デロンギの全自動コーヒーマシンに、コールドブリュー(水出しコーヒー)機能を搭載した新モデル「エレッタ エクスプロア Wi-Fiモデル」が登場しました。水出しコーヒーは抽出に時間がかかりますが、本製品はわずか5分で完成。ミルクなどを自動で泡立てる技術「ラテクレマ」も搭載しているので、コールドブリューでのミルクメニューも楽しめます。
今回の新モデルは、2013年に発売された「エレッタ エクスプロア(ECAM45055G)」の上位機種という位置付け。ホット用とアイス用の「ラテクレマ」やコールドメニューなど、「エレッタ エクスプロア」ならではの基本的な構造や機能は共通ですが、コールドブリューをはじめとする新メニューが追加されたほか、自分好みにカスタマイズしたエスプレッソが淹れられる「ビーン・アダプト・テクノロジー」が搭載されました。
新モデル「デロンギ エレッタ エクスプロア Wi-Fiモデル 全自動コーヒーマシン(ECAM45086T)」。サイズは260(幅)×450(奥行)×385(高さ)mmで、消費電力は1,450W。市場想定価格は348,000円(税込)で、2024年9月3日発売予定です
デロンギの全自動コーヒーマシンは12機種あり、このうち8機種が自動ミルク泡立て技術「ラテクレマ」を搭載しています(2024年8月19日時点)。ただし、「ラテクレマ クール」(アイス用の自動ミルク泡立て技術)やコールドメニューを搭載しているのは「エレッタ エクスプロア」のみ。豆を挽くところから全自動で冷たいコーヒーやミルクメニューを楽しみたいなら、「エレッタ エクスプロア」の2機種から選びましょう。
充実した機能を搭載した「エレッタ エクスプロア」はデロンギの全自動マシンの最上位グレードです
「ラテクレマ」を使うときにはミルクコンテナを本体に取り付けますが、ホットメニューとコールドメニューではミルクの温度や泡を作るためのスチームの出し方などが異なるため、ホット用とコールド用のミルクコンテナが用意されています
「エレッタ エクスプロア」はメニューがアイコン表示で、液晶パネル部もタッチ操作に対応。直感的に操作できます
新モデル「ECAM45086T」の注目ポイントは、デロンギ初のコールドブリュー(水出しコーヒー)機能。コールドブリューはお湯ではなく水で抽出するため、通常なら12時間ほどかかりますが、「ECAM45086T」は1杯分の抽出が約5分で完了します。これほど短時間で抽出できるのは、圧力をかけているから。ただし、苦味や酸味が出ないように圧力は最小限に抑え、水は常温のまま使用。わずかな圧力をかけながら、ポンプで水を少しずつ注いで徐々にコーヒーを抽出する「コールド エクストラクション テクノロジー」により、約5分という短い時間ながら香り高く爽やかですっきりとしたコールドブリューが楽しめます。
コールドメニューの中にある「コールドブリュー」をタッチすると、コーヒーの濃さを「オリジナル」と「濃い目」で選択する画面が表示されるので、好みのほうを選びましょう。「オリジナル」と「濃い目」ではコーヒー豆の使用量が約15%変わるそうです
「コールドブリュー」は少しずつ水を注ぐ抽出方法なので、ポタポタとコーヒー液が出てきます(下の動画参照)
完成したコールドブリューコーヒー。酸味や苦味は感じませんでしたが、コーヒーの香りや風味はしっかり感じられ、後味が爽やか。これは、水のようにゴクゴク飲めちゃいそう
「アイスコーヒー」メニューで淹れたアイスコーヒー(写真左)と「コールドブリュー」(写真右)を比べてみました。「アイスコーヒー」は約9気圧の圧力をかけながら抽出するため、圧力をほぼかけず、常温の水で抽出した「コールドブリュー」のほうが、透明感があります。アイスコーヒーのほうが酸味や苦味は強く、シャープな印象
なお、「エレッタ エクスプロア」には、「コールドブリュー」メニューと「アイスコーヒー」メニューのほかに「エスプレッソ オーバーアイス」「アメリカーノ」というアイスコーヒー用のメニューが搭載されています。好みや気分に合わせてメニューを選ぶだけで、味わいの異なるブラックアイスコーヒーが楽しめるのも魅力。
▼「エスプレッソ オーバーアイス」
「エスプレッソ」と同じく9気圧の圧力をかけて抽出しますが、氷が溶けても薄くならないようにホットの「エスプレッソ」よりも濃く抽出される設定にしているそう。
▼「アメリカーノ」
9気圧の圧力をかけて抽出したエスプレッソにお湯を追加する淹れ方。雑味の少ないアイスコーヒーが楽しめます。
▼「アイスコーヒー」
「エスプレッソ」よりも低めの温度で抽出し、使用するコーヒー豆の量も若干少ないため(初期設定値)、「エスプレッソ」をアイスコーヒーにするよりもすっきりとした風味に仕上がります。
通常の「コールドブリュー」に加え、コールドブリューをベースとした新メニューを搭載。最大6杯までのコールドブリューを抽出できる「コールドブリュー コーヒーポット」、コーヒーカクテルなどのベースとして使える濃縮したコールドブリューが淹れられる「コールドブリュー To Mix」、そして、コールドブリューに「ラテクレマ クール」で泡立てたミルクなどを加える「コールドブリュー ラテ」と「コールドブリュー カプチーノ」が用意されています。
ふわふわのミルクやカクテルなどと一緒にコールドブリューをたっぷり堪能できます
短時間で抽出できるとはいえ、「エスプレッソ」などと比べると「コールドブリュー」の抽出時間は長いので、複数人にふるまうときは「コールドブリュー コーヒーポット」を使うと便利。最大6杯までの量を、1杯ずつ豆を挽いて抽出します
せっかくなので、コールドブリューを使ったミルクメニューを試飲してみましょう。なお、「ラテクレマ クール」では20度くらいの温度でミルクを泡立てます(「ラテクレマ ホット」は60〜65度の温度で泡立てます)。
「ラテクレマ クール」用のミルクコンテナをセットし、「コールドブリューラテ」を作ります。なお、「ラテクレマ クール」では普通の牛乳は使用不可。無脂肪牛乳(乳脂肪分0.5%未満)や植物性ミルク(豆乳、アーモンドミルク、オーツミルク)の使用が推奨されています
スチームミルクが注がれた後、少量ずつ淹れるコールドブリューの抽出が始まります。そして、仕上げにフロスミルクを注いで完成
すっきりとした味わいのコールドブリューにミルクを加えると、コーヒーの味が薄れるのでは? と心配していましたが、ちゃんとコーヒーの風味はあります。きめ細やかな泡のミルクは甘みが引き出され、とてもまろやか
デロンギの全自動コーヒーマシンはコーヒー豆の挽き具合や量、抽出温度などを変更できますが、「ECAM45086T」にはコーヒー豆のポテンシャルを最大限に引き出しながら、もっと手軽に好みのエスプレッソに近づける設定を導き出す「ビーン・アダプト・テクノロジー」が新たに搭載されました。専用アプリ「Coffee Link」を使って設定するため、スマートフォンなどとWi-Fi環境が必要です。
この機能は、アプリ上で使用しているコーヒー豆や焙煎レベル、挽き具合を選択するとテイスティング用の1杯が抽出されるので、その味わいの感想をアプリで答え、おすすめの設定を提案してもらうというもの。提案された設定を保存すると、本体の「エスプレッソSOUL」メニューに保存されるので、次回以降はアプリの「ドリンクメニュー」または本体の「エスプレッソSOUL」メニューから、自分好みにカスタマイズされたエスプレッソを抽出できます。
現在使用しているコーヒー豆の種類や焙煎レベル、挽き具合をアプリで選択します
試飲用のエスプレッソを抽出する画面が表示されるので、本体にカップをセット。アプリの「OK」をタップすると抽出が始まります
抽出されたエスプレッソを試飲し、アプリで感想を選択。その感想に基づき、最適な設定を提案してくれます。この後、粒度設定の調整を提案する表示が出た場合は、本体のグラインダー位置を変更しましょう
アプリで設定を保存すると、本体に搭載された「エスプレッソSOUL」メニューにもその設定が記録されます
「ECAM45086T」に搭載されているメニューは、コーヒーメニュー(ホット)が「エスプレッソ」「エスプレッソ×2」「スペシャルティ」「カフェ・ジャポーネ」「ドッピオ+」「アメリカーノ」「コーヒーポット」「エスプレッソSOUL」の8種類で、コーヒーメニュー(コールド)が「アイスコーヒー」「アメリカーノ」「コールドブリュー」「コールドブリュー To Mix」「エスプレッソ オーバーアイス」「コールドブリュー コーヒーポット」の6種類。
そして、ミルクメニュー(ホット)が「カプチーノ」「カプチーノ+」「カプチーノMIX」「ラテマキアート」「カフェラテ」「エスプレッソマキアート」「フラットホワイト」「コルタード」「ミルク」の9種類で、ミルクメニュー(コールド)が「カプチーノ」「カプチーノMIX」「ラテマキアート」「カフェラテ」「フラットホワイト」「ミルク」「コールドブリューラテ」「コールドブリューカプチーノ」の8種類。このほか、4段階の温度設定でお湯が出る「お茶メニュー」も搭載しています。
「ToGo(テイクアウト)」メニューも引き続き搭載。トレイの中央部が可動する仕様になっているので、その部分を上げれば、高さ16cmまでのタンブラーをセットし、タンブラーに直接抽出できます。抽出量は、タンブラーのサイズに合わせて「小(235mL)」「中(355mL)」「大(473mL)」で設定可能。新モデルにはタンブラーが付属します