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価格.comユーザー人気ダントツの象印だけじゃない! データでわかった“今買い”の高級炊飯器

長年家電業界を見てきた価格.com編集長が、価格.comが保有するさまざまなデータと、自身の知識・経験をベースに、家電製品の最新トレンドを解説。今押さえておくべき機能やスペックを紹介しつつ、コスパ、性能、ユーザー評価などの観点から、今買って間違いなしの製品を厳選して紹介する。

第1回のテーマは、出始めたばかりの新米をおいしく食べられる「炊飯器」だ。

高級炊飯器ブームの終焉と、バランスの取れた中級モデルの躍進

まずは、炊飯器市場全体のトレンドについて解説しよう。価格.comの「炊飯器」カテゴリーのアクセスデータ(図1)を見てみると、年によって若干の違いはあるが、炊飯器の需要がもっとも高まるのは11月〜年末年始の期間であることがわかる。また、炊飯器の発売タイミングは、例年6月〜8月くらいが多く、新米が出回り始める10月くらいの時期に間に合うように発売されるケースがほとんどだ。なお、2022年の場合は、コロナ禍の影響などもあって、発売時期がやや遅くなっているケースも散見されるが、それでも10月にはほとんどのメーカーの主要製品が出揃う見込みだ。

【図1】価格.com「炊飯器」カテゴリーにおける閲覧者数推移(過去約2年)

【図1】価格.com「炊飯器」カテゴリーにおける閲覧者数推移(過去約2年)

ということで、この10月というのは、各メーカーの新モデルが出揃うタイミングであり、炊飯器を選ぶのには最も適した時期だ。早いモデルでは6月くらいから発売されているので、価格も落ち着いて入手しやすくなっているものもある。また、最新機能が必要でなければ、安くなった昨年の型落ちモデルを狙うという手もある。いずれにしても、この10月以降は、炊飯器の購入を検討するのに絶好の時期と言っていいだろう。

次に、炊飯器のここ数年の技術トレンドについて解説しよう。ご存じの方も多いと思うが、炊飯器にはいろいろな種類があり、価格も安いものでは1万円以下で買えるものから、高いものになると10万円を超えるものも存在する。一般的には実勢価格が6〜7万円 を超えてくるようなものを「高級炊飯器」と呼んでいるが、この高級炊飯器ブームはすでに20年近く続いており、各メーカーが毎年さまざまな意欲作を投入しては市場をにぎわせている。

なお、メーカーごとにそれぞれ強みとなる技術が異なるので、その炊飯方法はさまざまだが、どのメーカーも目指すところは「かまどで炊いたごはん」ということでほぼ一致している。なので、高級炊飯器はこの「かまどで炊いたごはん」をいかに再現するかに注力されており、その結果、各メーカーが行き着いたのは、内釜だった。土鍋、鉄鍋、銅釜、炭含有の釜など、メーカーによって素材に違いはあれど、熱伝導性と蓄熱性能を持った内釜が続々と登場し、話題に事欠かなかったのが、ここ数年の高級炊飯器の状況だった。

しかし、こうした高級内釜競争もそろそろ終わりに近づいてきている。その理由は、上記のようなさまざまな素材を使った内釜は、総じて重量が重くなりやすく、毎日の炊飯やお手入れが大変であること。また、内釜の形状によっては、炊飯器自体のボディサイズも大きくならざるを得ず、かなり大きなサイズの炊飯器が増えてしまったことも、設置性の点から問題となってきた。当然、製造が難しい素材を使えば、生産コストも上がり、価格も高くなる。こうした各種の問題から、高級炊飯器ブームは今大きな曲がり角を迎えていると言っていい。

だが、消費者にとっては悪いことばかりではない。これら高級炊飯器の開発によって培われたさまざまな技術が、今や、より入手しやすい中級モデルのほうに搭載されてきており、中級モデルでも十分においしいごはんが食べられるようになったのである。価格帯で言えば、3〜5万円台くらいで購入できる中級モデルのレベルが全体的に上がったこともあって、より価格の高い高級炊飯器を買わなくとも、これで十分というユーザーが増えたのである。実際、価格.comの「炊飯器」カテゴリーの売れ筋ランキングを見ても、今やこの中級モデルが上位のほとんどを占めているという状況だ。

【図2】価格.com「炊飯器」カテゴリーの売れ筋ランキング

【図2】価格.com「炊飯器」カテゴリーの売れ筋ランキング

なので、そこそこおいしいごはんの炊き上がりと、価格とのベストバランスを考えるのであれば、これら中級モデルを選ぶのが正解と言える。正直、このクラスの製品であれば、機能的にも炊飯性能的にも欠点はなく、一般的に満足度は高くなりやすい。他人にオススメするのであれば、このクラスから選んで紹介するというのが無難と言っていい。

しかし、それでも、私はあえてその上のクラスの高級炊飯器に注目したい。というのも、ここ2〜3年の間に、高級炊飯器のほうにもちょっとした技術革命が起こっているからだ。

2022年秋の高級炊飯器は、より大火力になって旨みが増し、炊き分け機能もより進化

先述したとおり、高級炊飯器が抱える問題のひとつ、内釜に凝りまくった結果、ボディサイズが大きくなったり、お手入れがしづらくなったといったことがあげられる。いくらおいしいごはんが炊けると言っても、キッチンに置けないのでは意味がないし、毎日のお手入れがおっくうになってしまうのも本末転倒だ。ただ、こうしたユーザーの声を受けて、ここ2〜3年、高級炊飯器もずいぶん様変わりしてきた。平たく言うなら、ボディがだいぶコンパクトになったのだ。

その代表的な例とも言えるのが、象印の高級炊飯器「炎舞炊き」である。象印は以前「極め羽釜」という高級炊飯器シリーズを展開していたが、今から4年前の2018年に、新たに「炎舞炊き」に移行した。「極め羽釜」は、素材に南部鉄器を採用したり、かまどと同じ「羽」形状を取り入れた内釜を用いたりと、非常に凝った作りだったが、その分、内釜が重く大きくなっていた。この課題を払拭するために登場した「炎舞炊き」は、従来のアルミ・ステンレス内釜に回帰。ただ、アルミとステンレスの間に鉄を挟み込むという形で、それまでとはまったく異なる発熱効率と蓄熱性を実現し、さらに内釜に熱を伝えるIHヒーターの設置場所や数、制御方式を変えることで、かまどに近い内部対流を生み出すことに成功した。そして、この方式を採用したことで、内釜をより軽量に、そしてボディサイズをかなり小型化できた。デザインもそれまでの円筒形からスクエアデザインに変わり、シャープなデザインとなった。この結果、「炎舞炊き」シリーズは、価格.comの「炊飯器」カテゴリーにおいても、安定した人気を維持する人気シリーズとなった。

この「炎舞炊き」シリーズだけでなく、各メーカーの高級炊飯器も、ここ最近はだいぶスマートな形状をしたコンパクトモデルが増えている。内釜についてはやや重い素材のものもあるが、お手入れのしやすさは向上している。つまり、これまで高級炊飯器で問題視されることの多かったサイズ感やお手入れのしにくさは、かなり解消されてきたと言っていい。

さらに、ここ数年の高級炊飯器は、内釜の素材だけに頼らない、各種の炊飯技術が進化している点も見逃せないポイントだ。たとえば象印では、IHヒーターの数を増やしたり、制御方法などを変えることで、これまで以上の大火力を実現。さらに他メーカーの最新モデルの中には、大火力を絶やさず与える「連続沸騰」によってお米の炊きムラを抑え、ひと粒ひと粒のお米の旨みをさらに引き出すというものも登場している。また、圧力IH方式を採用している高級炊飯器では、何段階かの圧力制御を行うことで、お米の対流をうながしたり、蒸らしによる旨みを増大させたりするものもある

こうした基本的な炊飯力の強化はもちろんだが、最近の高級炊飯器では、各種の炊き分け機能も進化中だ。お米の銘柄別に異なる炊飯プログラムを搭載する製品や、同じお米でも自分の好みの炊き方を学習させ、それに近づけていくといった機能を搭載する製品。また、冷めてもおいしいごはんを炊けるのはもちろん、最初から冷凍保存することを前提として最適に炊き上げる製品もあるし、麦ごはんや五穀米などの専用炊飯モードを備えた製品や、長粒米などの外国米をおいしく炊き上げるモードを持った製品も登場している。

このように、2022年秋の高級炊飯器は、炊飯機能がさらに進化を遂げているのに加えて、お米の炊き分け機能が進化しているのが特徴だ。もちろんボディサイズやデザインも、従来のものに比べるとコンパクトかつシャープな印象になっているし、お手入れに関してもだいぶしやすく改良されている。炊飯器の購入にあたって重視すべきポイントはいくつもあるが、6〜8万円くらいの予算が出せるという人なら、バランスの取れた中級モデルよりも、最新機能が詰まった高級炊飯器を選んだほうが、結果として購入した後の満足度も増すと思われる。

なお、価格.comの「炊飯器」カテゴリーにおいては、価格的にも機能的にも幅広いラインアップを揃える象印が長いことトップランナーの人気を誇っているが、2位以下のメーカーはさほどの差はなく、混沌とした状態が続いている(図3)。このトップ5メーカーのうち、象印、タイガー、パナソニック、三菱電機の注目の高級炊飯器4モデルを以下に紹介しよう。

【図3】価格.com「炊飯器」カテゴリーにおけるメーカー別閲覧者数推移(過去約2年)

【図3】価格.com「炊飯器」カテゴリーにおけるメーカー別閲覧者数推移(過去約2年)

コレ買っときゃ間違いない! 価格.com編集長が今注目する高級炊飯器4選

※最安価格とユーザー評価は、いずれも2022年10月18日時点のものです。

象印「炎舞炊き NW-FA10」

象印「炎舞炊き NW-FA10」

価格.com最安価格:81,456円
発売日:2022年6月21日
ユーザー評価:★5.00(7人)

象印のフラッグシップシリーズ「炎舞炊き」の最新モデル。底面に6基のIHヒーターを備え、そのうち3基が横方向、3基が縦方向の対流を生み出すという「3DローテーションIH構造」を採用。2基のヒーターを対角線上で順番にオン/オフしていく制御によって、内釜内のお米を立体的に対流させる。内釜は、熱伝導率の高いアルミがしっかりと熱を伝え、耐久性にすぐれたステンレスの間に、発熱効率と蓄熱性が高い鉄を挟み込んだ「鉄(くろがね)仕込み 豪炎かまど釜」で、内側にごはんの甘み成分と旨み成分を引き出す「うまみプラス プラチナコート」を施している。

炊き分けについては、かため/やわらかめ、もちもち/しゃっきりの度合い別にお米の食感を15通りに炊き分けることができる。炊きあがったごはんの硬さや粘りの感想を選び、最大121通りの炊き方で食感を調整して自分好みに近づけられる「わが家炊き」を搭載。 40時間後にもおいしく食べられる保温機能や、冷凍ごはん用の炊飯モードも備える。

また、高級炊飯器としては比較的コンパクトにまとまった260(幅)×330(奥行)×235(高さ)mmのボディと、むだのそぎ落とされたスクエアデザインも特徴だ。

タイガー「炊きたて ご泡火炊き JPL-G100」

タイガー「炊きたて ご泡火炊き JPL-G100」

価格.com最安価格:66,999円
発売日:2021年6月21日
ユーザー評価:★5.00(12人)

象印と並ぶ炊飯ジャー製造の老舗メーカー、タイガー魔法瓶が展開する「炊きたて」シリーズ。その50周年を記念して2020年に生産した「炊きたて 土鍋ご泡火(ほうび)炊き」は、同社が得意とする本土鍋による内釜を使用し、大火力と適切な圧力制御によって、ふっくらとした甘みの強いお米を炊き上げる同社の最上位シリーズだ。その2021年モデルとして各機能をブラッシュアップさせて登場したのが、本モデル「JPL-G100」となる。

内釜には、三重県四日市市の「萬古焼(ばんこやき)土鍋」を採用。内釜の重量はそれなりにあるものの、280℃の高火力と、土鍋特有の蓄熱性と遠赤外線効果で、お米の旨みと甘みをしっかり引き出す。蒸らし工程で「間欠呼吸」を行うことで、過剰な熱と蒸気を取り除き、余分な水分をコントロールして、ごはんのハリと弾力が出る。保温についても、余分な蒸気を放出して温度を適度に保つおひつをイメージした「おひつ保温」によって、長時間おいしく食べられる。

お米の銘柄70種類に最適化された炊き分けメニューを備えるほか、一合の少量のごはんでもおいしく炊き上げる「一合料亭炊き」も搭載。専用の中ぶたを使うことで炊飯空間を物理的に小さくして、一合炊きに最適な空間をつくり、少量でも香りも甘みもあるごはんを炊き上げることができる。麦めしをおいしく炊き上げるメニューも好評だ。

なお2022年の最新モデルとして、新たに「連続ノンストップ加熱」を採用した「JPL-S100」も発売されているが、現状では価格差が大きいため、今回は6万円台で購入できる「JPL-G100」を推した。

パナソニック「おどり炊き SR-VSX101」

パナソニック「おどり炊き SR-VSX101」

価格.com最安価格:85,000円
発売日:2021年6月1日
ユーザー評価:★4.57(10人)

パナソニックが展開する高級炊飯器シリーズ「おどり炊き」。その名のとおり、釜の内部でお米がおどる(対流する)ことを強みにしている人気シリーズだ。一時期は、価格.comの「炊飯器」カテゴリーでも常にベスト3の常連という印象があるほど人気だったが、最近は、他メーカーの追随を受けて、以前ほど特別な存在というわけではなくなった感もある。それでもやはり驚かされるのは、その基本性能と多機能性だ。

「おどり炊き」シリーズに共通しているのは、大火力のIHヒーターと、細かな圧力制御によってもたらされる、爆発的な沸騰力。これにより、内釜内でお米がおどるように対流し、炊きムラが少なく、ひと粒ひと粒が粒立って旨みのある炊き上がりを実現している。まさにかまどで炊くような火力制御によって、ごはんのおいしさを引き出すのが、この「おどり炊き」シリーズの特徴だ。

現在最上位モデルとなっているこの「SR-VSX101」は、内釜に、アルミ・ステンレスにセラミック層を加え、さらに内釜の内側ににダイヤモンドプレミアムコートを施した「ダイヤモンド竈(かまど)釜」を採用。側面6層のIHヒーターから届けられる大火力を効率よく内部に伝え、上記の炊飯工程を高精度に実現する。また、後半の工程で上から最高250℃の高温スチームを噴射。お米の芯まで糊化させて旨みをアップさせ、お米の表面をおねばでコーティングすることで、ごはんをツヤ出すとともに旨みを閉じ込めるという。

お米の銘柄炊き分け機能も充実しており、63銘柄のお米に最適な炊き分けメニューを搭載。圧力センサーによって自動でお米の鮮度を計測し、炊き方を最適化する機能を搭載するほか、スマホ連携によって、その年の出来栄えを反映させることも可能だ。

<関連記事>乾燥米も新米のように炊き上がるパナソニックの炊飯器が進化! IoT化された「SR-VSX1」シリーズ

三菱電機「本炭釜 紬 NJ-BWD10」

三菱電機「本炭釜 紬 NJ-BWD10」

価格.com最安価格:64,730円
発売日:2022年7月8日
ユーザー評価:★4.24(3人)

2006年に「本炭釜」シリーズを生み出し、一躍、高級炊飯器ブームを巻き起こしたメーカーが三菱電機だ。その炊飯ジャー製造50周年を記念して作られた最新モデルが、この「本炭釜 紬(つむぎ) NJ-BWD10」である。

現在の高級炊飯器はそのほとんどが「圧力IH」と呼ばれる圧力機能を使用しているが、三菱電機だけはかたくなに圧力機能を採用しない姿勢を崩さない。というのも、炊飯時に内釜内に圧力をかけることで水の沸点を高め、お米への水の浸透をうながす圧力方式は、仕上がりがどうしてもやわらかめになりやすい。しかし、しゃっきり粒立ったお米が好きという人にとっては、圧力方式はむしろネガティブな要素にもなり得る。そこで、三菱電機の「本炭釜」シリーズは今も圧力機能を使わず、IHヒーターの高火力と内釜の素材にこだわって生産されているのだ。

最大の特徴はやはり、シリーズ当初から変わらない「炭」を使って作られた内釜だ。それも炭を入れ込んで作るのではなく、炭をそのまま成形して外側をコーティングした「本炭釜」なので、炭の持つ蓄熱性や遠赤外線効果が最大限に得られる。この炭釜はIHとも相性がよく、IHの大火力を一気に伝えて釜全体でお米を包み込むように炊き上げるので炊きムラが起こりにくく、べたつかない、しゃっきりとした炊き上がりを実現できるのだ。

炊き分け機能については、全国50銘柄のお米に対応した「銘柄芳潤炊き」を搭載するほか、長粒米(タイ米、ジャスミン米、インディカ米のこと)に対応する炊飯モードも搭載。このほか、冷凍ごはん用のモードや、少量でもおいしく炊き上げる「少量名人」機能も搭載。ボディデザインをリニューアルして小型化したほか、内ぶたの構造もシンプルになり、使いやすさも向上している。

<関連記事>粒感がさらにアップ! ほどよいもっちり感と甘みのあるごはんが炊ける三菱電機「本炭釜 紬」

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鎌田 剛(編集部)

鎌田 剛(編集部)

価格.comの編集統括を務める総編集長。パソコン、家電、業界動向など、全般に詳しい。人呼んで「価格.comのご意見番」。自称「イタリア人」。

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