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三菱電機「本炭釜」発売10周年記念モデルの“かまどごはん”がウマイ!

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炊飯器の平均単価が15,000円弱だった2006年に、内釜に純度99.9%の炭素材を採用した10万円前後の「本炭釜」を打ち出した三菱電機。高価格帯だったにもかかわらず、おいしさを求める層に高く評価され、約半年で生産台数1万台を突破するほどのヒットとなった。これを機に“高級炊飯器”と呼ばれる市場が誕生し、現在も人気を博している。

そんな「本炭釜」から、発売10周年を記念したモデル「本炭釜 KAMADO」が登場。内釜を羽釜形状にし、断熱構造を強化することで“かまど”で炊いたようなごはんを実現した。“かまどごはん”を再現した構造と味を発表会でチェックしてたきたので、お伝えしよう。

カラーは、プレミアムホワイトとプレミアムブラウンが用意されている。市場想定価格は12万円前後で、6月21日発売予定

「本炭釜」が誕生した2006年以降、炊飯器の単価は上昇。内食志向や食へのこだわりを持つ人は年々増えており、同社は炊飯器の出荷台数における高級クラスの構成比が10年前の約13%から2015年度には30%強になると予測している

かまど炊きを極める構造とは?

炊飯器で、各社が目指しているのは“かまどで炊いたごはん”。しかし、吹きこぼれを気にせず、直火で炊き上げるかまどを再現するのは容易ではない。そこで、三菱電機はかまど炊きがおいしいメカニズムを研究・分析し、要素を1つずつ再現して組み込むことで炊飯器で炊ける“かまどごはん”を実現した。その必要な要素とは、下の写真にある@沸騰を継続できること、A高温を維持できること、B直火のような大火力だ。それぞれを再現した仕組みを見ていこう。

かまど炊きがおいしい理由の1つに“1.0気圧で炊く”が挙げられている。これは、圧力をかけずに炊くということ。「本炭釜」は圧力式ではないので、この要素はクリアしている。@〜Bについては以降で解説

@連続沸騰で旨味を引き出す羽釜形状の内釜

かまどで使う羽釜にある羽の上の部分「上部空間」と、下の部分「加熱空間」では温度が異なり、それぞれ役割が異なる。かまど内に収まる加熱空間は、100℃を維持して米と水の旨味を引き出す場所。いっぽう、上部空間はかまどの外に出ていることから加熱空間よりも温度が低くなるため、沸騰時の泡や旨味の吹きこぼれを抑制してくれる。

炊飯器の内釜にも羽を備えるものもあるが、羽が内釜をセットする部分(かまど内)に収まってしまったり、最大炊飯量を炊くとごはんが羽を越えてしまうものが多々。これでは上部空間と加熱空間の温度差が小さくなり、狭い上部空間では吹きこぼれ抑制力が働きにくい。ゆえに炊飯器の場合、火力を弱めることで吹きこぼれを防止。つまり、激しい沸騰を維持することができない状態であった。「本炭釜 KAMADO」は内釜を羽釜形状にするとともに、かまど同様に上部空間がはみ出る構造を採用。さらに、従来モデルよりも上部空間を約63%拡大したことで、吹きこぼれを抑えながら連続沸騰できるようにした。

内釜をセットした際に上部空間がはみ出すようにすることで、加熱空間よりも上部空間の温度を低くすることができる

従来は最大炊飯量を炊くと上部空間に0.58Lしか空きがなかったが、「本炭釜 KAMADO」では0.95Lも余裕ができた。総体積も約13%大きくなっており、大火力でも吹きこぼさずに炊飯できる

A熱を逃がさない断熱構造

IH炊飯器の内釜は内釜自体が発熱するとは言え、効率的に高温を維持するためには熱を逃がさないことも重要だ。「本炭釜 KAMADO」は、従来から搭載されていた3mmの断熱材のほかに10mmの断熱材を追加した。さらに、かまどが羽部分で熱を漏らさないようにしている構造にならい、内釜の羽が触れる部分にも断熱のための工夫を施した。

内釜下部を囲むように、3mmと10mmの断熱材を配置

赤い部分は、密封性能を高めるための「熱密封リング」と称されるもので、このリングと内釜が密着することで断熱が強化される

従来モデルと炊飯中の本体温度を比較すると、「本炭釜 KAMADO」のほうがあきらかに低い。熱が外部拡散していないことがわかる

B大火力のために電力量UP

上で記した高断熱構造により本体の温度上昇も抑制できるようになったことから、炊飯時の火力を高めることが可能に。従来よりも火力が約28%向上したことで、玄米も約55分で炊き上げられるようになった。

強火を活用し、おこげの香ばしさを楽しめるモードも搭載された

強火を活用し、おこげの香ばしさを楽しめるモードも搭載された

では、「本炭釜 KAMADO」で炊いたごはんを食してみよう。用意されたのは、炊きたてのごはんと冷めたおにぎりだ。

お茶碗に盛られたごはんは炊きたてホカホカ状態ではなかったが、1粒1粒がしっかり膨らみ、艶やか。ハリがあるので、喉越しや食感はバツグンだ。甘みもしっかりと出ており、みずみずしさも十分。おにぎりのほうも口に入れると軽くほどけ、冷めるとより甘みが増すように感じた

一般的に炊飯器では、ごはんの粘りを重視すると食感が柔らかくなり、硬めの食感を優先するとパサついたごはんになりやすい。かまどで炊くと、この相反する粒感とみずみずしさをバランスよく両立することができる。つまり、かまどを再現した「本炭釜 KAMADO」なら、かまどごはんと同様の味わいを楽しめるという

ほかにもある! おいしさのヒミツと使いやすさ

ここまで「本炭釜 KAMADO」の最大の特徴である、かまど炊きを再現するための仕組みを解説してきたが、ほかにも用意されているおいしさを追及する機能を紹介しておきたい。また、使用時の負担を軽減する工夫も施されているのであわせてチェックしておこう。

適切に炊き上げられるモードを用意

米は銘柄によって吸水率などが異なるため、米の持ち味を引き出すためには個々に適した炊飯を行わねばならない。しかし、いちいち設定するのは面倒。そんな手間を解消してくれるのが「銘柄芳潤炊き」モードだ。銘柄を選べば、あとは炊飯器が最適な炊飯を行ってくれる。また、銘柄は指定せずに食感や粘りを細かく選びたい際に利用できる「炊き分け名人」モードも搭載。

銘柄が従来の20品種から23品種に増え、無洗米にも対応した

「炊き分け名人」モードは、水加減なしで硬さや粘りを炊き分けできる。選択した食感が、どんなメニューに適しているかが表示されるのも便利

手入れを容易にする構造に改良

これまでは、炊飯時に蒸気と一緒に上がってくるおねばや旨味を本体天面にあるカートリッジでキャッチし、蒸らし工程でごはんに還元していたが、「本炭釜 KAMADO」は羽釜の上部空間で吹きこぼれを抑制できるため、カートリッジを一掃。手入れは内蓋を取り外して洗うだけでOK。毎回の手入れがラクになった。

内蓋は、炊飯のたびに洗浄することが推奨されている

天面がフラットなので、拭き掃除もしやすい

天面がフラットなので、拭き掃除もしやすい

中村真由美(編集部)
Writer / Editor
中村真由美(編集部)
モノ雑誌のシロモノ家電の編集者として6年間従事した後、価格.comマガジンで同ジャンルを主に担当。気づけば15年以上、生活家電の情報を追い、さまざまな製品に触れています。
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