牛島義之のアウトドアのススメ

ペラペラなシートが食器に変身! 楽に持ち運べる“折りたたみ食器”「スナップフォールド」

アウトドアに持っていく食器をなるべくコンパクトにまとめたいと思ったら、フォッジルズ「スナップフォールド」シリーズはいかがでしょう? 薄いプラスチック板が深さのある器に変身する“折りたたみ式”なので、持ち運び時にかさばりません。本シリーズにはいくつかの種類がラインアップされていますが、今回はカップ、ディッシュ、ボウルがセットになった「スナップフォールド ソロパック」を紹介します。

“折りたたみ食器”って、どんなもの?

使用前の状態は、完全にフラットとは言えないものの、薄いまな板のような形状。折り目に沿って折りたたみ、スナップを留めると食器に変身します。本体の素材はポリプロピレン(プラスチックの一種)で、耐熱温度は105度、耐冷温度は-25度。冬キャンプの朝でも折り目が割れたりせず安心して使えそうです。

「スナップフォールド ソロパック」はボウル(左)、ディッシュ(中央)、カップ(右)の3点セット。折り目やスナップが付いているため多少凹凸はありますが、ほぼプラスチック製のまな板や下敷きのような形状です

「スナップフォールド ソロパック」はボウル(左)、ディッシュ(中央)、カップ(右)の3点セット。折り目やスナップが付いているため多少凹凸はありますが、ほぼプラスチック製のまな板や下敷きのような形状です

3点重ねても厚さは5mm。非常に薄く、サイズも最も大きいディッシュで252(幅)×228(長さ)mmなので、持ち運びや保管でかさばりません

3点重ねても厚さは5mm。非常に薄く、サイズも最も大きいディッシュで252(幅)×228(長さ)mmなので、持ち運びや保管でかさばりません

デザインがプリントされている面を外側にして、折り目に沿って折りたたみ、スナップを留めれば組み立て完了。下の動画のとおり、作業は簡単で時間もかかりません

デザインがプリントされている面を外側にして、折り目に沿って折りたたみ、スナップを留めれば組み立て完了。下の動画のとおり、作業は簡単で時間もかかりません

組み立てた状態。実用容量は、ボウル(左)とディッシュ(中央)が500mLで、カップ(右)が250mLです

組み立てた状態。実用容量は、ボウル(左)とディッシュ(中央)が500mLで、カップ(右)が250mLです

ちょっと強めにつかんでみると、少したわむ程度。薄いプラスチック製とはいっても、強度はしっかりしています

ちょっと強めにつかんでみると、少したわむ程度。薄いプラスチック製とはいっても、強度はしっかりしています

カラーは、グレーとホワイトの2種類。グレーは汚れが目立ちにくく、ホワイトは汚れがよく目立つので、洗い残しなどを確認しやすいのはホワイトのほうかもしれません

カラーは、グレーとホワイトの2種類。グレーは汚れが目立ちにくく、ホワイトは汚れがよく目立つので、洗い残しなどを確認しやすいのはホワイトのほうかもしれません

食器としての性能をチェック

収納性は抜群ですが、食器としてちゃんと使えるのでしょうか。飲み物やスープなどの液体にも対応すると公式サイトには書かれていますが、本当に漏れないのか気になるところ。また、持ったときの安定感や、熱いものを入れた際に素手で持てるのかも気になります。

まずは、それぞれの容器に水を入れて液体が漏れないかを検証!

カップとボウルには目盛りが付いています。ボウルは500mL、カップは250mLが上限

カップとボウルには目盛りが付いています。ボウルは500mL、カップは250mLが上限

ディッシュには目盛りは付いていませんが、上限を示すラインが入っています。スープがある料理はこのラインを越えないように液体を注ぎましょう。液体以外の料理はラインより上に盛っても問題ありません

ディッシュには目盛りは付いていませんが、上限を示すラインが入っています。スープがある料理はこのラインを越えないように液体を注ぎましょう。液体以外の料理はラインより上に盛っても問題ありません

各食器の上限まで水を入れてしばらく放置しましたが、折れ目などから水が漏れることはありませんでした

各食器の上限まで水を入れてしばらく放置しましたが、折れ目などから水が漏れることはありませんでした

続いて、持ちやすさをチェック!

水をたっぷり入れた食器を持ち上げてみます。ボウルの安定感は上々

水をたっぷり入れた食器を持ち上げてみます。ボウルの安定感は上々

ディッシュのような大きめの食器はテーブルに置いて食べるのが普通なので、持ち上げることは少ないかもしれませんが、最後のほうに残った液体を口元に近づけて食べたい場合もあるので一応確認。手で支えていない部分が曲がって水がこぼれることはありませんが、少し不安定です。液体は規定ライン以上に注がないほうがいいでしょう

ディッシュのような大きめの食器はテーブルに置いて食べるのが普通なので、持ち上げることは少ないかもしれませんが、最後のほうに残った液体を口元に近づけて食べたい場合もあるので一応確認。手で支えていない部分が曲がって水がこぼれることはありませんが、少し不安定です。液体は規定ライン以上に注がないほうがいいでしょう

カップも持ち上げた際の安定感はバッチリ。使い慣れた形状ではありませんが、違和感なく飲めました

カップも持ち上げた際の安定感はバッチリ。使い慣れた形状ではありませんが、違和感なく飲めました

3種類すべて、外側に滑り止め加工が施されています。持ち上げることの多い、カップやボウルは手になじんで使いやすい!

3種類すべて、外側に滑り止め加工が施されています。持ち上げることの多い、カップやボウルは手になじんで使いやすい!

最後に、熱いものを入れても手が熱くならないかを確認します。

熱々のコーンスープをカップに入れてみました。温度は飲みごろの約80度。耐熱温度は105度なので、変形する心配はありません

熱々のコーンスープをカップに入れてみました。温度は飲みごろの約80度。耐熱温度は105度なので、変形する心配はありません

薄い素材なので熱くて持てないかも……と恐る恐る持ち上げてみたところ、全然熱くない! ずっと持っていても平気。思った以上に断熱性があります

薄い素材なので熱くて持てないかも……と恐る恐る持ち上げてみたところ、全然熱くない! ずっと持っていても平気。思った以上に断熱性があります

汚れやニオイはちゃんと落ちる?

「スナップフォールド」は洗って何度でも繰り返し使えますが、プラスチック製のものは油汚れが取れにくく、ニオイが付着したり、色の濃い食材で染まったりすることがあります。そうした部分も確かめてみましょう。

ニオイが残りやすいカレーと、ヌルヌルが取れにくい油が使われたドレッシングをかけたサラダを盛り付けました

ニオイが残りやすいカレーと、ヌルヌルが取れにくい油が使われたドレッシングをかけたサラダを盛り付けました

約15分で完食

約15分で完食

今回撮影した場所は水道で汚れを洗い流すのは禁止だったため、キッチンペーパーで汚れを拭き取り、家に持ち帰って洗います

今回撮影した場所は水道で汚れを洗い流すのは禁止だったため、キッチンペーパーで汚れを拭き取り、家に持ち帰って洗います

自宅に到着したのは、3時間後。普通の食器用洗剤で洗えます。スナップボタンを外して平たい状態にして洗えるので、洗いづらいところはありません。なお、食器洗い乾燥機でも洗浄できます

自宅に到着したのは、3時間後。普通の食器用洗剤で洗えます。スナップボタンを外して平たい状態にして洗えるので、洗いづらいところはありません。なお、食器洗い乾燥機でも洗浄できます

食事をしてから時間は結構経ってから洗いましたが、汚れはきれいに落ちました。油でヌルヌルする部分もありません。ただ、カレーのニオイは落としきれませんでした

食事をしてから時間は結構経ってから洗いましたが、汚れはきれいに落ちました。油でヌルヌルする部分もありません。ただ、カレーのニオイは落としきれませんでした

食事後すぐに洗えば、ニオイも落とせるかもしれない……ということで、再チャレンジ

食事後すぐに洗えば、ニオイも落とせるかもしれない……ということで、再チャレンジ

食べ終えてすぐに同じように洗ってみましたが、カレーのニオイは完全には落とせず。しかし、3時間経ってから洗ったときよりはかなりニオイは弱いです

食べ終えてすぐに同じように洗ってみましたが、カレーのニオイは完全には落とせず。しかし、3時間経ってから洗ったときよりはかなりニオイは弱いです

1週間後、収納しておいたもののニオイを再度確かめてみました。3時間後に洗ったものは、まだ少しカレーのニオイがしますが、鼻がくっつくほど近づけなければ気になりません。いっぽう、食後にすぐ洗ったものは、すでにニオイはしなくなっていました。キャンプ場などですぐに洗えなかったとしても、何度か使って洗っていくうちに、ニオイは取れていくと思います。

気になったこと

「スナップフォールド」を使って食事をしていて、少し気になったことがありました。それは、風が強いと飛びやすいということ。重量はカップが約33g、ボウルとディッシュが各約40gと非常に軽量です。料理が入っていないときだけでなく、料理が入っていても風の強さや料理の重さによっては飛んでしまったり、テーブル上で動いてしまったりするので注意しましょう。

筆者は、金属同士がぶつかったり、こすれたりする音が苦手なので、金属の食器とカトラリーで食事をするのは好きではありません。「スナップフォールド」は風に弱いというデメリットはありますが、金属製のスプーンをストレスなく使えるのでありがたかったです

筆者は、金属同士がぶつかったり、こすれたりする音が苦手なので、金属の食器とカトラリーで食事をするのは好きではありません。「スナップフォールド」は風に弱いというデメリットはありますが、金属製のスプーンをストレスなく使えるのでありがたかったです

まとめ

「スナップフォールド」は軽量でかさばらないため、山登りを楽しむハイカーを中心に親しまれていますが、ファミリーキャンプでも、食事はBBQが中心で、手の込んだ料理は作らないからお皿は少なくていいというスタイルの人に最適。紙のお皿を使う手もありますが、何度も使える「スナップフォールド」ならエコですしね。結構深さのあるカップやボウルも、スナップを外せば薄っぺらいシート状になるので、家族分用意しても場所を取らず、持ち運びも楽々です。

「スナップフォールド ソロパック」を3セット重ねた収納状態。9点の食器がこのサイズで持ち運べるのは大きな魅力です

「スナップフォールド ソロパック」を3セット重ねた収納状態。9点の食器がこのサイズで持ち運べるのは大きな魅力です

また、食器として使うだけでなく、展開した状態ではまな板としても使用可能。キャンプ場などで、洗った野菜などをちょっと入れておく、調理器具のボウルやトレイのようにも使えますし、防災用の食器としても役立つので、持っていて損はしないアイテムだと思います。

プラスチック製なので、力を加えて包丁をギコギコ動かすと深い傷が付く恐れがあるので、やさしくカットしましょう

プラスチック製なので、力を加えて包丁をギコギコ動かすと深い傷が付く恐れがあるので、やさしくカットしましょう

牛島義之
Writer
牛島義之
アウトドア雑誌の副編集長職を経てフリーランスとして独立。以降、アウトドアをはじめ、グッズ、クルマ、旅行などレジャー関連を中心に執筆している。
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中村真由美(編集部)
Editor
中村真由美(編集部)
モノ雑誌のシロモノ家電の編集者として6年間従事した後、価格.comマガジンで同ジャンルを主に担当。気づけば15年以上、生活家電の情報を追い、さまざまな製品に触れています。
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