シャープのウォーターオーブン「ヘルシオ」に新モデル3機種「AX-LSX3A」「AX-RS1A」「AX-NS1A」が登場。外食サービス「塚田農場」と共同開発したダウンロードメニューが追加され、冷凍食品を食べごろに解凍する機能が使いやすくなった最上位機「AX-LSX3A」を中心に主な進化点を紹介します。
右側からグレードが高い順。3機種とも庫内容量30Lで、2段調理に対応。最上位機「AX-LSX3A」はカラータッチパネル液晶を採用しているのでスマートフォンを使うような感覚で操作できますが、その他2機種はレシピブックなどにあるメニュー番号を見てダイヤルで選択する仕様です。市場想定価格は「AX-LSX3A」が213,000円(税込)、「AX-RS1A」が163,000円(税込)、「AX-NS1A」が138,000円(税込)
常温/冷蔵/冷凍など異なる状態の食材を一緒に調理できる「ヘルシオ」ならではの調理方法「まかせて調理」は全機種に搭載。「AX-LSX3A」と「AX-NS1A」が2023年7月27日発売予定で、「AX-RS1A」が2023年8月8日発売予定です
「AX-LSX3A」のハード面は前モデル「AX-XA30」とほぼ変わっていませんが、ソフトウェアを一部変更し、飲食店運営など外食サービスを手掛ける「塚田農場」と共同開発した鹿児島県産の地鶏「黒さつま鶏」の丸鶏を調理するダウンロードメニューを追加したのが大きな進化点です。クラウドサービス「COCORO KITCHEN」からメニューをダウンロードし、「塚田農場 オンラインストア」で購入した「『黒さつま鶏』ローストチキン丸鶏」(冷凍)を解凍して「ヘルシオ」にセット。本体のスタートキーを押すと自動調理が始まります。一般的なオーブンの8倍もの熱量を持つ過熱水蒸気が食材の中まで速く火を通し、適度な潤いを与えながら加熱することで、旨みや甘み、ジューシーさを損なわずに焼き上げるそう。
最上位機「AX-LSX3A」は写真の「バイブレーションシルバー」のほか、「バイブレーションレッド」「バイブレーションブラウン」の3色展開。キッチンとの調和を考慮し、ハンドルの色は前モデルより落ち着きのあるトーンになりました
新たに追加されたダウンロードメニュー「黒さつま鶏ローストチキン丸鶏(塚田農場)」は、塚田農場の「黒さつま鶏ローストチキン丸鶏」専用メニュー。ほかで購入した丸鶏の調理には適しません
塚田農場のオンラインストアで販売されている「黒さつま鶏ローストチキン丸鶏」(通常価格6,450円/税込)。冷凍された状態で届くので、調理する2日前に冷蔵室に移し、解凍してから角皿にセットした網の上に載せます。なお、角皿に並べられた野菜は、別途購入したものですが、脂跳ねや庫内の汚れを抑えられるので、野菜を角皿に載せておくほうがいいそう。もちろん、この野菜もおいしく食べられます
調理時間は約57分
調理後にドアを開けると大量のスチームが! このスチームの量は、高温の水蒸気(過熱水蒸気)を使って“水で焼く”ウォーターオーブンならでは
食欲をそそる焼き色がほぼ均一に付いています。角皿には脂がたっぷり落ちていますが、鶏肉はパサパサになっていないのでしょうか?
焼きたての丸鶏を試食してみましたが、パサついた部分はまったくなく、ジューシーさと旨みたっぷり
「ヘルシオ」には自動メニューに「ローストチキン」がプリインストールされていますが、塚田農場のオンラインストアで販売されている黒さつま鶏はサイズが大きいため、既存のメニューでは理想的な焼き上がりにならないそう。塚田農場の担当者によると、地鶏は筋肉や脂肪の付き方などが異なるので火の入れ方が難しく、中まで火を通そうとするとパサパサになりやすいのですが、「ヘルシオ」の専用メニューで調理した丸鶏はガス式のオーブンで焼いたものよりおいしかったとのこと。塚田農場のオンラインストアで購入した黒さつま鶏の丸鶏のみに対応するメニューなので、使用する機会は限られるかもしれませんが、お店で焼き上げたような本格的な丸鶏は特別な日やちょっとした集まりなどに出すとよろこばれそう。
ほかのところで購入した丸鶏は、既存の自動メニューの「ローストチキン」で調理しましょう。「ローストチキン」は塚田農場の「黒さつま鶏ローストチキン丸鶏」より小さなサイズの丸鶏を調理するメニューなため、約40分で焼き上がります
なお、このダウンロードメニューは、ひとつ下のグレード「AX-RS1A」でも使用できます。カラータッチパネル液晶は装備されていないため、メニュー番号を選ぶスタイル。搭載されている自動メニューの数も最上位機が266メニューなのに対し、「AX-RS1A」は131メニューとなります。
ダウンロードメニューもメニュー番号で表示。「AX-RS1A」は写真の「グレー系ダークメタル」のほか、「シルバー系ライトメタル」の2色展開です
食品のお取り寄せなどをした際、冷凍された状態で届くものがありますが、そうした冷凍食品は電子レンジで解凍できないものも多く、ひと晩〜数日前から冷蔵室に移し、解凍しなければならないことがあります。解凍し忘れると、その日に食べられずがっかりしますが、「AX-LSX3A」と「AX-RS1A」は前モデルから引き続き「食べごろ解凍」という解凍モードを搭載しているので、食べたいと思ったときに解凍可能。低温の庫内に水蒸気を充満させ、ファンで水蒸気を循環させることで食材に熱を与えて解凍する方法で、通常は流水解凍で半日かかる冷凍ローストビーフも約30分で食べごろに解凍してくれます。
レンジ加熱とスチームを組み合わせて加熱する解凍モードもありますが、水の力だけで加熱する「食べごろ解凍」は加熱し過ぎや加熱ムラを抑えて解凍します
「食べごろ解凍」には、「ローストビーフ」や「かつおのたたき」「ケーキ」など食材ごとに専用のメニューが用意されており、前モデルではクラウドサービス「COCORO KITCHEN」からダウンロードする必要がありましたが、新モデルの最上位機「AX-LSX3A」は本体の内蔵メニューに搭載。さらに、「AX-LSX3A」は、食品のサイズに合わせて解凍時間も設定できるようになりました(「AX-RS1A」は従来どおり、ダウンロードする仕様)。
本体に登録されているので、より手軽に使えます
前モデルでは「ローストビーフ」や「笹だんごなど」と食品のカテゴリーごとに用意された解凍のみでしたが、新モデルの「AX-LSX3A」は食品カテゴリーごとに細かく解凍時間が設定できるように。これにより、たとえば手動の「チーズケーキなど」を選べば、5号のホールケーキなら90〜100分、高さ3cmのカットケーキなら約60分というようにサイズに合わせて時間を設定できます。解凍時間の目安はWebサイトなどで公開するとのこと
従来モデルにも過熱水蒸気と水蒸気を使って冷めてしまったお総菜などを温め直す機能は搭載されていましたが、2022年発売の最上位機「AX-XA30」で、温め直しのメニューがこれまでの揚げ物、蒸し物、パンの3種類から、鶏の照り焼きや焼き魚などの焼き物を追加した4種類に拡充。これに合わせて、操作パネルのトップ画面に「ヘルシオあたため(おいしさ復元)」というボタンを配置し、温め直し機能がより使いやすくなりました。新モデルの最上位機「AX-LSX3A」もこの仕様は同じ。今回、進化したのは、最上位機以外のモデルにも4種類の温め直しに対応した「ヘルシオあたため(おいしさ復元)」が搭載されたこと。前モデルでは対応していなかった焼き物やパン(生食パン)がエントリーモデルでも使えるようになりました。なお、「ヘルシオあたため(おいしさ復元)」は調理した後に冷めてしまった料理や購入してきた食品のほか、冷凍食品やホームフリージングしておいたおかずにも対応します。
以前は「あたため・解凍・下ごしらえ」の中にあった温め直し機能が、2022年モデルで独立。新モデルの最上位機「AX-LSX3A」でもこの使い勝手のよさは変わりません
レンジ加熱は食品が持つ水分子を振動させてあたためるため、水分が流出して食感が損なわれやすいのに対し、過熱水蒸気と水蒸気を組み合わせて加熱する「ヘルシオあたため(おいしさ復元)」機能は水分を補いながら加熱するため、料理に合わせたできたてのような食感がよみがえるそう
「ヘルシオあたため(おいしさ復元)」の「焼きたてパンふんわり」で温め直した冷凍パンを試食。ちょうどいい温度で、ふんわりと仕上がっていました。「AX-RS1A」と「AX-NS1A」にもこの機能が搭載されていますが、タッチパネルには対応していないため、操作は異なります