50-Bと他メーカーの大火力炊飯器で炊いたごはんを比較したもの。炊飯中に米がかくはんされないRC-IF50-Bのほうが、米の形状が崩れておらず、ふっくらとしています

さらに、内釜全体が均一な温度で加熱されるため、内釜内のどの部分のごはんの過剰水和率が30%以下をキープしているのもポイント。過剰水和率とは、炊飯によって米が水を含む度合いを表した数値で、0〜30%は粒立ちがよく、50〜60%以上になるとベチャッとした食感になってしまうのだとか

さらに、内釜全体が均一な温度で加熱されるため、内釜内のどの部分のごはんの過剰水和率が30%以下をキープしているのもポイント。過剰水和率とは、炊飯によって米が水を含む度合いを表した数値で、0〜30%は粒立ちがよく、50〜60%以上になるとベチャッとした食感になってしまうのだとか

このほか、炊き上がったごはんの仕上がりを左右する機能として、RC-IF50-Bには米の分量に合わせて最適な水分量を計測する「量り炊き」機能や、米の銘柄ごとに適した炊飯を行う「銘柄炊き」など、アイリスオーヤマの炊飯器で人気の機能を完備。火加減と水加減をしっかりコントロールすることで、おいしいごはんを炊き上げます。

洗米前と洗米後の米を計量することで、その米の分量に最適な水量を表示。内釜に水を注いでいくと、それにともなって計量された数値が減っていきます。水位線で見て水を入れるよりも、正確な水量で炊飯できるのがポイント

洗米前と洗米後の米を計量することで、その米の分量に最適な水量を表示。内釜に水を注いでいくと、それにともなって計量された数値が減っていきます。水位線で見て水を入れるよりも、正確な水量で炊飯できるのがポイント

時勢柄、実際に炊いたごはんの試食はできませんでしたが、ゲストで登壇した五つ星お米マイスターの西島豊造さんによると、高級炊飯器に多い圧力IHタイプで炊いたごはんはモチモチとした粘りと、強い甘みが特徴ですが、RC-IF50-Bで炊いたごはんはモチモチとは違う粘り感で、粒立ちがいいので喉ごしがよく、今までにない食感なのだそう。米の甘みもしつこくなく、かむことによって口の中に広がるやさしい甘さだと言います。

写真の「瞬熱食感」の周囲にある吹き出しが、西島さんがRC-IF50-Bで炊いたごはんを試食した感想。おかずの味を引き立ててくれるごはんであり、朝食にすごく合うと感じたということです

写真の「瞬熱食感」の周囲にある吹き出しが、西島さんがRC-IF50-Bで炊いたごはんを試食した感想。おかずの味を引き立ててくれるごはんであり、朝食にすごく合うと感じたということです

最大炊飯容量は5.5合で、サイズは249(幅)×353(奥行)×239(高さ)mm。圧力機能は搭載しないIH炊飯器です。定格消費電力は1,240W。市場想定価格は60,980円(税込)で、2021年8月6日発売予定

最大炊飯容量は5.5合で、サイズは249(幅)×353(奥行)×239(高さ)mm。圧力機能は搭載しないIH炊飯器です。定格消費電力は1,240W。市場想定価格は60,980円(税込)で、2021年8月6日発売予定

操作部は静電式のタッチパネルを採用。使用しない時は、液晶のライトや表示されている文字が消えます

操作部は静電式のタッチパネルを採用。使用しない時は、液晶のライトや表示されている文字が消えます

中村 真由美(編集部)

中村 真由美(編集部)

モノ雑誌のシロモノ家電の編集者として6年間従事した後、価格.comマガジンで同ジャンルを主に担当。アウトドアからオタク系まで意外と幅広くイケちゃいマス。

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