新製品レポート
「スチーム」と「温度制御」で外はカリッ、中は水分たっぷり!

食べてきた! バルミューダから、“究極にこだわった”「トースター」誕生

“高級扇風機”という新しいカテゴリを作り出したバルミューダが、2015年5月27日、新たにキッチン家電カテゴリに参入することを発表した。キーワードは「Hello Kitchen!」。その第一弾となる製品「BALMUDA The Toaster」のお披露目&試食会が、東京・代官山で開催された。

「BALMUDA The Toaster」は、スチーム機能と緻密な庫内温度制御により“究極にこだわった”美味しいパンが焼けるというオーブントースター。同社いわく、性能や機能だけでなく、“気持ちよさや心地よさ、美しさ”などの数値で計れないものを大切にして開発した“まったく新しい“究極のトースター”なのだという。

これまで、革新的な製品で大きな話題をさらってきた同社の製品だけに、機能や性能はもとより、そのすべてが気になるところ。はたしてどのようなトースターなのか。発表会の様子をまじえながら、機能や性能、そしてその味を紹介しよう。

「BALMUDA The Toaster」の開発経緯などを語る同社代表取締役社長 寺尾玄氏。「家電の役割は“よい体験”を提供すること。そんな中注目したのは、五感をすべて使う“食べる”という行為だった」と説明した

本体カラーは、ブラックとホワイトの全2色。サイズは、いずれも357(幅)×209(高さ)×321(奥行)mm。重量は約4.3kg。価格は22,900円(税別)。美しいデザインがバルミューダらしい

独自の「スチームテクノロジー」で表面と中身の食感のコントラストを実現

トースターの開発に着手したきっかけは、寺尾氏が10代の頃、一人旅の旅先であるスペインで出会った1切れのパン。不安と緊張と寂しさの中、やっとたどりつた街のパン屋さんでどうにか買って食べた小さなパンのその美味しさが忘れられなかった。“毎日食べているこのトーストも、あのパンのようにもっと美味しくなれはず”と、日々思っていたのだという。“あのパンを食べたい!”。この思いのもと、こだわりにこだわり抜いて生み出されたのが、この「BALMUDA The Toaster」なのだという。

「BALMUDA The Toaster」には大きな特徴が2つある。まず、その1つが、独自のスチームテクノロジーを採用している点。トーストの前に本体に備えられた給水口に小さじ1杯分の水を注ぐことで、ボイラーを伝わってトースター庫内をスチームが充満し、パンの表面が薄い水の膜で覆われる。水分は気体よりも速く加熱されるため、パンの表面だけが軽く焼け、水分はそのまま中に閉じ込められる。これが、「外はカリッ!中は水分たっぷり」のパンが焼ける秘密だという。

トースターとしては珍しいスチーム機能を搭載した「BALMUDA The Toaster」。トースト前に、付属の計量スプーン(小さじ1杯)で5ccの水を本体に投入する

完璧な「温度制御」で表面が焦げず、中がしっかり温かいパンが焼ける

もう1つの特徴は、温度制御を徹底している点だ。スチームによってパンの表面に水分の膜ができても、そのまま焼いていくと焦げてしまうという。そこで注目したのが、パンを焼く際に重要な“3つの温度帯”だ。1つは、パンのやわらかさと風味がよみがえる60度前後、2つ目は表面がきつね色に焼け始める160度前後、そして3つ目が、焦げ付きが始まる220度前後。パンの種類にあわせてこの3つの温度帯を制御することで、“究極にこだわった”パンが 焼けるようになっているのだという。

白いパンが、焼かれて茶色く変わる160度前後の温度帯では、「メイラード反応」という反応がおこる。この温度帯でたくさんのパンのうまみ成分が生まれ、ローストナッツのような香ばしいよい香りが発生。この時間をしっかり作り、最後に、パンが焦げ始める温度220度帯寸前まで温度をあげて焼きあげることで、最高のトーストが出来上がるのだそうだ。この絶妙な制御をするために、1秒ごとに温度を計測。上下のヒーターは、付いたり消えたりを繰り返す仕組みになっている。

グラフ上部の上下ヒーターの動きをみると、温度制御のために付いたり消えたりを繰り返し、細かく徹底して温度制御をしていることがわかる

「スチームと完璧な温度制御で“世界一のトースト”になる」と語る寺尾氏。実験を繰り返し、製品化までに焼いた食パンの枚数は5,000枚をこえているという

緻密な温度制御機能により、点いたり消えたりを繰り返すヒーター。寺尾氏いわく「このような緻密なプログラミングはトースターとしてありえない」とのこと

寺尾氏イチオシの「チーズトースト」など、5つのモードを搭載

普通の食パンと上に具材が乗っている食パン、高さのあるフランスパンやクロワッサンなどは、それぞれ、中が温まり温度や表面が色づき始める温度が異なるため、専用のモードを用意。「トーストモード」「チーズトーストモード」「フランスパンモード」「クロワッサンモード」と、スチームを使わない冷凍食品など向けの300/600/1300Wの「クラシックモード」の5つを搭載した。

ちなみに、寺田氏イチバンのこだわりは「チーズトーストモード」。スチームの力でチーズの表面をコーティングすることで、チーズに含まれた水分や油分を閉じ込め、これにより、外はカリッと香ばしく、中はトロっとしたチーズに仕上げることができるようになっているという。また、高さがあるクロワッサンやフランスパンも、それぞれのモードを選択することで、緻密な温度制御によりホテルの朝食で出るようなサクサク、ふわふわ感した食感に焼き上げることができるという。上部だけがコゲてしまうというあの失敗もないそうだ。

パンの種類ごとに専用のモードを用意

本体の天板にはモードごとの焼き時間目安が記されている

本体の天板にはモードごとの焼き時間目安が記されている

本体左下の「モード選択」ダイヤル。「トーストモード、チーズトーストモード、フランスパンモード、クロワッサンモード、クラシックモード(300W、600W、1300W)」を選択する

本体右下の「焼き時間選択」ダイヤルでは、「焼き時間選択」で時間を設定する

本体右下の「焼き時間選択」ダイヤルでは、「焼き時間選択」で時間を設定する

いよいよ実食! “パンの美味しさを極限まで引き出せるトースター”の実力は?

会場では、「BALMUDA The Toaster」を使って、目の前でトースト、チーズトースト、クロワッサン、フランスパンを焼くデモンストレーション&試食会も行われた。実機の感想や使い勝手とともに、トーストしたパンの味や食感を紹介していこう。

トーストをする前に、まずは5ccの水を付属スプーンで本体に投入。水を入れる給水口はドアを開けると出てくる仕様。使わない時にほこりが溜まることもなく衛生的だ

食パンなら2枚同時に焼くことができる。ヒーターは上下に1本ずつ装備。焼き上がりまでの時間は、2.5〜3.5分。写真ではわかりにくいのだが、給水した水は給水パイプをとおり、本体前面下部にある「スチーム噴出し口」から噴出されるようになっている

スチームにより、庫内は霞がかかったようになっている

スチームにより、庫内は霞がかかったようになっている

約3分後、トーストが完成! 焼きたてのトーストをその場で切ってあつあつのうちに試食。見るからに美味しそうなこんがり具合!

写真では伝えきれないのが残念。焼きあがったトーストは、文字どおり“外はカリッ、中はしっとりフワッ”! 会場内からは、あちこちから“おいしい!”の声が

次は「チーズトースト」。チーズ自体にも水分、油分がしっかり閉じ込められていてジューシーでトロトロ。下のパンもサクサク、ふわふわ! これ、かなりイケます! さすが“寺尾氏イチオシ”だけのことはある(笑)

高さのあるフランスパンやクロワッサン。従来のトースターではすぐに表面が焦げてしまうが、「BALMUDA The Toaster」では徹底した温度制御によって、表面が焦げることなくじっくり温められ、レストランで食べるようなパンに仕上がっていた

今回、4種類のトーストパンを試食したが、とにかく、文句なしに美味しかった。食パントースト、チーズトースト、フランスパン、クロワッサンのどれをとっても、外側のカリカリ感と中にたっぷり含まれた水分と油分がぎゅっと閉じ込められ、2つの全く異なる食感のコントラストが見事にあわさっていたと思う。

現在は、3〜5万円前後でトーストも焼けるスチームオーブンが登場している中、トースト機能のみを切り出した「BALMUDA The Toaster」が価格が2万円台というのはやや割高感があり、特定のこだわりをもった層が購入を検討するような“高級トースター”という印象は否めない。それでも、その一方で“世界一美味しいパンを焼く”ということに徹底してこだわったほかにない製品であることも否めない。毎朝、簡単な操作でアツアツ、フワフワの美味しいパンが食べられるということは、とても魅力的なこと。そのあたりをユーザーがどう判断するか。「BALMUDA The Toaster」が「GreenFan(扇風機)」のごとく、新たなカテゴリを確立する革命児となるのか、楽しみである。

鈴木 ゆり子(編集部)

鈴木 ゆり子(編集部)

旅行(主に中華圏)、ペット、お酒が大好きな編集部員。飲みの席で盛り上げるのが得意ですがたまに記憶をなくします。

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