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高機能なハイエンドモデルから高コスパモデルまで!続々登場する最新機種も網羅!

《2020年》完全ワイヤレスイヤホン一気レビュー!音質や装着感をイヤホンのプロが徹底検証

22. ソニーモバイルコミュニケーションズ「Xperia Ear Duo」
音楽を聴きながら外の音も聴こえる“デュアルリスニング”に注目!

ソニーモバイルコミュニケーションズ「Xperia Ear Duo XEA20」 下掛けスタイルの独特の装着方法を採用するイヤホン本体。左右の接続は接続が切れにくいNFMIだ ファンデーションケースのような薄型の専用ケースを採用 ソニーモバイルコミュニケーションズ「Xperia Ear Duo XEA20」を装着したところ

“ソニー”ではなく“ソニーモバイルコミュニケーションズ”がリリースした製品だけに、基本的にはウェアラブルデバイスとして作り上げられている完全ワイヤレスイヤホンが、この「Xperia Ear Duo」だ。

なかでも、最大の特徴となっているのが“デュアルリスニング”と呼ばれる希有なスタイルだろう。

もともと「Xperia Ear Duo」は、バッテリーやアンテナを内蔵する本体部分にパイプで延長されたイヤホン部分が付属する、特殊なスタイルとなっていて、しかも、一般的な耳掛け型の装着ではなく、イヤホンからのパイプが耳の下側を通って本体と接続している下掛けスタイルのレイアウトが採用されている。なんとも個性的なスタイルで、装着に慣れるまでは多少時間を必要とするが、正しく装着を行えばしっかりとしたホールド感を保っているので、不便に思うことはない。逆に、耳掛け型でケーブルを配置するのが苦手という人や、カナル型イヤホンは耳が蒸れていやだという人は、こちらの方が好ましく思うかもしれない。

とはいえ、もっとも重要なのはイヤホン先端部分の形状だ。ドライバー自身は本体に内蔵されており、イヤホン部分はあくまでもパイプの先にイヤーチップを付けたような印象で、さらにこのイヤーチップがリング形状となっている。そのため、一般的なカナル型イヤホンとは異なり、装着した際でも耳穴全体をふさぐことなくまわりの音が聞こえるようになっている。音楽等を聴きつつも、環境音がしっかりと届いてくるのだ。ノイズキャンセリングヘッドホンのようなマイク集音による環境音の再現ではなく、実際にまわりの音が入ってくることで屋外でも安全に利用できる、というのがこの“デュアルリスニング”ならではの特徴だ。

実際、イヤホンを装着しつつリアルな環境音を聴くことができるこの構造に、なかなかの好印象を持った。当然といえば当然の話なのだが、まわりの音の“定位”も“音色”も自然なため、周辺の様子がしっかりと把握できるのだ。その分、音楽に集中して存分に楽しむことは一般的なカナル型イヤホンに劣るが、ボーカルやメイン楽器など中域の音がしっかりと届いてくれるため、BGM的に音楽を楽しむ以上の音量や存在感の強さを確保できている。音色も自然で、歌声ものびやか。特に女性ボーカルは、ほんの少し艶やかさの乗った美しい歌声を聴かせてくれる。まわりの騒音がここまで入り込んでくるのに、それに音楽が負けず、しっかりとした存在感を示してくれるのは嬉しいかぎりだ。

ちなみに、左右イヤホンの接続をNFMI (Near Field Magnetic Induction/近距離電磁誘導) を採用している恩恵か、はたまたアンテナの設計が巧みなのか、音切れも気にならないレベルに収まっていた。

加えて、Assistant for XperiaやSiri、LINEメッセージの音声入力&送信など各種アシスタント機能や、地図情報や天気などユーザーの状況に合わせた情報を伝えてくれるデイリーアシスト機能、ヘッドジェスチャーによる簡単操作が行えるスマート機能など、スマートフォンと連携した便利機能が多数盛り込まれているのは嬉しいかぎり。音楽もそれなりに楽しめる便利なウェアラブルデバイスが欲しい、という人にとっては、かなりの有力候補だろう。

イヤホン重量(片耳):約10.6g
再生時間:最大4時間
充電方法:専用ケース(内蔵バッテリーで3回分のフル充電が可能)
対応コーデック:SBC、AAC
カラーバリエーション:ブラック、ゴールド

23. AVIOT「TE-D01d」
ケース込みで100時間超の超ロングバッテリーを実現!クアルコム最新チップ搭載の高コスパモデル

AVIOT「TE-D01d」 ロゴをあしらった大型の物理ボタンを搭載し、操作性はかなり良好 専用ケースには約1800mAhという大容量バッテリーを搭載し、最大100時間以上の音楽再生が可能 AVIOT「TE-D01d」を装着したところ

ジャパンコーディネイトをうたう新進気鋭のイヤホンブランド、AVIOTの新モデル。昨年秋に発表されたミドルクラス「TE-D01a」と上級モデル「TE-D01b」の間に位置する価格設定が為されており、イヤホン本体のデザインは「TE-D01a」と同系統となるが、プッシュボタンや本体カラーの変更などによって、高級感あるデザインにまとめ上げられている。

いっぽう、本体内部には「TE-D01b」に採用されたクアルコム製チップ「QCC3026」を搭載しており、アンテナ配線や搭載位置の変更なども加えて音切れの少なさを実現したほか、イヤホン単体で最大9時間ものバッテリー駆動も実現している。ちなみに本体収納ケースは、先の2モデルと異なるものが付属しており、バッテリーも約1800mAhという大容量を搭載する。こちらを活用することで、なんと100時間以上!もの音楽再生が可能となっているというからすごい。さらに、このケースはモバイルバッテリーとして活用することも可能で、スマートフォンなどに充電を行うこともできる。

装着性に関しては、「TE-D01a」同様3サイズのイヤーチップを用意。加えて、S/L、2サイズのイヤーウイングも付属されていて、確かなフィット感が追求されている。なお、イヤーウイングについては各サイズ2色ずつ同梱されており、気分によって入れ替えるだけでなく、使っているものがくたびれてきたら交換することもできるのも同様だ。

操作系については、「TE-D01b」に対してさらなる進化が施され、音量調整なども可能となった。ドライバーは、グラフェン振動板を採用する6mm口径のダイナミック型ユニットを搭載。コーデックは、SBCのほかAACとaptXにも対応する。ボディカラーはブラック、ダークルージュ、ネイビーの3タイプが用意されている。

サウンドキャラクターとサウンドクオリティに関しては、「TE-D01b」に準ずるイメージ。伸びやかでいて刺さることのないクリアな印象の高域と、必要十分な量感を持つ低域によって、心地よい響きとノリのよさとが絶妙にバランスした良質なサウンドを聴かせてくれる。おかげで、男性ボーカル、女性ボーカルともに肉感のよい、リアリティの高い歌声を楽しませてくれる。

いっぽう、演奏の細部まで聴いていくと、チューニング面でさらなる進化もうかがえた。ピアノは倍音成分がそろっており、一段とピュアな音色に感じられるし、低域のフォーカス感が高まったおかげか、エレキベースの音色もグルーヴ感がしっかり伝わるしまった印象のサウンドに変化している。音質といい使い勝手といい、そして何よりも価格の面で(「QCC3026」を採用しつつこの価格を実現しているのは素晴らしい)、とても魅力的な製品といえるだろう。

イヤホン重量(片耳):約5g
再生時間:最大9時間
充電方法:専用ケース(内蔵バッテリーで10回以上のフル充電が可能)
対応コーデック:SBC/AAC/aptX
カラーバリエーション:ブラック、ダークルージュ、ネイビー

24. ゼンハイザー「MOMENTUM True Wireless」
MOMENTUMシリーズらしさ満点のサウンドに注目!

 ゼンハイザー「MOMENTUM True Wireless」 イヤホン本体は大柄な見た目とは裏腹に、耳に装着するとピッタリとハマってくれる 専用充電ケースはファブリック素材を使用 ゼンハイザー「MOMENTUM True Wireless」を装着したところ

ゼンハイザー初となる完全ワイヤレスイヤホンは、リスニング向けイヤホン&ヘッドホンとして人気の高いMOMENTUMシリーズに属するモデルとして誕生した。

ドライバーはダイナミック型を採用しているが、ユニット口径などの詳細は特に公表されず。そのいっぽうで、クアルコム製のBluetoothチップが組み合わせることで、音質はもとより、aptX Low Latencyコーデックに対応するなど低遅延再生へのこだわりもアピールされている。コーデックはこのほかにも、SBCやAAC、aptXに対応する。

フェイスプレート部分には軽いタッチでさまざまな操作ができるスイッチが付属されている。こちらにより、音楽と電話との切り替えや、外部音声取り込み機能のオンオフを手軽に行うことができる。また、スマートフォン向けに専用アプリも用意されていて、イコライザーによる音質調整も可能となっている。バッテリーの持続時間は約4時間で、専用ケースから充電も合わせて、合計で約12時間の使用が可能だ。

デザイン面でもいろいろと見所がある。一見するとやや大柄にも思えるイヤホン本体は、実はかなり良好なフィット感を持ち合わせていて、耳に装着するとピッタリとハマってくれる。少々の動きではこぼれ落ちることのない、確かな装着感を持ち合わせているのだ。屋外でポロリとこぼれ落ちる(そして紛失や故障が発生してしまう)心配のある完全ワイヤレスイヤホンだからこそ、確かな装着感を備えているのは嬉しいかぎり。屋外でも安心して、積極的に活用することができるだろう。もちろん、スピンドル加工が施されたフェイスプレートやファブリック生地を採用する専用ケースなど、デザイン的にもMOMENTUMシリーズならではのセンスのよさ、上質さを持ち合わせている。

音質に関しては、さすがゼンハイザーというべきか。重心が低くメリハリのよい、MOMENTUMシリーズらしさ満点のサウンドを聴かせてくれる。完全ワイヤレスイヤホンだからといってメリハリの弱さや解像感の不足などはいっさい感じず、ボーカルも演奏もなかなかに躍動的な表現だ。女性ボーカルが少しハスキーで大人っぽい印象なところや、ベースの音が低重心かつたっぷりとしたボリューム感を持つ点など、MOMENTUMヘッドホンを彷彿とされるサウンドキャラクターを持ち合わせている。音質といい装着感といい、デザイン的なまとまりといい、ファーストモデルとは思えない完成度の高さだ。

イヤホン重量(片耳):約13.2g
再生時間:最大4時間
充電方法:専用ケース(内蔵バッテリーで2回分のフル充電が可能)
対応コーデック:SBC/apt-X/apt-X LL/AAC
カラーバリエーション:ブラック

25. ソニー「WF-SP700N」
ノイキャン機能を備えたスポーツ向け完全ワイヤレスイヤホン

ソニー「WF-SP700N」 そら豆のような楕円形のユニークな形状を採用。IPX4相当の防滴にも対応する スライド式のフタで片手で簡単にあけられる専用ケース ソニー「WF-SP700N」を装着したところ

「WF-1000X」に続く、ソニーとして2製品目となる完全ワイヤレスイヤホン。同社が得意とするノイズキャンセリング機能を搭載しつつも、スポーツモデルに仕立てられた、キャラクターの明確な製品にまとめ上げられている。

まず、本体の重量は約7.6gと「WF-1000X」に対してはほんのわずかに重くなってはいるものの、それでもかなり軽量な部類に属する。また、IPX4相当の防滴対応や「アークサポーター」と呼ばれるフィンも付属され、スポーツやフィットネス時に大いに活用できる仕様が盛り込まれている。

もうひとつ、「WF-SP700N」の特徴となっているのがノイズキャンセリング機能だ。しかも、単なるノイズキャンセリングではなく、環境音や人の声を取り込む「アンビエントサウンドモード」が搭載されており、ランニングなどのスポーツを行っている際にも安全な運用が可能となっている。また、コントロールはスマートフォン用のアプリから行えるようになっており、ノイズキャンセリング、外音取り込み(ボイスモード)、外音取り込み(ノーマルモード)の3タイプを設定できるため、環境に応じたモードを設定することができる。このため、スポーツ時だけでなく、通勤時など普段使いでも大いに活用が可能だ。ちなみに、スマートフォン用のアプリには、イコライザー機能も搭載されており、自分好みの音色傾向にカスタマイズすることもできる。

バッテリー持続時間は、約3時間と十分な内容を持ち合わせている。加えて、2回のフル充電ができる専用ケースが付属されており、どちらのフル充電しておけばトータル9時間ほどの利用が可能だ。また、NFCにも対応しており、スマートフォンを近づけるだけで手軽にペアリングを行うことができる。いろいろな記事で書かせてもらっているが、やはりNFC対応は便利だ。また、対応コーデックはSBCとAACの2つのみとなっている。先の「WF-1000X」同様、LDACへの対応は見送られたようだ。

さて、肝心のサウンドはというと、伸びやかなイメージのサウンド。メリハリのよい中高域と力強いドラム&ベースによって、ノリのよいサウンドが楽しめる。ボーカルはほんのちょっぴりドライで、どちらかというと爽やかなイメージの歌声だ。「WF-1000X」に対して音質的には劣るものの、価格差を考えると悪くないレベルだし、逆にこちらの方が好み、という人もいるはず。外音取り込み機能や装着感の確かさも含めて、なかなか使い勝手のよい製品だ。

イヤホン重量(片耳):約7.6g
再生時間:最大3時間(ノイズキャンセリングON/OFF)
充電方法:専用ケース(内蔵バッテリーで2回分のフル充電が可能)
対応コーデック:SBC、AAC
カラーバリエーション:ホワイト、ブラック、イエロー、ピンク

26. ソニー「WF-1000X」
ノイキャン機能を備えたソニー初の完全ワイヤレスイヤホン

ソニー「WF-1000X」 ループ状のパーツ部分にアンテナを内蔵 専用ケースで充電を行う。なお、ケース底面にはワンタッチペアリング用のNFCを搭載 ソニー「WF-1000X」を装着したところ

ソニー初の完全ワイヤレスイヤホンは、同社が得意とするノイズキャンセリング機能を搭載。iOSデバイス/Androidスマートフォン用の専用アプリ「Headphones Connect」に対応することで、止まっている時/歩いている時/走っている時/乗り物に乗っている時の4パターンの行動を感知して、ノイズキャンセリングや外音取り込みモードを自動切り替えさせることができる。また、こちらのアプリにはイコライザーによる音質調整も装備されており、好みの音色傾向に調整することも可能だ。また、本体左右にそれぞれ1つずつのハードキーが配置されており、こちらからは再生や通話のコントロール、ノイズキャンセリング機能のオンオフなどをコントロールすることができる。

いっぽう、6mm口径のドライバーユニットの採用などにより、本体サイズはかなり軽量コンパクトなサイズにまとめ上げられている。トリプルコンフォートイヤーピース(2種類のシリコンゴムにシリコンフォーム素材を組み合わせた独自のイヤーピース)とあわせて、装着感は良好だ。それでいて、3時間の連続再生を確保しているのは優秀といえる。加えて、NFC対応の専用キャリングが付属されており、こちらから2回分の充電が行えるため、バッテリー切れに煩わされることはほとんどないはずだ。対応コーデックは、SBCおよびAACとなっている。

いやぁ、NFCってイヤホン接続が超簡単でホント便利!と思いつつ、ウォークマン「WM1Z」を使って試聴をはじめる。奇をてらわない、王道のサウンドが好印象。歌声はほんのちょっとだけハスキーよりだが音色的にはいたってニュートラルで、男性ボーカルも女性ボーカルもいつもと変わらない歌声を楽しむことができる。また、ボーカルがしっかりと前に出てきて、バンドがその周りを囲んで演奏しているかのような、聴かせどころを心得た帯域バランスを持ち合わせているので、とても聴きやすい。ウォークマンとの接続だとコーデックはSBCのみとなるが、解像感の不足はそれほど気にならず、かえって丁寧な抑揚表現に好ましさを感じた。

こちらの製品、悪環境での音切れが指摘されていたが、先日のファームウェア・アップデートで対応しており、試聴時に気になることはなかった。音質、機能性ともに、完成度の高い製品だ。

イヤホン重量(片耳):約6.8g
再生時間:最大3時間(NC ON)
充電方法:専用ケース(内蔵バッテリーで2回分の充電が可能)
対応コーデック:SBC、AAC
カラーバリエーション:シャンパンゴールド、ブラック、ブライトオレンジ

27. NUARL「N6 Pro」「N6」
新開発のダイナミック型ドライバーを搭載し、2種類の音色から選べる完全ワイヤレスイヤホン

NUARL「N6 Pro」 専用ケースは従来モデルよりやや大きくなり、バッテリー容量が大きく増えている NUARL「N6 Pro」を装着したところ NUARL「N6」 専用ケースフロントには、バッテリー残量を確認できるLEDも搭載する NUARL「N6」を装着したところ

良質なサウンドと特徴的でスマートなデザインを持ち、コストパフォーマンスのよさにも注目が集まるNUARL(ヌアール)から、完全ワイヤレスイヤホンの新モデル「N6 Pro」「N6」が登場する。

こちら、幅広いラインアップを有するNUARL製完全ワイヤレスイヤホンの中でも、フラッグシップとアッパークラスに位置する製品。その最大の特徴といえるのが、新開発のオリジナル「N6」ダイナミック型ドライバーの搭載だ。こちら、ドライバーユニット自身を銅製の金属筐体に収めモジュール化することで、有線イヤホンと変わらない音質追求を実現。同時に、製品組み上げ時のクオリティのばらつき抑制にも寄与しているという。そのほかにも、筐体の新設計や3ボタンの採用など、音質はもとより装着性や操作性など、あらゆるポイントからの改良が押し進められている。

また、外観を見ると「N6 Pro」「N6」両者の違いはカラーバリエーション程度にとどまっているように感じられる。新開発のイヤホン本体はまったく同じ形状で、「N6 Pro」は表面にマット仕上げが、「N6」は表面に光沢仕上げが施されている。これに「N6 Pro」はゴールド、「N6」はシルバーのメッキパーツが組み合わされている。

実際に装着してみたところ、フィット感はかなり良好になっている。外観から、イヤホン本体が結構大きくなったように感じたのだが、装着してみるとそれほど重さを感じない。良好な重量バランスを実現しているのだろう。また、小型のイヤーフィンも従来モデルに比べて格段に効果的となり、耳からのこぼれ落ちを巧みに防止してくれそうだ。

3ボタンに関しては、使いやすさは格別のものといえる。操作には多少の慣れが必要ではあるが、誤操作の可能性がとても低い、確実な操作ができるのはありがたいかぎりだ。

クアルコム社製SoC「QCC3020」搭載と大型バッテリーの採用によって、最大11時間という連続再生時間を実現している点もうれしいかぎり。専用ケースと合わせて最大55時間もの再生が可能というので、これは大きな魅力といっていいだろう。ちなみにこちらの「QCC3020」は、ファームウェアアップデート機能をサポートした最新世代となっていて、NUARLアプリからアップデートが行えるようになっている。これもありがたい。

両者最大の違いといえば、搭載されているドライバーだ。どちらも「N6」、6mm口径のダイナミック型ドライバーを採用しているのには変わらないが、「N6 Pro」にはPEEK(Polyetheretherketone)と単層カーボンナノチューブ(Single Wall Carbon Nanotube)という2枚の振動膜を真空蒸着したSWCNT複合振動板を採用する「NUARL DRIVER [N6]v5」が搭載され、高い分解能を生かしたフラットなサウンドに仕立てられているという。もうひとつの「N6」には、PEEK振動膜の表面にTPEとチタンを被膜蒸着したPTT多層被膜振動板を採用した「NUARL DRIVER [N6]v3」を搭載。こちらは、キレのあるパワフルな音色を生かし、幅広いジャンルにマッチする現代風の味付けに仕立てた、という。

実際、両者のサウンドは似て非なるサウンドキャラクター、といえるものだった。ウォークマン「ZX300」にaptXコーデックで接続し試聴してみたところ、まず「N6 Pro」は、完全ワイヤレスイヤホンであることを忘れてしまいそうな解像感の高さを持ち合わせており、煌びやかな音色の高音によって、鮮度感の高いサウンドを楽しむことができた。ピアノの音はピンとハリがあって、かつ伸びやか。女性ボーカルは、ややハスキーなイメージながらも、生き生きとした歌声となっている。いっぽう、低域は必要十分な量感、といった印象だが、フォーカス感がよいため中域をマスクすることもなく、グルーヴ感の高いサウンドが実現できている。分解能が高いためか、音の広がり感も良好だ。なかなかに良質なサウンドといえる。アコースティック楽器がメインの楽曲をよく聴く人には、魅力的な選択肢といえるだろう。

いっぽうの「N6」は、ボーカルなどの中域がしっかりと押し出されている、距離感の近いサウンドが特徴だ。一歩前に出てきてくれたかのような、距離感の近さによって、メリハリのしっかりした、生き生きとした歌声を楽しむことができる。基本的には、クラシックからJポップ、EDMまで、幅広いジャンルの楽曲をそつなくこなす優秀さを持ち合わせているが、特におすすめなのはボーカル系だ。

ぜひ、両者のサウンドを聴き比べて、好みの1台を選び出して欲しい。

■N6 Pro
イヤホン重量(片耳):約7g
再生時間:最大11時間
充電方法:専用ケース(内蔵バッテリーで5回のフル充電が可能)
対応コーデック:SBC/AAC/aptX
カラーバリエーション:マットブラック、レッドカッパー

■N6
イヤホン重量(片耳):約7g
再生時間:最大11時間
充電方法:専用ケース(内蔵バッテリーで5回のフル充電が可能)
対応コーデック:SBC/AAC/aptX
カラーバリエーション:グロスブラックとシルバー

28. NUARL「NT01AX」
クアルコムの最新チップを搭載したNUARLの旗艦モデル

NUARL「NT01AX」 イヤホン単体で最大約10時間のロングバッテリーを実現。付属の専用ケースからは約2.5回の満充電が行える NUARL「NT01AX」を装着したところ

この冬に発売されるNUARL製完全ワイヤレスイヤホン群のなかで、最上級モデルに位置付けされているのが「NT01AX」だ。こちら、最大の特徴となっているのが米クアルコム製の最新Bluetoothチップ「QCC3026」を採用していること。これにより、通信性能の向上とバッテリー持続時間の長時間化を実現。特にバッテリー持続時間は、最大で約10時間ものロングライフを実現しているという。付属の専用ケースからは約2.5回の満充電が行えるため、こちらを合わせるとトータル35時間ほどになる。これはとても嬉しい数字だ。

いっぽう、接続性に関しては、「TWS Plus(TrueWireless Stereo Plus)」に対応。最新スマートフォンに搭載されているモバイルSoC「Snapdragon 845」と組み合わせることで、接続性維持のためのウイークポイントとなっている“頭部間の通信”がなくなるため、安定性が飛躍的向上するとアピールしている。しかしながら、「Snapdragon 845」は搭載していても「TWS Plus」対応をうたうスマートフォンやアプリはない(ソフト等の対応が必要となるようだ)ため、今後の登場が待たれるところだ。

ドライバーはグラフェンコートが施された振動板を持つ6mm口径のダイナミック型ユニットを搭載。これに、歪みを押さえてクリアなサウンドを作り上げるHDSS技術を組み合わせることで、NUARLならではの良質なサウンドが追求されている。

コーデックはAACとSBC、aptXに対応。これに加えて、「Qualcomm Kalimba DSP」による音質チューニングが施されていて、コーデックの違いによる音質低下を意識しない良好なサウンドが作り上げられているとアピールする。

操作系はしっかりしている。親機子機のない「QCC3026」ゆえに、左右ともに1回押しが再生/一時停止となるが、右2回押しが音量小、右3回押しが音量大、左2回押しが曲送り、左3回送りが曲戻しというように、これまでのNUARL製完全ワイヤレスイヤホンと共通性のある操作を実現している。また、マイクを活用して音声入力、音声アシスタントの操作などにも利用できる。このあたり、操作系についてのきめ細やかな配慮は、さすがNUARLといえる部分だ。

さて、肝心のサウンドはというと、標準モデル「NT01B」とは別物と行っていい上質なサウンドを持ち合わせている。見通しのよい、広がり感のあるサウンドが存分に楽しめるのだ。特に高域、ピアノや女性ボーカルがとてもクリアで、心地よい音色を聴かせてくれる。ヴァイオリンの音はややライトな印象ながら、とても美しい響きがある。低域のフォーカスの高さ、ややハリのある高域の表現など、NUARLらしさは共通項があるものの、基本的な“クオリティ”が大きくグレードアップしている。この音を一度聴いてしまうと、もう下位モデルには戻れない、そんな気になってしまうほどに格別なサウンドだ。

この音のよさは、どうやら「QCC3026」チップの恩恵が大きいのかもしれない。同じ「QCC3026」を採用するAVIOT「TE-D01b」でも感じたのだが、どちらも同じブランド内で「QCC3026」チップ搭載モデルが格段に良質なサウンドを持っている。実は、「QCC3026」チップのなかにはDSP機能なども統合されており、ある程度音質についてコントロールできるという話を聞く。もしかすると、機能性向上にともない、こういった音質パートにも改善が図られているのかもしれない。バッテリー持続時間といい安定した接続性といい、これからの完全ワイヤレスイヤホンは「QCC3026」チップの搭載がひとつのキーポイントとなってくるのかもしれない。

いずれにしろ、「NT01AX」はこれまでのNUARL製品らしさを保ちつつ、最新チップによってさらなる進化を果たした、とても優秀な製品であることは断言しよう。

イヤホン重量(片耳):約5g
再生時間:最大10時間(SBC/AAC再生時)/最大7時間(aptX再生時)
充電方法:専用ケース(内蔵バッテリーで2.5回分のフル充電が可能)
対応コーデック:SBC、AAC、aptX
カラーバリエーション:ブラックゴールド

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