5,000円前後イヤホンの注目株!

スリムな筺体で装着感も良好! finalの最新カナル型イヤホン「E3000」「E2000」を聴く

このエントリーをはてなブックマークに追加

先日、3,000円前後のカナル型イヤホンをオススメさせてもらったが、実は、それ以上に豊富なラインアップを誇り、高い注目を集めている価格帯がある。それが5,000円前後のクラスだ。

もともと、リモコン付イヤホンの普及によって「ちょっと機能的」「ちょっと音がいい」「ちょっと上質」な製品がこの価格帯に集まったことから、ワンワンク上の製品を求める人たちの人気を集めていたのだが、最近では音質的にもデザイン的にもなかなかに良質な製品が登場。ちょっといいどころか、「これがいい!」と自信を持っていえる製品が数多く並ぶ、ユーザーにとっては魅力ある価格帯となっているのだ。

そんな、各社が熱い戦いを繰り広げている価格帯に、新しい注目製品が登場した。それがfinalの新シリーズ「E3000」「E2000」だ。

E3000

E3000

E2000

E2000

finalといえば、音質を最優先に追求した高級イヤホン&ヘッドホンで有名な新進気鋭の日本ブランド。先に限定発売し、瞬く間に完売した「LAB II」など、超高級モデルのイメージが強いものの、シングルBAを搭載した「Heavenシリーズ」や、BAドライバーのメリットを活かして超小型ボディを実現した「Fシリーズ」、ダイナミック型ドライバーを搭載した「Adagioシリーズ」など、ことイヤホンに関してはエントリークラスからハイエンドまで幅広い価格帯の製品を取りそろえている。そんなfinalから、全く新しいエントリークラスとして5月18日に発売されたのが、今回ご紹介する「Eシリーズ」の2製品だ。発売ホヤホヤの新製品をさっそくレポートしていこう。

新開発の6.4mmダイナミック型ドライバーユニットを採用し、スリムな筺体を実現

まずは詳細から見ていこう。この「E」シリーズ、ダイナミック型ドライバーを搭載したカナル型イヤホンで、鏡面仕上げのステンレス切削ボディを持つ「E3000」と、アルマイト仕上げのアルミ切削ボディを持つ「E2000」の2モデルが同時発売されている。

アルミニウム筺体を採用するE2000(写真左)とステンレス筺体を採用するE3000(写真右)

アルミニウム筺体を採用するE2000(写真左)とステンレス筺体を採用するE3000(写真右)

いずれも、6.4mmの小口径ユニットを新開発することで、小さなボディと12〜14gという軽量さを実現しているのが特徴。BAドライバーを採用するFシリーズほどではないが、本体サイズに関してはかなり小柄な部類といえるだろう。同時に、仕上げの丁寧さとも相まって、この価格帯(E2000が4,500円前後、E3000が5,500円前後)とは思えない、格段の上質さを感じさせてくれる。

デザイン的にも、既存の(ダイナミック型ドライバー搭載&ハイコストパフォーマンスモデルの)Adagioシリーズとは異なり、Fシリーズと共通するイメージにまとめ上げられている。なお、Eシリーズのバックチャンバー側(装着時に外側となる側)は、メッシュデザインが採用されているが、実はこちら、エア抜きのための構造となっていてこちらからの音漏れはほとんどない。一般的なカナル型イヤホンと同じく、電車内などの環境でも充分に活用することができる。逆にいえば、アップル純正イヤホンを利用してシャカシャカ盛大に音を漏らしている人が増えている昨今、こちらに替えることで充分まわりに対しての気遣いいとなる、そういったレベルの遮音性だ。

ハウジングがメッシュ仕上げとなっているが、音漏れは皆無

ハウジングがメッシュ仕上げとなっているが、音漏れは皆無

実際、装着時にはほとんど重さを感じず、耳穴の角度に合わせてフィットしてくれる機構を持つ独自のイヤーチップのおかげもあって、首を激しく横に振っても(自重で)耳からポロリとこぼれ落ちることもない。

同社はA、B、C、Eの4種類のイヤーピースを展開しているが、Eシリーズには軸がもっとも太いEタイプのものが付属する

また、ケーブルも細めで柔らかく、しっとりとした表面処理から絡みにくい。試しに屋外で数日利用してみたが、かなり扱いやすい印象を持った。さらに、SSからLLまで5サイズのイヤーチップが付属しており、耳穴の小さい女性から大きな男性まで、幅広くフィットしてくれるのも嬉しい限りだ。

ケーブルは柔らかくて取り回しがしやすい。イヤホン端子はL字型タイプだ

ケーブルは柔らかくて取り回しがしやすい。イヤホン端子はL字型タイプだ

女性ボーカルが気持ちよく、Jポップとの相性が抜群

それでは、肝心のサウンドについてレビューしていこう。まずはアルミボディを採用するE2000から。

一聴して驚いた。ピアノの音、ドラムの音、そして女性ボーカルと、全てが自然でリアルな、上質なサウンドを聴かせてくれるのだ。クオリティ面では5,000円前後という価格帯をはるかに超える、1ランク上のサウンドを確保しているし、何よりも変なピークや変調のない、とてもニュートラルな表現が素敵。特に女性ボーカルとの相性がよく、ノラジョーンズがちょっとだけハスキーな声でメリハリのいい歌声を、サラ・オレインが少しクールな美声を楽しませてくれる。

さらに特筆だったのが、上白石萌音と早見沙織だ。上白石萌音は、基本的にやや倍音成分を抑えた滑舌のいい歌声なのだが、雑味のないとてもピュアな響きのおかげで、歌詞に込めた感情まで伝わってくるかのよう。いっぽうの早見沙織は、ややカチッとした歌声ながら、彼女の声そのものの響きの美しさ、心地よさが全身で味わえる。この女性ボーカルとの相性のよさは、大きな魅力だ。

ピアノの響きも素晴らしい。高域の倍音の乗り方がとても自然なのか、広がり感のある、心地よい音色を聴かせてくれる。アコースティック楽器では、弦楽器もなかなかすばらしい。チェロはほどよく締まった心地よい低音の響きが付帯し、存在感のあるソロを聴かせてくれるし、バイオリンも表情豊かな音色を奏でてくれる。音のキレの良さが功を奏しているのだろう、全体的にリズミカルな演奏に感じられる。

続いてE3000を試聴。基本的には同じ方向性のサウンドキャラクターだが、さらに解像度感とSN感が向上、一段とピュアな心地よい響きのサウンドを聴かせてくれる。2ランク上、1万円クラスの製品とガチで勝負できそうなほどのクオリティレベルだ。いっぽう、音色傾向としてはスピーカーシステムと違和感のないサウンドキャラクター、といったイメージも感じた。

こちらもいろいろな楽曲を試聴させてもらったが、なかでも特筆なのが弦楽器の演奏だ。バイオリンは普段よりほんのちょっと力強い、メリハリのハッキリした演奏を聴かせてくれ、チェロはフォーカス感の高い、それでいてちょっとだけ強めの低域によって普段より、弾みのある演奏を楽しませてくれた。キレのよさやSN感のさらなる向上などのおかげもあってか、E2000に対してさらに演奏がリズミカルに、弾んだように聴こえるところがなんとも素晴らしい。また、ピアノの音やハイハットの音は高域のメリハリがやや強めに感じられる傾向があり、開放感のあるのびのびとした演奏に感じられた。

もちろん、女性ボーカルとの相性も抜群。高域の伸びがよくなった分、ほんのちょっとヌケのいい歌声にシフト。張り上げた声が力強く響く、一段と印象的な歌声となった。

どちらの製品についても驚きだったのが、Jポップとの相性のよさだ。finalの製品、特に高級モデルに関しては、クラシックや女性ボーカルものなどアコースティック楽器メインの演奏が最も良好な相性を示すイメージがあった。しかしながらEシリーズ2製品に関しては、それらに加えてJポップやアニソンなどの、テンポの速い楽曲など友抜群の相性を見せてくれた。多くの人が手にする価格帯ゆえのよる狙いもあるのだろう、懐の深い、ジャンルを問わないサウンドキャラクターに仕上げられているのだ。これは嬉しい限り。音質はもとより、フィニッシュの上質さ、軽快な使い心地、そして何よりもコストパフォーマンスの高さから、いろいろな人に幅広く勧められる素敵な製品だ。

ちなみに、E2000とE3000どちらがオススメかというと、メインで使用しているプレーヤーと音の好み次第。両方を試聴してみて、より自分好みのサウンドを持つ方をチョイスして欲しい。

野村ケンジ

野村ケンジ

ヘッドホンなどをはじめ幅広いジャンルで活躍するAVライター。ハイレゾ音源についても造詣が深く、アニソンレーベルのスーパーバイザーを務めるほか、TBSテレビ開運音楽堂「KAIUNハイレゾ」コーナーではアドバイザーとしてレギュラー出演している。

紹介した製品の最新価格・クチコミをチェックする
このエントリーをはてなブックマークに追加
関連記事
新製品レポート最新記事
新製品レポート記事一覧
2017.12.12 更新
ページトップへ戻る