レビュー

コレが本当の大風量! ダイソンのドライヤーを1か月使ってみて感じたこと

“真ん中ポッカリ”のそのユニークなデザインが発表当初から大注目となった、ダイソン初のヘアドライヤー「Dyson Supersonicヘアドライヤー」(以下、Dyson Supersonic)。とはいえ、近年では「羽根のない扇風機」でもおなじみの同社からの製品。なるほどあの技術を応用したわけか、と、既存のドライヤーのイメージとはまるで違うその風体に妙に合点がいく。

<2017年5月発売! 新モデルの詳細はこちら>
ダイソンのドライヤー「Dyson Supersonic」が日本人向けにアップデート

同社の“羽根のない扇風機”と同じく、真ん中にポッカリと穴が開いている「Dyson Supersonicヘアドライヤー」。カラーは写真の「アイアン/フューシャ」のほか「ホワイト/シルバー」の全2色

だが、当然ながら羽根のない扇風機をそのまま小さくしたわけではない。ドライヤーとしてこれまでにないほどの「大風量」を実現しているという部分では大いにその技術が生かされているが、Dyson Supersonicにはヘアドライヤーとして研究、開発されたユニークな機能・性能が備えられており、それも大きな特徴となっているのだ。1か月実際に使った感想とともに、その実力をレポートしよう。

風を集中させられるノズル「スムージングノズル」や、置きマットが付属。写真奥の茶色のケースは、直販モデル「レザーボックス付き」仕様の付属ケース

ドライヤーに求められる「大風量」を実現

本製品の最大の特徴といえるのが、風量だ。一般的に大風量とうたうドライヤーでも、だいたい1.6〜1.9立方メートル/分だが、Dyson Supersonicは、2.4立方メートル/分という大風量を実現した。まずはその実力を以下の動画で確認していただきたい。Supersonicの風により、髪が激しく噴き上げられるのがわかるはずだ(弱→最大風量で実験)。

大風量というと本体の大きさや音などが気になるところだが、Dyson Supersonicは、その点において及第点といってよいだろう。決して“コンパクト&軽量”ではないが、2.4立方メートル/分の大風量と、くわしくは後述するが毛髪や頭皮を痛めないための温度調整機能を装備していながらこのサイズ感と扱いやすさは、さすがダイソンといったところ。Dyson Supersonicには、同社最小最軽量のモーター「ダイソン デジタルモーター V9」(最大約11万回転/分)が採用されており、かつ、モーターをヘッド部分に搭載する一般的なドライヤーと違い、ハンドル部に内蔵することで重心を低くし、扱いやすくなっているのだ。

吸気口はハンドル部下部とヘッド部背面にあり、そこから吸い込んだ空気が特許技術「エアマルチプライアー」によって3倍に増幅され、高圧・高速の気流を生む。サイズは、245(高さ)×78(幅)×97(奥行)mm。重量は618g。消費電力は1,200W

ドーナツのように、真ん中は空洞になっている。噴出し口と反対側に風量や温度設定の操作ボタンがある

ドーナツのように、真ん中は空洞になっている。噴出し口と反対側に風量や温度設定の操作ボタンがある

ハンドル部は太いが重心がハンドル部にあるので安定感がよく、自然な格好で持って扱うことができる。とはいえ、軽くはないので長時間使っているとそれなりに重さは感じでくる

Dyson Supersonicの大風量を実感したのは、洗髪後の髪の乾く早さだ。筆者が普段使用しているドライヤー「イオニティ EH-67」は風量1.9立方メートル/分と、こちらも大風量といえるクラスの仕様だが、それでも、髪が乾くまでにだいたい8〜10分位かかっていた。だが、Dyson Supersonicでは、だいたい5〜6分程度で、髪と地肌をしっかり乾かすことができた。しかも、片手でドライヤーを持ちもう一方の手で髪をワサワサと散らすという作業が不要。風圧が強いので、Dyson Supersonicからの風を頭に当てるだけで地肌まで風があたり、乾いてしまうのだ。乾かしながらセットもしたいような場合はこの手は使えないだろうが、筆者はセットはアイロンで行うので非常に重宝。疲れた夜や忙しい朝には、この5分の時短は非常に大きく感じられた。

左は筆者がいつも使用しているドライヤー。右はDyson Supersonic。いずれも最大風量設定で頭に風をあててみたところ。Dyson Supersonicでは風圧で髪が掻き分けられ地肌がクッキリと出ている

セット用ノズルとして、付属のスムージングノズル、風を集中できる「スタイリングコンセントレーター」のほか、パーマやカールヘアの風合いを守りつつ乾かせる「ディフューザー」がある

「ディフューザー」は突起の先端部にも風の穴が開いており“しっかり乾かしながらふんわり仕上げ”が可能。よくできている

これら付け替えノズルがマグネット式になっているのがすばらしい。着脱しやすいだけでなく、角度の変更も片手でスッと行える。この細やかな気遣いが◎だ。

ちなみに、風量は「スピード/レギュラー/スタイリング」の3段階、温度は「速乾(78℃)/標準(62℃)/低温(45℃)/冷風」の4段階で設定可能となっている。

簡易的ではあるが音量測定を行ったところ、最大風量(スピード)での音量は75db。一般的なドライヤー(最大風量1.9立方メートル/分)と比べても同等レベルだ。ただ、キュイーンという独特の高音が気にならなくもない

髪と地肌の健康には「風量と温度」がポイント

毛髪の健康ためには、髪をすばやく乾燥させるための風量と同時に、風の温度が重要となってくる。髪に過度に熱せられると髪表面が傷み、キューティクルがはがれ、そこからさらに水分が蒸発し乾燥してしまうのだという。Dyson Supersonicではこの過熱風を防ぐ「インテリジェント・ヒートコントロール」機能を搭載。ヘッド部に設けられた温度センサーにより風温を毎秒20回測定し、ヒーターを調整。髪にダメージを与えにくい「78℃」までをキープし、それ以上の高温にはならないようにコントロールしてくれるのだ。なお、温度は手動で「速乾(78℃)/標準(62℃)/低温(45℃)/冷風」の4段階で調整可能だ。

こちらも簡易的だが、吹き出し口から3cmほどの風の温度を測定してみた(3分間稼動)。いずれも、設定温度を越えることはなかった

速乾(78℃)モードを手にあててみても、熱さはそれなりに感じるが「アチッ!」というレベルになることはなかった。これなら安心してスタイリングできるだろう。

まとめ「機能&性能は◎! 気になったのはモード変更のボタン位置」

実際に1か月使ってみて、この大風量はクセになる。もう、少ない風量には戻れないと思うほどだ。ちょうど梅雨時期だったこともあって、より効果を実感できたのかもしれない。蒸し暑く湿気が多い中、髪を乾かすのにダラダラ時間をかけたくはない。しかも、時間がかかるうえに中途半端に湿気が残ると、梅雨時期は特に髪にうねりが出てしまうのだ。その点、Dyson Supersonicは大風量でサッと、しかも髪を傷めにくい温度で乾かせるので、髪自体がつややかに仕上がるように思えた。風量が多いので、頭頂部方向から風を下に送るように吹き付けると、ブラッシングしたかのようにキレイなストレートヘアーに仕上がるという裏技も発見した。

いっぽうで1か月使っても気になるのが、操作ボタンの位置。普通、ドライヤーの操作は片手で行えるようになっているのだが、Dyson Supersonicのボタン位置は、なぜこうなった?と言いたくなる位置にあって、ドライヤーをかけながらの風量や温度の変更がやりにくい、というか自然に持った位置からは、できない(すごくがんばればできなくもない)。これは、次モデルで是非改善していただきたい点だった。

左側のボタンで風量調整、右側のボタンで温度調整を行う。LEDが点灯し現在の状態を知らせる。送風口は反面にある。こうやって操作する分にはいいのだが……

風の吹き出し口の半面に操作ボタン類があるので、操作しにくい。「ドライヤーをかける→設定変更したい⇔ドライヤーを裏返しにして見て変更」という動作が必要になってしまっていた。これ、美容師さんの意見でこうなったのかも!?

基本的には、メンテナンスは吸入口のカバーと、カバーを外したフィルター部のホコリをサッと吹いて取り除くだけでOK。カバーはひねると開くようになっている。ちなみに、最下部のキザキザの溝を利用してストラップが付けられるようになっている

高橋美幸(編集部)

高橋美幸(編集部)

家電製品アドバイザー。家電製品を中心にレポート・レビュー記事を担当。趣味は、バイクとカメラと作業中の家電の働き具合を監視すること。特に洗濯機。

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