足の疲れやむくみなどをほぐしてくれるフットマッサージャーが自宅にあれば、いつでも好きなタイミングでマッサージできるが、“いかにもなデザイン”と置き場所がネックで購入を見送っている人も多いだろう。そんな方に、インテリア性が高く、スツールやオットマンとしても使用できるアテックス「トール マッサージスツール ムーブ AX-HPT370」(以下、トール マッサージスツール ムーブ)を紹介する。2020年にシリーズ累計販売台数10万台を突破した人気の高いマッサージャーだ。
アテックスのマッサージャーといえば「ルルド」が有名だが、今回紹介する「トール マッサージスツール ムーブ」は、上質なリラックススタイルを提案する「TOR(トール)」ブランドに属する。かわいい印象の「ルルド」に比べ、「トール」は大人っぽいテイストで展開しており、今回紹介するトール マッサージスツール ムーブもシックな色合いで落ち着いた仕上がり。ソファや椅子などに使われる織り生地を本体表面に採用しているのでインテリアになじみやすく、部屋に出しっ放しにしておいても違和感が少ない。
サイズは約400(幅)×340(奥行き)×500(高さ)mm。本体表面にファブリック素材を採用しているので暖かみがあり、悪目立ちはしない印象だ
ダークグレー(左写真)とライトグレー(右写真)の2色が用意されている
本体底にキャスターが付いているが、移動はハンドグリップを持って行う。重量が約8.5kgあるので、人によってはちょっと大変かもしれない
また、トール マッサージスツール ムーブはマッサージャーとして使用しない時に、スツールやオットマンとして使うことができる。
フタを閉めた座面はクッション性があり、肌触りもいいので、腰かけた感じはなかなか快適だ
椅子に座った時に足を乗せるオットマンとしても使える
本体側面に雑誌がすっぽり入る大きなポケットがひとつと、スマートフォンやリモコンを入れておける小さめのポケットが2つ用意されている。マッサージ中の時間つぶしに使うものを入れておくと便利だろう
マッサージは、本体に内蔵されたエアーバッグをふくらませたり、ゆるめたりしてもみほぐす、エアーバッグシステムで行われる。足の甲やつま先からふくらはぎまでをマッサージする基本的な構造は従来モデルと変わらないものの、新モデルのトール マッサージスツール ムーブは、エアーバッグの配置を見直し、足首からふくらはぎ部分にエアーバックとクッション材を包み込むように搭載することで、よりパワフルにほぐしながらも心地よさを感じられるようになったという。また、足裏部分は、つちふまずとつま先にエアーバッグを配置し、それぞれを独立可動させることで、人の手でほぐされているような体感を追求。5層のエアーバッグをふくらませてつま先をそらせるように傾斜させ、ストレッチ効果も得られるようにしているとのこと。さらに、つちふまずが接する部分にはヒーターが搭載されているので、温めながらマッサージすることも可能だ。
60層のエアーバッグと、足裏部にはヒーターを搭載
フタを開け、足を差し込んでマッサージするスタイル。高さがあるので、椅子やソファが必要だ
本体を横にして使うこともできるが、本体を傾けてふくらはぎを伸ばすプログラム「ゆらす」などは行えない。トール マッサージスツール ムーブに搭載された機能をフルで堪能したいなら、本体を立てた状態で使う基本スタイルで使おう
そして、トール マッサージスツール ムーブでは、新たに電動のリクライニング機能も搭載された。従来モデルも手動でスタンドを立てれば本体を斜めにすることはできたが、新モデルはボタンを押すだけで最大20°までリクライニング可能に。無段階で調節できるので、ラクな姿勢でマッサージできる角度に傾けられる。また、このリクライニング機能を応用し、本体を0°〜20°に動かすことでふくらはぎと足裏を伸ばすマッサージコース「ゆらす」も追加された。
電動でリクライニングできるようになったヒミツは、本体底面に新たに搭載されたエアーバッグ。エアーバッグを伸縮させて本体の傾きを調節する
マッサージコースは、人の手の動きを追求したマッサージで脚全体をもみほぐす「ほぐす」、包み込むように脚全体をしぼり、もみほぐしてくれる「しぼる」、ふくらはぎを固定しながら足裏を伸ばす「ストレッチ」、本体自体が揺れ、ふくらはぎから足首までを伸ばしながらもみほぐす「ゆらす」、そして、しぼる、ほぐす、ストレッチを自動で行う「自動」の5種類が用意されている
ここからは、トール マッサージスツール ムーブを使った感想をお伝えする。
対象サイズは、ふくらはぎの周囲が45cm以下で、足が29cm以下となっている。今回試した男性の編集部スタッフは厚手の靴下を履いていたが、簡単に足を入れられた
足の間に操作部が位置するが、操作性に不便は感じない。ボタンを押すと選択された部分が緑色に光るので、操作で困ることはないだろう
搭載されている5コースすべてを体験してみた。なお、マッサージは約15分で自動停止するようになっている。
▼「ほぐす」コース
ギュッギュッとリズミカルに足裏とふくらはぎが交互にもみほぐされる。その施術は人の手の動きに近い感覚。エアーバッグの圧力が下から上にじんわりかかり、足全体の疲れをほぐしてくれた。
▼「しぼる」コース
かかとからふくらはぎに向かってエアーバッグで絞られ、足全体がギュッと力強く包み込まれる。使用後は血行がよくなったのか、足が軽くなったような感覚があった。
▼「ストレッチ」コース
エアーバッグでふくらはぎを固定し、足裏を上に引き上げる動きが繰り返される。アキレス腱や足裏が無理なく伸ばれ、かなり気持ちいい。
▼「自動」コース
エアーバッグが足全体を絞り、人の手のようにリズミカルにもみほぐした後に、ふくらはぎを固定しながら足裏をゆっくり伸ばしてくれる「自動」コースは、編集部で試した中でもっとも人気だったコース。手のひらでゆっくり足全体をもみ込んだあと、親指で足裏とふくらはぎが交互に押されていくような感覚で、実に気持ちいい。エアーバッグの圧力が高めなので、物足りなさを感じることはないだろう。
すべてのコースで、マッサージの強さを5段階で調節可能。疲れ具合やコリ具合に合わせて最適なマッサージが行える
ヒーターのオン/オフは任意で設定できる。足裏からじんわりと温かくなっていく感じで、オンにしておくほうがさらに気持ちいい印象だ
▼「ゆらす」コース
新たに搭載された「ゆらす」コースでは、本体をリクライニングさせることで、足裏、そして足首からふくらはぎまでをグーッと大きく伸ばしてくれる(下の動画参照)。体感的には本体が揺れる感覚はそれほどないが、足裏のエアーバッグの動きは5つのコースの中でもっとも大きかった印象。ふくらはぎと足裏が交互に伸ばされるので、「ストレッチ」コース以上に足全体をストレッチされている感覚が得られた。
トール マッサージスツール ムーブはデザイン性にもこだわった製品だが、マッサージは本格的でパワフルさも十分。エアーバッグの配置、ふくらませるタイミングや空気を入れる量などが上手に調節されているのか、人の手でもみほぐすような感覚も得られた。
今回レビューした編集部スタッフは「トール マッサージスツール」シリーズを使ったことがなかったので、従来モデルから搭載されてきたマッサージコースの進化のほどは判断できないが、新モデルに搭載された電動リクライニング機能は価値があると思う。ボタンを押すだけで本体を傾かせられるようになったことで手間がなくなり、さらに、垂直に足を差し込んだ状態よりも、本体を少し斜めにしたほうが断然ラクな姿勢でマッサージがうけられた。また、この機能が備わったことで追加された「ゆらす」コースの“伸ばされ感”も最高に気持ちいい。足裏とアキレス腱が伸ばされる「ストレッチ」コースも疲れがほぐされる感じで心地いいが、「ゆらす」コースはふくらはぎまで伸ばされるので、さらに足がラクになる印象。「トール マッサージスツール」シリーズの購入を検討しているなら、新モデルを選ぶほうがより満足感を得られるはずだ。
足を差し込む部分の内カバーは取り外して洗濯できるので、清潔性が気になる人にも安心
編プロでの広告制作、雑誌編集を経てフリーライター/エディターに。家電をはじめ、自動車、ファッション、ビジネス関連など幅広い分野で活動。86年、秋田県出身。「大曲の花火」とグミをこよなく愛する。