牛島義之のアウトドアのススメ
直火ではなく輻射熱で調理できるのがイイ!

屋外でも家の中でも使える! カセットガス式の火鉢みたいな「ヒバリン」で焼いた食材がウマい


カセットボンベを燃料としたアウトドア向けのポップでかわいいガスストーブホットプレートなどを展開するSengoku Aladdinから、古きよき日本の雰囲気を備えながら、現代的なデザインに仕上がった「ポータブル ガス カセットコンロ ヒバリン」(以下、ヒバリン)が2019年10月に発売されました。キャンプサイトで目を引くこと間違いなしのヒバリンの実力をチェックしてみましょう!

ヒバリンって、どんなコンロ?

「火鉢」と「七輪」を掛け合わせたネーミングの「ヒバリン」は、日本の伝統的なコンロともいえるフォルムながら、ポップなカラーを採用。そのユニークでかわいいデザインについ目がいってしまいますが、アウトドアでも使えるように、バーナー部を一段低くして風の影響を受けないようにするなどの工夫を施しているといいます。そして、シリーズ共通のカセットガス式なので、初心者でも使いやすいはず。コンパクトなサイズで、収納場所や持ち運びのじゃまにならないのもポイントです。

ずんぐりとしてやわらかいフォルム。サイズは278(幅)×295(奥行)×188(高さ)mmと、意外と小ぶり

ずんぐりとしてやわらかいフォルム。サイズは278(幅)×295(奥行)×188(高さ)mmと、意外と小ぶり

コンパクトなのでテーブルに置いて使っても、じゃまにならなそう

コンパクトなのでテーブルに置いて使っても、じゃまにならなそう

ゴトクには、大きめの鍋も余裕を持って載せることができます

ゴトクには、大きめの鍋も余裕を持って載せることができます

炎が風にあおられて消えてしまわないように、中央をくぼませ、バーナー部が本体より一段低くなるように設計

炎が風にあおられて消えてしまわないように、中央をくぼませ、バーナー部が本体より一段低くなるように設計

カセットボンベは側面のフタを外してセット

カセットボンベは側面のフタを外してセット

カセットボンベをセットする部分には、過熱されて高圧になると自動的にガスの供給が止まる「圧力感知安全装置」も搭載

使用するカセットボンベは、オリジナルカセットボンベ「SAG-B3P」(250gボンベ3本入りで600円/税別)が推奨されています。低温時対応タイプなので、寒い時期の屋外でも使用可能

コンパクトなうえに重量が2.8kgなので、持ち運びに苦労することはなさそう。収納袋も付属

コンパクトなうえに重量が2.8kgなので、持ち運びに苦労することはなさそう。収納袋も付属

ヒバリンを屋外で使ってみる!

ヒバリンを点火し、火力をチェックしてみます。アウトドアで使用するガス式バーナーは、コンパクトなものでも高火力をうたい文句とする製品が多い中、ヒバリンは2,400kcal/hと決して高火力ではありません。

点火はツマミを回すだけ。ツマミは比較的大きめなので、手袋をしていても扱いやすそう

点火はツマミを回すだけ。ツマミは比較的大きめなので、手袋をしていても扱いやすそう

日中の屋外では明るすぎて炎が見えなかったので、夜間に撮影してみました。やわらかな青い炎が立ち上がっています。カセットボンベ1本の連続燃焼時間は約1時間14分

火力を試すため、水を入れたケトルを火にかけて沸騰するまでの時間を計測してみることにしました。気温は約14℃で、風はそれほど強くありませんが、つねに吹いている状況です。

使用したのは、アラジンと月兎印がコラボした「スリムポット」(価格は4,950円/税込)。サイズは225(幅)×115(奥行)×195(高さ)mmで、容量は約1,200ml。底面のサイズは直径110mmです

スリムポットに水を約1L入れ、火にかけます

スリムポットに水を約1L入れ、火にかけます

沸騰するまでにかかった時間は約28分。スリムポットの底面が小さく、強風ではないものの風が吹き続けていたことが原因かも?

ちょっと時間がかかりすぎな気もするのですが……、ロケ地を手配して撮影しているので、このままヒバリンでできることを試すことにしました。次に挑むのは、調理。ゴトクに調理器具を載せれば、もちろん、料理を作ることもできますが(高火力ではないので、メインのコンロとして使うのは厳しそう)、付属の「グリルキット」を使えば、フライパンなどを用意しなくても、ちょっとした焼き物を楽しむことができます。

焼き網(左)、輻射プレート(中央)、焼き網ステイ(右)の3点がグリルキットとして付属

焼き網(左)、輻射プレート(中央)、焼き網ステイ(右)の3点がグリルキットとして付属

グリルキットのセット方法は、まず、ゴトクの上に焼き網ステイを載せます

グリルキットのセット方法は、まず、ゴトクの上に焼き網ステイを載せます

次に輻射プレートをセット

次に輻射プレートをセット

最後に焼き網を載せたら、準備完了です

最後に焼き網を載せたら、準備完了です

調理器具がなくても焼き物ができることだけが、グリルキットのメリットではありません。熱源と焼き網の間にある輻射プレートを加熱することで輻射熱が放出され、その輻射熱で食材を焼けるのがポイント。焼き網に置いた食材を直火で加熱するのとは異なり、炭火と同じように食材をムラなく、中までじっくり加熱できるのです。

食材を並べた焼き網には火が当たらない仕様。輻射プレートから放たれる輻射熱で焼くのが、グリルキットを使った調理の特徴です

グリルキットの実力をチェックするために用意したのは、餅。直火では表面しか焼けず、中は硬いまま、外は真っ黒になりやすい食材です。

焼き網に市販の切り餅を2個セット

焼き網に市販の切り餅を2個セット

最大火力にして、餅が焼けるのを待ちます。しかし、なかなか焼けない! メーカーのWebサイトによると、輻射プレートが加熱され、赤くなってくるようなのですが、火で変色はしているものの赤くはならず。約25分後に、餅の下側がようやくふくらんできたので裏返してみることにしました

裏返してから、さらに5分。理想的なくらいふくらむまで待つのはムリだと判断し、ここで加熱終了

裏返してから、さらに5分。理想的なくらいふくらむまで待つのはムリだと判断し、ここで加熱終了

焼き色は付いていませんが、中はこのとおりやわらか。じっくり加熱されていくというのは、事実のようです

焼き色は付いていませんが、中はこのとおりやわらか。じっくり加熱されていくというのは、事実のようです

無風状態で再チェック!

屋外で試した結果に納得できなかった筆者。個体差による不具合かもしれないのでメーカーに製品を確認してもらうと、正常だという回答でした。バーナー部を低くし、風の影響を受けにくい設計となっているものの、やはり風で炎が的確にスリムポットや輻射プレートに当たらなかったことが原因だと思われます。そこで、無風状態で試してみることに。風がない状況を屋外で作ることができなかったので、屋内で試してみました。

グリルキットをセットして点火すると、1分ほどで輻射プレートが真っ赤に! 炎がきちんと輻射プレートに当たり、高温になっているようです

さっそく、焼き餅をリベンジ! 輻射プレートが赤くなっているので、今度はうまく焼けるような気がします

さっそく、焼き餅をリベンジ! 輻射プレートが赤くなっているので、今度はうまく焼けるような気がします

点火して4分30秒後、焼き網に接している面に焼き色が付きふくらんできたので、裏返しました

点火して4分30秒後、焼き網に接している面に焼き色が付きふくらんできたので、裏返しました

さらに加熱すること約1分。このふくらみ方を待っていた!

さらに加熱すること約1分。このふくらみ方を待っていた!

表面に若干の焦げができているのが香ばしく、それでいて中はトロトロ。輻射プレートがきちんと加熱されれば、たっぷりの輻射熱が放出され、食材の外側が焦げすぎることなく、中まで均一に熱が通るのは間違いないようです

まとめ

ヒバリンは、基本的にはアウトドアユースのコンロなので屋外で試してみましたが、思うような結果が出ず……。屋内で使った際には申し分なかったので、風が吹いていたりすると実力が100%出せない可能性があるようです。屋外で使う場合には、風が当たらないように工夫すれば、今回、屋内で試した時のような性能を十分に発揮できるはず。ベランダでアウトドアを楽しむ「ベランピング」で使うのもよさそうです。

風さえなければ、グリルキットを使ってバーベキューも楽しめそう!

風さえなければ、グリルキットを使ってバーベキューも楽しめそう!

ただ、今回、屋内で使ってみて、家の中で使用するのも大いにアリだなと感じました。というのも、本領を発揮したヒバリンで焼いた食材がおいしいんです。決して高くない普通の食パンを試しに焼いてみたところ、トースターや魚焼きグリルで焼いたトーストより、断然おいしい! 今まで食べたトーストの中で、1番おいしいかも……と思うほどでした。

約4分30秒加熱して、裏返して、さらに約1分30秒で焼き上がり。外はこんがりサクサクで、中はフワフワ。口溶けもよくて、食感もおいしい!

ユニークな見た目ではあるものの、意外と室内空間に調和するので、出しっぱなしにするのもよさげ。そう、まさに火鉢や七輪のように。というより、卓上にヒバリンを置き、みりん干しを焼きながらお酒をチビチビ飲んでみたのが最高によくて、このままずっと置いておきたくなりました。

1分ほどで焼けるので、お酒がいいペースで進みます。グリルキットを使えば輻射熱で加熱されるため、本当に火鉢や七輪で焼くのと変わらない焼き上がりが望めます。それでいて、片付けもラク!

牛島義之

牛島義之

アウトドア雑誌の副編集長職を経てフリーランスとして独立。以降、アウトドアをはじめ、グッズ、クルマ、旅行などレジャー関連を中心に執筆している。

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