初心者からギアマニアまで! ゴルフの楽しさ伝えます

振りが変わる、弾道が変わる! 「カスタムシャフト」の基礎知識

このエントリーをはてなブックマークに追加

こんにちは、オグさんです。皆さんは自分のドライバーに付いているシャフトが何か知っていますか? おそらく多くの方が「純正シャフト」が付いたドライバーをお使いだと思います。純正シャフトとは、そのヘッドのためだけに設計され、あらかじめクラブに装着されているシャフトのこと。対して「カスタムシャフト」というのがあります。これは、シャフトメーカーがアフターマーケット用(シャフト単体、つまり"棒"だけで販売されているもの。これを装着ヘッドの重さと自分の振り心地に合わせた適切な長さに切って使う)として開発しているシャフトです。
ですが、このカスタムシャフトをはじめから装着して売られているクラブがあって、それを「カスタムシャフトモデル」と呼びます。今回はこの「カスタムシャフトモデル」についてお話したいと思います。アフターマーケット用のシャフトについては、また別の機会にお話ししますね。

シャフトメーカーがアフターマーケット用に開発するシャフト。それをあらかじめ装着して販売しているモデルが「カスタムシャフトモデル」です

個々のスイングにマッチするのはカスタムシャフト

ゴルフが上達するとスイングの再現性が上がり、高い確率で同じスイングができるようになってきます。そのスイングのタイミングに合わせたシャフトを使うことで、より振りやすくなり、飛距離が伸びたり、ミスが減ったりするんです。純正シャフトは万人に使いやすくするため、しなり方を「クセのない」動きにしてあります。どんなタイミングのスイングであっても振りやすくなるように、しなり方をゆったりさせていることが多いのです。万人向けでクセがない代わりにこれといった特性を持たないので、自分のタイミングにバッチリ合うことが起きにくいんですね。
そこで「カスタムシャフト」を選ぶんです。シャフトを変えることで、ドライバーの振り心地や飛距離、ミスを改善できる可能性が大いにあるんです。ただしチョイスを間違えると飛ばなくなったり、曲がりが大きくなったりすることもあるので注意が必要です。

ゴルフクラブにおけるシャフトは、主にスイングのタイミングの取りやすさ(具体的にはトップからの切り返し)、スイング中のヘッド制御のしやすさ、そしてクラブ全体の重量や長さに大きな影響を及ぼすパーツです。より自分にフィットしたクラブを手に入れるうえでシャフトのチョイスはとても重要な役割を持っています。特に「タイミングの取りやすさ」がシャフトによって大きく変わります。シャフトのスペックの1つに、どこが大きくしなるかを示す「キックポイント」という項目があり、このキックポイントは大きく4つに分けられます。

「先調子」…ヘッドに近い先端側がよくしなる
「中調子」…文字どおり、シャフトの中間部がよくしなる
「手元調子」…グリップに近い手元部分がよくしなる
「ダブルキック」…先端と手元側の“両方に”しなるポイントがある

キックポイントが違うと、シャフトをしならせようとしたときにシャフトの挙動が変わり、ゴルファーそれぞれのスイングの個性によってタイミングの取りやすいものと取りにくいものが出てきます。カスタムシャフトは純正シャフトよりも、この挙動がハッキリしているんです。人によって合う合わないがあるのを知っているからこそ、クラブメーカーはカスタムシャフトモデルを複数ラインアップしているのです。

友人がシャフトを変えて飛距離を伸ばしたからといって、必ずしも自分も飛距離が伸びるとは限らないんです。スイングが違うのですから、ゴルファー個々人に合ったシャフトを選ばなければなりません

ということで、これからカスタムシャフトを選ぶ際の基礎知識を説明したいと思いますが、シャフトについて一方的に説明しても理解していただくのはとても難しいので、今回はQ&A形式でお送りしたいと思います。

Q.自分に合ったシャフトを使うとスイングや弾道はどうなるの?

上述のとおり、シャフトはタイミングの取りやすさやヘッドの制御のしやすさに大きく影響します。同じヘッドで特性の異なるシャフトを打ち比べてみるとよくわかるのですが、シャフトによってトップからの切り返しからインパクトまでの挙動が異なるので、特に意識しないでもミートしやすいモデルと、自分で調整しないとうまくミートできないモデルが出てきます。この「意識しないでも何となく打てちゃうシャフト」こそが自分に合っている可能性が高いですね。なぜかというと、自分が気持ちよく振ったときにシャフトがその動きにマッチした挙動をしてくれているから。打つとか、合わせるといった余計な意識を持たないと当たらないシャフトは、どうしてもミートする確率が下がってしまいます。

シャフトの特性の違いは、クラブを下ろすときに最も強く感じることができます

シャフトの特性の違いは、クラブを下ろすときに最も強く感じることができます

上級者にもなると、合わないシャフトでもこの合わせる動きが自然とできてしまい、そこそこ打ててしまうのですが、余計な動きが入るので結局ボールに効率よくエネルギーが伝わらずいまいち飛ばなかったり、いざというときに曲がってしまったりします。自分の合うシャフト、つまり自分のリズムで振ってもタイミングがとりやすく気持ちよく振りきれるシャフトを使うと、インパクトで余計な力も入りづらくなるので曲がり、飛距離ロスの少ないスイングどおりのパワー+ヘッドの性能どおりの弾道が打ちやすくなるんです。

Q.カスタムシャフト選びで気を付けることは?

カスタムシャフトモデルは、ほとんどのメーカーで60g台のフレックス(硬さのこと)Sのスペックを装着していますが、シャフトメーカーが作るアフターマーケット用シャフトには、複数の重量帯が用意されています。超軽量の20g台からかなり重い80g台までさまざまですが、60g台に絞り込んでいるのは、一般的なカスタムシャフトを選ぶ層のゴルファーから最も支持されているスペックだからです。

テーラーメイドのホームページより。M1 460ドライバーは5本のシャフトから選ぶことができます。一番上が純正シャフト、下4本がカスタムシャフトで、どれも60g台がラインアップされています

カスタムシャフトを用意するジャンルのドライバーは、純正シャフトが50g台で45.5〜45.75インチ、カスタムシャフトが60g台で45〜45.25インチぐらいに設定されていることが多いですね。カスタムモデルのほうがちょっと短くなって約10g重くなっているのですが、振り心地はこのスペック以上に違いがあります。なぜかというと、振ったときに感じる硬さが全然違うからです。純正シャフトのフレックスは、やや柔らかめに設定されているのですが、アフター用のシャフトはしっかり硬さがあるので、純正のSフレックスとアフター用シャフトのSを打ち比べてみるとフレックス表記が間違っているんじゃないかというぐらいの差を感じます。これは私の肌感覚ですが、純正のSシャフトが、だいたいカスタムシャフトのSRぐらいに感じます。モデルによっては純正のSとカスタムシャフトのRぐらい違う場合もありますね。
いくら純正でSがよかったからといってそのままカスタムシャフトのSを選ぶのは危険です。重さや長さをチェックするのも同様に、フレックスにも気を配ってスペックを選びましょう。

Q. ヘッドとの相性ってあるの?

よく聞かれるのがシャフトとヘッドの相性です。結論からいってしまうと「あります」。たとえば、右へのミスをとにかく排除したつかまりのいいヘッドに、ヘッドのターンを抑制するような動きを持ったシャフトを組み合わせると、ミスショットのときに、ヘッドの性能とシャフトの特性のどちらが勝つか定まらず、どちらのミスも出てしまうようなクラブになってしまうことがあります。もちろんここにゴルファーのスイングのクセが入ってきますので、シャフトとヘッドの設計数値だけでは語れないところではあるのですが、それぞれの特性がケンカしてしまうこともあるのです。

ですので、ヘッドとシャフトそれぞれの特性をどんなに理解していても、クラブとして組み上げ、使う本人が打ってみないとなんともいえない部分はあります。熟練したクラブフィッターであれば、その方のスイングを見てヘッドとシャフトの相性を見込んで提案してくれるので、心配な方はクラブフィッターに確認してもらったほうがよいでしょう。

ヘッドとシャフトには相性があり、それにスイングのクセがからんでクラブは複雑な挙動になります。心配でしたら専門家に見てもらうことをおすすめします

Q.自分に合ったシャフトはどうやって探せばいいの?

では「自分に合ったシャフトの探し方」ですが、これはもう専門の方に見てもらうのが一番です。現在では多くのメーカーがシャフトを含めたクラブフィッティングを行っておりますし、「クラブフィッター」を置くゴルフ工房さんも増えてきました。自分の振った感覚や弾道データだけではどうしても判断つかない部分が出てきてしまうのがシャフト選びの難しいところ。どうしても自分で判断したいのであれば、とにかく試打を繰り返し、振り心地と結果の一致するモデルを地道に探していくしかありません。
「クラブフィッティング」に関してはコチラの記事にて詳しくご説明しています!

注目シャフト4モデルをインプレッション

ここまでシャフトの基礎知識を書いてきましたが、ここからは具体的な製品の説明を交えて進めていきたいと思います。自分のスイングやミスの傾向などをイメージしながら読んでみてください。キックポイントは大きく4つに分かれるといいましたが、それぞれに個性のあるシャフトが存在します。たとえば同じ「中調子」でも、モデルによってキックポイントは微妙に異なるのです。…と難しくなってしまうので、詳しいことはまた別の機会にご説明しましょう。

■注目シャフト1■
フジクラ・スピーダーエボリューション3

ヘッドを気持ちよく加速させてくれる

シャフトに記載されている3桁の数値は重さの表記も兼ねています。写真のシャフトは661なので60g台ということを表しています

大手シャフトメーカーの1つ、フジクラの「スピーダーエボリューション3」というシャフトです。飛距離を追求したシリーズの3作目で、1作目から多くのゴルファーに支持されているブランド。このモデルは“エボ3”なんて呼ばれることもあります。同シリーズの特徴として重さの設定に合わせて3桁の数値がつけられています。40g台が「474」、50g台が「569」、60g台が「661」、70gが「757」とデザイン性と重さの表記を融合させることでカッコよさも演出したシャフトです。
ボールのつかまりがよく、ヘッドを気持ちよく加速させる特性を持っていて、ミスがスライス系の人に合うシャフトですね。タイミングの取りやすさはシャフトの手元側のしなる、しならないで大きく分けられるのですが、このシャフトは手元側のすぐ下側が少しだけしなるのでどちらのタイプもタイミングがとりやすい、比較的打ち手を選ばないシャフトです。

手元側に近いところが少しだけしなるので、手元が硬いほうが合うゴルファーでも、逆に柔らかいほうが合うゴルファーでもタイミングがとりやすい仕上がりになっています。

価格.comで「スピーダーエボリューション3」装着ドライバーを探す

■注目シャフト2■
UST Mamiya・ATTAS PUNCH

芯を外してもヘッドがブレにくい

鮮やかなイエローのカラーリングがよく目立ちます。打点のミスに強く、強い弾道が打てるので安定した飛距離が期待できます

UST Mamiya(マミヤ)の「ATTAS PUNCH(アッタス パンチ)」というモデル。手元側が割と大きめにしなる特性を持っています。シャフトの知識がある方は、「手元側がしなるとボールが上がりづらい」とか「ボールがつかまりにくい」といった印象を持っている方が多いのですが、最近の手元がしなるシャフトはそんなことはありません。もちろんそういった特性を持つシャフトもありますが、このパンチに関してはあてはまりませんね。手元側とは逆に先端側が硬く仕上がっているので、芯を外したときのヘッドのブレが少なくて済むのもこのモデルのいいところ。安定した弾道が打ちやすいシャフトです。

先端側が硬いのでインパクト付近でヘッドの動きが少ないのが特徴。少々の打点のズレは許容してくれる心強いシャフトです。一定の場所でミートできずに悩んでいる方は試してみる価値があると思います。

価格.comで「アッタス パンチ」装着ドライバーを探す

■注目シャフト3■
グラファイトデザイン・ツアーAD TP

振れば振るほど強い弾道になる

グラファイトデザインのTPシリーズ。ツアープロに人気のブランドですが、決して難しいということはありません。左へのミスを抑えた特性なので、思い切って叩(たた)いていけるシャフトです

日本の男子プロゴルフツアーで使用率No.1を誇るグラファイトデザインのシャフトです。こう書くとハードヒッター向けの難しいシャフトでは?と思ってしまう方も多いのですが、決してそんなことはありません。シャフトはスペックを合わせれば、やさしいも難しいもありません。その人に合うか合わないかというだけです。このシャフトは、手元寄りから中間にかけてしなりのピークがあり、しなり戻りがゆっくりな特性を持っています。インパクト付近でシャフトが飛び性能を付加してくれるというよりは、振れば振るほど強い弾道に変えてくれるといった感じの仕上がりです。つかまりは抑えてあるので、左へのミスを嫌うゴルファーにいいシャフトだと思います。

しなり戻りがゆっくりなので、インパクト付近でロフトが立って当たりやすくなり、ライナー性の強い弾道が打ちやすいのが特徴です。スピン量が多く、球が吹け上がってしまう人は一度試打してみることをおすすめします。

価格.comで「ツアーAD TP」装着ドライバーを探す

■注目シャフト4■
三菱ケミカル・Diamana BF

"左へのミス"に悩むゴルファー向き

ピンと張りのあるシャフトです

ピンと張りのあるシャフトです

三菱ケミカルは、カーボンシャフトの原料であるカーボンや樹脂を一貫して生産できる数少ないメーカーで、さまざまな特性を持つシャフトを世の中に送り出しています。「Diamana(ディアマナ)」は、トッププレイヤーが求める性能をそのまま製品化するというコンセプトを持つブランドで、ディアマナBFはその中でも人気のあるモデル。
手元側から中間にかけてしなるのですが、しなるとすぐに戻ろうとするピンと張ったような挙動を持ち、負荷をかけた分だけ強いしなり戻りを発揮する特性で、インパクトでボールを強く弾(はじ)いてくれます。しっかり振れるゴルファーほど性能を発揮しやすい仕上がりですね。こちらのモデルも左へのミスが出づらい特性なので、それを嫌う中上級者に人気の高いモデルです。

負荷をかけてしならせた瞬間から、シャフトがしなり戻ろうとする動きを感じます。そのため強い弾きやインパクトが期待できます。つかまり度合いは抑えてあるので、左へのミスを嫌うゴルファーに試してほしいモデルですね。

価格.comで「ディアマナBF」装着ドライバーを探す

カスタムシャフトの基礎知識・まとめ

シャフトは、見た目やスペックだけでは判断できないとても厄介なパーツ。しかも、試打したところでヘッドが変われば弾道も大きく変わるため、事前に自分に合うかどうかを確認するのがとても難しいのが実情です。ですが、自分に合ったシャフトを探し出すことができれば、格段にゴルフが楽になるのも事実です。上達志向があるならば、早めにフィッティングを受けるのが賢明でしょう。私も全力でフィッティングをやらせていただいていますが、受講したお客様にはよくこういっていただきます。「シャフトでこんなに違うんだね」と。

写真:富士渓和春

関連記事
初心者におすすめの「やさしいドライバー」はコチラ!
初心者向けの「FW」「ユーティリティー」「アイアン」
初心者におすすめの「ウェッジ」はコチラ!
初心者がうまくなる「パター選び」
どれも一緒は大間違い! 「ゴルフボール」の選び方
1人でうまくなる「練習グッズ」
残り距離を知るアイテム「GPSナビ」と「レーザー距離計」
スライス、フックを一発解決!お悩み解決ドライバー

小倉勇人

小倉勇人

ゴルフショップ店長、クラフトマン、クラブフィッターそして雑誌の編集・執筆業も行う、歌って踊れるゴルフライター。好きなクラブはパター、左利き/右打ち。愛称は「オグさん」。

紹介した製品の最新価格・クチコミをチェックする
このエントリーをはてなブックマークに追加
関連記事
連載最新記事
連載記事一覧
2017.11.17 更新
ページトップへ戻る