ゼンハイザーより、完全ワイヤレスイヤホンの新モデルとして「CX 400BT True Wireless」が登場した。これまでゼンハイザー製完全ワイヤレスイヤホンは、「MOMENTUM True Wireless 2」など、MOMENTUMシリーズのみ、事実上ワンモデルでの展開を行ってきたが、「CX 400BT True Wireless」の登場によって2バリエーションでの展開をスタートさせることとなる。
実際、「CX 400BT True Wireless」と「MOMENTUM True Wireless 2」ではグレードやシリーズに基づくさまざまな違いが見られる。たとえば「MOMENTUM True Wireless 2」はアクティブノイズキャンセリング機能や近接センサーを搭載しているが、「CX 400BT True Wireless」は非搭載のスタンダード機。当然、採用されているBluetoothチップも異なっている。また、新モデルはハウジング部分がスクエアなデザイン形状となり、専用ケースもオーソドックスな樹脂素材の外観を持つ小型のものに変更されている。
とはいえ、それ以外はかなりの部分が共通している。たとえばイヤホン本体はハウジング形状こそ異なるものの、耳側サイドの形状やノズル部はほぼ同じものが使われており、搭載されている7mm口径のドライバーも変わらない。機能性は差別化されているが、音質に関してはほぼ妥協なく同じレベルのものを作り上げたハイコストパフォーマンス機、ともいえる存在だ。
いっぽう、機能面ではアプリも用意されており、イコライザーによるサウンド調整やタッチセンサーの操作種類をカスタマイズできるなど、利便性は十分に確保されている。また、専属再生時間は約7時間と十分なスペックを持ち合わせている。Bluetoothコーデックは、SBC、AACに加えてaptXにも対応しているなど、音質に対してのこだわりが垣間見られる。
さて、肝心のサウンドはというと、「MOMENTUM True Wireless 2」のほぼ共通のキャラクター。メリハリのハッキリした抑揚表現、フォーカスがよくタップとした量感もあわせ持つ躍動感あふれる低域、キレのよい高域表現など、ゼンハイザーならではのサウンドキャラクターを持ち合わせている。音質についても悪くない。女性ボーカルやアコースティックギターなどは、かえって「MOMENTUM True Wireless 2」以上に繊細なニュアンスが伝わってくる。
ゼンハイザーサウンドが好みのユーザーにとっては、パフォーマンスだけでなく、音質的にも十分な満足感を得られるなかなかに良質な製品だと言えよう。
イヤホン重量(片耳):12g
再生時間:最大7時間
充電方法:専用ケース(内蔵バッテリーで1.8回のフル充電が可能)
対応コーデック:SBC/AAC/aptX
カラーバリエーション:ブラック/ホワイト
オーディオテクニカから、アクティブノイズキャンセリング機能搭載完全ワイヤレスイヤホンの第2弾として、「ATH-CKR70TW」が登場した。
こちらの製品、音質へのこだわりを持つSoundRealityシリーズに位置付けられる製品となっているが、音質に加え、個性的なデザインを採用している点も注目ポイントだ。たとえばイヤホン本体は、円形部分の上下にバーが付属されたかのような、アップル「AirPods Pro」とはまた異なるデザインが採用されている。よく見るとバーの上下端に集音&通話用マイクが配置されていて、これはノイズキャンセリング&通話用マイクの精度を向上させるため、できるだけ離れた位置に2つ(左右合わせて4つ)のマイクをレイアウトするためのデザインだという。加えて、装着時にバーの部分が目立ちすぎる印象にもならないため、「AirPods Pro」のような“うどんを耳から垂らしているような感じがイヤ”という人にも気に入ってもらえるはず。また、専用ケースから簡単に取り出せるなと、使い勝手の面でもデザインが生かされている。
アクティブノイズキャンセリング機能に関しては、音質重視のSoundRealityシリーズならではの追求が垣間見られる。音楽用とだけでなくビジネスシーンにも配慮された4マイク式「ATH-ANC300TW」に対し、「ATH-CKR70TW」では2マイク・フィードフォワード方式のノイズキャンセリングを採用している。これは、製品企画担当者によると“より音楽を楽しんでいただくためのノイズキャンセリング機能”に注力したためという。結果として、周囲の騒音に負けないよりピュアなサウンドを実現しているという。
外音取り込み機能に関してもなかなかにこだわっている様子がうかがえる。まず、外観取り込みは2つのモード、音量を2割くらいに絞る「クイックヒアスルー」とBGM的に音楽が楽しめる「ヒアスルー」が用意され、さまざまなシチュエーションに対応できるようになっている。また、通話用としてMEMS(Micro Electro Mechanical Systems)マイクを搭載(通話専用と通話+ノイズキャンセリング兼用で片側2つのマイクが搭載)し、ビームフォーミング技術も組み合わせ、聴き取りやすい音声通話を実現しているのもポイントだ。実際にスマートフォンを使って通話を試してみたところ、確かに通話時の声は聴き取りやすい。先の「ATH-ANC300TW」もなかなか良好な音声だったのでZoom会議などにもってこいの製品だったが、こちらもそういった使い方で重宝してくれそうだ。
このほか、SBC、AACに加えてaptXコーデックに対応するほか、最大約7時間の連続再生時間(専用ケースを含めて最大約20時間)、IPX4の防滴性能など、基本スペックも充実している。
そして、肝心のサウンドはというと、ニュートラルなバランスを基調としつつ、高域の煌びやかさや低域の迫力もある、きめ細やかさと煌びやかさが絶妙にバランスしたサウンドに仕立てられている。言い換えれば、質感の良いサウンドと表現できるかもしれない。男性ボーカルは低域成分の豊かな落ち着きのある雰囲気。女性ボーカルは、すらっとした大人びた歌声を聴かせてくれる。いっぽうで、ピアノもヴァイオリンも表現は穏やか。ハードロックはキレのよさや迫力よりも、歌声やギターの心地よさが印象的だ。また、アクティブノイズキャンセリング機能をオンにしても、それほど音質面での低下を感じない点もうれしい。逆に、外音ノイズが減ったおかげか、低域の量感が増して迫力もグルーヴ感もほんの少し高まってくれている。
音楽再生優先をうたうアクティブノイズキャンセリング機能搭載完全ワイヤレスイヤホンはすでにいくつか存在しているが、そういったライバルのなかにあって、サウンドも機能もデザインも、しっかりとした個性を主張している完成度の高い製品だと思う。
イヤホン重量(片耳):5g
再生時間:最大7時間(ANC ON時)
充電方法:専用ケース(内蔵バッテリーで約2.85回のフル充電が可能)
対応コーデック:SBC/AAC/aptX
カラーバリエーション:ブラック/ベージュゴールド
Technicsブランドを含めると3モデルが同時発表されたパナソニック製の完全ワイヤレスイヤホンだが、その中でもこの「RZ-S30W」は末妹に位置するモデルで、唯一アクティブノイズキャンセリング機能が搭載されていないスタンダードモデルとなっている。そのため、コストの面で手頃さを感じる製品となっているが、いちばんのウリは価格ではなく、装着感であることが注目ポイントでもある。
ドライバーは、3モデル中最小口径となる6mmのダイナミック型ドライバーを採用。さらに、ハウジング形状に工夫を凝らすことでかなり小柄なイヤホン本体にまとめられており、女性でも違和感なく装着できるようになっている。確かに、他社製品を含めて装着感のよさはかなりのもの。筆者は耳穴サイズこそMで大丈夫なものの、使用中にこぼれ落ちやすい傾向があるのだが、「RZ-S30W」については、重量の軽さも手伝ってか、ピッタリとフィットし、試聴中にこぼれ落ちてしまうようなことはいっさいなかった。
また、ノイズキャンセリング機能が搭載されないかわりに連続再生時間が長くなっていて、イヤホン単体では約7.5時間(AAC)、充電ケースを合わせると約30時間(AAC)の使用が可能となっている。また、IPX4の防滴機能も用意。イヤーピースは、女性ユーザーを意識してか、他の2モデルとは異なるXSサイズを付属(XS〜Lの4サイズ)。細やかな気配りが行き届いた、魅力的なパッケージにまとめ上げられている。
いっぽう、上位モデルの「RZ-S50W」同様、左右それぞれにイヤホン本体が直接スマートフォンと接続する「左右独立受信方式」を採用したり、タッチセンサー配線などもアンテナ回路に利用した「タッチセンサーアンテナ」を搭載するなど、接続安定性や通話用マイクの明瞭さなどが、上位モデルと変わりない点もうれしいところだ。
さて、肝心の音はというと、3モデルの中ではいちばん聴き心地のよい、ポップで明るい印象のサウンドが楽しめた。音色傾向的にはニュートラルといえる範疇に位置するが、キレのよさから、とても軽快な歌声&演奏に聴こえるのだ。女性ボーカルはしっとりした落ち着きのある歌声だし、ピアノの演奏も軽やか。長時間でも聴きやすいサウンドだ。
ちなみに、上位モデル「RZ-S50W」はもう少し彫りの深い、抑揚に富んだサウンドとなっている。ドライバー口径の恩恵か、ワイドレンジさ、解像感の高さもこちらの方が有利。しかしながら、明るく楽しい「RZ-S30W」のサウンドを聴いていると、これはこれで魅力のある表現だと思える。「RZ-S30W」の音や装着感がとても魅力的なため、「RZ-S50W」とどちらを選ぶかは思っているほどには悩まないかもしれない。逆に、「RZ-S50W」はTechnicsブランドの「EAH-AZ70W」とどちらにするか悩む人が多くなりそうだ。
イヤホン重量(片耳):4g
再生時間:最大7.5時間(AAC接続時)
充電方法:専用ケース(内蔵バッテリーで3回のフル充電が可能)
対応コーデック:SBC/AAC
カラーバリエーション:グリーン/ブラック/ホワイト
JBLはこれまで多目的用途の「Free X」やスポーツ向けの「ENDURANCE PEAK」「UA SPORT WIRELESS FLASH」などの完全ワイヤレスイヤホンをリリースしてきたが、新たに、販売価格が1万円を切るベーシッククラスの製品として「JBL TUNE 120TWS」が追加された。
こちらの製品、外観は(どちらかというと)「Free X」に近い、完全ワイヤレスイヤホンとしてはごく一般的なスタイルに見えるが、アウターハウジングと耳側を別色にしたり、耳側を一段すぼめた形にするなど、随所に独自の工夫が施されていたりする。このあたりは、装着性も含めたデザインづくりのように感じられる。また、専用ケースのデザインも薄型&幅広めの丸みを帯びたケースが採用されているが、こちらもカバンで邪魔になりにくいサイズ感だったりイヤホン本体が取り出しやすかったりと、“ファッション性に富んだデザイン”であると同時に、使い勝手についてもかなり熟考されている様子がうかがえた。
イヤホン本体は、最大で4時間ほどの連続再生が可能となっている。また、バッテリーを搭載する専用ケースもあわせると、最大で16時間の音楽再生が行えるため、実際の使用時にそれほど困ることはないだろう。ちなみに、約15分の充電で1時間ほどの音楽再生が可能な急速充電機能にも対応しているので、ありがたい。カラーバリエーションはブラック、ホワイト、グリーン、ピンクの4色を展開している。対応コーデックはSBCのみ。ハンズフリー通話はもとより、GoogleNowやSiriの呼び出しにも対応している。イヤホン本体のボタンから音量調整が行えない(ウォークマンでボリューム調整できない問題は修正ファームウェアを準備中)のが残念だが、この価格帯の製品だと意外と多いので、弱点といいきるのは酷だろう。
さて、肝心の音はというと、まさに旧きよき西海岸サウンドといったイメージの、明るくてカラッとしていてヌケのよい、清々しい音色傾向が特徴だった。メリハリはかなり強めで、かなり迫力よりの表現だったり、ピアノの音が伸びやかを越えてかなり鋭かったりするのだが、音色の明るさや音ヌケのよさが功を奏してか、耳障りどころか逆に気持ちいいと感じてしまう。とても印象的なサウンドだ。
ただ1点、イヤーチップの相性が少々シビアな傾向があり、筆者などは低域が抜けてしまい過ぎるバランスの悪いサウンドになってしまう傾向があった。今回の試聴では、SednaEarFitに交換して試聴を続けることとなったが、「低音があまり聴こえない」と感じる人がいたら、市販品のイヤーチップを試してみることをオススメしたい。
イヤホン重量(片耳):-
再生時間:最大4時間
充電方法:専用ケース(内蔵バッテリーで3回のフル充電が可能)
対応コーデック:SBC(一部端末ではAAC対応)
カラーバリエーション:ブラック/ホワイト/グリーン/ピンク
カスタムIEMの造りのよさに定評を持つアメリカのイヤホン専業メーカー、Noble Audioの完全ワイヤレスイヤホン第2弾。ファーストモデル「FALCON」は、先にクラウドファンディングによる販売が行われ、目標金額を大幅に上回る1,400万円超の支援を達成し話題となった製品(その後一般販売された)だが、そのブラッシュアップ版といえるのがこの「FALCON 2」だ。
一般的な完全ワイヤレスイヤホンとはあきらかに異なる、ノズル部分の長いイヤーモニター風なイヤホン本体デザインはほぼ変わらず踏襲された。そのため、高い遮音性が確保されているいっぽうで、人によっては装着感が厳しい可能性もある。普段からSサイズイヤーチップを使っている人など、耳穴の小さい人は購入前に装着感をチェックすることをおすすめする。そのいっぽうで、専用ケースは大きくリニューアルされ、ワイヤレス充電規格のQiに対応したほか、デザインもかなり上質な印象となった。
Bluetoothまわりでは、これまでのクアルコム製「QCC3020」に代わり、最新世代の「QCC3040」が搭載されている。これにより、コーデックはSBC、AAC、aptXに加えて、接続のよさと高音質を自動的に最適化してくれるaptX Adaptiveまで対応となった。また、左右イヤホンがそれぞれ直接スマートフォンからのデータ伝送を行う「TrueWireless Mirroring」も採用。イヤホン内部のアンテナ位置や角度を最適化するとともに内部アンテナ基板の配置も変更するなど、接続安定性に関してもワンステップの進化が押し進められている。
音質に関しては、「FALCON」のために開発された「Dual-Layered Carbon Driver(D.L.C. Driver)」ユニットを継承。組み合わせるアコースティックダンパーの選定やDSPによる調整など、Noble Audio製IEM(有線モデル)の周波数特性を基準としたチューニングによって、さらなる音質の向上を果たしているという。
ほかにも、IPX7の防水性能を確保しているほか、イヤホン本体で約10時間の連続再生が可能。専用アプリによるボタンのカスタマイズ、イコライザー調整機能など、ユーザビリティに関しても「FALCON」ならではのよさがしっかり継承されている。
さて、肝心のサウンドはというと、見通しのよいていねいな抑揚表現など、初代に対して確実な進化が感じられる。おかげで、OLDCODEXのようなパワフルな演奏も、破綻することなくまとまりのよいバランスで聴かせてくれる。いっぽうで、Jポップとの相性のよさは相変わらず。MYTH & ROIDを聴くと、歌声が一段とリアルになり、ぶ厚いギターと重なり合ってもお互いに潰し合うことなく、それぞれが印象的なバランスのよいサウンドを聴かせてくれる。坂本真綾「逆光」は、ヴァイオリンの音が一段とクリアになったほか、生バンド演奏もリアルさが増している。坂本真綾の歌声は、ややハスキーな方向にシフトした。「FALCON」で感じた“音楽が楽しい”サウンドが、「FALCON 2」ではさらにクオリティをあげ、音色傾向としても聴きやすい音になった、といった印象だ。もともと完成度の高い製品だったが、この進化は大いに歓迎したい。
イヤホン重量(片耳):5.5g
再生時間:最大10時間(70%音量時)
充電方法:専用ケース(内蔵バッテリーで4回のフル充電が可能)
対応コーデック:SBC/AAC/ aptX/aptX Adaptive
カラーバリエーション:ブラック/ホワイト
2製品が一気に登場したBOSEの完全ワイヤレスイヤホンの中でも、こちらはスポーツモデルに位置付けされる製品。そういった意味で、ファーストモデルの直接的な後継モデルといえる製品だが、外観はまったくといっていいほど異なっていて、重量も約6.8gと格段に軽い。同時発売の「Bose QuietComfort Earbuds」とデザイン面では近いが、さらにイヤホン本体が小さく軽快な装着感をキープした製品、といっていいだろう。装着性については「Bose QuietComfort Earbuds」と同じく「StayHear Maxチップ」を採用しているが、軽量コンパクトなためか、装着感は多少こちらの方が良好となっている。
正直な話をすると、筆者は「StayHear Maxチップ」と相性が悪く、イヤホン本体が耳からこぼれ落ちてしまうのだが、「Sport Earbuds」だけは重心バランスがよいのか、しばらくの間ホールド状態が保たれ試聴し続けることができた。BOSEのイヤーチップが苦手、という人もぜひ一度は試してみてほしいところだ。
いっぽうで、不満な点もある。それは、バッテリーの持続時間が約5時間、専用ケースからの充電を含めても最大15時間と、最新モデルとしてはかなり心許ないスペックとなっていることだ。その代わりに、15分の充電で約2時間が使用可能なクイック充電に対応しているというから、使い勝手の面で大きな不自由はなさそう。また、スポーツモデルらしく、IPX4の防滴仕様も備わっている。そのほか、コーデックは、SBCとAACに対応。着脱に対応して自動的に音楽再生/停止される装着センサーも備わっている。
さて、肝心のサウンドはというと、カラッとしたドライな中高音と、ゆったりとしたボリューミーな低音が組み合わされたメリハリのよいキャラクターに仕立てられている。とはいえ、低域のバランスにそれほど違和感を感じさせないなど、ドンシャリ然としたイメージはなく、どちらかといえば低域がマスクされがちな屋外に強いポップなサウンド、いったイメージだろうか。女性ボーカルは、スッとしたスマートな声を聴かせてくれるし、男性ボーカルも低域の良好の多さに埋もれることなく、芯のある朗々とした歌声を聴かせてくれる。
バッテリー持続時間など、多少のマイナスポイントはあるものの、音質、装着感など、製品としての完成度は高い。まずまず良質な製品と言えるだろう。
イヤホン重量(片耳):6.75g
再生時間:最大5時間
充電方法:専用ケース(内蔵バッテリーで2回のフル充電が可能)
対応コーデック:SBC/AAC
カラーバリエーション:トリプルブラック/バルティックブルー/グレイシャーホワイト
「WF-1000X」に続く、ソニーとして2製品目となる完全ワイヤレスイヤホン。同社が得意とするノイズキャンセリング機能を搭載しつつも、スポーツモデルに仕立てられた、キャラクターの明確な製品にまとめ上げられている。
まず、本体の重量は約7.6gと「WF-1000X」に対してはほんのわずかに重くなってはいるものの、それでもかなり軽量な部類に属する。また、IPX4相当の防滴対応や「アークサポーター」と呼ばれるフィンも付属され、スポーツやフィットネス時に大いに活用できる仕様が盛り込まれている。
もうひとつ、「WF-SP700N」の特徴となっているのがノイズキャンセリング機能だ。しかも、単なるノイズキャンセリングではなく、環境音や人の声を取り込む「アンビエントサウンドモード」が搭載されており、ランニングなどのスポーツを行っている際にも安全な運用が可能となっている。また、コントロールはスマートフォン用のアプリから行えるようになっており、ノイズキャンセリング、外音取り込み(ボイスモード)、外音取り込み(ノーマルモード)の3タイプを設定できるため、環境に応じたモードを設定することができる。このため、スポーツ時だけでなく、通勤時など普段使いでも大いに活用が可能だ。ちなみに、スマートフォン用のアプリには、イコライザー機能も搭載されており、自分好みの音色傾向にカスタマイズすることもできる。
バッテリー持続時間は、約3時間と十分な内容を持ち合わせている。加えて、2回のフル充電ができる専用ケースが付属されており、どちらのフル充電しておけばトータル9時間ほどの利用が可能だ。また、NFCにも対応しており、スマートフォンを近づけるだけで手軽にペアリングを行うことができる。いろいろな記事で書かせてもらっているが、やはりNFC対応は便利だ。また、対応コーデックはSBCとAACの2つのみとなっている。先の「WF-1000X」同様、LDACへの対応は見送られたようだ。
さて、肝心のサウンドはというと、伸びやかなイメージのサウンド。メリハリのよい中高域と力強いドラム&ベースによって、ノリのよいサウンドが楽しめる。ボーカルはほんのちょっぴりドライで、どちらかというと爽やかなイメージの歌声だ。「WF-1000X」に対して音質的には劣るものの、価格差を考えると悪くないレベルだし、逆にこちらの方が好み、という人もいるはず。外音取り込み機能や装着感の確かさも含めて、なかなか使い勝手のよい製品だ。
イヤホン重量(片耳):約7.6g
再生時間:最大3時間(ノイズキャンセリングON/OFF)
充電方法:専用ケース(内蔵バッテリーで2回分のフル充電が可能)
対応コーデック:SBC、AAC
カラーバリエーション:ホワイト、ブラック、イエロー、ピンク
finalがサウンド監修を行う新イヤホンブランド、agのエントリークラス完全ワイヤレスイヤホン。音質を最重要視した「TWS01K」に対して、「TWS03R」はデザインや使い勝手のよさに重点が置かれているのか、小型軽量なイヤホン本体やミニマムで扱いやすい専用充電ケース、落ち着いた印象のつや消し表面処理(粉雪塗装)、中間色調のポップさとシックさをあわせ持つカラーバリエーションなど、女性を意識した上品な印象の外観にまとめられているのが特徴となっている。その証拠に、イヤーピースは標準3サイズに加えてfinal製タイプEのSSサイズが付属している。
対応コーデックはSBCとAAC、続音楽再生時間は5時間程度(ケースからの充電込みで最大17時間)と、「TWS01K」に対しては音質もスペックも劣る部分はあるが、決して安かろう悪かろうというイメージはない。逆に、コンパクトなイヤホン本体&専用ケース、そして絶妙なカラーリングも含めて、積極的に使いたくなる&持ち運びたくなるのはこちらのほうが上かもしれない。
音質的にも悪くない。解像感は確かに「TWS01K」に劣るが、雑味のないクリアな印象のサウンドでまとめられている。加えて、ボーカルがグッと近い位置にいて、生き生きとした歌声を聴かせてくれる。特に女性ボーカルとの相性がよく、普段より幾分伸びやかな、張りのある歌声を聴かせてくれるので、聴いていてとても楽しい。Jポップなど最新曲との相性はとてもよい。手頃な価格も含めて、なかなか魅力的な製品といえる。
イヤホン重量(片耳):-
再生時間:最大5時間
充電方法:専用ケース(内蔵バッテリーで2.4回のフル充電が可能)
対応コーデック:SBC/AAC
カラーバリエーション:BLACK/BLUE/GREEN/RED/CREAM/MOMO