ビジネスでもプライベートでも、第一印象は見た目で決まる! 清潔感のある“デキる男”になるための身だしなみ術を、ヘアメイクアップアーティスト 田村俊人が指南します。今回のテーマは、好印象なまゆ毛の整え方。
化粧をしない分、男性の顔の印象はまゆ毛で決まるといっても過言ではありません。整った太いまゆは、それだけで清潔感と意思の強さを印象付けることができるからです。
女性のまゆ毛と違って、男性のまゆ毛に流行はありません。なので、基本的には清潔感があり、満遍なく毛が生えていれば十分です。むしろそれ以上のことをすると、わざとらしさが強調されてイメージダウンになる可能性も。なかには女性のようにアーチ型に整えている方もいますが、個人的にはそういったまゆ毛は働く男性にはふさわしくないと思っています。女性的でやさしい印象にはなるかもしれませんが、説得力を要するビジネスシーンでは、太めのしっかりとしたまゆ毛のほうが“デキる男”という印象を持ってもらいやすいのです。また、太いまゆ毛は小顔効果も期待できますよ。
自然に仕上げるコツは、自分のまゆの形を生かすこと。形を変えるのではなく、あくまで長さと形のバランスを整えます。眉頭や眉尻の位置の目安は、下の写真を参考にしてください。左右のまゆ毛の位置が違う場合は、どちらかに合わせようとするとどうしてもバランスが悪くなります。その場合は左右の中間を取りましょう。なお、現時点で抜いたり剃ったりしてしまっていて、自分のまゆ毛の形がわからないという方は、毛が生えてくるまでケアは我慢。生えそろってから行ってください。
眉頭は、鼻の穴と目頭の真ん中あたり。眉尻は、軽く微笑んだ時の口角と目尻を結ぶ線の延長線上に位置するのが理想です。丸顔の人は、眉尻を5mm程長くするとりりしく見えますよ。眉頭同士が近いと男らしい印象、離れるとおだやかな印象になるということも頭に入れておくとよいでしょう
まゆ毛のケアには、はさみやまゆ用シェーバーのほか、形や毛の流れを整えるためのスクリューブラシなども使用すると、仕上がりに差がでます。また、顔全体の印象を確認しながら行えるよう、鏡は大きめのものがベストです。
写真右から、まゆ用のシェーバー(カミソリ)、毛抜き、はさみ、スクリューブラシ、アイブロウコーム、アイブロウリキッド。それぞれ高いものでなくても大丈夫です
形が決まったら、先にまゆ毛の輪郭の外の余分な毛をケアしましょう。まゆシェーバー(カミソリ)と毛抜きを使って、眉間やまゆの上下など、形に関わらない部分の毛を剃ったり抜いたりしていきます。あくまでボサボサ感をなくすためのケアなので、処理する必要がない場合は、この工程は飛ばしてください。
くれぐれも全体の形を変えないように注意! 輪郭のキワを攻め過ぎないのが、失敗しないコツです
太く伸びて目立つ毛のみ毛抜きで抜きます。まゆの下に生えたプツプツとした毛は多少残しておいたほうがナチュラルに仕上がりますよ
余分な毛がなくなったら、スクリューブラシで形を整えます。こうすることで、残す毛とカットするべき毛がわかりやすくなるので、このひと手間は惜しまないようにしてください。
毛の生えている方向にブラシをすべらせることで流れが整います
形を整えた時に、まゆの輪郭から外れている毛をカットしましょう。前からだけでなく、横からもチェックしながら、飛び出ている毛だけを1本1本切るつもりでていねいに行ってください。これで基本的なケアは完了です。
はさみは立ててカット。刃を横向きにすると、切る必要のない部分まで切れてしまいます
眉頭などの毛がたまって見える部分は、コームで持ち上げるようにしてカット
ケアが完了した状態で毛が薄い部分がある場合は、アイブロウで描き足します。ただ、男性のメイクはまだ一般的ではないため、ここはもっともバレたくないポイント。ペンシルタイプだと線が太くなり、「描いています感」が出やすいので、リキッドタイプを使用しましょう。汗や水にも強く、描いているとまゆ毛に色が残っていくタイプもありますよ。色は知的かつナチュラルに仕上がるグレーがおすすめ。
筆先をまゆ毛に当てる前に、ティッシュなどに余分なインクを吸わせておくとキレイに仕上がります
描くというより、“ちょんちょん”とリキッドで毛の間を埋めていくつもりで置いていく感じ
ここまででも十分ですが、よりきっちり仕上げたい場合は、アイブロウフィクサー(まゆの形状安定剤)などを使用して形をキープさせましょう。アイブロウフィクサーが手に入らない場合は、ハードタイプのヘアスプレーでも代用可能。ちなみに、この程度であれば通常の洗顔で落ちるのでご安心を。
アイブロウフィクサーやヘアスプレーをブラシにワンプッシュ吹きかけます
毛の流れを整える時と同じ要領でブラシを動かし、まゆ毛にアイブロウフィクサーをなじませます
これで完成です。あくまで自然に、が鉄則ですので、すべての工程において、「もう少しやりたいかな」くらいの気持ちのところで止めるのがポイント。
余分な毛を処理して清潔感がアップ。輪郭をはっきりさせ、毛の濃さが均等になったことで、顔の上半分が明るい印象になりました
必ずしも使う必要があるわけではありませんが、伸びてきた余分な毛をカットする際など、まゆ用シェーバーがあると重宝します。カミソリよりも力を入れずに剃れるので、肌を傷つける心配も少ないはず。耳やもみあげなどまゆ毛以外の部位に使用できるモデルもあり、水洗いできるタイプなら手入れも楽ですよ。価格は数百円から、高いものでも2,000円代とリーズナブルなものがほとんどなので、気軽に購入できます。
2種類のアタッチメントと3種類のコームが付属し、使い分けることでまゆ毛だけでなく、鼻毛や、耳の毛、ヒゲ、モミアゲ、えりあしまで、顔まわりをすべて手入れできるタイプ。鼻毛用のチューブトリマーは毛を引っ張らないので痛みの心配も少ないです。本体の丸洗いもOK。
本体サイズは26.5(幅)×26.5(奥行)×148(高さ)mm、重量は67g(トリミングヘッド装着時、乾電池含まず)。単3形アルカリ乾電池1本で、約120分間駆動可能
アタッチメントの付け替えなしで、まゆ毛、鼻毛、ヒゲ、耳毛の手入れが可能です。本体の水洗いにも対応しているほか、カットした毛くずを吸い込む機能を搭載。周囲に毛くずが飛び散るのを防ぎ、後始末が楽です。
本体サイズは30(幅)×48(奥行)×140(高さ)mm、重量95g(乾電池含まず)。単3アルカリ乾電池1本で、週1回90秒使用で約6か月使用可
軽量コンパクトなスティック型なら、まゆ毛の処理をかみそりで行っていた人にも使いやすいはず。刃が小さめのため小回りが利きます。本体の水洗いは不可ですが、軽量なので出張時などの持ち運びに便利。
本体サイズは16(幅)×26(奥行)×140(高さ)mm、重量は20g。単4形乾電池1本で、約1か月間使用可能(週2回、1回5分間使用の場合)
より手頃な価格で手に入れたいならこちら。リーズナブルながら刃幅5mmの眉用アタッチメントと25mmの顔用アタッチメントが付属するので、まゆ毛の細かな手入れのほか、広範囲の産毛の処理もしやすいです。本体の水洗いは不可。
本体サイズは16(幅)×14(奥行)×140(高さ)mm、重量は30g(マユコーム、乾電池含む)。単4形アルカリ乾電池1本で、約1か月使用可能(1回5分として、週2回使用の場合)
まゆ毛は頻繁にケアするとどうしてもやり過ぎ感が出てしまうので、頻度は少なめに。月に1回程度で十分でしょう。その分、女性より時間をかけるつもりでていねいに行ってください。
美容家 Hair&Make-up artist。祖母の代から美容師一家に育ち、自身もヘアメイクの道へ。女性美容術のアレンジではなく、独自の理論で男性美容術を確立。「稼ぐ男のバレない男性美容」(主婦の友社)など著書多数。