選び方・特集

《2023年》完全ワイヤレスイヤホン一気レビュー!音質や装着感をイヤホンのプロが徹底検証

29. Anker「Soundcore Liberty 4」
既存製品のイヤホンのいいとこ取り! 機能性を追求したノイキャンTWS

数多くの完全ワイヤレスイヤホンがラインアップされているAnker「Soundcore」シリーズの中でも、「Soundcore Liberty 4」はなかなかユニークな成り立ちの製品だ。総じていえば既存製品のいいとこ取り。デザインや機能性は「Soundcore Liberty Air 2 Pro」の流れだが、特殊なドライバーユニットなどの新技術をいくつも投入し、「Soundcore Liberty 3 Pro」の後継、新フラッグシップと呼んでもおかしくないキャラクターに仕立てられている。

なかでも最大の特徴となっているのが、ドライバーユニットだろう。「A.C.A.A3.0」と呼ばれているこちら、BA型とダイナミック型のハイブリッド構成だった「A.C.A.A2.0」とは異なり、ダイナミック型を同軸上に2基配置した新デザインのドライバーユニットとなっている。これにより、細やか、かつクリアなサウンドを実現しているという。音質面では、さらにLDACコーデックに対応することで、ハイレゾ級のサウンドを楽しむことができる、ともアピールしている。

また、「HearID」機能も注目だ。こちら、アプリ上で音の聴き取りやすさを測定し、個人個人に最適な音質を自動調整するもの。測定は手動でひと手間あるが、効果はまずまず良好なので、ありがたい機能でもある。

もうひとつ、3Dオーディオに対応しているという点も興味がひかれる。こちら、いわゆる3Dエフェクト効果のようだが、独自のアルゴリズムで音源を処理することで、映画館やライブ会場にいるかのようなサラウンド体験を提供してくれるのだという。また、ジャイロセンサーを搭載することで、ヘッドトラッキング機能も持ち合わせているという。実際に試して見たが、3D効果のほうは現在のところステレオ音源のバーチャルサラウンド化しか試せなかったので“まあ、広がり感はあるかな”程度だが、ヘッドトラッキングについてはしっかりとした追従がなされているなど、悪くない効果だった。映画やゲームなど、探せばうまく活用できるコンテンツが見つけられるかもしれない。

さらに、ヘルスケア機能が搭載されているのもユニークだ。アプリを通じて、心拍モニタリングやストレスチェック、姿勢リマインダー、ワークアウト機能などが利用可能となっている。人によっては、重宝するかもしれない。

もちろん、ノイズキャンセリング機能も搭載されている。Ankerの独自技術となる「ウルトラノイズキャンセリング 2.0」が採用されており、効果はまずまず。Boseやソニー、アップルなどの高級モデルには敵わないかもしれないが、外音取り込みも合わせて、屋外での使用時には十分役立ってくれるだろう。

さて、肝心のサウンドは、メリハリのはっきりした表現が特徴。低域の量感がしっかりしているため、音に迫力がある。またダイナミック型2基搭載の恩恵か、低域から女性ボーカルくらいの中域高めまで、統一感のある音色となっていて好ましい。高域がややざわついている印象があるが、好みの範疇といえるレベルだ。音色は好みがわかれそうだが、この価格帯でここまで多機能な製品はほとんどなく、こと機能性に関しては大いに魅力ある製品と思える。

イヤホン重量(片耳):5.8g
イヤホン操作:タッチセンサー
再生時間(イヤホン単体):最大7時間(ノイズキャンセリング機能オフの場合は最大9時間)
再生時間(充電ケース併用):最大24時間(ノイズキャンセリング機能オフの場合は最大28時間)
充電方法:充電ケース
急速充電対応:○
防水対応:○(イヤホンのみ、IPX4相当)
対応コーデック:SBC、AAC、LDAC
アプリ対応:○
カラーバリエーション:ミッドナイトブラッククラウドホワイト

30. Anker「Soundcore Liberty Neo 2」
約6,000円で購入できるエントリーモデルとは思えない出来のよさに注目!

モバイルバッテリーやUSB電源アダプターだけでなく、プロジェクターやロボット掃除機など幅広いカテゴリーのアイテムを展開しているAnker。その中でもオーディオ製品の「Soundcore」シリーズは、完全ワイヤレスイヤホンをメインに充実したラインアップを取り揃えるようになってきた。そんなAnker「Soundcore」シリーズで約6,000円というお手ごろ価格で購入できるモデルが「Soundcore Liberty Neo 2」だ。

Ankerの完全ワイヤレスイヤホンとしてはエントリークラスに位置する製品で、価格と音質のバランスのよさで評判だった第2世代「Soundcore Liberty Neo」の後継に位置するオーソドックスな作りの完全ワイヤレスイヤホンだ。ちなみに、Anker製品はよくマイナーアップグレードの後に“2”と名付けられた製品が登場することがあるためわかりにくいが、この「Soundcore Liberty Neo 2」は第3世代にあたる製品で、旧モデルに対しては音質の改善や、バッテリー性能のアップなどのユーザビリティ向上が押し進められている。

外観は横長デザインの比較的コンパクトな充電ケースは第2世代「Soundcore Liberty Neo」からあまり変わっていないが、イヤホン本体はデザインが刷新され、イヤーモニターライクな、フィット感のよいデザインとなった。付属のイヤーフィンとも相まって、良好な装着性を持ち合わせている。また、バッテリー性能は、イヤホン単体で最大10時間、充電ケース併用だと最大40時間の再生が可能となっている。これは、第2世代「Soundcore Liberty Neo」に対して約2倍のロングライフとなっているそうで、使い勝手の面では大きな向上といえるだろう。また、片耳モードも備わっていて、片側のイヤホンを充電ケースに戻すと片側だけで使えるのも便利だ。

いっぽう、充電ケースは充電端子がUSB Type-Cとなり、加えてワイヤレス充電にも対応している。さらに、好評だったIPX7の防水性能なども継承されており、アプリでイコライザーやイヤホン本体のタッチ操作のカスタムが可能など、ことユーザビリティに関しては大幅なグレードアップが行われている。とてもエントリークラス、約6,000円の製品とは思えない魅力的な内容を持ち合わせている。

第2世代「Soundcore Liberty Neo」からサイズアップした、3層構造の8mm口径ダイナミック型ドライバーの生み出すサウンドは、距離感の近い音場とメリハリのはっきりしたダイナミックな表現が特徴。ボーカルの立ち位置が近く、滑舌のよい歌声を聴かせてくれる。コーデックがSBCとAACのみの対応ということもあって、解像度はそれほど高くはないものの、歪み感が抑えられた恩恵なのだろう、楽器のセパレーションがよかったり、音色が比較的自然だったりと、良好なサウンドを楽しませてくれるようになった。メリハリが強い分、ちょっとした粗さのようなものは感じるが、正直、第2世代「Soundcore Liberty Neo」とは格の違う音質になっている。機能性や装着感のよさも合わせて、エントリークラスとは思えない、出来のよい製品だ。

イヤホン重量(片耳):6g
イヤホン操作:タッチセンサー
再生時間(イヤホン単体):最大10時間
再生時間(充電ケース併用):最大40時間
充電方法:充電ケース
急速充電対応:○
防水対応:○(イヤホンのみ、IPX7相当)
対応コーデック:SBC、AAC
アプリ対応:○
カラーバリエーション:ブラックオフホワイトネイビー

31. Anker「Soundcore Liberty Air 2 Pro」
大人気「Liberty Air」シリーズ初のノイキャン搭載モデル

Ankerの完全ワイヤレスイヤホンの中でも好評を博している「Liberty Air」シリーズの最新モデルにして、ノイズキャンセリング機能を搭載したモデル。とはいえ、デザインは(同じバーアンテナを持つタイプではあるものの)既存モデルとディテールが異なっているし、ケースに関してはまったくの別物となっている。“Pro”の名前が与えられていることからも、ひとつ上級に位置するモデルと考えるのが妥当そうだ。

注目のノイズキャンセリング機能に関しては、イヤホンの外側と内側に配置した2つのマイクにより周囲の音を検知して雑音を除去する「ウルトラノイズキャンセリング」を搭載。「交通機関モード(乗り物のエンジン音や走行音など低周波ノイズを最小限に抑制)」「屋内モード(周囲の会話など中周波ノイズを低減)」「屋外モード(街中の環境音などを低減)」という、3つのノイズキャンセリングモードが切り替えられるほか、外音取り込み機能も用意されている。このあたりの機能性は、下位モデルの「Soundcore LIFE A2 NC」とほぼ変わらない。

もうひとつ、「Liberty Air 2 Pro」にはスマートフォン用アプリの機能として「イヤーチップ装着テスト」が用意され、ガイダンスにしたがってテストすると、最適な装着が行われているか確認することができる。ちなみに、イヤーピースは9種類ものサイズが同梱されているので、大半の人がベストな装着状態を実現できるはずだ。このほか、アプリからはイコライザー設定なども行えるようになっている。

バッテリー性能は、イヤホン単体で最大7時間(ノイズキャンセリング機能オンの場合は最大6時間)、充電ケース併用で最大26時間(ノイズキャンセリング機能オンの場合は最大21時間)と、十分なバッテリー性能を持ち合わせている。特に、充電ケースはかなり小さく携帯性重視のものとなっているが、それなりのバッテリー容量を搭載してくれているのはありがたい。また、15分間の充電で3時間の音楽再生が可能な急速充電にも対応しているので、バッテリーまわりで不満に思うことはまずないだろう。なお、IPX4の防滴性能にも対応している。

ノイズキャンセリング機能の効き具合もなかなかの効果を持ち合わせている。それほど“耳栓”感覚が強くない形状であるのにもかかわらず、効果のほどは結構ある。価格を考えると、十分以上の機能性と言えるだろう。

肝心のサウンドはというと、ジャズやクラシックなどアコースティック楽器との相性がよさそうな、ていねいな表現の中高域と量感たっぷりの低域との組み合わせが特徴。高域もそれなりの伸びやかさは持つものの、痛々しい鋭さがないので聴きやすい。ゆったりとした演奏のジャズや、ミドルテンポの名盤ポップスなどは、相当心地よいグルーヴ感を堪能させてくれる。音色も変な特徴がなく、自然な音色の歌声、アコースティックギター、ピアノが楽しめる。音場的な広がり感というか、情報量に欠ける嫌いはあるが、あまり気にならず、音色の気持ちよさが心に残る。このサウンドキャラクターが好きな人であれば、Jポップ、Jロックもイケる。装着感、ノイズキャンセリング機能の効果、音質と、なかなかバランスのよい製品だ。

イヤホン重量(片耳):5g
イヤホン操作:タッチセンサー
再生時間(イヤホン単体):最大6時間(ノイズキャンセリング機能オフの場合は最大7時間)
再生時間(充電ケース併用):最大21時間(ノイズキャンセリング機能オフの場合は最大26時間)
充電方法:充電ケース
急速充電対応:○
防水対応:○(イヤホンのみ、IPX5相当)
対応コーデック:SBC、AAC、LDAC
アプリ対応:○
カラーバリエーション:ホワイトネイビーピンクブラック

32. final「ZE3000」
音だけでなくデザインにもこだわったfinalブランド初の完全ワイヤレスイヤホン

これまで“監修”という形でagブランドの完全ワイヤレスイヤホンを手がけてきたfinalが、自社ブランド初の完全ワイヤレスイヤホンとしてリリースしたのが「ZE3000」だ。

実際にはエヴァンゲリオンとのコラボモデルという例外はあるものの、これまで有線イヤホン・ヘッドホンにこだわり続けたfinalが、本格的にワイヤレスモデルを手がけた記念すべきファーストモデルとなった「ZE3000」。「ZE3000」という製品名はエントリークラス有線イヤホンのベストセラーモデル「E3000」からあやかったということだそうだが、フィット感の高いイヤーモニター型の独自デザインを採用するイヤホン本体は、「E3000」というよりも「A3000」に近い印象で、Aシリーズと同じ3点支持による高い装着感を実現しているという。実は、もっと小型にすることも可能だったのだが、装着感や取り外しのよさを考えてこのデザインに決定したのだという。さすがfinalというべきか、イヤホン本体のデザインひとつをとっても、徹底したこだわりが垣間見られる。

さらに、音質に対する徹底したこだわりが盛り込まれているのも、finalらしい部分だろう。音質的には「A4000」同等のものを追求した様子で、それを実現するために「f-Core for Wireless」ドライバーを新開発。口径こそ6mmであるものの、新たにシリコンエッジを採用し射出成形によって振動板を形成。振動板の固定に接着剤を利用しないことで、振動板の有効面積が大きく(メーカー担当者によると9mm口径と同等の音質的なアドバンテージを保つという)、かつ個体差が格段に少ない音質的な優位性を確保しているという。加えて、IPX4という防滴性能を確保しつつ良サウンドを実現するため、イヤホン本体内部に「f-LINK dumping機構」を採用。ドライバー前後の空間取りやパイプ等を使用した繊細なエアコントロールによって、「f-Core for Wireless」ならではの実力を十分に発揮させることができたという。

バッテリー性能は、イヤホン単体で最大7時間、充電ケース併用で最大35時間の使用が可能となっている。BluetoothコーデックはSBCやAAC、に加えて、aptX、aptX Adaptiveもサポート。カラーはブラックとホワイトの2色が用意されている。

さて、肝心のサウンドはというと、確かにfinal製の有線イヤホンに迫る実力を持ち合わせている。特に音色的な質感のよさ、帯域バランスのよさはagブランドの完全ワイヤレスイヤホンに対しても格別で、とてもニュートラル、かつ表現力の高いサウンドを楽しませてくれる。言い方を変えると、余計なブーストは一切ないのにメリハリがよく、ボーカルもバックの演奏もバランスを崩さずしっかり届いてくる、といったイメージだ。Jポップを聴くと、ハスキーでもファニーでもないニュートラルでありながら抑揚表現にすぐれたボーカルを聴かせてくれるし、ハードロックはグルーヴ感のよいノリノリな演奏を楽しませてくれる。クラシックも壮大なスケール感がしっかりと表現されている。質のよさとともに、楽しさを味わえる魅力的なサウンドだ。

イヤホン重量(片耳):4.9g
イヤホン操作:タッチセンサー
再生時間(イヤホン単体):最大7時間
再生時間(充電ケース併用):最大35時間
充電方法:充電ケース
急速充電対応:-
防水対応:○(イヤホンのみ、IPX4相当)
対応コーデック:SBC、AAC、aptX、aptX Adaptive
アプリ対応:-
カラーバリエーション:ブラックホワイト

33. final「ZE2000」
サウンドチューニングを変更した「ZE3000」の兄弟モデル

「ZE3000」の兄弟モデルとして登場した「ZE2000」。専用設計の6mm口径ダイナミック型ドライバー「f-Core for Wireless」採用に変更はないものの、サウンドチューニングが異なっており、外観も塗装のフィニッシュが違っていたり(「ZE3000」は一眼レフカメラのようなシボ塗装だが「ZE2000」はマット塗装仕上げ)と、サウンドも外観もわずかに違うモデルに仕立てられている。

なお、6mm口径でありながら9mm口径に相当する振動板面積を確保したという「f-Core for Wireless」や、筐体外部へのベントなしで有線イヤホンと同等の音響設計を可能にする「f-LINKダンピング」機構といった部分に変更はなく、「ZE3000」でユーザーから好評を得た装着感のよいイヤホン本体のデザインも共通。イヤホン単体で最大7時間、充電ケース併用で最大35時間の使用が可能なバッテリー性能や、SBC/AAC/aptX/aptX Adaptiveの4種類のBluetoothコーデックサポートも同じだ。ノイズキャンセリング機能こそないが、環境的にノイズキャンセリング機能が絶対必要という人でなければ十分満足できる機能性だと言える。

さて、肝心のサウンドはというと、基礎体力の高い音質が魅力。ハイレゾ級の音質を確保しているaptX Adaptive接続が可能とはいえ、解像感の高さ、ディテール表現の細やかさ、音場的な広がり感など、完全ワイヤレスイヤホンとしては別次元のクオリティを持ち合わせている。また、音の距離が近いことも魅力となっていて、女性ボーカルは伸びやかな、男性ボーカルも朗々とした実体感のあるディテール豊かな歌声を楽しませてくれる。アーティストによっては少し鼻にかかったような歌声にも感じられるが、総じて聴き心地のよい歌声を聴かせてくれる。鮮明でフラットなサウンドキャラクターの「ZE3000」とはやや趣が異なっている。

実はこういった“音色違い”イヤホンはfinalが得意とする手法であり、過去にも有線イヤホンでさまざまな兄弟モデルが作られている。今回の「ZE2000」「ZE3000」は、そのなかでも「E2000」「E3000」の関係に近いかもしれない。純粋に音の好み次第でどちらを選ぶか、決めるのがよさそうだ。

イヤホン重量(片耳):4.9g
イヤホン操作:タッチセンサー
再生時間(イヤホン単体):最大7時間
再生時間(充電ケース併用):最大35時間
充電方法:充電ケース
急速充電対応:-
防水対応:○(イヤホンのみ、IPX4相当)
対応コーデック:SBC、AAC、aptX、aptX Adaptive
アプリ対応:-
カラーバリエーション:メタルブラックアッシュグレー

34. ag「COTSUBU」
イヤホン本体もケースも超小さい! 豊富なカラバリにも注目

final監修のジャパンブランドとして2019年の誕生以来、矢継ぎ早に新製品をデビューさせ、ヒット作を生み出しているag。その第3世代の製品として、まったく新しいアプローチの新製品が登場した。それがこの「COTSUBU」だ。

こちらの製品、実は通し番号的な「TWS09R」という製品名も持っていて、フルネームを書くと「TWS09R COTSUBU」となる。とはいえ、基本的にはペットネームに相当する部分「COTSUBU」と呼ばれており、agとしては、初めて“名称”を与えられた製品となる。担当者に質問してみたところ「製品の特徴がわかりやすくなるよう、今回よりペットネームをメインの製品名とさせていただきました」とのこと。今後も、こういった“わかりやすい”名称を付けていく可能性があるようだ。

その名前からわかるとおり、「COTSUBU」は小型のイヤホン本体を持つことが最大の特徴となっている。実際に装着してみると、かなりのフィット感を持ち合わせていて、これだったら耳の小さい人であっても大きくはみ出すことなく、スマートに装着できるはず。また、片側3.5gという最軽量クラスの重量となっているため、装着感もかなり軽快なのもポイントだ。

また、小型軽量を最大の特徴としつつも、機能性や音質にいっさいの手抜かりがない点もagらしい。Bluetooth SoCにクアルコム「QCC3040」をチョイス。イヤホン単体で最大5時間というバッテリー性能を確保しつつ、aptXコーデックにも対応。アンテナ設計の改善とあわせて接続安定性を向上させたほか、通話性能もクオリティアップを押し進めている。また、充電ケースもかなり小型なうえ角のないデザインを採用しているため、女性のバッグはもちろん、シャツの胸ポケットでもすんなり収まってくれるスマートさの魅力のひとつだ。

もうひとつ、「COTSUBU」にはagブランドならではのこだわりを持ち合わせている。それは、素材の質感とカラーバリエーションだ。表面は、指紋が付きにくく手触りのよい塗装が採用され、手に持っていても滑りにくい特徴がある。また、イヤホン本体は充電ケースとともに落ち着いたカラーリングが採用され、シックで上品な雰囲気を持つ。価格以上の上質さだ。

とはいえ、もっとも重要なのはそのサウンドだろう。スマートフォンとaptXコーデックで接続してみると、フォーカスのよいクリア志向のサウンドを聴かせてくれた。特にボーカルのヌケがよく、男性も女性もはつらつとした伸びやかな歌声を楽しむことができる。それでいて、高域は鋭くなりすぎず、ハイハットも金管楽器もわずかなきらびやかさに抑えられていている。明瞭さと聴き心地のよさが見事にバランスした、サウンドとなっている。小柄なだけでなく、音も大いに魅力的な製品だ。今後のカラーバリエーション展開も、大いに期待したい。

イヤホン重量(片耳):3.5g
イヤホン操作:タッチセンサー
再生時間(イヤホン単体):最大5時間
再生時間(充電ケース併用):最大20時間
充電方法:充電ケース
急速充電対応:-
防水対応:○(イヤホンのみ、IPX4相当)
対応コーデック:SBC、AAC、aptX
アプリ対応:-
カラーバリエーション:クリームブラックサクラスノースカイストーンブラウニー

35. Noble Audio「FALCON 2」
音質面で着実な進化を遂げたNoble Audio完全ワイヤレスイヤホン第2弾モデル

カスタムIEMで定評のあるアメリカのイヤホン専業メーカー、Noble Audioの完全ワイヤレスイヤホン第2弾。ファーストモデル「FALCON」は、先にクラウドファンディングによる販売が行われ、目標金額を大幅に上回る1,400万円超の支援を達成し話題となった製品(その後一般販売された)だが、そのブラッシュアップ版となるのが「FALCON 2」だ。

一般的な完全ワイヤレスイヤホンとは明らかに異なる、ノズル部分の長いイヤーモニター風なイヤホン本体デザインはほぼ変わらず踏襲された。そのため、高い遮音性が確保されているいっぽうで、人によっては装着感が厳しい可能性もある。普段からSサイズのイヤーピースを使っている人など、耳穴の小さい人は購入前に装着感をチェックすることをおすすめする。そのいっぽうで、充電ケースは大きくリニューアルされ、ワイヤレス充電規格のQiに対応したほか、デザインもかなり上質な印象となった。

Bluetoothまわりでは、これまでのクアルコム製「QCC3020」に代わり、最新世代の「QCC3040」が搭載されている。これにより、コーデックはSBC、AAC、aptXに加えて、接続のよさと高音質を自動的に最適化してくれるaptX Adaptiveまで対応となった。また、左右イヤホンがそれぞれ直接スマートフォンからのデータ伝送を行う「TrueWireless Mirroring」も採用。イヤホン内部のアンテナ位置や角度を最適化するとともに内部アンテナ基板の配置も変更するなど、接続安定性に関してもワンステップの進化が押し進められている。

音質に関しては、「FALCON」のために開発された「Dual-Layered Carbon Driver(D.L.C. Driver)」ユニットを継承。組み合わせるアコースティックダンパーの選定やDSPによる調整など、Noble Audio製IEM(有線モデル)の周波数特性を基準としたチューニングによって、さらなる音質の向上を果たしているという。

ほかにも、IPX7の防水性能を確保しているほか、イヤホン単体で最大10時間の連続再生が可能。専用アプリによるボタンのカスタマイズ、イコライザー調整機能など、ユーザビリティに関しても「FALCON」ならではのよさがしっかり継承されている。

さて、肝心のサウンドはというと、見通しのよいていねいな抑揚表現など、初代に対して確実な進化が感じられる。おかげで、OLDCODEXのようなパワフルな演奏も、破綻することなくまとまりのよいバランスで聴かせてくれる。いっぽうで、Jポップとの相性のよさは相変わらず。MYTH & ROIDを聴くと、歌声が一段とリアルになり、分厚いギターと重なり合ってもお互いに潰し合うことなく、それぞれが印象的なバランスのよいサウンドを聴かせてくれる。坂本真綾「逆光」は、バイオリンの音が一段とクリアになったほか、生バンド演奏もリアルさが増している。坂本真綾の歌声は、ややハスキーな方向にシフトした。「FALCON」で感じた“音楽が楽しい”サウンドが、「FALCON 2」ではさらにクオリティを上げ、音色傾向としても聴きやすい音になった、といった印象だ。元々完成度の高い製品だったが、この進化は大いに歓迎したい。

イヤホン重量(片耳):5.5g
イヤホン操作:物理ボタン
再生時間(イヤホン単体):最大5時間
再生時間(充電ケース併用):最大25時間
充電方法:充電ケース
急速充電対応:○
防水対応:○(イヤホンのみ、IPX5相当)
対応コーデック:SBC、AAC、aptX、aptX Adaptive
アプリ対応:○
カラーバリエーション:ブラックホワイト

36. DEVIALET「Gemini」
フランスの超高級ワイヤレススピーカーブランドが手がけたノイキャン搭載オシャレTWS

超高級ワイヤレススピーカー「Phantom」シリーズで有名なDEVIALET(デビアレ)は、2007年創業のフランスのオーディオブランド。最先端、かつ独自の音響技術によって、コンパクトなサイズと高音質の両立を実現しているほか、フランスのメーカーだけあってどれもデザイン的に特徴ある製品となっている。そんなDEVIALETから、同ブランド初の完全ワイヤレスイヤホン「Gemini」が発売された。

こちら、平たくいえばノイズキャンセリング機能搭載の完全ワイヤレスイヤホンだが、DEVIALETらしい独自技術が投入されている。まず、ノイズキャンセリング機能はデジタルハイブリッド方式に独自技術を駆使したデジタルフィルターを融合。従来の技術では困難とされていた、より高い周波数までのノイズキャンセリング効果を実現しているという。また、Low/High/Plane(ノイズキャンセリング機能オフ)という3つの効果設定が用意されていて、シチュエーションに合わせて使いこなすことができる。外音取り込み機能に関しても、Low/Highの2段階で切り替えられるほか、遅延のない集音によって周囲の音を違和感なく聴くことができるとアピールする。

サウンドに関しては、こちらも独自技術となる「EAM(EAR ACTIVE MATCHING)」を搭載。1人ひとり異なる耳の中の音環境を最大1秒あたり10,000回のサイクルでモニタリングすることで、音楽再生を最適化しているという。また、イヤホン本体にはカスケード式減圧チャンバー「PBA(PRESSURE BALANCE ARCHITECTURE)」も採用されていて、これによりイヤホン内部の空気圧を最適化して、常に最高のパフォーマンスを発揮できるようにもなっているという。

バッテリー性能については、イヤホン単体で最大6時間、充電ケース併用で最大24時間の再生時間を確保。aptXコーデックの対応やIPX4の防滴性能も備わっている。

それでは、実際の製品を試してみる。スマートフォンに専用アプリをインストールしてから「Gemini」を接続した。ノイズキャンセリング機能はHighにするとかなり強い。しかしながら、効き過ぎで耳鳴りを感じてしまうほどではなく、ちょうどよい強さといえるかもしれない。また、外音取り込みに関しては空ノイズがやや大きめではあるものの、高域が強くなったりせず耳障りはよい。自然といい切れるほどではないが、とてもよりも聴きやすい外音取り込みだ。

肝心のサウンドはというと、クリアできらびやかなサウンド。特性のよい中高域で女性ボーカルはニュートラル、かつ存在感のある歌声を楽しませてくれる。高域は少々派手めで、ハイハットなどが際立っている。いっぽう、低域はかなりボリューミーで、良質な重低音サウンドと呼べる範疇のバランスとなっている。とはいえ、ドラムなどのリズムパートはキレがよく、かつグルーヴ感も良好と、ハイファイ系を意識したキャラクターもうかがえる。サウンドキャラクターは好みがわかれるところだが、機能面も含めてとても良質な製品だと断言しよう。

イヤホン重量(片耳):8g
イヤホン操作:タッチセンサー
再生時間(イヤホン単体):最大6時間
再生時間(充電ケース併用):最大30時間
充電方法:充電ケース
急速充電対応:-
防水対応:○(イヤホンのみ、IPX4相当)
対応コーデック:SBC、AAC、aptX
アプリ対応:○
カラーバリエーション:マットブラック

野村ケンジ

野村ケンジ

ヘッドホンなどのオーディオビジュアル系をメインに活躍するライター。TBSテレビ開運音楽堂にアドバイザーとして、レインボータウンFM「みケらじ!」にメインパーソナリティとしてレギュラー出演。音元出版主催のVGP(ビジュアルグランプリ)審査員も務める。

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