こんにちは、洗濯家の中村祐一です。3回に渡ってお届けしてきた「アイロンがけの楽しみ方」。最終回のテーマは、「困った時のお助けアイロン技」です。縮んでしまったニットやひざが出てしまったパンツ……誰でも1枚は持っているのでは? そんな洋服たちをよみがえらせることができるアイロン技をご紹介しましょう。ポイントはスチームの使い方です!
第1回 簡単・時短! 社会人ならマスターしたいワイシャツのアイロン法
間違った洗濯法でニットが縮んでしまうとショックですよね。そんな時は、たっぷりスチームを当てながら引っ張って伸ばして復活させましょう。
縮んでしまったニット。しわだらけなのに加え、裾などにゆがみも見られます
まずは袖から。スチームを全体に行き渡らせます
スチームの熱と湿気が残っている間に袖口から手を入れます。袖の中で手を開いて全体を伸ばしましょう
袖以外の部分は、アイロン台に着せ付けるようにして伸ばします
形を整えながらスチームを当て、縮んだ部分を伸ばしていきます
縮みがひどい部分は、ニットを軽く引っ張りながらスチームを当ててもOKです。力加減は縮み具合によって異なりますが、元のサイズになるくらいを意識しましょう
「スチームを当てる→引っ張る」を繰り返して完成。裾のゆがみも整いました
ニットの袖口は腕まくりをすることなどで伸びやすい部分。スチームを当てた後にぎゅっと握って元に戻しましょう。
袖口は人の目に入りやすい所でもあるので、こんな状態だとちょっと恥ずかしい……
袖口全体にスチームをたっぷり含ませます
3秒ほど握って固定しましょう
スチームアイロンで軽く押さえて形を整えます
すっきりとした袖口が復活しました。すぐに着ると形が戻ってしまうので、少し時間を置いてから着用してください
仕立てのいいパンツでも、ひざの部分の生地が“ぽこっ”っと出ているとだらしない印象に。これもスチームアイロンで緩和できます。
今回はポリウレタンの入ったストレッチ素材のパンツを使用しましたが、ポリウレタンは熱で変形しやすいので当て過ぎない様に注意。伸縮性のない素材でも同様の方法で直せます
伸びている部分の生地を寄せ集めてください
集めた部分の中心に向けてスチームアイロンを当てていくと、少しずつたるみがなくなってきます
その上からさらにたっぷりスチームを当てましょう
熱と湿気が残っているうちに余った生地を指で整えてならします
きれいになりました。この方法は、ひじ部分が伸びてしまったニットなどにも使えますよ
伸びたTシャツの衿は、スチームを当てた後に引っ張って伸ばしましょう。ポイントは、縦方向に伸ばすことです。
衿は顔に近い部分なので第一印象を左右することも。常にきれいな状態をキープしておきたい場所です
衿のよれはカットソーの編み目が横に伸びているのか原因。まずは広がっている部分をつまみます
つまんだ部分をめがけてスチームアイロンを当ててください
すぐに縦方向に軽く引っ張って、横に広がった編み目を元に戻します
Tシャツ全体がヨレヨレになっている場合は、糊付けするのもおすすめです
3回に渡ってアイロンがけの基本からお助け技までお話ししてきました。この記事を読んで、「アイロンがけがしたくなってきた!」と思っていただけたらうれしいです。きれいにアイロンがけをすると、くたびれ気味だった服が下ろしたてに近い風合いを取り戻したり、ファストファッションで購入した服が“高見え”したりすることも。「気に入っていたはずなのに、なぜか最近ときめかない」という服がクローゼットに眠っていたら、一度ていねいにアイロンがけをしてみるといいかもしれませんよ。