日々、さまざまな生活家電をウォッチしている筆者が見つけた、気になる製品の「おっ!」と思ったポイントを紹介。
今回は、無水調理が楽しめるホットプレート「デイリーコンパクトプレート」を取り上げます。
一見すると、すき焼きなど汁気の多い料理も作れる普通の深型ホットプレートですが、「デイリーコンパクトプレート」は「無水調理」に対応しているのが特徴。無水調理は食材から出る水分を閉じ込める必要があるため、一般的なホットプレートにふたをしただけではできません。
そこで「デイリーコンパクトプレート」は、ある程度重いアルミダイキャストのふたを採用し、ふたと本体の間に水の膜ができる「ウォーターシール」を作り出してしっかり密閉。さらに、ふたの裏側にリブを設け、食材から出た水分をプレート全体に還元しながら加熱することで素材本来の旨みと栄養が凝縮された無水調理を実現しました。
ふたの重量は約600gと、一般的なホットプレートのふたと比べると結構重いです。でも、気密性を高めるためにはある程度重量も必要だから仕方ない
サイズはファミリー向けのホットプレートより小さめ。「深なべ」使用時のサイズは355(幅)×260(奥行)×175(高さ)mmと、2人で使うのにちょうどいいくらいです。
無水調理をするときに使用する「深なべ」は表面にはフッ素コートが施されています
無水カレーを作るために材料を入れた状態。深さが約5.5cmあるので、結構たっぷり入ります。面倒なので具材を大きめにカットしてしまいましたが、小さめのほうが後々楽です(でも、大きくカットしてもおいしく作れました)
火力調節ダイヤルを「HI」にあわせて、なべとふたの間から蒸気が出たら「WARM」(保温)に変更。今回、蒸気が出るまで10分強かかりました。後は、火が通るまで「WARM」で煮込みます
途中、ふたを開けて火の通りを確認しつつ煮込み時間を調整。20分くらい煮込みましたが、火力が「WARM」なので吹きこぼれることはありませんでした。煮込み時間は少々かかりましたが、待っているだけなので、みじん切りにするよりずっと楽(具材を小さくカットしておけば10分くらいで火は通るようです)
具材に火が通ったら、カレールウを入れます。象印の公式サイトにあるレシピには「粗く刻む」と記されていましたが、面倒なのでそのまま投入。ルウが溶けやすくなるように、もう一度ふたをしてちょっとだけ煮込みました
お玉などで混ぜてルウを溶かします……が、混ぜにくい。具材を大きめにカットするならルウは刻むか、粉砕した状態で商品化されているルウを使うほうがいいでしょう。また、具材を細かくカットしておけば、もっと楽に混ぜられたと思います
でも、少々時間がかかっても混ぜていればルウは溶けるもの。公式サイトのレシピとは異なる方法で作りましたが、無水カレーが無事完成。無水調理らしい野菜の旨みをしっかり感じる仕上がり。一度に作れる量は、たっぷり盛り付けると3杯くらいです(筆者は少なめに盛り付けたので5食分になりました)
元々、無水カレーが大好きなこともあり、「デイリーコンパクトプレート」で無水カレーは4回ほど作りました。火加減を切り替えるタイミングをミスらなければ吹きこぼれや焦げ付きなく作れるのがいい
「深なべ」は無水調理だけでなく、煮物や鍋にも対応。コンパクトながら深さと長さがあるので、結構幅広く使えます。
無水調理として紹介されているレシピ(非公式)を参考に作った、白菜と豚バラ肉のミルフィーユ。出汁を少々入れましたが、水は入れていません。「HI」で加熱し、蒸気が出たら「WARM」に切り替えて煮込むだけです。白菜が甘く仕上がるので、この料理も頻繁に作りました
普通の鍋も作れます。途中で食材や出汁を追加しましたが、再加熱も早い印象
長さがあるのでパスタを折らずに茹でることも可能
「デイリーコンパクトプレート」には「深なべ」のほか、「平面プレート」「たこ焼きプレート」が付属するので、鍋や煮込み料理だけでなく、焼き肉など幅広い料理が楽しめます。
コンパクトなホットプレートのプレートは薄いものも多いですが、「デイリーコンパクトプレート」のプレートは厚みがあります。通常サイズのホットプレートのプレートをコンパクトにしたような感じ
プレートが複数枚あるとかさばりそうですが、重ねて収納できるので意外と場所はとりません。収納時のサイズは355(幅)×260(奥行)×205(高さ)mm。ふたはアルミダイキャスト製で、プレートにも厚みを持たせているため総重量は6kgとわりと重めです
「平面プレート」を使って焼き料理もしてみました。無水調理や鍋をしたときにも感じていましたが、焼き料理では、立ち上がりの早さやハイパワーをより実感。特に、市販の冷凍焼き餃子を焼いたときはプレート温度のムラの少なさや温度制御の優秀さに驚きました。
市販の冷凍焼き餃子のパッケージには、ガス火やIHのコンロでフライパンを使った方法しか記されていませんが、この作り方に沿って焼いてみました
凍ったままの餃子を「平面プレート」に並べます。プレートの表面は凹凸のあるダイヤカットディンプル仕上げで焦げ付きにくいそうなので、油はひきませんでした
作り方には、ふたをして中火(IH調理器の場合は800〜1,000W)で約5分と記されていたので、中間の火力「MED」にしてみました。最大消費電力が1,100Wなので、きっと「MED」でいけるはず
5分経ったらふたを外し、羽根に色が付くまで焼きます
途中、ヒートランプ(火力調節ダイヤル部にある赤く点灯するランプ)がついたり消えたりしますが、これは温度調節しているため。温度をセンサーで検知し、マイコンで制御しています
4分くらいで羽根の部分が結構いい焼き色になりました。作り方に載っている写真はもう少し濃い焼き色ですが、プレートが高温のまま水気のない状態が続いたからか、安全機能が作動して加熱がオフになったため、ここで焼きはストップ
餃子の焼き色を確かめてみると、端っこに置いたものも中央のものも同じような焼き上がり。プレートの温度は比較的均一な印象です。いい色に焼けていますが、プレートにこびり付いて取りにくい部分もありません。パッケージの作り方に沿って作れたので、コンロ+フライパンのような感覚で使えると言えそう
プレートの側面や四隅までしっかり熱が伝わるのは、U字型ではなく波型に3往復したヒーターを配置したのがポイント
焼き肉もしてみましたが、これもいい仕上がりです。素早く火が通るのでお肉が硬くならず、表面はこんがり。いつもよりおいしいかも! 何回も繰り返して焼きましたが、プレートの温度が戻るまでの時間も早いので焼き上がりは安定しています。「平面プレート」も深さが2.8cmあるので、油の飛び散りが少ないのもいいところ
「平面プレート」は「遠赤トリプルチタンセラミックコート」を施した3層構造。丈夫な造りなので、長持ちするそう。金属ヘラが使えるのもうれしいポイントです(先端や鋭利な金属ヘラは使用不可)。
ちなみに、「たこ焼きプレート」も試しましたが、プレートの温度ムラは少ないと思います。
四隅から中央まで均一な焼き上がり
なお、「たこ焼きプレート」には区切り線が付いているので生地がカットしやすく、たこ焼きの大きさが揃えやすいです
2022年に初期モデルが発売されたときからずっと使いたいと思っていたので期待が高まっていましたが、実際に使ってみると期待以上。無水調理ができる点がいちばん気に入っていますが、焼き物や煮込み料理の仕上がりもよく、火力が足りない、焼きムラが多いといった不満を感じなかったのもよかったです。「それって普通のことでは?」と思われるかもしれませんが、意外とホットプレートは基本性能に差があり、特にコンパクトタイプはそうした差が大きい傾向。その点、「デイリーコンパクトプレート」は安心して選べます。
プレートやふたが洗えるだけでなく、本体ガードも洗えます(ヒーター部は水洗い禁止)
基本性能が高いと使用中のストレスが少なく、自然と使用回数が増えるはず。いろいろな料理が楽しめるホットプレートは数あれど、無水調理にも対応しているのは珍しいので、この点が気に入ったという理由で選んでも満足できるでしょう。
価格.comの「ホットプレート」カテゴリーの人気売れ筋ランキングで常に上位にランクイン(2025年2月18日時点)。2023年に発売されてから時間が経ってもなお上位に入っているということはそれだけ評判が高いということなので、選んで間違いない製品だと言えます