価格.com 家電トレンド研究所

“セカンド冷凍庫”需要で人気の100Lクラスの小型モデル! 選びのポイントは「消費電力」

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長年家電業界を見てきた価格.com編集長が、価格.comが保有するさまざまなデータと、自身の知識・経験をベースに、家電製品の最新トレンドを解説。今押さえておくべき機能やスペックを紹介しつつ、コスパ、性能、ユーザー評価などの観点から、今買って間違いなしの製品を厳選して紹介する。

第41回は、冷凍食品の買い置きや、食品の長期保存に役立つ冷凍庫のトレンドについて見てみよう。

コロナ禍でニーズが上昇した「冷凍庫」。1割弱のユーザーが冷凍庫を選んでいる

【図1】価格.com「冷蔵庫・冷凍庫」カテゴリーにおける冷凍庫の割合(2024年6月時点)

【図1】価格.com「冷蔵庫・冷凍庫」カテゴリーにおける冷凍庫の割合(2024年6月時点)

食品などを冷やすだけでなく、凍結して保存する「冷凍庫」という製品は、一般的な家庭にはそれほどなじみがないかもしれない。一般的な家庭では、冷蔵庫と冷凍庫が一体となった「冷凍冷蔵庫」を1台(ないしは2台)置いていることが多く、冷凍専用の冷凍庫をあえて購入するケースはまれだと思う人が多いだろう。しかし、価格.comの「冷蔵庫・冷凍庫」カテゴリーのデータを見てみると(図1)、売れ筋製品の8.86%が冷凍庫となっており、実に1割近い割合を占めていることがわかる。思いのほか、冷凍庫を購入する人は多いと言ってよいだろう。

【図2】価格.com「冷蔵庫・冷凍庫」カテゴリーの閲覧者数推移(過去3年)

【図2】価格.com「冷蔵庫・冷凍庫」カテゴリーの閲覧者数推移(過去3年)

ちなみに「冷蔵庫・冷凍庫」のニーズが上がるのは、気温が上がる夏の間だ(図2参照)。これについては、前回の記事でも触れたが、夏になるとコンプレッサーへの負荷が高まり、冷蔵庫が壊れやすくなる→買い替え需要が高まるという理由によるものだが、もちろん、6〜7月に支給される夏のボーナスを使って購入する人が多いという理由もありそうだ。図2は、過去3年間の価格.com「冷蔵庫・冷凍庫」カテゴリーの閲覧者数推移を示したものだが、いずれの年も5〜6月ごろから需要が高まり、気温が高まる7月にピークを迎え、9〜10月にはピークアウトする流れになっている。冷凍庫の場合も、これと同じような需要の動きを見せるものと考えていいだろう。

なお、最近になって冷凍庫の需要が上がった背景には、3年にわたるコロナ禍も大きく影響している。コロナ禍で外出自粛が叫ばれるようになったことで、買い物の回数を減らす「食品の買いだめ」が増えた。また、保存が利く冷凍食品の需要が伸びたほか、ふるさと納税の返礼品として冷凍の魚介類や肉類を保存しておくニーズも増えた。これらの理由から、冷蔵庫自体をサイズアップする人も増えたが、冷蔵庫だけでは冷凍食品・冷凍食材の保存が間に合わず、かといって、2台目の冷蔵庫を購入するほどでもないという人が、比較的小型の冷凍庫を購入するようになった。この流れは今も変わっておらず、上記のような理由で冷凍庫が手狭に感じている人が、別途小型の冷凍庫を購入するケースは少なくない。

人気なのは庫内容量100L台の比較的小型のモデル。価格は4万円前後が目安

【図3】価格.comにおける人気の冷凍庫製品の閲覧者数推移(過去1年)

【図3】価格.comにおける人気の冷凍庫製品の閲覧者数推移(過去1年)

では、価格.com上では、どんな冷凍庫が人気なのだろうか。図3は、過去1年間の価格.comにおける人気の冷凍庫製品の閲覧者数推移を示したものだが、冷蔵庫でもダントツの人気を誇る三菱電機の製品を筆頭に、AQUAシャープハイアールアイリスオーヤマといったメーカーのモデルが上位に来ている。庫内容量で見ると、100〜150Lくらいのモデルが人気の中心となっており、製品の幅はおよそ50cm未満の比較的設置しやすい小型モデルが人気だ。ちなみに、一般的な500Lクラスの冷蔵庫の冷凍室の庫内容量は90〜100Lくらいなので、それと同等かより大きなサイズ感ということになる。ドア数はほとんどが1ドアタイプだ。

【図4】価格.comにおける人気の冷凍庫製品の最安価格推移(過去1年)

【図4】価格.comにおける人気の冷凍庫製品の最安価格推移(過去1年)

これら100Lクラスの人気モデルの販売価格は、図4を見るとわかるように、4万円を中心としたおよそ35,000〜45,000円くらいのレンジに収まっている。より細かく見ると、比較的容量の小さな100〜120Lクラスのモデルが35,000〜37,000円くらいのレンジ、それより大きな130〜140Lクラスのモデルが40,000〜45,000円くらいのレンジに二分されているようだ。

ちなみに記事執筆時点で、最も安い価格を付けているAQUAの「AQF-SF11N」(庫内容量105L)は、人気でもNo.1だが、32,000円くらいから買える低価格なうえ、横幅36cmというスリムボディが人気の理由。次に人気の三菱電機「MF-U12H」(庫内容量121L)は、AQUAやハイアールといった中国資本メーカーのモデルよりはやや高いが、コンプレッサーの安定性や静音性といった理由から選ばれる傾向にあるようだ。

冷凍庫を選ぶポイントだが、特にこれらの小型モデルの場合、小型冷蔵庫を選ぶポイントと同じで、庫内容量・設置面積の大きさと、コンパクトモデルでは比較的弱点となりやすい静音性・消費電力を確認するようにしたい。

コレ買っときゃ間違いない! 価格.com編集長が今注目する冷凍庫5選

※最安価格とユーザー満足度・評価は、いずれも2024年7月3日 時点のものです。

三菱電機「MF-U12H」

MF-U12H

価格.com最安価格:37,400円
発売日:2022年11月18日発売
ユーザー満足度・評価:★4.65(9人)
庫内容量:121L

三菱電機の小型冷蔵庫。庫内容量は121L。幅は48cmとこのクラスでは比較的大きめだが、静音性にすぐれ、約23dBという運転音の静かさを実現した。庫内は4段のケースで冷凍食品を分類しながら保存でき、そのうえに急速冷凍にも対応するアルミトレイを備える。ただし、年間消費電力は400kWhとやや高めだ。ボディカラーは、ブラックとホワイトを用意する。

三菱電機「MF-U14H」

MF-U14H

価格.com最安価格:44,600円
発売日:2022年11月18日発売
ユーザー満足度・評価:★4.43(4人)
庫内容量:144L

上記「MF-U12H」の庫内容量をワンサイズ大きくしたモデル。基本的な設計や性能は「MF-U12H」と同じで、庫内容量が大きい分、ケースも5段になっている。性能・静音性ともにすぐれた製品だが、年間消費電力は455kWhとやや高めだ。

シャープ「FJ-HF13H」

FJ-HF13H

価格.com最安価格:41,812円
発売日:2022年2月発売
ユーザー満足度・評価:★4.52(9人)
庫内容量:126L

シャープの冷凍庫製品の中では最も大きな庫内容量126Lのモデル。幅は49.5cmと比較的大きめだが、年間消費電力は338kWhと比較的低めだ。庫内は4段の引き出しボックス+急速冷凍対応のトレイで構成され、冷凍モードのほか冷蔵モードでの運転も可能となっている。プラズマクラスター機能を搭載し、庫内の除菌・消臭に期待できる点も特徴的。なお、左右どちらにも開ける「つけかえどっちもドア」に対応するので、置き場所を悩む心配もない。

AQUA「AQF-SF11N」

AQF-SF11N

価格.com最安価格:32,000円
発売日:2023年5月18日発売
ユーザー満足度・評価:★4.00(2人)
庫内容量:105L

横幅36cmというスリム&トールボディが特徴の冷凍庫。すでに生産終了しており、後継モデルとして「AQF-SF11P」が発売されているが、価格差が大きいため、こちらのほうがお買い得だ。庫内には4段の引き出しボックスが装備され、最上段には大きめの食品を入れやすいトレイが用意される。105Lと庫内容量はやや小さめだが、スリムボディで設置しやすい点は大きな魅力。なお天面は耐熱仕様ではないので、電子レンジなどは置けない。

ハイアール「JF-NUF107A-W」

JF-NUF107A-W

価格.com最安価格:35,479円
発売日:2023年11月1日発売
ユーザー満足度・評価:★5.00(1人)
庫内容量:107L

庫内容量107Lのコンパクト冷凍庫。ただし横幅は45cmとやや大きめだ。庫内には4段の引き出しボックスが装備され、最上段には大きめの食品を入れやすいトレイが用意される。冷凍モードのほか冷蔵モードでの運転も可能。冷凍モードは4段階設定でき、急冷凍にも設定できる。年間消費電力が240kWhと低いのも特徴で、省エネ性はダントツだ。

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鎌田 剛(編集部)
Writer
鎌田 剛(編集部)
1996年にソフトバンクにて複数のパソコン情報誌の編集・立ち上げに携わった後、2002年にカカクコム入社。2006年「価格.comマガジン」を創刊。以降、編集長としてメディア運営に携わる。日経MJにてコラム連載、ラジオ出演なども幅広く行う。家電製品アドバイザー資格保持者。
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北島圭介(編集部)
Editor
北島圭介(編集部)
出版社で10数年、編集者として経験を積み、2022年にカカクコム入社。家電製品から文房具など、さまざまな商品を検証するモノ雑誌の編集経験を生かし、価格.comマガジンで生活家電を中心に気になる製品をレビューしている。
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