今、実は「お白湯」がブームなんだとか。身体を温めるのによく、お茶と違ってカフェインなどが入っていないため身体に負担が少なく、“温活”やらアンチエイジングやら……まぁザックリまとめて、健康意識の高い人はお白湯飲んでいるよ、ということらしいです。
そういうこともあって、昨今ではお白湯専用マグカップ(お白湯の適温を保つ保温マグ)や、お白湯専用電気ケトルなんかも発売されているほど、お白湯ギア界隈がアツくなっているわけです。文字どおり。
今回はそんな中でも、実は長年のお白湯愛好家である自堕落王(ジダラキング)こと筆者が最近やたらと気に入っている、「本格白湯モード」搭載の新しい電気マグケトルを紹介したいと思います。
健康意識が高い人は、的な前フリで言うのも恥ずかしいんですが、実は筆者、ここ10年ぐらい、めっきりお白湯派でして。
それまではコーヒーだのお茶だのを1日に10杯以上もガブガブ飲んでいたんですが、あるときふと思い至ってお白湯にしてみたら、「味がないの、やさしくていいわ……」と妙に染みちゃったんです。
どうやら口と舌がコーヒーなどの味にすっかり疲れていたらしく、お白湯の味のなさが逆によかったみたい(胃にやさしいのもありがたい)。
以降ずっとお白湯関連商品に目を配っていたんですが、そこでピンと来たのが、サンコーの「本格白湯も飲み物も『沸かして飲めるマグケトル』」(以下、「沸かして飲めるマグケトル」)です。
いわゆる、お湯が沸かせてそのまま飲めるマグカップサイズの電熱ケトルなんですが、気になるのが、製品名に「本格白湯」って入っているところ。なんなんだ、本格白湯。そして製品概要を見ると「本格白湯モード付き」ですよ。なんなんだ、本格白湯モード。
お白湯好きに今最も知ってほしい、サンコー「本格白湯も飲み物も『沸かして飲めるマグケトル』」
まず特徴的なのが、加熱部(ベース)とマグカップが別体になっていること。従来の電熱湯沸かしマグケトルは、マグカップに直接電源ケーブルを差し込んで給電するタイプがほとんど。ですが、それだと飲むときにいちいちケーブルがじゃまになっていたんです。
最大のポイントは、加熱部とマグが分離できること。湯沸かしマグケトルとしてはとてもレア
電気保温ができる電熱マグカップならこういった別体タイプもありましたが、湯沸かしまではできないものが多い。つまり、沸騰まで可能な別体タイプの電熱マグケトルは、それだけで価値ありと言えるわけ。
ケーブルを気にせずにマグを持ち上げて飲めて、ベースに戻せばそのまま保温が続く。これはすごく使いやすい!
飲むときはマグを加熱部からヒョイと持ち上げるだけでよく、マグを戻せば元のモードに合わせて再加熱(保温)されます
使い方は、まず水をマグカップに最大300mLまで注ぎ、加熱部に乗せます。
次に右側の操作ノブを回して「45度保温・55度保温・60度保温・沸騰・沸騰後3分煮沸(煮出し)・沸騰後10分煮沸(本格白湯)」のモードセレクトを行い、最後にノブを押し込むと、ピッという音とともに加熱が始まります。
はい出ました。この「沸騰後10分煮沸」というのが、例の本格白湯モードです。
モードを選んだら、ノブを押し込んで加熱スタート
水道水をダイレクトに沸かすと、やはり残留塩素などの不純物が気になるところ。そこで沸騰してから10分の煮沸を行うことで不純物を取り除き、おいしいお白湯が飲めるというのが、このモードの重要なポイントなんです。
さらに、お白湯の飲み頃温度は60度。本格白湯モード・煮出しモードは、煮沸が終わると自動的に60度保温に切り替わる(表示は元のモードのまま)ので、ただ放置しておくだけで勝手においしい本格派のお白湯を飲み続けられるという仕組み。
沸かすときは蒸気口付きの専用のフタを使いましょう
300mLの水を沸騰させる(約10度→100度)まで8分ちょっと。電気ケトルとしてはちょっと時間がかかるなという印象です
そして実際、ただ沸騰させただけのお白湯と10分煮沸の本格白湯を飲み比べると、確かに味が違う!(気がする)
本格白湯のほうが、よりクリアで無味。しみじみと「味がなくてやさしい……」と感じられる一杯になっていました。
もちろん、ただお白湯を淹れるだけであれば、普通にキッチンのコンロで沸かせばいいだけ。「沸かして飲めるマグケトル」の最大の利点は、机から移動することなくずっとお湯が沸かせるということなんです。
眼鏡を曇らせながら飲むお白湯、冬の醍醐味ですね
お白湯であれば、たとえばデスク脇に水のペットボトルを置いておき、飲みたいなと思ったらマグケトルに注いで沸かせばOK(不純物の心配がないので、60度保温モードで温めるだけでもよし)。椅子から立ち上がっての移動は一切生じません。
ペットボトルの水があるかぎり、キッチンまでお湯を沸かしに行く手間はなし。快適
もちろんお白湯じゃなくても、水さえあればインスタントコーヒーでも紅茶でもなんでもこいって話ですし。
お弁当のお供としてインスタント味噌汁やスープのたぐいも作れて、保温があるからずっと温かいままで飲めます。これは助かる。
フリーズドライのスープなどをストックしておくと、ちょっと空腹のときに助かります
あと、お白湯以外でこの冬におすすめしたいのが、麦茶のホット。ノンカフェインかつ胃粘膜の保護効果があり(=胃にやさしい)、しかも意外とおいしいんです。
こちらはコンビニで麦茶のペットボトルを買ってきて、60度保温モードでじんわり温めてください。沸騰させる必要はありません。
今お白湯と並ぶマイブーム、ホット麦茶。60度保温でずっとウマい
この「沸かして飲めるマグケトル」を1か月以上毎日がっつり使っているんですが、機構的によくできているなと感じたポイントがいくつか。
たとえば、従来の湯沸かしマグケトルだと、沸騰させた直後は本体がカンカンに熱くなっているので、そのまま口を付けてダイレクトに飲むというのはまず不可能でした。
対してこちらは飲み口部分に樹脂製の熱くなりにくい飲み口カバーがセットされているので、沸かしたてのお白湯もダイレクトにマグから飲めるんです(ただし口中の火傷には注意)。
この飲み口カバーは取り外しもできるので、お白湯専用にしている場合は、飲み口だけ外して洗っちゃえばそれで片付けが終わります
マグカップ自体を洗いたい場合は、普段はフタに装着されている防水キャップをマグの底部に付け替えることで電気周りをカバーして、丸洗いが可能になります。さすがに食洗機には対応していませんが、洗剤とスポンジで普通に洗えるのは便利でした。
ちなみに、フタ・防水キャップ・飲み口カバーは食洗機対応です。今までにも複数メーカーの湯沸かしマグケトルを使ってきましたが、ケアに関しては間違いなくこれがいちばん楽でした。
マグそのものを丸洗いしたいときは、フタ上部の防水キャップを底面に付け直します
これで丸洗いOK。別体構造だからこその便利さです
あと、本当にささやかな気遣いポイントなんですが、ノブで操作する際や沸騰を知らせる際に鳴るピーッという電子音が加熱部の底部にある切り替えスイッチ(音量大/小)でボリューム調整できます。
在宅ワークなど1人仕事なら問題ないですが、周囲に人がいるオフィスだと、あまり大きな音でピッピと鳴られるのは困っちゃうし。これは助かると感じる人、多いのでは? ほかのマグケトルでは見たことのない、ユニークな機構だと感じました。
地味だけど気遣いを感じる音量切り替え
さすがにちゃんとしたドリップコーヒーなどは難しいですが、お白湯、日本茶、紅茶、インスタントのスープやフリーズドライ系のホットドリンク類は、基本的にお湯が沸かせればOKなわけで。つまり、これと水のボトルさえあれば、机にいながらほぼ無限に温かい飲み物が生成できるということになります。それは、どう考えても便利でしょう。
なにより、加熱部とマグが別体になっている構造のおかげで、普通のマグカップと同じ感覚で飲めるのが、とにかく便利でした。
デスクワークしながら温かい飲み物が欲しい人は、およそ買って損なしでしょう。