高級ホーロー鍋「バーミキュラ」で知られる鋳造メーカー「愛知ドビー」が、2021年12月19日、東京・代官山に「VERMICULAR HOUSE(バーミキュラ ハウス)」をオープン。2019年に愛知県名古屋市にオープンした体験型複合施設「バーミキュラ ビレッジ」の「最高のバーミキュラ体験」というテーマを受け継いでおり、製品を直接見て、触れられるだけでなく、その製品を実際に使えるスペースや、バーミキュラ製品で作った料理を食べられるレストランなども常設された施設となっています。そんな、オープンしたばかりのバーミキュラ ハウスを見てきました!
(※本記事での価格はすべて税込表記となります)
バーミキュラ ハウス(東京都渋谷区猿楽町28-14)はB1F〜2Fの3階建て。営業時間は、B1Fが11〜21時、1Fが10〜19時(土日祝は9〜19時)、2Fが11〜15時(ランチ)と17時30分〜22時30分(ディナー)。水曜日が定休日となっています
バーミキュラ ハウス1階は、主力製品である鋳物ホーロー鍋や「バーミキュラ フライパン」、IH炊飯器「バーミキュラ ライスポット」などがズラリと陳列されたフラッグシップショップ。これまで愛知県名古屋市にある「バーミキュラ ビレッジ」でしか購入できなかった13種類の限定サイズのバーミキュラ製品を含む、全ラインアップが取り揃えられており、実際に手に取ることも可能。製品が陳列されている棚の引き出しを開けると、その製品に関連するアイテムやレシピが出てくるディスプレイもワクワクさせてくれます。また、陳列されている製品の中には、バーミキュラ以外のメイド・イン・ジャパンの他メーカーのアイテムがあるのもユニーク。バーミキュラユーザーでなくても、十分楽しめるでしょう。
内装もおしゃれで、この空間にいるだけで幸せな気持ちになりました
体験型複合施設でしか購入できない限定商品には、その旨を明記したPOPが添えられています
10cmや12cmの小さな鍋や大型のオーバル鍋、食パン型、ミニスキレットなどが、体験型複合施設限定商品として用意されています
引き出しを開けると、その上にディスプレイされている製品の色違いのラインアップや、一緒に使える鍋敷き「マグネット トリベット」や鍋つかみ「オーガニックコットン ポットホルダー」などのアイテムが入っていました
鍋敷き(マグネット トリベット)は、鍋のサイズに合わせて選べるように4種類(14cm/18cm/22cm/26cm用)がラインアップ。鋳物ホーロー鍋と同じ8色のロゴプレートが付けられています。価格は14cm用が3,850円、18cm用が5,500円、22cm用が6,600円、26cm用が7,700円
実際に鋳物ホーロー鍋と鍋敷きを組み合わせ、好みの組み合わせを確認できるのも旗艦店ならでは
ちなみに、鍋敷き(マグネット トリベット)には天然無垢材の中にマグネットが内蔵されており、鍋を置いて垂直に持ち上げると鍋底に鍋敷きがくっつきます。いったん鍋を置いて鍋敷きをセットするという手間がありません。また、鍋を少し斜めにして持ち上げると鍋敷きが鍋底から離脱。両手持ちの鍋に最適な鍋敷きです
鍋とフタの両方に取っ手のあるバーミキュラには、専用の鍋つかみ(オーガニックコットン ポットホルダー)が便利。ベージュ、グリーン、グレーの3色展開で、価格は左右2個セット4,400円となっています
オーガニックコットン100%の生地は、丈夫でやわらか。鍋を持ち上げるのも、フタを取るのも、とても扱いやすかったです
鍋つかみ(オーガニックコットン ポットホルダー)は立てかけておけるだけでなく、つかむ部分を引っかけることも可能。調理中はエプロンのポケットに引っかけておくと便利そう
バーミキュラ製品に混じって、メイド・イン・ジャパンのアイテムも陳列されています。購入はできませんが、そのアイテムの解説文を読んだりしながら日本の文化に触れるのも一興
そして、この1Fの体験型ショップにはデモンストレーションキッチンも併設。専用のコンシェルジュが実演を交えながらお客さまの質問やリクエストに応えてくれるほか、来場者自身がバーミキュラ製品の使い勝手を試すこともできます。
備え付けのデモンストレーションキッチン。ガス火とIHの両方のコンロが用意されています
今回は、「バーミキュラ フライパン」を使った「もやし炒め」の実演が行われました
「バーミキュラ フライパン」は蓄熱性の高い鋳鉄に、水がよくなじむ独自開発のホーローコーティングを施して作られています。食材から出る余分な水分を瞬時に蒸発させることができるので、家庭のコンロでもプロ級の炒め調理ができるのだそう
「もやし炒め」は炒め物の中でも、特に水分が出やすいもの。フッ素コートのフライパンでもやしを炒めると、もやしから出た水分でフライパンの温度が下がり、「ジュージュー」と鳴る音が弱くなりますが、「バーミキュラ フライパン」で炒めてみると、下の動画のように勢いのある音は変わらず。炒めている途中も、炒め終わったあとも、もやしから出た水分を目にすることもなく仕上がりました。動画では伝わらないのですが、炒めている時の香りも普通のフライパンで炒めるよりも香ばしく、食欲をそそります。
最後に塩とコショウを入れ、炒め終わった直後のもやし炒め。フッ素コートのフライパンで作った時のように、ベチャついた仕上がりになっていない! 実際に食べてみましたが、シャキシャキでみずみずしいのに、ソースを入れたかのような香ばしさ。ただのもやし炒めがワンランクアップした印象です
「バーミキュラ フライパン」のラインアップは20cm(価格は11,880円)、24cm(価格は16,280円)、26cm(価格は16,830円)、28cm(価格は19,250円)の4サイズ。リッド(フタ)は別売となっています。詳しくはレビューをチェック!
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このほか1階には、クックブックライブラリーとコーヒースタンドも常設。愛知県名古屋市の「バーミキュラ ビレッジ」で提供されている、特別にブレンドされたコーヒーをハンドドリップで淹れてくれます。バーミキュラ製品で焼いた焼き菓子なども楽しめるようになっているとのこと。
「FOOD LIFE - 食と暮らし -」をテーマとした約1,500冊の本がずらり。新刊だけでなく、現在は販売されていない古書もあるので、本を目的に訪れるのもあり!
地下1階にある「バーミキュラ ポットメイドデリ」では、IH炊飯器「バーミキュラ ライスポット」で炊いたごはんとともに、バーミキュラ製品で作った家庭料理が楽しめます。11〜15時はおにぎりをはじめ、無水料理で素材の味を引き出した肉じゃがや豚汁、ハンバーグなどが味わえる「LUNCH DELI」、15〜17時はケーキやプリンなどが楽しめる「CAFE&DELL」(ドリンクだけでの利用も可)、17〜21時はごはんが進むメニューに加え、お酒に合うメニューも用意された「NIGHT DELI」と時間帯でコンセプトがチェンジ。現時点ではイートインのみですが、テイクアウトも2022年2月から開始予定となっています。
B1Fには1Fフロアの中階段から下りられるほか、外から直接B1Fにアクセスすることもできます。席数は26席
ここで提供されるごはんは、鋳物ホーロー鍋の「ポット」とIH調理器「ポットヒーター」で構成された炊飯器「バーミキュラ ライスポット」で炊いたもの。洗米した米と水を入れて炊飯をスタートすれば、一般的な炊飯器と同じように自動で炊き上がります。筆者も実際に炊いて食べたことがありますが、米粒が立った弾力のある炊き上がりで、食感も味も香りもおいしい。「バーミキュラ ライスポット」には5合タイプと3号タイプ(バーミキュラ ライスポット ミニ)の2タイプがラインアップされており、どちらもソリッドシルバー、シーソルトホワイト、トリュフグレーの3色が用意されています
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「バーミキュラ ライスポット」で炊いたごはんは、粒立ちがいいのでおにぎりにも最適。「LUNCH DELI」では、炊きたてごはんとおにぎりのどちらかを選択できます
「LUNCH DELI」では、バーミキュラ製品を使って作られた料理の中から好きなものをチョイス。炊きたてごはんorおにぎりとおかずのセット、お総菜のみのセット、無水カレーセットといったセット内容から選ぶスタイルとなっています
セットの一例。盛り付けてある器もおしゃれ!
ちなみに、セットにある豚汁は「バーミキュラ ライスポット」を使って無水調理で作ったもの。ごはんを炊くだけでなく、調理も得意。「ポット」は鋳物ホーロー鍋なので、一般的なバーミキュラ鍋と同じようにコンロで使用することもできます
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ランチタイムのセットに、ケーキやプリン、パンナコッタなどのデザートを追加することも可能。もちろん、これらもバーミキュラ製品で作られたものです
自分で好きな組み合わせを選ぶテイクアウトとは異なり、すでにできているお弁当を購入できるようにもなるようです(2022年3月開始予定)。おにぎり1個やお総菜1品からでも購入できるので、気軽に立ち寄ってみては!?
イートインスペースの中央には、食品物販スペースも併設。厳選されたスパイスや調味料、バーミキュラオリジナルの食器類など、こだわりのラインアップとなっています。
「わさびオイル」など、あまり見たことがないものがたくさん陳列されており、ひとつずつ見ていくだけで楽しい!
また、B1Fには、バーミキュラコンシェルジュや専属シェフがバーミキュラ製品を使用した料理教室を開催するスペースも用意されています。愛知県名古屋市にある「バーミキュラ ビレッジ」では、1か月分の予約の受付がスタートすると10分くらいですべて満席になるほどの人気なのだそう。定員は8名で要予約制。2022年春以降、開催予定となっています。
入門コース、初級コース、中級コースというようにレベルに応じたコースを用意する予定なので、バーミキュラ製品を使ったことがない人、料理があまり得意でない人も安心して参加できます
2階にある「バーミキュラ ハウス キッチン」では、日本ならではの食材をバーミキュラ製品で調理し、素材本来の味を引き出した洋食を味わうことができます。営業は、ランチ(11〜15時)とディナー(17時30分〜22時30分)の2部制。ランチタイムは、煮込み料理、肉料理、魚料理といった4種類のメイン料理が用意されており、いずれの料理にも「バーミキュラ ライスポット」で炊いたごはん(ポットメイドフォカッチャに変更可能)が付きます。いっぽう、ディナータイムでは仕上げに薪火で薫りをつけた肉料理や魚料理などをアラカルトスタイルで提供。ただし、2022年2月1日まではコースのみでの提供となっています。予約なしでも入店できますが、現在、非常に人気で、ほぼ予約で席は埋まってしまっているそうなので、予約してから行くほうがいいでしょう。
席数は47席。調理中の様子も見えます
キッチンには特製の薪窯も設置。バーミキュラ製品でじっくり料理したあと、薪火で仕上げた料理がディナータイムに用意されています
シェフの小林直矢さん。浅草「オマージュ」のスーシェフを務め、2012年に渡仏。南仏「オステルリー ジェロンム」やパリ「GARANCE」で研磨後、2014年「ピルエット」開業時よりシェフを務めたのち、2021年に「バーミキュラ ハウス」のシェフに就任
ランチタイムに提供される「バーミキュラ ハウス キッチン ビーフシチュー」(価格は3,150円)。ルウから自家製で作っているという、こだわりの1品で、1日限定10食。無水調理した季節野菜のマリネ、炊きたてごはんが付きます
ここからは、ディナータイムのコース(価格は6,500円)の一部を紹介します。前菜の「バーミキュラエッグ」。ゆで卵ですが、バーミキュラ鍋で作ると、黄身がトロッとした状態と、鍋底と接地する部分が少し硬く仕上がるのだそう。異なるテクスチャーの黄身が味わえる、バーミキュラならではの卵料理です
もうひとつ、前菜の「低温調理したサーモン 自家製味噌とフェンネル」。「バーミキュラ ライスポット」を使い、43℃で40分低温調理されており、なめらかでしっとりとした食感に仕上がります。新食感と言えるような食感で、めちゃくちゃおいしい! 同じく「バーミキュラ ライスポット」で作った自家製の白味噌もすごくおいしかったです
「無水調理した季節野菜のスペシャリテ」も前菜で提供。厳選された野菜を加熱し、最後は薪火で香ばしく仕上げられています。スパイス塩とオーガニックオリーブオイルが付いてきますが、野菜がおいしいので、筆者はそのまま何もつけずに食べるのがお気に入り
メインディッシュの「塩麹でマリネした仔羊の薪火ロースト」。自家製の塩麹でひと晩マリネしたあと、「バーミキュラ ライスポット」で低温調理(58℃で60分加熱)し、薪火で仕上げられています。羊臭さはまったくなく、やわらか。鋳物ホーロー鍋で調理するとニオイまでおいしくなるのだそう。ソースは、アサリのだし汁をベースにハーブを効かせたちょっと酸味のあるクリーミーなものですが、これが本当においしい。自家製のくるみ味噌も最高においしいです。
メインディッシュのあとは、「バーミキュラ ライスポット」で炊き上げたごはんと卵で味わう、卵かけごはん。自家製の醤油麹と薪火の香りをうつしたオイルを卵と一緒に溶いていただきます。つけ合わせのかつおぶしも、その場で削った削りたて!
デザートは、どうやってバーミキュラ製品で作ったのだろう?と思うようなメニューでしたが、なんと、シュー生地の間に挟んであるアイスクリームに使われたバナナをバーミキュラ製品で無水調理しているのだそう。メニュー名は「皮ごと無水調理したバナナのプロフィットロール」
ドリンクはランチとディナーどちらも、追加でオーダー可能。アルコールも用意されており、厳選したナチュラルワインや日本酒などを取り揃えているとのこと。「バーミキュラ ライスポット」で低温抽出したシロップで作ったオリジナルドリンク(アルコールとノンアルコールで選択可能)も用意されています。
右から「バーミキュラ ライスポット」で無水調理したりんごのコンフィチュールを使ったソーダ、80℃で低温調理した生姜を使ったジンジャーエールのようなドリンク、同じく、80℃で低温調理したミントを使ったモヒートのようなドリンク
モノ雑誌のシロモノ家電の編集者として6年間従事した後、価格.comマガジンで同ジャンルを主に担当。アウトドアからオタク系まで意外と幅広くイケちゃいます。